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チャットボットの作り方とは?QnA Makerの作成方法もご紹介

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業務効率化やマーケティング精度の向上、顧客満足度の向上など、さまざまな目的でチャットボットを業務に導入する企業が増えてきました。しかし、チャットボットはどのようなもので、どういった使い道があるのか、メリットは何かなど、詳しくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、チャットボットの基礎知識や種類、メリットや導入時の注意点に加えて、Microsoft社が提供している「QnA Maker」によるチャットボットの作り方の手順について解説します。

チャットボットとは

 チャットボットとは英語の「チャット(Chat)」と「ボット(bot)」を組み合わせた造語で、あらかじめプログラムしておいた返答に基づいて自動的に会話を展開するプログラムのことです。私たちがWebサイトを訪れたとき、「ご質問がございましたらどうぞ」などと書かれている小さなウインドウを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。このプログラムがチャットボットです。
チャットボットに質問を入力して送信すると、送信された内容を分析し、チャットボットに蓄積されている回答の中から最も近いものを自動的に返答します。プログラムなので質問を受けて返答するまでの流れに人間は介在しません。
チャットボットには大きく分けて「AI型」と「シナリオ型」の2種類が存在しています。AI型は「AI(人工知能)」を活用したチャットボットで、利用者との会話を学習して自動的に最適な回答を学んでいくのが特徴です。
シナリオ型は「ルールベース型」とも呼ばれています。チャットボットが利用者に対していくつかの選択肢を提示して、利用者がその選択肢のなかから一番近い質問内容を選び、チャットボットはその質問内容に応じてさらに別の選択肢を提示するという流れで利用します。
チャットボットについてさらに詳しく知りたい方は、下記のページもご参照ください。


チャットボット導入のメリット

チャットボットの導入にはさまざまなメリットがあります。ここでは、チャットボット導入のメリットについて解説します。


問い合わせ業務の効率化

チャットボットが高い効果を発揮する場面のひとつは、問い合わせ業務です。チャットボットが導入されていない現場においては、カスタマーサポートを配置してお客様からの疑問や質問などに従業員が直接対応する必要があります。しかし、チャットボットを導入すれば単純な問い合わせへの対応をチャットボットに一任できるため、カスタマーサポートの省力化を図れます。浮いた時間は他の重要な業務に割り当てることができるため、生産性が高まり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。


早朝や深夜でも対応できる

24時間365日即時対応が可能なことも、チャットボットの強みです。土日祝など通常であれば従業員が対応できない月日や時間帯であっても、チャットボットならいつでも対応が可能です。Webサイトは誰もが24時間365日閲覧できるため、どのタイミングで問い合わせたい疑問が生じるかは誰にもわかりません。しかし、深夜でも早朝であっても、チャットボットであればすぐに疑問に回答することが叶います。


社内業務の円滑化

お客様向けだけではなく、従業員に向けてチャットボットを運用するのも良いでしょう。情シスや総務など問い合わせが必要な部署のメンバーが不在の日でも、事前によくある回答を用意しておけばいつでも疑問を解消できます。休日に電話などで呼び出して疑問点を尋ねる必要がなくなり、職場環境の改善にもつながるでしょう。
その他にも「顧客との接点を増やせる」「マーケティングツールとしても活用できる」など、チャットボットを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。


チャットボットを導入する際の注意点

チャットボットを導入するときは、次のポイントに注意して自社に合ったものを選定する必要があります。


AI型かシナリオ型かはっきりさせる

冒頭でもお伝えしたように、チャットボットにはAI型とシナリオ型の2種類が存在します。両者は大きく性質が異なるため、自社がチャットボットを導入する目的に合わせて適切なほうを選択する必要があるでしょう。
AI型は人工知能を活用してプログラム自身が理想的な回答を学習していく形式です。回答がパターン化されにくく複雑性の高い質問にも回答できるため、回答の難易度が高い内容をプログラムに組み込みたい場合はAI型がおすすめです。
一方、シナリオ型は事前に用意したいくつかの回答を利用者側に選んでもらう形で解答を行います。比較的回答内容が単純でパターン化できる場合は、シナリオ型を利用するのがおすすめです。


チャットボットは学習データやシナリオの用意が必要

チャットボットを導入するためには、AI型であれば回答を学習するためのデータを、シナリオ型であればシナリオをそれぞれ用意しなければなりません。チャットボットを導入する際は、これらのデータやシナリオをどのように用意するのかも考慮しておくことが大切です。
自社で学習用のデータを用意するのが難しいようであれば、専門の業者に委託して作成してもらうのがいいでしょう。その場合は、作成にかかる期間やコストなども把握しておくことが求められます。
シナリオであっても同様です。自社で作成が難しい場合は、委託できる外部業者を探さなければならない可能性があります。


サポート体制は万全か

チャットボットを導入した後のサポート体制が万全に整えられているかどうかも、確認しておきたいポイントのひとつです。
チャットボットを導入しただけでは、その後のメンテナンスがままなりません。AI型の場合は回答の精度を向上させるために継続的に改善を続けていく必要があり、シナリオ型もよく聞かれる質問の内容を随時追加したり、シナリオの内容を見直したりする必要が生じます。
既存のチャットボットのプログラムではうまく回答できなかった質問への対応や、回答できなかった理由の分析などを行うためには、手間と時間がかかります。そのため、質問の抽出や分析・改善を手軽に行えるような機能が搭載されているチャットボットを選ぶと、メンテナンスもスムーズに進みやすくなるでしょう。
もしチャットボットに触れるのが初めてで運用が難しいようであれば、専門的にチャットボットの利用をサポートしてくれる支援サービスの利用を検討することも視野に入れることをおすすめします。


手軽に導入できるかどうか

チャットボットを選ぶ際は、導入の手軽さにも注目しましょう。AIの学習データの登録やシナリオの作成の難易度が高く最初に設定に時間がかかってしまうと、運用が始まるまでに長い時間がかかってしまいます。可能であれば、AIの知識がそれほど豊富ではない従業員でも簡単に運用できるようなハードルの低いチャットボットを選ぶと良いでしょう。
導入前にデモ環境を利用できる場合もあるため、導入を決定する前に試してみて、扱いやすさを確かめることも大切です。


外部ツールとの連携機能

チャットボットの用途にもよりますが、外部ツールとの連携機能が豊富なものを選ぶと、活用の範囲が広がります。一方、連携機能が十分に用意されていないチャットボットは、社内の既存システムと連携できず、十分に機能を活用しきれない可能性もあるため注意が必要です。
チャットボットを活用しているうちに、最初の用途とは異なる用途でも活用範囲を広げていく方向性に代わっていく場合もあります。そのタイミングでスムーズに新たな展開を始められるように、事前に連携機能の内容については確認しておきましょう。
チャットボットのメリットや注意点については、こちらの記事もご覧ください。


チャットボットを作る前の準備

チャットボットを作成する前の準備段階として、「目的を明確にすること」と「情報収集を行うこと」の2点を必ず実施しておくことが大切です。
一口にチャットボットといっても、導入する企業によって目的は大きく異なります。ECサイトに設置して買い物中のユーザーの疑問を解消することで顧客満足度の向上を目的としている場合もあれば、SNSに組み込んで自動的に予約システムを運用し業務の自動化を達成したいなど、使い方次第でさまざまな目的を達成できます。
そのため、まずは自社がチャットボットを導入する目的を明確にしておき、その目的を達成できるようなチャットボットを導入しましょう。
加えて、チャットボットについて十分な情報収集を行うことも重要です。近年では多くのベンダーがチャットボットを開発・提供していますが、規模感も機能も各社でさまざまな違いがあります。自社に合ったチャットボットを選ぶためにも、できるだけ多くの情報を集めて、判断材料を豊富に用意しておきましょう。


チャットボットの作り方

本記事ではMicrosoft社が提供するチャットボット「QnA Maker」を例として、実際にチャットボットを作成する方法をご紹介します。

1. QnA Maker Portalにサインインして新規ナレッジベースを作成する


QnA Maker Portal (https://www.qnamaker.ai/ 」から、QnA Maker Portal にサインインします。


その後、「Create a knowledge base」をクリックして新規チャットボットを作成します。


2.QnA Makerリソースを作成する

中央の「Create a QnA Service」をクリックし、別画面(Azure Portal)に移動したら、QnA Makerの作成画面で任意の値を入力します。

3.QnA Maker をチャットボットに接続する

QnA Maker Portal に戻ったら、先ほど作成したQnA Makerを選択して、チャットボットに接続します。その後、中央の「Name your KB.」に新規作成するチャットボットの名前を入力します。

4.チャットボットの学習データを選択する

チャットボットの元になるFAQページのURLやファイルを指定します。


5.チャットボットの性格を選択して作成を完了する

チャットボットの性格を選び、どのように話すのかを決定します。その後、「Create your KB」をクリックするとチャットボットの作成は完了です。


QnA Makerの課題とは

QnA Makerは多機能で便利なチャットボットですが、過去に一度も「Microsoft Azure」を利用したことがないユーザーにとっては、「Azureに登録」→「AzureBotService利用環境を整える」→「QnA Makerデータベース作成」→「API公開」といった長い手順をこなさなければならないというデメリットがあります。
さらに、ナレッジベースの作成が必要になることから、情報収集やファイル作成が煩雑になりやすいという問題もあります。また、botに複数回答をさせるには複数回答用のドキュメントを作成しなければなりません。


チャットボットでバックオフィス業務を自動化「SYNCPIT」のご紹介

 SYNCPITはバックオフィス特化型のFAQチャットボットです。従業員からの問い合わせに対する回答を自動化することによって、情報システム部門や総務部門が問い合わせに追われる事態を解消し、従業員が自ら問題を解決できる環境を構築できます。
SYNCPITでは、「QnA Maker」が抱えているAzureへの登録やデータベースなどの登録は不要で簡単にお使いいただけます。さらに、複数回答をさせるために個別のドキュメントを作成・管理する必要がなく、ファイルの管理も煩雑になりにくいのがポイントです。定期的な業務通知や勤怠状況の通知など、業務を効率化するための機能も豊富に備えています。

まとめ

 チャットボットの活用によって、業務の自動化や顧客満足度の向上、社内業務の効率化、マーケティング精度の向上などさまざまな効果が期待できます。ぜひチャットボットを導入して、自社の課題にアプローチしてみてはいかがでしょうか。
自社の課題を解決する扱いやすいものを見つけることが、チャットボット導入を成功させる一歩になるでしょう。


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