Written by WizLANSCOPE編集部

目 次
DLP(Data Loss Prevention)とは、機密情報や重要データの漏洩を防ぐために、監視・識別・制御を行うセキュリティソリューションです。
従来の情報漏洩対策は、重要な情報にアクセスする「ユーザー」を監視していましたが、DLPでは、「重要なデータそのもの」を監視します。
本記事ではDLPの概要に加え、主な機能や導入メリットなどを解説します。
▼本記事でわかること
- DLPの概要
- DLPの仕組み
- DLPの機能
- DLPとIT資産管理ツールの違い
- DLPのメリット
「そもそもDLPとは何か」「DLPによってどんなことが可能か」などを知りたい方はぜひご一読ください。
DLPとは?

DLP(Data Loss Prevention)とは、機密情報や重要データの漏洩を防ぐために、監視・識別・制御を行うセキュリティソリューションです。
DLPの最大の特徴は、重要なデータそのものを監視する点にあります。
通常のアクセス制御は「ユーザー」を監視するのに対して、DLPは組織にとって重要な「情報(顧客情報や財務データ、企業戦略など)」を監視します。
これにより、機密情報の外部への持ち出し・紛失のリスクを低減することが可能です。
またDLPは、リアルタイムで機密情報の監視を行うため、従業員のメール誤送信・誤操作による情報漏洩なども、未然に防ぐ役割が期待できます。
さらに、外部脅威による不正アクセスなども早期に把握し、調査や対応を行うことが可能です。
DLPが注目を集める理由
DLPが注目を集める背景には、内部要因による情報漏洩が年々増加傾向にあることが挙げられます。
情報漏洩の原因は、「外部要因」と「内部要因」の2つにわけることができます。
| 外部要因 | 外部からの攻撃(不正アクセス、マルウェア攻撃など) |
|---|---|
| 内部要因 | 人的ミスや内部不正(メールの誤送信、情報の持ち出しなど) |
株式会社東京商工リサーチが2025年に発表した調査によると、2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事の発生件数は189件であり、その原因の内訳を見ると、外部要因である「ウイルス感染・不正アクセス」が、全体の半数以上を占めています。
▼情報漏洩・紛失事故189件の原因内訳

出典:東京商工リサーチ|2024年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2025年1月21日)
一方で「誤表示・誤送信」「不正持ち出し・盗難」といった内部要因による情報漏洩も、決して少なくありません。
つまり、企業・組織は、外部からの脅威だけでなく、内部からのリスクに対しても、適切な対策を講じる必要があることがわかります。
このような背景から、価値ある情報に絞って、監視・保護ができるDLPが注目を集めています。
DLPのデータ判別の仕組み

DLPは、あらかじめ設定したポリシーをもとに、組織が保護すべき重要な機密データを自動的に識別し、監視します。
この判別の仕組みは大きく分けると「キーワードや正規表現による判別」と「フィンガープリントによる判別」の2つがあります。
DLPのデータ判別の仕組みを解説します。
キーワードや正規表現による判別
特定のキーワードや正規表現がデータ内に存在するかによって、重要なデータかを判別する方法です。
社会保障番号やクレジットカード番号など、指定したいキーワードがある程度絞れている場合に有効な方法です。
逆に指定したいキーワードや正規表現が多い場合は、登録自体に時間や手間がかかってしまうため不向きです。
フィンガープリントによる判別
フィンガープリントとは「指紋」のことで、指紋で人間を特定するように、特定のキーワード構成や文書構造などの特徴から、ファイルが機密情報であるかを判定する仕組みです。
DLPでは、特定の文書やデータベースのフィンガープリントを作成し、ネットワーク上で一致するデータがあるか監視することで、機密情報の不正な流出を防ぎます。
大まかな構成や構造から機密情報であるかを推測できるため、仮にデータの中身が更新されたとしても、変わらず重要データであることを判別することが可能です。
さらに、機密情報のファイルから派生した類似データや、そのファイルを含むフォルダまでを機密情報として識別することができます。
DLPの機能

DLPに搭載されている基本的な機能としては、以下が挙げられます。
- コンテンツ監視機能
- 印刷・コピー制限機能
- デバイス制御機能
- Webセキュリティ機能
- メールセキュリティ機能
それぞれどのような機能か解説します。
コンテンツ監視機能
コンテンツ監視機能とは、サーバー上で管理されている機密情報をリアルタイムで監視する機能です。
この機能を活用することで、サーバー内の情報から機密情報を識別し、情報の持ち出しや不正なアップロードなど、情報漏洩につながる可能性のあるアクションが行われそうになった際に速やかに検知し、警告を出すことが可能です。
印刷・コピー制限機能
印刷・コピー制限機能は、特定のデータに対する印刷・コピー・キャプチャといった操作を制限できる機能です。
これらの操作を制限することで、機密性の高い情報を外部に持ち出す手段を制御でき、不正持ち出し、紛失・盗難などの情報漏洩リスクを低減できます。
デバイス制御機能
デバイス制御機能とは、PCやスマートフォンなど、社内で利用しているデバイスを一元管理し、さまざまな脅威から保護する機能です。
デバイスの稼働状況やインストールされているアプリ・ソフトウェアを監視し、不正アクセスやマルウェア感染を検知した場合は、警告を出し、デバイスのロックダウンなどを行うことが可能です。
Webセキュリティ機能
Webセキュリティ機能とは、セキュリティ保護されていないような、危険性の高いWebサイトへのアクセスを制限する機能です。
これにより、マルウェア感染や情報漏洩のリスクを低減することが可能です。
部署ごと・業務内容ごとなどの単位でアクセス権限を付与することができるため、業務効率を下げることなく、安全性を高めることができます。
メールセキュリティ機能
メールセキュリティ機能とは、情報漏洩につながる可能性が高いと判断したメールの送信を自動的にブロックする機能です。
この機能では、前述した「キーワードや正規表現による判別」や「フィンガープリントによる判別」を活用し、送信メールに機密情報が含まれていないかを自動で検出します。
その結果、利用者の業務効率を下げることなく、セキュリティを強化できます。
DLPと従来の情報漏洩対策の違い

DLPと従来の情報漏洩対策の違いとして、以下の2点が挙げられます。
- ユーザーではなくデータそのものを監視する
- 監視対象を機密情報に限定する
それぞれ解説します。
ユーザーではなくデータそのものを監視する
従来の情報漏洩対策は、主に重要な情報にアクセスするユーザーを監視していました。
一方で、DLPは「ユーザー」ではなく、「重要なデータそのもの」を監視する点が特徴です。
これにより、不正操作やルール違反を適切に管理し、機密情報の漏洩をより着実に防ぐことができます。
対象範囲を機密情報に限定する
DLPは、企業が保有するあらゆる情報を対象とするのではなく、価値ある限定的な情報に絞って監視・保護するセキュリティソリューションです。
その結果、すべての情報を監視・管理する手間が省かれ、効率的に機密情報を守ることができます。

DLPとIT資産管理ツールの違い

IT資産管理ツールとは、事前に登録した従業員のPCやスマートフォンなどの「IT資産」を、一元管理するためのシステムです。
DLPとIT資産管理ツールは、どちらも情報漏洩を防ぐためのシステムではありますが、以下のような違いがあります。
▼IT資産管理ツール/DLP
| IT資産管理ツール | DLP | |
|---|---|---|
| 目的 | ・企業のIT資産の効率的な管理 ・従業員による情報漏洩の防止・対策 |
・重要データの漏洩防止 (外部要因・内部要因を問わず) |
| 監視対象 | ・組織のPCやスマートフォン ・ユーザーのアクティビティ(ログ) |
・重要データに対する不正操作 (アクセス・コピー・送信など) |
| 特徴 | ・ユーザーの行動監視・セキュリティ対策 ・アラートによる不正な操作の検知・通知 ・ログを活用した利用履歴の確認 ・セキュリティパッチ管理、禁止ソフトウェアの制御、デバイス制御機能 ・内部不正やセキュリティ被害の多角的な防止 |
・重要データの監視とリアルタイム防御 ・特定のデータを起点とした従業員の行動監視 ・データの移動やコピーに関するポリシー適用 |
IT資産管理ツールがIT資産とユーザー行動を重視するのに対し、DLPは特定データそのものを監視し、流出を防ぐためのソリューションです。
また、IT資産管理ツールが、資産管理に加えて、ログ操作やアプリケーションの制御、デバイスの紛失・盗難対策、パッチ適用など多様な機能を備えている一方で、DLPは機密情報の保護に特化している点が特徴です。
つまり、IT資産管理ツールとDLPは「どちらか一方を導入すれば良い」というものではなく、両者を併用することで、異なるアプローチから組織の情報漏洩対策を強化できます。

DLPを導入するメリット

DLPを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 人的ミスによる情報漏洩の防止
- 異常な挙動のリアルタイム検知
- 管理コスト・運用負荷の軽減
まず、DLPは「機密情報そのもの」を監視対象とするため、従業員が誤って機密情報を外部に送信したり、不適切な場所に保存したりといった、人的ミスによる情報漏洩を防ぐことができます。
また、普段とは異なるデータアクセスや操作といった異常な挙動をリアルタイムで検知するため、セキュリティインシデントの兆候を早期に検知し、即座に対応することが可能です。
加えて、データセキュリティに関する管理コストや運用負荷の軽減にも効果を発揮します。
たとえば、組織内の膨大な情報資産の中から「守るべき機密情報を選別する」には、多くの時間と手間を要しますが、DLPであれば、あらかじめ設定したポリシーをもとに、組織が保護すべき重要な機密データを自動的に識別することが可能です。
活用することで、大幅な業務効率化が期待できるでしょう。
DLP製品を選ぶときのポイント

DLP製品を選ぶ際は、次のポイントを押さえるようにしましょう。
- 機能や容量は十分か
- 自社のOSに対応しているか
- 要求するメモリーの容量はどれくらいか
- 無料トライアルは可能か
- サポートは充実しているか
製品によって搭載されている機能は異なるため、自社に必要な機能が備わっているかを、事前に必ず確認する必要があります。
また、スムーズに運用するためには、対応OSや製品が要求するメモリー容量のチェックも欠かせません。
要求メモリーが大きすぎる製品は、デバイスの動作が遅くなるなど業務に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。
そのほかにも、トラブル発生時に備えて、サポート体制が充実しているかなども事前に確認することが推奨されます。
DLPとの併用にIT資産管理・MDMツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」

DLPとあわせて検討したい、社内不正の効率的な防止・総合的なセキュリティ対策を実現できるソリューションとして「IT資産管理ツール」があります。
MOTEXの提供する、IT資産管理・MDMツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」であれば、情報漏洩に繋がる従業員操作を管理コンソールにて把握し、設定ルールに違反したデバイスを一目で把握することが可能です。
アプリの利用、Webサイトの閲覧、ファイル操作、Wi-Fi接続など、「どのPCで」「誰が」「いつ」「どんな操作をしたか」などの利用状況を把握できます。
たとえば「ファイル操作」であれば、ファイルやフォルダのコピー・移動・作成・上書き・削除など、細かな操作履歴も把握可能です。
▼IT資産管理ツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」の管理コンソール

また「OSが最新の状態になっていない」「許可外の外部デバイスの抜き差し」等、設定したルールに違反したデバイスをひと目で把握することも可能です。
アラート内容は管理者にメールで定期通知されるため、業務負担を軽減しつつ、IT資産の安全な管理を行えます。
▼不正な操作による、アラート設定/デバイス通知

さらにMDMの機能も備えており、PCだけでなくiPhoneやAndroidといったモバイルデバイスも、一括で管理できます。
情報漏洩対策の強化として、ぜひDLPと「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」の併用をご検討ください。
まとめ

本記事では「DLP」をテーマに、その概要や対策について解説しました。
本記事のまとめ
- DLP(Data Loss Prevention)は機密情報を監視し、そのデータのコピーや誤送・不正利用等を制限し、機密情報を守るセキュリティシステム
- 企業・組織としては外部要因だけでなく、内部要因による情報漏洩に対しても対策を行う必要があるため、価値ある情報に絞って、監視・保護が可能なDLPが注目されている
- DLPに搭載されている基本的な機能としては「コンテンツ監視機能」「印刷・コピー制限機能」「デバイス制御機能」「Webセキュリティ機能」「メールセキュリティ機能」などがある
- DLPを導入することで、「人的ミスによる情報漏洩も防げる」「異常をリアルタイムで検知できる」「管理コストおよび運用負荷を軽減できる」といったメリットが期待できる
IT技術の進歩に伴い、企業が管理すべき情報資産は年々増加しています。
これに伴い、情報漏洩のリスクも高まりつつあり、セキュリティ対策の重要性は、これまで以上に高まっています。
企業活動を安全かつ継続的に行うためには、企業・組織全体でのセキュリティの強化が欠かせません。
その手段のひとつとして、本記事で紹介したDLPやIT資産管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事で紹介した「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、PC・スマホをクラウドで一元管理できるIT資産管理・MDMツールです。
DLPと併用することで、より確実かつ効率的にセキュリティ強化を目指すことが可能です。
また、PCやスマホなどのエンドポイントにおける「これだけは押さえておきたい情報セキュリティ43項目」をまとめたチェックシートもご用意しています。
項目ごとの対策も紹介しておりますので、自社のセキュリティ課題の洗い出し・対策検討にぜひお役立てください。

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