柔軟な対応力と開発者目線の診断報告書で
エディオンのスピーディーで安全なシステム開発に貢献

会社名株式会社エディオン

製品
会社規模
5000名以上
事業内容
家電販売事業、リフォーム・住宅関連事業
通信(ISP)事業、モバイル事業、法人向け事業
プログラミング教育事業、エネルギー管理事業
業種
卸売・小売
URL
https://www.edion.co.jp/
  • 脆弱性診断
選定ポイント
柔軟なコミュニケーションとわかりやすい診断報告書
エディオンが利用しているコミュニケーションツールにエムオーテックスの診断員も参加することで、スムーズなフォロー体制を構築。開発者の誰でも同じように指摘箇所を修正することができる、わかりやすい診断報告書が提供される点が決め手に。
導入の効果
セキュリティチームの負荷軽減と対応スピードの向上
お客様にあわせた柔軟な対応によって、診断工数を都度見積もるフローを削減し、対応スピードも向上。開発者がエムオーテックスの診断員と直接コミュニケーションを取ることで、従来窓口となっていたセキュリティチームの負荷が軽減された。
わかりやすい診断報告書による開発技術力の向上と診断期間の短縮
開発の内製化を推進している中で、わかりやすい診断報告書により、開発チームの誰でも同じように指摘箇所を修正することができるため、社内ノウハウの蓄積と開発技術力の向上に貢献している。開発技術力の向上により、修正の発生自体が少なくなり、診断期間も短縮。

関東地方から九州・沖縄地方に展開する「エディオン」と、北海道・北陸地方を中心に展開する「100満ボルト」のストアブランドで、地域に密着した家電専門店を全国1,202店舗(2024年3月31日現在)展開するエディオングループ。

グループの中核企業の一つである株式会社エディオンでは、開発の内製化とあわせ、安全なアプリケーション・サービスを円滑にリリースする体制づくりに取り組んできた。リリース前の脆弱性診断についてもスピーディーかつ定常的に実施できるよう、エムオーテックスが提供するセキュリティ診断・ソリューション「LANSCOPE プロフェッショナルサービス(以下プロフェッショナルサービス)」の脆弱性診断を利用している。

サービス導入の経緯や効果について、株式会社エディオン(以下エディオン) ITソリューション企画部 課長 小西 洋和 氏と、同社の子会社で、アプリケーション開発やインフラ構築・運用を担っている株式会社EDION クロスベンチャーズ(以下EDION クロスベンチャーズ)の叶谷 祐三 氏、竹田 直二 氏、佐武 正男 氏に話を聞いた。

安全なサービスをよりスピーディーに提供するため
脆弱性診断の効率化を目指す

エディオングループ全体の経営課題として、「グループ全体で、お客様情報の適切な管理が重要な経営課題となっています」と小西氏は話し、グループが目指すところとして、「情報セキュリティポリシーを策定・遵守し、また適切なセキュリティ対策を実施することで、お客様に安心してサービスをご利用いただきたいと考えています。」と説明した。

その一環として、同社では、安全なアプリケーションやサービスをスピーディーに開発・提供する目的で、システム開発の内製化に取り組んでいる。現在では開発案件の約8割が内製化されており、それらはEDIONクロスベンチャーズが担っているとのことだ。

同社の叶谷氏は「開発工程の遅延によってグループの事業展開が立ち遅れないよう、開発スピードの確保が大きなテーマです」と話す。

同社では従来より、アプリケーション・サービスのリリース時には脆弱性診断を実施するフローであったが、事業拡大に伴う開発規模の拡大と診断プロセスの頻雑さから、スピーディーな対応が難しくなりつつあった。
1つ目の課題として、従来のフローでは、診断を実施する際に毎回個別に見積もりを取得してから社内決裁を取りベンダーに発注をかけるプロセスであったため、診断作業を開始までに時間を要してしまっていた。

また、2つ目の課題として、診断後の指摘箇所の修正についても問題を抱えていたと叶谷氏は振り返る。
同社では当時、開発をすべて外部パートナーに委託しており、診断後の修正も外部パートナーが対応していた。修正対応には追加費用が発生するため、再度見積もりから発注までのプロセスが必要になり、診断開始から完了までが長期化してしまっていた。

これらの課題を解決するため、同社は開発の内製化に踏み切り、それにあわせて、脆弱性診断についても「効率的かつスピーディー」に遂⾏できるパートナーへの依頼を検討することとなった。

手続きの簡略化と効率的なコミュニケーションによる
診断スピードと修正対応しやすい、分かりやすい診断報告書

新たなベンダー選定について、叶谷氏は「複数のベンダーの中から比較検討し、その中で、プロフェッショナルサービスが最も効率的な診断実施に対応できると判断しました」と述べ、エムオーテックスの脆弱性診断を評価した。

そして、ベンダー選定の決め手となったポイントを3点挙げた。

①(診断前)お客様にあわせた柔軟な対応で診断にかかる工数を軽減

アプリケーション・サービスのリリースが多い中で、診断の実施も多い。診断実施の際、毎回個別に見積もりを取得し社内決裁を得るといった手続きの煩雑さが課題だったため、エムオーテックスとの契約形態は「チケット制」とすることで、あらかじめ取り決めた診断内容に応じてチケットを消化する仕組みとした。これにより、毎回個別に見積もりを取得して社内決裁を取るというプロセスがなくなり、診断を開始するまでの手続きがスピーディーとなった。

加えて、チケットが有効な診断は、Webアプリケーション脆弱性診断のほかに、ネットワーク脆弱性診断や、スマートフォンアプリケーション脆弱性診断もある。同社ではさまざまアプリケーション・サービスを開発しているため、状況に応じて診断したい箇所が発生することもあって、この仕組みは非常に効率的であった。

②(診断中) 開発関係者との「円滑なコミュニケーション」体制の構築

ベンダーによってコミュニケーションツールが異なるため、同社の開発チームからの情報をセキュリティチームが取りまとめ、ベンダーに展開していたため、やり取りに時間を要することもあった。しかし、プロフェッショナルサービス導入後は、コミュニケーション方法から両者で検討し、エムオーテックスの診断員も同社で利用しているコミュニケーションツールでやり取りして、開発チームと診断員が直接コミュニケーションをとる形とした。

従来窓口となっていたセキュリティチームは、スケジュール調整やチケット管理のみ対応しており、負荷が軽減されるとともに、診断時のさまざま対応についてもスピーディーに進むようになったという。

柔軟で円滑なコミュニケーション体制の構築は、開発スケジュール・工数の短縮化や、その分の人件費などの開発コスト削減にも寄与している。

エディオンのセキュリティチーム・開発チームが利用している「 Backlog 」内で、エムオーテックスの診断員がやり取り
▲ エディオンのセキュリティチーム・開発チームが利用している「 Backlog 」内で、エムオーテックスの診断員がやり取り
(クリックで拡大)
エディオンのセキュリティチーム・開発チームが利用している「 Backlog 」内で、エムオーテックスの診断員がやり取り
▲ エディオンのセキュリティチーム・開発チームが利用している「 Backlog 」内で、エムオーテックスの診断員がやり取り
(クリックで拡大)

③(診断後)開発者にとって「修正対応しやすい、わかりやすい診断報告書」

「診断報告書の見やすさ」もポイントとなった。
同社では開発の内製化を進める中で、開発チームの誰でも同じように指摘箇所の修正対応を行えるよう、平準化を意識していた。ベンダー選定時には、開発チームの担当者によるプロフェッショナルサービスが提供する報告書サンプルのレビューを実施しており、対応すべきポイントが精査されたわかりやすいレポートである点を評価した。

また、過去に実施した脆弱性診断の中で多く発見された課題や、指摘箇所の修正対応履歴などは、リスト化してナレッジとして蓄積する仕組みも構築したことで、「開発者同士がノウハウを共有できるようになり、技術力の向上にもつながっている。

診断によって修正が必要となった箇所とその対応を次の開発に還元し、設計や実装の時点で改善に取り組むことにより、修正自体が少なくなり、開発期間の短縮にも貢献している。

過去検出された脆弱性もBacklog内に掲示して開発のナレッジを蓄積
▲ 過去検出された脆弱性もBacklog内に掲示して開発のナレッジを蓄積(クリックで拡大)

これまでのナレッジを活かして脆弱性を作り込まない
さらにセキュアなシステム開発に取り組んでいきたい

今回、プロフェッショナルサービスの脆弱性診断を導入し、同社のセキュリティチームおよび開発チームとエムオーテックスの診断員で新たな体制を構築した点について、佐武氏は「よりスピーディーに安全なアプリケーションやサービスを提供できる開発環境をつくることができました」と総評した。

「プロフェッショナルサービス診断員の柔軟なコミュニケーションにより、診断を実施するにあたって必要な手続きの負荷が軽減され、全体的に対応スピードが向上し、診断期間が短縮されました。また、分かりやすい報告書により、開発チームのナレッジが蓄積できたことで、これまでよりもスピーディーに、安全なアプリケーション・サービスをお客様に提供できる体制を構築できたことが、エディオングループの強みになっていると言えます。」(佐武氏)

また今後について、「今後も開発の内製化を進めていくため、より内製の比率が高まっていくとともに、社内にシステム開発のノウハウが蓄積・共有されていきます。さらに、脆弱性診断で発見された課題やその対応方法など、プロフェッショナルサービスの脆弱性診断によって得られたノウハウも蓄積・共有されることで、開発体制がより整備され、エディオンの強みにつながっていくことに期待したいです。」と小西氏は話した。

開発〜リリースのサイクルをさらに速めるためにも、脆弱性を作り込まないシステム開発が重要だとした上で、これまでのナレッジを生かして、さらにセキュアなシステム開発に取り組んでいきたいとと述べ締めくくった。

※本事例は2024年8月取材当時の内容です。

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