Written by シンジ
社内のシステム・ネットワーク・機器の管理、ヘルプデスク等を担当。
いわゆる「ひとり情シス」を経験。
CSIRTにも所属し、セキュリティ業界へのさらなる進出を目論む。
なんだろう。
問題ないよ。
MOTEXはセキュリティソフトLanScope Catを作っているメーカー。
LanScope Catを利用する立場の情報システム部門をもっと知ろう、という会社の方針もあり、こういった依頼は最近増えてきている。
他の社員ではなく、新入社員に特に伝えたいこと・・・。
MOTEXの情シスならではの、伝えられること・・・。
業務内容だけでなく、そんなことも含めた研修にできたらいいなと思い、ユウコ・タケオと共に準備を進めた。
研修当日――
「情シス」という言葉を元々知っていた人はどれくらいいるだろう?ほとんどいないね。イメージしづらいかもしれないが、情シスの業務は多岐にわたる。
MOTEXでは
・基幹システムの管理
・サーバー、ネットワークの管理
・ヘルプデスク業務
・セキュリティ対策
などを情シスが担当している。
他にもPCやソフトウェアなどの購買業務、社員から申請されるワークフローの処理、ドキュメント作成なども行っている。
MOTEXに限らず、一人で情報システムを担当している「ひとり情シス」、または専任の情報システム担当がおらず兼務している「ゼロ情シス」が中堅企業の30%を占めるとも言われていて、たくさんの業務を兼務していることが多い。もちろん会社の規模によってはチームに分かれていて、担当が割り振られている場合もあるが。
予定が埋まっていて、やることはたくさんあっても、問い合わせは割込みで発生するし、解決まで長期化するものも多い。
また、実際にあった珍問い合わせで「席替えをしたらノートPCの電源が入らなくなった」というものがあった。そんな馬鹿な?と思ってヒアリングすると、「席替えをしようとしているときに、Windows Updateが開始してしまい、なかなか終わらなかったので、PCを強制シャットダウンした」ことが原因だった。調査すると、聞いていた現象と違った、ということは割と多い。
何か起こった場合は、まずはドキュメントをしっかり読んだうえで、情報を正確に伝えて問い合わせるようにします!
ありがとう。大事。
さらに、重要なシステムや機器にトラブルが発生した場合は奔走することになる。帰宅後にネットワーク機器の不調で会社に呼び出されたり、深夜に電話がかかってきたり、なんてこともある。
情シスさんには休みがないって聞きますが、本当なんですね・・・。
休む時は休めているから安心して。
情シスの仕事は社員が業務を安心して行えるような環境を整えることだから、時にはそういった急な対応も必要になってくる。
大きな会社はともかく、多くの会社の情シスは様々な業務を行っていて、LanScope Catを使う時間はその中のほんの一部でしかない可能性もある。
バージョンアップすればそのトラブル解消します!
・・・事前検証しなきゃいけないし、他の業務もあるし、そんなに簡単にバージョンアップとかできない・・・
クライアントの再起動をしてください!
・・・PCならともかく本番サーバーにインストールしてるんだから、再起動なんてそうそうできない・・・
会社側からは簡単に案内できてしまうことでも、それが情シスにとっては難しかったりもする。
直接お客様と顔を合わせることのない部署でも、LanScope Catの先にいる情シスさんの顔を思い浮かべて対応するといいかもしれない。
MOTEXはIT系の会社だからまだいい方かもしれませんが、PCに詳しくない人が多い会社だったら、さらにたくさんの問い合わせが情シスさんに来てしまうんだろうなと思いました・・・。
「トラブル解消のためといっても気軽にシステムのバージョンアップができるわけじゃない。」という部分は、お客様目線でお話するうえでもしっかり覚えておく必要があると感じました。
先日シンジさんたちがトラブル対応をしている姿を実際に見て、情シスさんはただでさえ忙しいんだということがよくわかりました。情シスさんの仕事を増やさないように、バグのない製品や使いやすい製品を開発できるよう心がけます!
ありがとう。その言葉だけで研修を行ったかいがあるよ。引き続き頑張ってくれ。
後日――
これから彼ら新入社員は、研修を経てそれぞれの部署にて業務に励んでいくことになる。
最初は覚えることもたくさんあり、忙しくて目の前のことしか見えなくなる時もあるかもしれない。
しかし今の気持ちを頭の片隅にでも置いていてもらえれば、世の中の情シスさんたちに対して、より想いを持って接することができるのではないだろうか。
シンジは煙草を吸うために外に出た。
台風が過ぎ去った後、いつもとは違う青空が広がっていた。
関連する記事