サッポログループとゆかりの深い恵比寿や札幌を中心に事業を展開し、1993年には札幌に「サッポロファクトリー」を、翌1994年には恵比寿に「恵比寿ガーデンプレイス」を開業、運営を手がけるサッポロ不動産開発株式会社。同社では、同社が運営を担う大型複合施設や宿泊施設に関して、その運営を委託する外部パートナー企業の社員約150名が利用するパソコン、情報共有基盤のグループウェア、携帯電話などの情報資産の調達、運用管理を担っている。
サッポログループ全体の基幹系や情報系のシステムやネットワーク、パソコンなどのハードウェアの調達や運用管理はサッポロホールディングスのIT部門が担当しているものの、山内氏によれば、「サッポログループのネットワーク範疇外となるパートナー企業とのITインフラは各事業会社に任されており、当社には専業のIT部門がなく、歴代のIT担当も他の業務と兼任でパソコンの調達や運用管理を行ってきた」という。
委託先社員が利用するパソコンの台数は決して多くないが、東京や札幌など、施設単位で異なる担当者が調達等に関わっており、調達方法や、アンチウイルスの導入などのセキュリティ対策の状況も「施設ごとに異なっていた」ということだ。
さらに、委託先のパートナー企業の規模によって、統合されたネットワーク環境を備えたところもあれば、インターネット回線を引いてきて、「自宅で利用するパソコンを購入する感覚でウイルス対策ソフトウェアを購入して利用している」会社もあり、「ハードウェアの保守も一般的な保証内容で、かつ施設によって保証内容もバラバラだった」というのが実情だった。
パートナー企業全体で統合されたネットワーク環境や、パソコンをはじめとするエンドポイント対策が実施できていないことが課題だったのだ。