2018年に設立され、法人向けにサーバー・ネットワークなどのITコンサルティングや、システム設計・構築・販売などを手がける株式会社プロスゼット。同社は、自社で業務利用するPCのほか、法人向けにレンタルするPCのIT資産管理や、リモートでの保守サポートを目的に「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版(以下エンドポイントマネージャー)」を導入している。導入の経緯や導入後の効果などについて、株式会社プロスゼット 代表取締役 松本 尚也 氏に話を聞いた。
「中小企業の『IT不足』を解消する」をモットーに掲げる株式会社プロスゼット。松本氏は、「当社はITコンサルティングがビジネスの基本で、そこからシステム設計・構築・販売やEC代行などにビジネスを広げてきた」と説明する。
ITコンサルティングの領域では、「法人向けにPCをレンタルするケース」があり、同社がさまざまな業種・業界の企業にレンタルPCを提供する中で、「顧客企業の中には、IT資産管理も含めてプロスゼットに任せたいというニーズがあった」と松本氏は話す。
そこで同社は、レンタルPCの提供とセットで、ハードウェア・ソフトウェアの状況の可視化や管理をITコンサルティングのサービスメニューに組み込み、提供しはじめた。
そこでのIT資産管理は当初、Excelで手作業により行っていたという。その後、資産状況をリスト化してデータベースにし、業務アプリ構築基盤を活用して、複数の担当者で資産管理状況を可視化・共有できる仕組みを整備して運用していた。
しかし、その仕組みでも資産状況に更新などがあったとき、リストを手作業で書き換える必要があったため、常に最新の状況を可視化・管理するためのIT資産管理ツールの導入が必要となっていた。
IT資産管理ツール選定のポイントについて、松本氏は「レンタルPCとして社外に貸し出すPCが管理対象に含まれるため、クラウド(SaaS形式)で提供されているツールであること」を挙げた。
クラウドの利点である、サーバーの調達や環境構築が不要である点や、サーバーのメンテナンスなどの保守管理が不要である点も大きなポイントだった。また、管理画面の使いやすさ、設定のしやすさといった使い勝手の良さもポイントの一つだった。
そして、複数製品の中から上記のポイントを比較・検討したところ、エンドポイントマネージャーが最も要件に合致しており、採用が決定した。
「SaaS型のIT資産管理ツールがそもそも少ない」(松本氏)という中で、エンドポイントマネージャーは管理コンソールの操作性の高さをはじめ、比較検討のポイントで「ほぼ一択」状態にあったということだ。
現在、エンドポイントマネージャーは自社利用のPC約20台のほか、法人向けにレンタルするPC約100台の資産状況可視化のために利用している。
「レンタルPCにエージェントソフトをキッティングして、お客様に納品し、当社でエンドポイントマネージャーの管理コンソールから管理を行う。これをレンタルメニューにパッケージする形で提供しています」(松本氏)。
利用企業側は、ハードウェア・ソフトウェアの状況のモニタリング・管理をプロスゼットにアウトソースしている状態となる。また、プロスゼットでは、リモートソフトで遠隔からリモートサポートも行っており、PCの破損や動作が悪いといったトラブル時には、管理コンソールを見ながら設定などを確認して、リモートでサポート対応している。
無料体験版の利用から本番導入も予定通りスムーズに進み、導入効果としては、管理対象のハードウェア・ソフトウェアの状況が、必要なときに必要な情報を見て把握できるようになっている。これによって、リモートサポートなどもスムーズに対応できる環境が構築できたという。
また、管理コンソールの使い勝手については、直感的な操作が可能で、サポートに問い合わせる機会がほとんどないほど優れていると評価した。
今後については、情報漏洩対策などのセキュリティ機能を含め、「エンドポイントマネージャーで何ができるかを精査し、機能拡張を進めていきたい」と松本氏は話す。
現状、レンタルPCの顧客向けリモートサポートについては、別のリモートアクセスツールを用いて対応している。エムオーテックスでは、リモートサポート・ヘルプデスク製品である「LANSCOPE リモートデスクトップ powered by ISL Online(旧名称:REMO-CON)」も提供しており、画面共有・ファイル転送もできる双方操作型である点や、ライセンス購入は同時接続数分のみという料金体系などが大きな特徴だ。「今後はこうしたエンドポイントマネージャー クラウド版との連携が進むことで、さらなるサポート業務の効率化やサポート品質の向上を期待したい」と松本氏は述べる。
最後に、今後期待する機能について、松本氏は「リモートサポートの品質向上に寄与する機能拡張」を挙げた。
昨今はテレワーク環境にある顧客が増えており、「CPU使用率やメモリーの使用量がいっぱいだ」「テレビ電話の音質が悪い」といったユーザーからの問い合わせが多いという。
例えば、CPUの使用率や、強制的に電源OFFした回数、ディスクのアクセス状況、あるいは、自宅におけるネットワーク速度などの情報がデータとして取得できれば、リモートサポートに時間がかかっている点が軽減できるだけでなく、管理対象のPCに何が起きているのか、迅速に把握する材料となり、サポート担当者が適切な対応策を提案できるようになる。
「リモート環境でのサポートのさらなる効率化、サポート対応の品質向上に向けて、さらなる機能拡充やサービス拡張に取り組んでもらえるとありがたい」と松本氏は締めくくった。
※本事例は2022年9月取材当時の内容です。