Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
パソコンには、現在地を特定できる「位置情報取得機能」が搭載されています。
この機能を活用することで、万が一、盗難や紛失、置き忘れが発生した場合でも、すぐに所在を確認することができます。また、運用方法によっては勤務実態の把握にも活用できます。
ただし、位置情報の取得はプライバシーの侵害につながる恐れもあるため、企業が取得する場合は、十分な配慮が求められます。
本記事では、パソコンの位置情報を取得する方法や、位置情報の取得メリット・留意点などを解説します。
▼本記事でわかること
- パソコンの位置情報の取得方法
- パソコンの位置情報を取得するメリット
- パソコンの位置情報を取得するための設定方法
- パソコンの位置情報を取得する際の留意点
「パソコンの位置情報を取得することで、どのような効果が得られるのか」「取得時にどのようなことに注意が必要か」などを知りたい方はぜひご一読ください。
PCの位置情報を取得・把握するメリット

まずは、パソコンの位置情報取得機能を活用することで得られる主なメリットについて解説します。
- 盗難や紛失などに起因する情報漏洩リスクを低減できる
- 不正な持ち出しの防止につながる
- 勤務実態の把握に役立つ
詳しく確認していきましょう。
盗難・紛失・置き忘れなどに起因する情報漏洩リスクを低減できる
出張や商談などでパソコンを持ち歩く機会が多い場合、盗難や紛失、置き忘れのリスクを完全になくすことはできません。
さらに近年では、リモートワークやテレワークといった働き方が一般化し、オフィス外にパソコンを持ち出す機会も増えています。
仮に盗難や紛失、置き忘れが発生すると、パソコンに保存されたデータが第三者に盗み見れられるリスクが生じます。
特に業務用のパソコンとなれば、企業の重要データや顧客情報などが保存されているケースも多く、深刻な情報漏洩事故につながる恐れがあります。
このようなリスクに対して位置情報を取得していれば、リアルタイムでパソコンの所在を確認できるため、迅速に回収できる可能性が高まります。
また、位置情報から即時の回収が難しいと判断できた場合には、遠隔でロックをかけたり、データを消去したりする「リモートロック」や「リモートワイプ」の実施を検討することも可能です。
不正な持ち出しの防止につながる
パソコンの位置情報を把握できるようにすることは、不正な持ち出しの防止にもつながります。
業務内容や取り扱う情報の重要度によっては、パソコンのオフィス外への持ち出しが禁止されているケースもあります。
このような場合に、位置情報取得機能を設定しておくことで、従業員による不正な持ち出しの早期発見に繋がります。
また、位置情報取得機能が有効になっていることや、必要に応じて所在が確認できることをあらかじめ従業員に周知しておくことで、不正持ち出しの抑止効果も期待できます。
勤務実態の把握に役立つ
パソコンの位置情報取得は、従業員の勤務実態を把握するうえでも重要な役割を果たします。
特に外回りや直行直帰が多い従業員の場合、業務用パソコンの位置情報を取得することで、管理者が実際の勤務場所や勤務時間を把握し、適切な労務管理に役立てることができます。
また、勤務時間の自己申告による不正の防止だけでなく、過剰な残業などの状況を把握することで、業務量の見直しや従業員の負担軽減に向けた対応を検討することも可能になります。
パソコンの位置情報取得の仕組み

次に、パソコンの位置情報を取得する仕組みについて代表的な手法を紹介します。
| GPS | ・衛星からの信号を受信して位置を測定する仕組み ・パソコンにGPS受信機が内蔵されている場合、正確な位置情報を取得できる ・建物内などでは電波が遮られ、精度が低下することがある |
|---|---|
| Wi-Fiアクセスポイント | ・Wi-Fiアクセスポイントを通じて位置を推定する仕組み ・アクセスポイントの位置情報がデータベースに登録されている場合に有効な手段 ・室内利用においてはGPSより正確な位置情報を取得できる場合がある |
| 携帯電話基地局 | ・複数の基地局からの信号強度を測定し、三角測量によって位置を推定する仕組み ・パソコンが携帯通信ネットワークに接続されている場合に利用可能 ・Wi-FiやGPSが利用できない場合でも、ある程度の位置情報を取得できる |
| ネットワークのIPアドレス | ・IPアドレスをもとに、大まかな位置を推定する仕組み ・正確な位置情報を取得することは難しい |
パソコンの位置情報サービスの設定方法

パソコンの位置情報を取得する方法を、OS別に紹介します。
ここでは、Windows、Macにおける位置情報取得の設定方法を取り扱います。
Windowsの場合
Windowsのパソコンで位置情報を取得するには、「Windows 位置情報サービス」をオンにする必要があります。
Windows11で「Windows 位置情報サービス」をオンにする手順は以下の通りです。
- 「スタートメニュー」をクリックし、「設定」を選択する
- メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択する
- 「位置情報」を選択し、「位置情報サービス」をオンにする
なお、アプリケーションごとに位置情報を管理したい場合は、以下の手順で設定します。
- 上記と同じ手順で「位置情報」を開く
- 「アプリに位置情報へのアクセスを許可する」をオンにする
- アプリケーションごとに位置情報をオン・オフを切り替える
参考:Microsoft サポート「Windows の位置情報サービスとプライバシー」
Macの場合
Macのパソコンで位置情報を取得する際は、以下の手順で行います。
- 「アップルメニュー」をクリックし、「システム設定」を開く
- メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択する
- 「位置情報サービス」を選択し、オンにする
アプリケーションごとに位置情報を設定したい場合は、以下の手順で行います。
- 上記と同じ手順で「位置情報サービス」を開く
- アプリケーションごとに位置情報をオン・オフ設定を切り替える
参考:Apple サポート (日本) 「Macの位置情報へのアクセスを制御する」
パソコンの紛失に起因する情報漏洩事例

ここでは、パソコンの紛失に起因する、情報漏洩の事例を2つ紹介します。
事例1 健康保険組合における情報漏洩事例
2025年4月、ある健康保険組合が健診事務を委託している団体において、個人情報が漏洩した可能性があることが判明しました。
漏洩した可能性がある情報は、2021年度および2022年度に健診事務を委託している団体を通じて健康診断を申し込んだ人の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、事業所名、保険証記号・番号など)です。
原因は、健診事務を委託している団体の職員が、通勤時に上記情報が格納されているノートパソコンを紛失したことでした。
当該ノートパソコンは回収されたものの、故障により起動できないことから、個人情報にアクセスした形跡の有無が確認できていないとのことです。
事例2 高知県の中学校における情報漏洩事例
2025年5月、高知県のある中学校で利用されていたノートパソコンが紛失し、町内全児童生徒303人と教職員68人の個人情報が漏洩した可能性があることを教育委員会が発表しました。
紛失したのは、生徒や教職員が使用するタブレットの管理者用パソコンで、普段は職員室内の机の上に置かれていました。
パソコンには、ログイン用のIDとパスワードを記入した付せんが貼られていた可能性があることから、個人情報が漏洩した恐れがあるとされています。
教育委員会は再発防止策として、パソコンを鍵付きの箱に入れ、校長の許可を得ないと使用できないようにするなど、管理体制を強化する方針を示しました。
パソコンの位置情報を取得する際の留意点

パソコンの位置情報を取得することはセキュリティ対策として有効ですが、企業が取得する場合は、従業員のプライバシーを保護の観点から、以下の項目に留意する必要があります。
- 位置情報の取得について、事前に同意を得る
- 勤務時間外には位置情報を取得しない
確認していきましょう。
位置情報の取得について、事前に同意を得る
企業がパソコンの位置情報を取得する際は、従業員に対して利用目的や必要性を事前に説明し、必ず同意を得たうえで実施する必要があります。
従業員に無断で位置情報を取得することは、プライバシーの侵害に該当する可能性があります。
また、取得した位置情報データは、出退勤時間の確認や休憩時間の適正な取得の把握といった労務管理、あるいは紛失・盗難時の所在確認など、あらかじめ定めた範囲内でのみ利用することが重要です。
勤務時間外には位置情報を取得しない
勤務時間外のプライベートな時間に位置情報を取得することは、合理性に欠けるだけでなく、プライバシーの侵害やハラスメントと受け取られるリスクがあります。
場合によっては、違法と判断される可能性もあるため、取得方法や運用ルールを明確に定めておくことが重要です。
位置情報を取得する場合は、業務時間内に限定するなど、従業員のプライバシーに十分配慮した運用を行いましょう。
パソコンの位置情報をリアルタイムで把握できる「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」

「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」は、業務で使用するPCやスマートフォンを一元管理し、情報漏洩リスクを防ぐことができるIT資産管理・MDMツールです。
本ツールを活用することで、Windows・iOS・Androidデバイスの最新の位置情報を把握することが可能です。
マップ上には最大300台まで同時に表示でき、各デバイスの所在を一目で確認できます。

また、「移動履歴」機能も搭載されており、管理者が設定した時間間隔で位置情報を自動取得することが可能です。
これにより、1日の行動を時系列で確認でき、万が一デバイスを紛失した場合でも、移動の履歴を元に所在の特定を行うことができます。

さらに、「電源が切れる前」までの位置情報を取得できるため、紛失したPCがバッテリー切れになっていた場合でも、直前の位置を把握することが可能です。
その他にも、デバイス紛失時に効果的な、遠隔でデバイス画面をロックする、データの初期化・ドライブへのアクセス制御を行う「リモートロック/ワイプ」機能も搭載されています。
「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」の詳細については下記の製品ページをご覧ください。
まとめ
本記事では「パソコンの位置情報」をテーマに、取得するメリットや設定方法、留意点などを解説しました。
本記事のまとめ
- パソコンの位置情報取得機能を有効にすることで、盗難や紛失が発生した際に第三者に情報が盗み見られるリスクを低減できるほか、社外への不正持ち出しを抑止できる効果も期待できる
- パソコンの位置情報は、「GPS」「Wi-Fiアクセスポイント」「携帯電話基地局」「ネットワークのIPアドレス」などの方法で取得することが可能
- パソコンの位置情報を取得する際は、個人のプライバシーを守るためにも、「位置情報の取得に関して必ず同意を得る」「勤務時間外に位置情報を取得しない」といった点に留意する必要がある
パソコンの位置情報の取得は、盗難・紛失時の情報漏洩対策として非常に有効です。
一方で、従業員に無断で位置情報を取得してしまうと、プライバシーの侵害と受け取られ、トラブルに発展する恐れもあります。
そのため、セキュリティ対策の一環で位置情報を取得する旨を事前に説明し、必ず従業員の同意を得た上で実施することが重要です。
本記事で紹介した「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」では、Windows PCの最新の位置情報をリアルタイムで把握することが可能です。
そのほかにも、リモートロック・ワイプ機能やWindowsアップデート管理機能など、PC・スマホの安全な利用をサポートするさまざまな機能が搭載されています。
セキュリティ強化を目指す企業・組織の方は、ぜひ活用をご検討ください。

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