IT資産管理

私、事例を挙げます! ~スマートデバイス運用でハマるかも知れない落とし穴~

Written by ヒダリ

多分ですけど、ドラマ版って青木麗さん出てこないですよね?

私、事例を挙げます! ~スマートデバイス運用でハマるかも知れない落とし穴~

こんにちは。Anのサービス運用支援を担当しております。ヒダリと申します。アタリショックで有名なアタリではありません。ヒダリです。

「アタリショックって何?」という戸惑いの言葉が聞こえてきた気がしますので軽く説明しますと、『アタリショック』とは『1980年代のアメリカで、ビデオゲーム市場に質の悪い製品が溢れ、ユーザーの購入意欲が減退し、市場そのものが超縮小した』という事件です。『悪貨は良貨を駆逐する』が実際に起きてしまった近代の出来事、というと分かりやすいですね。

このアタリショック、もう40年近く昔のお話ですが、モノヅクリ業界では多くの方が意識しておられる出来事だったりします。アタリショック当時よりも、遥かに膨大な数の製品やサービス、作品が群雄割拠するこの現代社会――第二のアタリショックは、決して他人事ではありません。ヒダリもご他聞に漏れず、まずは自身が『悪貨』を造りこまぬよう、日々業務に邁進しております。

一方、こんな野望も抱いたりします。

『アタリショック回避はあくまで前提。それだけじゃなく、誰が見ても「すげー」と言われるモノを生み出していきたい』

……ふわっとした野望ですね。そもそも、モノヅクリ業界における「すげー」の形は人それぞれです。売り上げ、独自性、人々への影響度……何を最重要視するのかは十人十色でしょう。そこらへん、今後もうちょっと突っ込んで考えていく必要があります。ただ、「大体こういうの!」という具体的なイメージが無いかといわれると、決してそうではありません。あるのです。具体的な「すげー」のイメージ。

そう。美内すずえ先生作『ガラスの仮面』です。

恒例化しつつあるエンタメ作品紹介!

すげーどうでもいいですが、「恒例化しつつあるエンタメ作品紹介!映画、小説ときて今度は少女マンガなのね!おそろしい子!」と思ってくださった方が居られれば嬉しいです。どうでもいいですね?ごめんなさい。

さて、『紫のバラの人』や「おそろしい子!」で有名な『ガラスの仮面』は、主人公・北島マヤが、演劇の世界でどんどんのし上っていく、40年以上も続く大作少女マンガです。安達裕美さん主演でドラマ化もされてましたね。ヒダリも毎週観てました。「よく知らない」って方は漫画全巻買うか、紹介用のあらすじを載せているサイトなどを見てください。何かもうあらすじだけですごい。凄く面白い。引き込まれてしまう。

この作品の何が凄いかって、作品自体が放つパワーや多彩なキャラクター、あらすじだけでも読み返したくなるようなストーリーはもとより、先ほど言った「売り上げ」「独自性」「人々への影響度」をすべてクリアしているところです。他にも同様のすげー作品はありますが、今回ばかりは『ガラスの仮面』を推したい。推したいのです。何故かと言うと、最近、ヒダリの脳内に、この漫画の有名なセリフがよぎるためです。

「転んだことのない人間に、転んだときの痛さはわからない」

主人公・北島マヤの姉御的存在、青木麗さんのセリフです。『ガラスの仮面』という漫画においては、演技に悩むマヤへのアドバイスとして投げかけられたセリフですが、色んな形で汲み取ることが可能な、まさしく真理を突く明言だと思います。個人的には最近、こんな風にこの言葉を変換しています。

「実際に使ってない人間に、製品の使いやすさや使いにくさ、つまずきポイントは分からない」

そうです、分からないんです。スペック表を眺めていても!マニュアルを眺めていても!スマートデバイスには、実際に買ってみて使い始めてみないと見えてこない『落とし穴』が色々あります。ヒダリはどちらかというと、これまでの経験上、スマートデバイスを実際に触ってこねこねする機会が多かったため、特に思うところがあるのです。

というわけで、今回は!

『実際に使ってみないと気づきにくい微妙なつまずきポイント』を、具体的な事例をもとにご紹介したいと思います!

「何だ結局前回と同じあるあるネタじゃん」と思われたそこの方!すいません!でもまぁそういわずひとまず目を通してみてください。ね!?ではいきます!!
※勢いでゴリ押そうと必死ですのでお許しください。あと、以降はあくまで個人の意見と言う点にもご注意ください。

微妙なつまずきポイント1:「重さ」

かつて戦国大名・毛利元就は、三本の矢の教えを用いて、息子たちに結束の力の重要性を説きました。
同様(というのはあまりにおこがましいですが)に、ヒダリも説きたいことがあります。

――スマートデバイスも、数多く持てば重いのです――。

「当たり前じゃん」という声が響くようですが、石を投げるのは少し待ってください。
実はこれ、割と大変なことなのです。

例を出しましょう。

 ・AndroidデバイスであるGoogle Pixel 3(スマートフォン)の重量:148g
 ・iOSデバイスであるiPhone X(スマートフォン)の重量:194g
 ・WindowsデバイスであるSurface Pro 6(タブレット・プロセッサi5)の重量:770g
 ※すべて公式HPより抜粋

ざーっと色んなデバイスの重量を眺めてみましたが、大体スマートフォンの重量は平均150~200g、
タブレットの重量は平均700gくらいではないでしょうか。
近年はコンパクト化が進んでいることもあり、一台持つ分には十分な軽さだと思います。
※ここで述べた想定平均重量はあくまでヒダリの個人的なあてずっぽうであり、統計に基づく数値ではない点をご了承ください

ただ、よくよく普段の業務状況を考えると、持ち運び台数が一台で済まないケースは、多分にあるのではないでしょうか。例えば、下記のケースです。

■社用と個人用、計2台のスマートフォンを持って移動する
■お客様先に訪問するに当たって、連絡用のスマートフォンと、プレゼン用のタブレットを一台ずつ持って移動する
MDMツール LanScope Anの検証のために5,6台ほどスマートフォンやタブレットを所持して自社近辺を徘徊する

塵も積もれば山となる。スマートフォン2台持ちだと300~400gほど、スマートフォン&タブレット持ちだと総重量は1kg弱になります。1kg!この重量だと、もはや筋トレすら可能ですよ!また、ポケットWi-Fiや念のための携帯充電器などを同時に持ち歩くことも想定されますから、総重量は更に増えるかもしれません。いつの間にか、社外を歩き回る営業さんが、割とシャレにならない重みと日々闘うアスリートと化していた……という事態も、十二分に考えられます。あなたの近くの営業さん、最近なんだかムキムキになっていませんか?

『重さ』――デバイス購入時のスペック表には必ず掲載されている情報ですが、中々気に留める機会は少ないのではないかと思います。直近でデバイスを購入する予定がある管理者様は、是非この機会に、次回購入するデバイスの「重量」も、検討材料の一つに含めていただければと思います。軽くなればなるほど……現場の皆様は嬉しいハズ!

微妙なつまずきポイント2:「パスワード」

――パスワードは大変重要なものです――。

また「当たり前だろ」という声がありありと聞こえますが、やっぱり投石までは少し待ってください。
パスワードと言うと、「情報を守るもの」と捉えられるケースが多いのですが、稀に「運用を阻害するもの」として働いてしまうケースがある、ということを提言したいのです。どんなケースか?こんなケースです。

■社内で共有しているデバイスの電源を点けたが、ログインパスワードが共有されていなくて、結局使えなかった
■別部署に異動した前任者が利用していたデバイスを引き継ぐことになり、ワイプ(初期化)されたデバイスを渡されたが、いざ使おうとすると、アクティベーションロック(iOS)やDevice Protection(Android)によって、前任者が利用していたアカウントとパスワードが必要となり、使えなかった
MDMツール LanScope An の検証用に、社内でかつて利用していたデバイスのお古をいただいたけれど、アクティベーションロックが解除されてなくて、情報システム課の方に相談しに行く羽目になった

情報を守る、というパスワードの働きは、非常に重要な役割です。重要なのですが、上記のようなところでハマると、思わず「ああああ!」とヘンな声が出てしまう筈です。流石に声までは出ない?ですよね。
冗談はさておき、『デバイスをどう運用するか』『引継ぎなどの場合に注意すべき点がまとまっているか』など、パスワードとデバイス運用ルールには、切っても切れない関連性があります。この機会に是非、この辺りのルールがまとまっているか、周知できているか、管理者様には再確認いただければ幸いです。まとまっていなかったら……まとめてもらうことで、今後の運用で不要なトラブルが減るハズ!まぁまとまっててもトラブる時はトラブりますけれども!

微妙なつまずきポイント3:「設定」

試験運用――ロボットものが好きな方なら、聞くだけでちょっとわくわくする言葉かも知れません。かくいうヒダリもわくわくします。
どうでもいい話は置いといて、お次はこれです。試験運用。非常に大事です。それっぽく言いましょう。

――設定にミスが無いか、試験運用で確かめるのも重要です――。

「やってるよ」という方からの投石は最早やむなしです。ただ、もし「あ、それやってないわ」という方が居られたら、是非この先を読んでいただきたいです。
人間はミスをするものです。特にスマートデバイスやMDM製品の場合、多岐に渡る機能と豊富な運用シーンから、どこかの設定に漏れが生じていた、というケースはよくあります。例えば・・・。

■iOSでAppleIDの設定は行なっていたけど、メール受信設定は忘れていた
■WindowsデバイスでBitLockerによるドライブ暗号化を忘れていた
MDMツール LanScope Anの検証のために自宅⇔会社の通勤時間中の位置情報を取得しようとしたけれど、LanScope An 側で業務時間外の位置情報は取得しない設定にしてしまっており、位置情報が取得できていなかった

これらも結局、デバイスを運用するためのマニュアルがしっかりまとまっていれば防げる『かも』知れない問題です。そうなのですが、マニュアルだって最初は完璧ではありません。少しずつ改善し、ブラッシュアップしていく必要があります。そしてブラッシュアップ――想定からすっぽり抜け落ちていた『穴』を埋めるには、実際に一度試験運用してみるのが一番です。設定ミスは結構尾を引きがちなので、出来れば是非お時間を確保して、試験運用を実施してみていただければ幸いです。

『落とし穴』――その解決方法

以上、今回はスマートデバイス運用時で微妙につまずくことがある、幾つかのポイント、『落とし穴』について紹介させていただきました。
幾つか弊社社員の生々しい体験談も混ぜましたが、結局のところ、アタリショックを引き起こさない――いえ、誰が見ても「すげー」と言われるような素晴らしい製品を生み出すには、こういった経験から何を学び、活かしていくか、が重要なのではないか、とヒダリは思います。そう、「転んだことのない人間に、転んだときの痛さはわからない」のです。

『落とし穴』――その解決方法は、製品に反映できる部分もあれば、人や運用に依存していて、反映が中々難しい部分もあります。ただ、後者へのアクションの一環として、もし本記事の内容が少しでもお役に立ったのなら、これほど嬉しいことはありません。今後もひっそりと『紫のバラの人』を目指して、こういったちょい細かめなところをご紹介していければと画策しておりますので、宜しければ是非、今後もご期待くださいませ。

以上……この記事を読んでいただき、まことにありがとうございました!

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