Written by aki(あき)
効率的なWindowsアップデート管理を実現!
Windows 更新プログラムの種類やアップデートの課題を解説。
適用状況の把握からアップデート配信設定までを LANSCOPE で実現します。
いよいよWindows 7のサポート終了時期(2020年1月14日)まで3年を切りました。
前回、「いよいよWindows 7のサポート期限が迫ってきた」という記事で、Windows 7からWindows 10にアップグレードする重要性について説明しました。前回記事を読まれて、Windows 10に移行された企業の方もいれば、これから移行を検討される情シスさんもいることと思います。
マイクロソフトではWindows 10への移行がスムーズに行われるように多くの動作検証やアップグレードのためのドキュメントを公開していますが、それでも移行につまずく方が多いようです。特に企業PCの移行となると、アップグレードによるトラブルが直接業務に影響してしまう可能性もあります。
そこで今回はWindows 7からWindows 10へアップグレードする際に注意すべきことや準備しておくことについて書いてみたいと思います。また、従業員が利用しているPCの効率的なWindowsアップデート管理を実現する、IT資産管理ツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」についても資料でご紹介します。
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Windows 10アップグレードの流れ
まず情シスが企業PCをWindows 10にアップグレードする際の流れについて見ていきましょう。
Windows 10の互換性を確認する
アップグレードを検討しているデバイスが、Windows 10に対応しているかどうかを確認します。デバイスのサポート状況は各メーカーのサイトに公開されています。主要なメーカーのWindows 10の互換性情報は次の通りです。
・東芝|Windows 10 アップグレードサポート対象機種
・パナソニック|Windows 10 サポート情報
・富士通|Windows 10アップグレード情報
・HP|Windows 10を搭載してテストしたHP 製品
・Dell|Windows 10 Fall Creators Updateおよび以前のバージョンのWindows 10に対してテスト済みのデルコンピュータ
・Lenovo|Windows 10 バージョン 1703 (2017年3月更新) の検証システム一覧
・ソニー|Windows 10情報
現在の環境を確認する
まず最初に実施することは、現状のハードウェア構成やOSの情報などのデバイス環境を確認することです。
- ・デバイスの台数と種類の把握
- ・各デバイスのOSバージョン情報
- ・業務ごとに特殊なデバイスを導入していないか調査
利用アプリケーションを確認する
デバイスを確認したら、続いて利用しているアプリケーションを確認します。
- ・ユーザーや部門ごとに利用しているアプリケーションを把握
- ・デスクトップアプリだけでなく、利用しているWebアプリケーションについても把握しておく
アップグレード計画を立てる
現在の環境を把握したら、実際に移行のための計画を立てていきます。次のような内容について、計画の立案を行います。
- ・全体スケジュールの作成
- ・アップグレードするデバイスの検証
- ・アップグレードのための予算算出
移行方法を検討する
Windows 10への移行に向けて、職場の環境や目的に応じて移行方法を検討します。
Windows 10への移行方法には次のようなものがあります。
アップグレード
既存のOS環境を維持したまま、Windows 10に移行する方法。アプリケーションやドライバー、OS設定などをそのまま引き継ぐことが可能
クリーンインストール
Windows 10を新規にインストールする方法。既存のアプリケーションやドライバー、OS設定などは引き継がれません。
移行検証
実際に本番環境で移行する前に、試験環境で互換性や実際の動作を検証します。確認ポイントには次のようなものがあります。
移行手順の確認
想定した移行手順で問題なく移行可能かを確認します。
ハードウェアや周辺機器の動作確認
移行後に各種ドライバーや周辺機器の動作を確認します。マイクロソフトからアプリケーションやドライバーの互換性をチェックできるUpgrade Readinessツールが公開されていますので参考にしてみてください。(Upgrade Readinessの説明は後述)
各アプリケーションの動作確認
特に業務で使用するアプリケーションごとにデータが引き継がれるかどうかは必ず確認しておきましょう。
マイクロソフトから市販アプリケーションのWindows 10対応の状況を確認できるサイトが公開されていますので参考にしてみてください。
(Ready For Windows ※英語ページとなります。)
Upgrade Readinessについて
Upgrade Readinessは、アップグレード対象のWindowsから収集したデータを分析し、アップグレードの準備状態に関するレポートと問題の報告、推奨情報を提供してくれるツールです。
※「Use Upgrade Readiness to manage Windows upgrades (Windows 10)」より
Upgrade Readinessを利用するには、「概要 | Microsoft Operations Management Suite(OMS)」にサインアップする必要があります。
※参考 「Operations Management Suite (OMS) の概要 | Microsoft Docs」
OMSにログイン後に、「Upgrade Readinessの設定」画面で、アップグレード対象のWindows 10のバージョンを指定し、ダウンロードしたスクリプトをアップグレードするPC上で実行すると結果が表示されます。
※Use Upgrade Readiness to manage Windows upgrades (Windows 10)より
本番環境への導入
動作検証が終了したら、事前に検討した導入計画とアップグレード方法に従って本番環境に導入していきます。
アップグレード後の運用管理
Windows 10に移行したあとの運用管理も情シスさんの重要な仕事です。ユーザーが快適に利用できるように、新機能の使い方を教育したり、不具合時の復旧手順の整備などを行っていきます。
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Windows 10にアップグレードする際に注意するポイント
Windows 10に移行する際に注意しておきたいポイントについて見ていきましょう。
Windows 10へのアップグレード時間
Windows 7からWindows 10に移行する場合、環境にもよりますが数時間はかかることを覚悟しておきましょう。マイクロソフトは最大24時間かかるともコメントしています。業務に影響が発生しない時間帯にアップグレードを行うようにしましょう。
Windows 10にアップグレードした場合のデータの引き継ぎ
Windows 7からWindows 10に移行しても、データは保持されます。「ドキュメント」に保存されている文書や、「ピクチャ」に保存されている画像、「ビデオ」に保存されている動画などはもちろん、デスクトップに置いてあるデータもWindows 10にアップグレードしても保持されたままです。
また、ログインアカウントやデスクトップアイコン、ブラウザのお気に入りなどの基本的な設定内容もそのまま利用できます。
ただし、アップグレードの過程で何らかのトラブルが発生して、データが消えてしまう可能性は十分に考えられます。そのため移行前に必ず大切なデータをバックアップしておくようにしましょう。
※引き継がれないデータもあります!
Windows 10で無くなった機能に関しては引き継がれません。たとえばWindows 7にあったデスクトップガジェットもWindows 10では廃止になっているため引き継がれることはありません。
また、デスクトップの壁紙もWindows 7で用意されていたもので、Windows 10では廃止になった壁紙は引き継がれません。
windows 7の規定のブラウザは「Internet Explorer」でしたが、Windows 10では「Microsoft Edge」に変更されています。そのためInternet Explorerに登録していたお気に入りは、Microsoft Edgeには引き継がれません。
システムに十分なディスク容量があることを確認する
Windows 10には最低10GBの空き容量が必要です。この数字は最低限の数字ですので、実用を考えると16GBはほしいところです。
空き容量が足りない場合は、ハードディスクの増設や不要ファイルの削除、データの退避などを行う必要があります。
アンチウイルスソフトを無効にするかアンインストールする
OSの更新で失敗する原因の1つとして、アンチウイルスソフトがあります。アンチウイルスソフトは予期しないシステム構成の変更を悪意のある攻撃と検知してブロックしてしまう場合があります。ファイアウォールなどのソフトウェアも同様です。
マイクロソフトからは、OSのアップグレード前にアンチウイルスソフトの更新をすることを推奨しています。アンチウイルスソフトを無効にできない場合は、必ず事前に最新のソフトウェアに更新しておきましょう。
すべてのバックグラウンドソフトウェアを無効にする
アンチウイルスソフトと同様に、バックグラウンドで動作しているソフトウェアもOS更新に失敗する原因の1つです。可能であればバックグラウンドで動作しているソフトウェアを無効にするとともに、スタートアッププログラムに登録しているソフトウェアも一度削除しておきましょう。
アップグレード時に「重要な更新プログラム」のインストールは行わない
Windows 10の移行のタイミングで、「重要な更新プログラム」もインストールするかどうか聞かれる場合があります。「重要な更新プログラム」も併せてインストールすると、何らかのトラブルで移行が終了しない問題があるようです。
更新プログラムについてはWindows 10のセットアップ完了後に行うように、アップグレード時は「今は実行しない」を選択するようにしましょう。
周辺機器の接続を外しておく
プリンタやスキャナ、USBやSDカードなどのメディアも外しておきましょう。ISOイメージでOSを更新する場合は、インターネットからの接続も切断しておきましょう。
バックアップは忘れずに
Windows 10へのアップグレードでは、データ、設定、使っているプログラムなどのほとんどをそのまま移行する事が出来ます。しかし、移行にはトラブルがつきものだと考えて、必要なデータは必ずバックアップしておきましょう。
- ・業務で使用しているデータ
- ・保存しているパスワードやログイン名
- ・各アプリケーションの設定情報など
アップグレード後の環境整備
Windows 7や8.1からWindows 10にアップグレードした場合、多くのアプリケーションや設定は引き継げるように設計されているので、基本的には移行後にすぐに使い始めることができます。
ただしアップグレードの環境整備が不要かというとそうではありません。最低でも次の項目については確認しましょう。
以前のデータやアプリケーション、設定、周辺機器が使えるかどうかを確認する
Windows 10のローカルアカウントをMicrosoftアカウントに切り替える
Windows 7からWindows 10へアップグレードすると、ユーザーアカウントが「ローカルアカウント」として移行されます。OneDriveやWindowsアプリを使うためには、「Microsoftアカウント」に切り替える必要があります。
Windows 10でOneDriveの同期設定をする
オンラインストレージ「OneDrive」をする場合は、Windows 10で使えるように設定が必要です。
Windows 10でファイルとアプリの関連付けを変更する
Windows 10には新しいアプリがいくつか追加されていますが、以前の環境で設定されていたファイルの関連付けが変更されている場合があります。必要により変更しましょう。
まとめ
以上、Windows 7からWindows 10へアップグレードする際に注意すべきことや準備しておくことについて書いてみました。もちろんここで書いた手順や注意事項を実行しなくても、問題なくアップグレードできることもあります。しかし、企業PCなどのように、確実に移行したい場合には、ここで書かれた内容を参考にすることで、多くの時間と手間を省くことができるでしょう。
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