マルウェア最新情報

どんなマルウェアが流行ってるの?
どんなマルウェアが流行っているのか、Googleでの検索キーワード・検索回数を「Google
トレンド」で調査しました。
流行のマルウェアランキングをご紹介します。(過去12ヵ月間)
流行のマルウェア
グラフ上の最高値を100として検索回数を相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。

マルウェア 「Emotet」
Emotetとは
Emotet(エモテット)は、2019年11月末ごろにメディアで取り上げられ一気に知名度を上げたマルウェアです。その特徴は、普段やり取りしている顧客や関係者の名前やメールアドレスで攻撃メールを送ってくる悪質な手口です。
受信者が誤って、なりすましメールの添付ファイルを開くことで感染します。Emotetは、感染者の情報を盗み、そのデバイスを踏み台として他者への大規模なばらまきに発展する可能性もあるほか、他のウイルスへの感染に悪用されることもあります。
日本での被害事例
2022年3月頃、Emotetの被害が最も拡大しました。JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)によればEmotetに感染したことで盗まれた日本のドメイン(.jp)のメールアドレスはおよそ8,000件とのことです。これは、2020年にEmotetが流行した時と比べて、約5倍の被害件数であることが確認されています。
出典:JPCERT/CC マルウェアEmotetの感染再拡大に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2022/at220006.html
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)からもEmotetの感染手口が公開されています。
Emotetのメールであるかを判別することは困難になっていますが、不審なメールだと思ったら、社内のCSIRTや情報システム部門に問い合わせるようにしましょう。
出典:IPA「Emotet(エモテット)」と呼ばれるウイルスへの感染を狙うメールについて
https://www.ipa.go.jp/security/announce/20191202.html

ランサムウェア 「LockBit」
LockBitとは
LockBitは、2019年に初めて確認されたランサムウェアであり、感染するとPCのファイルを暗号化し、復号のための身代金を要求する悪意あるソフトウェアです。Splunk社の調査によれば、主要10種類のランサムウェアの中で暗号化速度が最速であることが判明しました。2022年7月頃にはLockBit 3.0へアップデートされ、今後さらなる被害拡大が予想されます。
出典:Splunk ランサムウェアは45分未満で約10万ファイルを暗号化する
https://www.splunk.com/ja_jp/blog/security/ransomware-encrypts-nearly-100-000-files-in-under-45-minutes.html
日本での被害事例
2021年11月頃、徳島県のある医療機関の電子カルテがランサムウェアLockBitによって暗号化され、2ヶ月ほど診療を制限する事態に陥りました。その際、電子カルテと会計システムなどが連動していたため、診療報酬の算出や請求業務も行えず、収入を得られない状態となってしまいました。最終的に、電子カルテの復旧に2ヶ月を要しています。このように、LockBitにより甚大な被害を受けている企業・団体が最近増えています。
確認されているLockBitの被害
■2021年8月
大手コンサルティング企業が感染。暗号化したファイルを闇サイトで公開すると脅されていた。
■2023年1月
大手機材メーカーが感染。個人情報を含む顧客情報と、従業員情報が漏洩した可能性がある。

ランサムウェア 「DarkSide」
DarkSideとは
DarkSideは、ランサムウェアを使用して被害者を恐喝しながら身代金を奪うハッカー集団の名前で、グループ名だけではなく、彼らの使用するランサムウェア自体の名前もDarkSideと呼びます。
DarkSideは、2021年5月頃、海外のあるインフラ企業を感染させたことで話題になりました。この攻撃によって、ガソリン、ディーゼル、家庭用暖房油の供給が止まり、現地住民の生活に大きな影響を及ぼしました。
また、感染スピードが早く、システムにマルウェアが侵入してから短時間で100GB以上のデータが盗まれたことも確認されており、「情報をインターネットに公開する」などと脅し、身代金を要求するのが特徴です。
日本での被害事例
大手電機メーカーの子会社でも、感染被害が確認されています。
海外拠点のサーバーが攻撃を受け、740GB以上のデータを盗み出したとDarkSideが主張していました。また、DarkSideは、被害企業に金銭を要求していましたが、企業側は応じなかったと報道されています。
