IT資産管理

リモートワーク監視は必要?メリットとプライバシー配慮のポイントを解説

Written by WizLANSCOPE編集部

リモートワーク監視は必要?メリットとプライバシー配慮のポイントを解説


新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークやテレワークなどの働き方を導入する企業が急激に増加しました。

この変化に伴い時間や場所にとらわれない働き方が可能になった一方で、「部下の働きぶりが見えない」「生産性が低下している気がする」などの課題を抱える企業・組織は少なくありません。

解決策の一つとして「従業員の監視」が挙げられますが、やり方を間違えると、従業員からの不信感につながり、エンゲージメントが低下する恐れがあります。

本記事では、「リモートワークの監視」をメインテーマとして、必要性や法的な注意点、また、効率的に監視を行う方法を解説します。

▼本記事でわかること

  • リモートワーク監視の必要性
  • リモートワーク監視のメリット
  • リモートワーク監視のデメリット
  • リモートワーク監視導入時のポイント

「リモートワーク監視のメリット・デメリットを知りたい」「監視ツール導入におけるポイントを把握しておきたい」という方はぜひご一読ください。

リモートワーク監視の必要性


リモートワーク環境では、管理者が従業員の働き方を直接確認することが困難です。

そのため、適切な労務管理や生産性の維持を目的として、一定の監視が必要とされる場面があります。

では具体的にリモートワーク監視がどのような役割を果たすのかを確認していきましょう。

従業員の業務状況の把握

オフィス勤務とは異なり、リモートワークでは、従業員がどのような業務にどれくらいの時間をかけているのかを把握しづらいです。

そのため、監視ツールなどを用いて業務状況を可視化することで、管理者は従業員の業務状況や進捗を正確に把握できるようになります。

また、状況が把握できるようになると、業務が滞っている従業員へのサポートや、タスクの適切な再配分もしやすくなるでしょう。

結果として、プロジェクト全体の遅延防止やスムーズな業務遂行につながります。

長時間労働の防止

自宅で業務を行っていると、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまい、長時間労働につながるケースも少なくありません。

そこで、勤怠管理システムやPCのログオン・ログオフ時間の記録を活用することで、従業員の正確な労働時間を把握し、働きすぎを未然に防げるようになります。

労働時間の適切な把握と管理は、従業員の健康を守るだけでなく、企業がコンプライアンスを遵守するためにも欠かせない取り組みです。

セキュリティリスクの低減

リモートワークでは、オフィス外で機密情報を取り扱う機会が増えるため、セキュリティリスクが高まりやすいです。

アクセス監視や操作ログの記録を行うことで、不正な情報の持ち出しや目的外利用を抑止し、万が一インシデントが発生した際も迅速な原因究明が可能になります。

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リモートワーク監視で導入される主なツール


リモートワークが拡大傾向にある昨今、従業員の就業状況を把握・管理するためにさまざまなツールが登場しています。

ここでは代表的なツールとその機能を紹介します。

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールは、従業員のPCで行われた操作(操作ログ)を記録するツールです。

例えば、PCの起動・シャットダウン時間、利用したアプリケーション、ファイル操作、Webサイトの閲覧履歴などを記録できます。

このような操作ログを活用することで、従業員の勤務実態の詳細な把握や、業務内容の分析・セキュリティインシデントの調査に役立てられます。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、始業・終業時刻を打刻し、労働時間を管理するための基本的なツールです。

最近では、PCのログオン・ログオフ時間と連携して客観的な労働時間を記録する機能や、GPSで勤務場所を確認できる機能を備えたものも登場しています。

長時間労働の抑制やコンプライアンス遵守に欠かせないツールです。

Web会議システム・ビジネスチャット

リモートワークの拡大に伴い、Web会議システムやビジネスチャットツールを導入する企業も増えました。

これらのツールは直接的な監視を目的としたものではありませんが、従業員の在席状況を確認したり、オンライン上で顔を合わせて進捗を共有したりできるため、結果として間接的に監視の役割を果たします。

また、こまめな連絡や情報共有は、チーム内のコミュニケーションを活性化するとともに、リモートワーク環境で生じやすい孤独感の軽減にもつながります。

画面キャプチャツール

画面キャプチャツールとは、設定された一定の間隔でPC画面のスクリーンショットを自動で撮影・保存するツールです。

どのような画面で作業を行なっているかを確認できるため、業務内容の把握や不正行為の抑止が期待できます。

ただし、常に監視されている感覚を従業員に与えやすく、プライバシー侵害のリスクも高いため、導入には慎重な検討が必要です。

リモートワーク監視のメリット


リモートワーク監視を実施することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 生産性の向上と業務効率化
  • 従業員のサボり抑止と信頼性の向上
  • 労働時間管理の適正化
  • セキュリティインシデントの抑止

リモートワーク監視の実施で、企業・従業員それぞれにどのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。

生産性向上・業務効率化

リモートワーク監視を実施することで、従業員は「見られている」という意識を持ち、適度な緊張感のもとで業務に集中しやすくなります。

さらに、管理者はログを分析することで、非効率な作業を特定し、適切な改善指導を行うことが可能になります。

これらの取り組みにより、組織全体の生産性向上が期待できます。

信頼性の向上

PCの操作ログを取得することで、「勤務時間中にどのような作業を行なっていたか」や「業務に関係ないサイトを見ていないか」などを確認できるようになります。

この仕組みを従業員に周知することで、勤務時間中の私的な行動を抑止する効果が期待できます。

また、従業員側も、自身の業務実績を客観的に証明できるようになるため、相互の信頼と安心感の向上につながります。

労働時間管理の適正化

PC操作ログなどの客観的なデータに基づいて労働時間を管理することで、サービス残業や隠れ残業の防止につながります。

これにより、従業員は働いた分を正当に評価されるようになり、企業は労働基準法をはじめとする法令を遵守しながら、健康経営の実現を目指すことができます。

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セキュリティインシデントの抑止

アクセス履歴や操作ログが記録されていることを従業員が認識することで、機密情報の私的利用や不正なWebサイトへのアクセスといったリスクの高い行動への抑止力となります。

これにより、情報漏洩などの重大なセキュリティ事故を未然に防ぐことにつながるでしょう。

リモートワーク監視のデメリット・リスク


リモートワーク監視には、生産性向上や業務効率化などのメリットがある一方で、運用を誤ると、かえって組織に悪影響を及ぼす可能性もあります。

ここでは、リモートワーク監視の導入前に把握しておくべきデメリットやリスクについて解説します。

過度な監視による従業員のストレス増加

「常に誰かに見られている」という感覚は、従業員にとってストレスになりかねません。

特に、席を離れると離席時間が表示されたり、PCカメラの常時稼働を義務づけたりといった過度な監視は息苦しさを感じさせる可能性が高いです。

場合によっては、仕事へのモチベーションを低下させ、優秀な人材の離職につながる恐れもあります。

生産性の低下

監視する項目や頻度を増やしすぎてしまうと、そのチェックに多くの時間を費やすことになり、かえって生産性の低下を招く可能性もあります。

プライバシー侵害の問題

在宅勤務の場合、業務スペースは従業員のプライベートな空間でもあります。

そのため、Webカメラの常時接続や頻繁なスクリーンショットの取得を実施してしまうと、業務とは関係のない私生活の様子が映り込む可能性があり、プライバシー権の侵害に該当するリスクが高まります。

監視する側の管理コスト増大

監視ツールの導入・運用には、当然ながらコストがかかります。

また、収集した膨大なログデータを分析し、適切に管理・運用するためには、人的リソースも必要です。

そのため、管理コストに見合うだけの効果が得られるのか、慎重な費用対効果の検討が求められます。

リモートワーク監視における注意点

リモートワーク監視の実施には、いくつかの重要な注意点があります。

  • 労働基準法の適用範囲
  • プライバシー権の侵害
  • 従業員に対する監視目的の説明義務
  • 監視に対する従業員の同意

これらの注意点を踏まえずに実施してしまうと、従業員とのトラブルに発展したり、法的リスクを招いたりする恐れがあります。

それぞれの注意点について詳しく確認していきましょう。

労働基準法の適用範囲

リモートワークであっても、オフィス勤務と同様に労働基準法が適用されます。

そのため、企業には労働時間を適切に把握し、休憩時間を確保させ、時間外労働に対しては割増賃金を支払う義務があります。

監視ツールによる労働時間の記録は、この義務を果たす上で有効ですが、記録された時間と実態が乖離しないような運用が求められます。

厚生労働省から「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」が公開されているため、留意点等の把握に活用することが推奨されます。

プライバシー権の侵害

監視が「社会通念上相当な範囲」を超える場合、プライバシー権の侵害と判断される可能性があります。

例えば、業務上の必要性が低いにもかかわらずWebカメラで常時監視を行ったり、私的なメールの内容まで閲覧したりするような行為は避けるべきです。

従業員に対する監視目的の説明義務

「なぜ監視を行うのか」や「どのような内容を監視するのか」など、リモートワーク監視の目的や範囲は、従業員に対して明確に説明することが重要です。

例えば「労働時間を適正に管理するため」「情報セキュリティを確保するため」といった具体的な目的を示し、取得するデータや活用方法を事前に周知徹底することで、不要なトラブルの発生を防ぐことができます。

監視に対する従業員の同意

監視ツールの導入にあたっては、従業員から同意を得ることが推奨されています。

就業規則に監視に関する規定を盛り込み、従業員に周知することも有効ですが、カメラ監視などのプライバシーへの影響が大きい手法を用いる場合は、より丁寧な説明と明確な同意取得が必要です。

個人情報保護委員会が公表している「従業者に対する監督の一環として、個人データを取り扱う従業者を対象とするビデオやオンライン等による監視(モニタリング)を実施する際の留意点」も参考にしながら、適切な運用体制を整えることが推奨されます。

リモートワーク監視を成功に導くためのポイント


リモートワーク監視を導入する際は、次のポイントを押さえることが成功への鍵となります。

  • 監視の目的と範囲を明確に共有する
  • 監視ツールだけに頼らない多角的な評価を行う
  • 監視データをポジティブなフィードバックに活用する

導入を検討している企業・組織の方は、ぜひ参考にしてみてください。

監視の目的と範囲を明確に共有する

監視を始める前に、必ず従業員に対して説明機会を設け、監視の目的と範囲を丁寧に伝えましょう。

「サボっていないか確認するため」ではなく、「公正な評価や長時間労働の防止など、従業員が安心して働くため」といったポジティブな目的を共有することが重要です。

どのツールで、何を、どの程度の頻度で取得するのかを具体的に示すことで、従業員からの不満や不要な不安を払拭できます。

監視ツールだけに頼らない多角的な評価を行う

PCのログデータは、あくまでも業務状況を示す客観的な指標の一つに過ぎません。

そのため、ログデータのみで従業員のパフォーマンスを評価するのは避けるべきです。

成果物の質や顧客からの評価、チームへの貢献度など、複数の指標を組み合わせた多角的な評価制度を構築することが、従業員の納得感を高め、公正な評価につながります。

監視データをポジティブなフィードバックに活用する

収集したデータは、従業員の評価や指導のみに用いるのではなく、ポジティブなフィードバックにも活用しましょう。

客観的データに基づいた具体的なフィードバックは、従業員の成長を促し、モチベーションの向上や組織全体のエンゲージメント向上にも寄与します。

定期的なコミュニケーションで信頼関係を築く

監視ツールはあくまでも業務状況を把握するための補助的な仕組みであり、ツールから得られる情報だけをもとに、「従業員がサボっている」などと判断することは避けるべきです。

ツールのデータから、業務の進捗に遅れなどの懸念点が見つかった場合は、定期的なミーティングなどを通じて、抱えている課題や悩みがないか、体調や業務環境に困りごとはないかなどを丁寧に確認することが推奨されます。

定期的なコミュニケーションの機会を設けることで、離れた場所で働いていても、異変に気づきやすく、迅速なサポートが可能になります。

率的なIT資産の管理に「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」


「リモートワーク監視で導入される主なツール」の部分でも紹介したように、リモートワーク下での監視ツールにはさまざまな種類があります。

ツールによって機能は異なるため、監視の目的や範囲に応じて、適切なものを選ぶようにしましょう。

本記事では、PC・スマホをクラウド上で一元管理が可能なできるIT資産管理・MDMツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」について紹介します。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、リモートワーク環境における業務の見える化・生産性向上に関する課題解決に寄与します。

例えば、リモートワークで課題になりやすい「長時間労働」や「サービス残業」の課題に対しては、PCの操作ログからレポートを自動作成し、30時間以上、設定した業務時間外にPC操作を行っているデバイスをひと目で把握できます。

この操作ログ機能は、従業員が利用するWindows・macOSの操作ログを取得でき、最大5年分のログ保存が可能です。

取得できるログの一例は以下の通りです。

ログの種類 取得内容
ログオン・ログオフログ 電源 ON・OFF・ログオン・ログオフのログ
ウィンドウタイトルログ ウィンドウタイトル・アプリ名のログ
ファイル操作ログ ファイル・フォルダのコピー、移動、作成、上書き、削除、名前の変更のログ
Webアクセスログ※ Webサイトの閲覧、ダウンロード、アップロード、書き込みのログ
プリントログ 印刷状況を記録し、ドキュメントやプリンター、PCごとに印刷枚数を集計
周辺機器接続ログ USBメモリなど、周辺機器への接続・切断などのログ

※対応ブラウザは、Chrome、Firefox、Microsoft Edge、Safari です。また macOS は Webサイト閲覧ログのみ取得できます。
この操作ログ機能は、厚生労働省が公表している勤怠管理ガイドラインへの対応にも活用できます。

ガイドラインでは、使用者(企業側)に対して、以下の事項を求めています。

使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認し、これを記録すること。

出典:厚生労働省|労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドライン

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」では、1日の最初と最後の操作ログの発生時間を取得できるAPIを公開しています。勤怠の打刻時間を突合することができるため、勤務の実態を正確に把握することが可能です。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」についてより詳しく知りたい方は、以下の製品ページをご確認ください。

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また、機能や特長についてわかりやすくまとめた資料もご用意しています。本記事とあわせて、ぜひご活用ください。

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まとめ

本記事では「リモートワーク監視」をテーマに、必要性やメリット、注意点などを解説しました。

▼本記事のまとめ

  • リモートワーク環境では、勤務時間中の従業員の行動や業務の進捗、労働時間などを適切に把握することが難しく、一定の監視が求められる場面がある
  • リモートワーク監視を行うことで、労働時間の正確な把握に加えて、生産性向上や業務効率化、またセキュリティインシデントの抑止などのメリットが期待できる
  • リモートワーク監視を誤って運用すると、従業員の心理的ストレスになったり、プライバシーの侵害につながったりといったリスクが生じる恐れがある
  • リモートワーク監視を導入する際は、監視の目的と範囲を明確に共有することはもちろん、収集したデータをもとに定期的なコミュニケーション機会を設けたり、ポジティブなフィードバックを実施したりすることで、成功に近づくことができる

リモートワークにおける監視は、適切に運用すれば、生産性の維持やコンプライアンス遵守、公正な評価など多くのメリットをもたらします。

しかし、その運用を誤ると、従業員のモチベーションやエンゲージメントの低下を招き、プライバシーを侵害などのリスクも伴います。

運用する際は、監視の目的や範囲を従業員と共有し、信頼関係を基盤とした上で、必要最小限の範囲でツールを活用することが重要です。

本記事で紹介したポイントを参考に、自社にとって最適なリモートワークの管理体制を構築してください。

また、本記事で紹介した「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、リモートワーク環境における業務の見える化や生産性向上に関する課題解決に寄与します。

操作ログ機能以外にも、業務用PC・スマホの管理を効率化する多様な機能が搭載されています。

円滑な業務運用と高いセキュリティを両立させたい企業・組織の方は、ぜひ「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」をご活用ください。

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