サイバー攻撃

不正アクセスによる情報漏洩が増加
~2026年6月の気になるセキュリティニュース~

Written by WizLANSCOPE編集部

不正アクセスによる情報漏洩が増加<br>~2026年6月の気になるセキュリティニュース~

2026年6月は、5月に引き続き不正アクセスや端末の紛失など、さまざまなセキュリティインシデントが公表されました。

なかでも、不正アクセスによるクレジットカード情報や個人情報の漏洩が多数報告されました。

本記事では、6月に報道された主なインシデントや政府・業界の動向を整理し、今後のセキュリティ対策に役立つ情報を提供します。

  

    

     
    

    

     

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主なセキュリティインシデント

不正アクセスによる個人情報漏洩

食品メーカー:不正アクセスによるクレジットカード情報の漏洩

2026年6月、ある食品メーカーが運営するオンラインショップにおいて、第三者による不正アクセスが発生し、顧客約7万件分の個人情報および約6,000件分のクレジットカード情報が漏洩した可能性があることが判明されました。

不正アクセスは、システムの一部の脆弱性を悪用して行われ、ペイメントアプリケーションが改ざんされていたことが原因とされています。

漏洩した可能性がある情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日のほか、クレジットカード名義人名、カード番号、有効期限、セキュリティコードが含まれています。

また、一部のクレジットカードについては、不正利用の可能性も確認されています。

同社では、クレジットカード決済を停止するとともに、第三者調査機関による調査や関係機関への報告を実施しました。

あわせて、対象者への個別連絡やカード会社と連携した不正利用の監視、システムのセキュリティ強化および監視体制の強化を進めています。 [1]

通信事業者:メールシステムへの不正アクセスによる関連情報の漏洩の可能性

2026年6月17日、ある通信事業者がISP事業者向けに提供するメールシステムにおいて、第三者による不正アクセスが発生しました。

原因は、システムで利用していた第三者製ソフトウェアの脆弱性を悪用されたことによるものとされています。

調査の結果、一部のISP事業者のメールサービス利用者について、メールアドレスやパスワードなどのメール関連情報が最大1,422万件漏洩した可能性があることが判明しました。

その後の追加調査では、約1,223万件のメールアドレスと、そのうち約761万件のパスワードの漏洩が確認されています。

当該企業では、システム改修やEDRの導入、不正アクセスの痕跡を確認するフォレンジック調査を実施しました。

今後は、AIを活用した設計・プログラムの分析による脆弱性の点検に加え、よりセキュリティ強度の高い通信規格への移行を進めることで、再発防止と安全性の向上に取り組むとしています。 [2]

保険会社:不正アクセスによる約440万人の個人情報漏洩の可能性

2026年6月25日、ある保険会社において、第三者によるシステムへの不正アクセスが発生し、約440万人の契約者情報が漏洩した可能性があることが判明しました。

漏洩した可能性がある情報には、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、証券番号、契約内容などが含まれます。また、そのうち、約22万人分の保険料振替口座情報が流出したことが確認されています。

調査の結果、不正アクセスは外部委託先を経由して行われたことが判明しました。

同社では、影響を受ける契約者への個別通知を進めるとともに、関係機関への報告や専用窓口の設置、不正アクセス対策および監視体制の強化など、再発防止に向けた取り組みを進めています。 [3]

外部記録媒体・端末に関連するインシデント

政府機関:マルウェア感染したUSBメモリーを約1年にわたり使用

2026年6月26日、ある政府機関は、2025年2月に業務で使用していたUSBメモリーから、中国系ハッカー集団が使用したとされるマルウェアが検出されたことを公表しました。

マルウェア感染が確認されたUSBメモリーは6本で、50台以上のパソコンに接続されていたことが判明しています。これらのUSBメモリーは2024年1月に災害対応の過程で入手したもので、約1年間、マルウェアに気付かないまま使用されていました。

一方、現時点では情報漏洩やシステムへの影響は確認されていません。

調査の結果、利用前に実施が義務付けられているウイルスチェックが行われていなかったことが原因とされています。 [4]

電力会社:外部記録媒体の紛失による情報漏洩の可能性

2026年6月、ある電力会社において、一部システムのバックアップに使用していた外部記憶媒体が保管場所から所在不明となる事案が発生しました。

調査の結果、当該媒体には個人約1,003万件、法人など約351万件、合計約1,354万件分の顧客情報が保存されていたことが判明しました。対象情報には、需要者名、供給場所住所、使用電力量データ、電話番号、小売電気事業者名などが含まれています。

現時点では情報流出は確認されていないものの、外部への漏洩の可能性は否定できないとしています。同社では、事実関係や原因の調査を継続するとともに、経済産業省への報告を実施しました。また、対象者への個別通知を2026年8月上旬以降順次開始する予定としており、再発防止策の徹底に取り組んでいます。 [5]

教育機関:PCの紛失による情報漏洩の可能性

2026年6月、ある教育機関において、教員が個人情報を保存したPCを紛失し、個人情報が漏洩した可能性があることが判明しました。

漏洩の可能性がある情報には、メールアドレスや氏名など418件分(学生47名分を含む)の情報のほか、メール本文および添付ファイルが含まれています。

当該PCは県外出張中に列車内へ置き忘れたもので、現時点でも発見されていません。

また、PCにはログインパスワードが設定されておらず、第三者が起動・操作できる状態でした。一方、紛失判明後には関連アカウントのパスワード変更を実施しており、現時点では不審なアクセスなどの二次被害は確認されていません。

当該教育機関では、対象者への個別連絡や関係機関への報告を行うとともに、情報セキュリティ管理体制の強化と再発防止に取り組むとしています。 [6]

その他

宿泊施設向けシステム提供会社:クラウドストレージの設定不備による本人確認書類の漏洩

2026年5月、ある宿泊施設向けシステム提供会社において、電子チェックインシステムで利用するクラウドストレージ(Amazon S3)の設定不備により、本人確認書類画像などが第三者からアクセス可能な状態となっていたことが判明しました。

対象は、2020年1月から2026年5月までに取得した約106万人分の顔写真、署名画像、パスポートや運転免許証などの本人確認書類画像です。

当該企業では、本事案の判明後、直ちに外部からのアクセスを遮断するとともに、第三者機関によるフォレンジック調査を実施しました。現時点では、情報の不正取得や悪用などの二次被害は確認されていません。

また、個人情報保護委員会への報告を行うとともに、対象者への個別通知を進めています。あわせて、クラウドストレージのアクセス権限設定の見直しや監視体制の強化、システム構成の改善など、再発防止に向けたセキュリティ対策を進めています。 [7]

人材サービス企業:元従業員による情報持ち出しの可能性

2026年6月、ある人材サービス企業において、元従業員による社内情報の不正取得および社外への持ち出しの可能性が判明しました。

調査の結果、元従業員に付与されていたアクセス権限によるアクセス履歴やダウンロード履歴が確認されましたが、本人は情報の持ち出しを否認しています。

漏洩した可能性がある情報には、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先情報、銀行口座情報、緊急連絡先、面談記録などが含まれます。

当該企業では、対象者への個別通知を行うとともに、個人情報保護委員会への報告や関係機関との連携を実施しています。現時点では情報の不正利用は確認されていませんが、社内規程の見直しや情報管理体制の強化など、再発防止策を進めています。 [8]

業界動向

フィッシング対策協議会:「利用者向けフィッシング詐欺対策ガイドライン 2026年度版」を公開

2026年6月、フィッシング対策協議会は「利用者向けフィッシング詐欺対策ガイドライン 2026年度版」を公開しました。

本ガイドラインは、フィッシングによる被害を受ける可能性のあるサービス利用者を対象に、近年のフィッシング事例を踏まえ、被害防止に有効な対策を整理・提示することを目的としています。

2026年版では、「技術で守る」「入力に注意」「迷ったら相談」の3点が重点項目として新たに定められました。多要素認証やパスキーの活用などの技術的対策に加え、不審に感じた場合はひとりで抱え込まず、家族や関係機関へ相談することの重要性が示されています。 [9]

経済産業省: 「サイバーセキュリティ・サービス事業者の信頼性強化に向けた制度構築に向けた中間とりまとめ」を発表

2026年6月、経済産業省は「サイバーセキュリティ・サービス事業者の信頼性強化に向けた制度構築に向けた中間とりまとめ」を発表しました。

本取りまとめでは、技術・品質の基準に基づき登録を行っている「情報セキュリティサービス審査登録制度」の登録事業者を対象に、適切な運営体制を確認する新たな認定制度の創設が検討されています。

新たな認定制度では、サイバーセキュリティ・サービス事業者の体制や管理措置に起因するインシデントの防止を目的として、情報の適切な取扱いや組織的な管理体制などを評価し、高度な運営体制を備えた事業者を認定することが想定されています。 [10]

最後に

本記事では、2026年6月に報道されたセキュリティニュースの中から、特に注目すべき情報を厳選して掲載しています。まとめてご紹介することで、読者の皆さまがセキュリティへの関心を高め、日々の対策に役立てていただく一助となれば幸いです。

  

    

     
    

    

     

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