Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
Pマーク(プライバシーマーク)とは、企業・組織が個人情報を適切に取り扱っていることを第三者機関が認証する制度です。
近年は個人情報保護の重要性が高まっており、多くの企業や官公庁、自治体などでPマークの取得が進んでいます。
さらに、取引先から取得を求められるケースも増えており、企業の信頼性向上や情報管理体制の強化に欠かせない認証のひとつとなっています。
しかし、「Pマークはどのように取得できる?」「取得には何が必要なの?」といった疑問を抱える担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、今さら聞けない「Pマークの取得」について、取得方法や流れ、必要な期間・費用までをわかりやすく解説します。
▼本記事でわかること
- PマークとISMSの違い
- Pマークの取得メリット
- Pマークを取得する流れ
- Pマーク取得までにかかる費用と期間
また、本記事では企業・組織の情報セキュリティ体制整備に役立つ「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」についても紹介しています。
Pマーク(プライバシーマーク)とは?

Pマーク(プライバシーマーク)とは、「個人情報を適切に管理している」と評価された事業所が使用できるマークです。
Pマーク制度は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)および指定審査機関によって運営されており、制度目的は以下のように定義されています。
・目に見えるプライバシーマークで示すことによって、個人情報の保護に関する生活者(消費者)の意識の向上を図ること
・適切な個人情報の取扱いを推進することによって、生活者(消費者)の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えること
出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)「プライバシーマークとは」
Pマークの付与対象は、国内に活動拠点を持つ事業者に限定されており、国際規格ではありません。
しかし、2026年5月時点では17,700社を超える事業者がPマークを取得しており、個人情報を取り扱う企業・組織において重要性が高い制度であることがわかります。
Pマークを取得するためには、日本産業規格「JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項)」をもとにした審査基準を満たす必要があります。
取得自体は義務ではありませんが、個人情報保護法が適用されるすべての事業者において、信頼性向上の観点から取得を検討するケースが増えています。
Pマークを取得した企業・組織は、自社サイトやパンフレットなどにPマークを掲載できるため、顧客や取引先から信頼を獲得をしやすくなる効果が期待できます。
また、個人情報保護の重要性が高まっている近年では、「Pマークを取得していること」を取引条件にしている企業もあることから、新規取引の拡大やビジネスチャンスの創出にも効果が期待されています。
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)とは
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)とは、企業・組織が個人情報を適切に保護・管理するための仕組みです。
Pマーク取得の基準となる「JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項)」では、このPMSに関する要求事項が定められており、事業者はこの規格に準拠したPMSを構築・運用する必要があります。
PMSでは、計画(Plan)・実施(Do)・点検・評価(Check)・改善(Act)の4つの要素からなるPDCAサイクルを継続的に回し、個人情報保護レベルの維持・向上を図ります。
こうしたPMSの運用状況が指定審査機関による審査で認められると、Pマークの付与・利用が可能になります。
Pマーク(プライバシーマーク)とISMSの違い

Pマークと混同しやすい情報セキュリティに関する規格として「ISMS(Information Security Management System、情報セキュリティマネジメントシステム)」があります。
ISMSとは、組織が保有する情報資産に対してリスクアセスメントを実施し、情報の重要度に応じた適切な管理・運用を継続的に行うための仕組みです。
このISMSを、国際規格である「ISO/IEC 27001」に準拠して構築・運用していることを、第三者機関が審査・認証する制度が「ISMS認証」です。
PマークとISMSは似た制度として比較されることが多く、「どちらを取得すべきかわからない」と悩む事業者も少なくありません。
両者の違いを整理します。
| プライバシーマーク | ISMS | |
|---|---|---|
| 開始日 | 1998年4月 | 2002年4月 |
| 認定機関 | 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) | 一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC) |
| 審査基準 | JIS Q 15001:2017 ※2024年10月1日以降 JIS Q 15001:2023 |
ISO27001:2013 |
| 有効期限 | 2年 | 3年(ただし1年ごとに継続審査) |
| 対象 | 個人情報 | 情報セキュリティ |
| 目的 | 個人情報の取り扱いに特化した制度で、個人情報保護規定を満たすことを目的としている | 個人情報を含むすべての情報が保護対象で、情報セキュリティの3大要素を高めることを目的としている |
| 認証範囲 | 事業者単位 | 部署単位も可能 |
両者の大きな違いとして、Pマークが国内規格であるのに対し、ISMSは国際規格に基づく認証制度である点が挙げられます。
前述の通り、Pマークの付与対象は国内に活動拠点を持つ事業者であり、国際規格に準拠しているわけではありません。
一方で、ISMSは「ISO/IEC 27001」という国際規格に基づいて運用されています。
また、保護対象となる情報にも違いがあります。Pマークが「個人情報」を対象としているのに対し、ISMSは「個人情報を含むすべての情報資産」を対象としています。
さらに、ISMSでは情報セキュリティの3要素である「機密性」「完全性」「可用性」を維持・向上させることが重視されています。
どちらを取得するかは、事業内容や求められるセキュリティ水準などによって異なります。
ISMSについてより詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご確認ください。
Pマーク(プライバシーマーク)を取得するメリット

Pマーク(プライバシーマーク)を取得することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 個人情報を適切に取り扱っていることの客観的な証明
- 顧客や取引先からの信頼獲得
- ビジネスチャンスの拡大
- 情報漏洩のリスクの低減
- 従業員の個人情報保護に対する意識向上
近年は個人情報保護の重要性が高まっており、Pマークの取得を取引条件としている企業も少なくありません。そのため、Pマークを取得することで、新規取引やビジネスチャンスの拡大につながる可能性があります。
また、Pマークを取得するためには、厳格な審査基準を満たす必要があります。
審査の過程では、個人情報保護に関するルール整備や管理体制の構築を行うため、情報漏洩リスクの低減にもつながります。
さらに、Pマーク取得に向けた取り組みを通じて、従業員一人ひとりの個人情報保護に対する意識向上も期待できます。
従業員が適切な情報管理を意識して行動することで、組織全体の個人情報保護体制の強化にもつながるでしょう。
Pマーク取得時の注意点

Pマーク取得には多くのメリットがある一方で、事前に理解しておくべき注意点もあります。
ここでは、Pマーク取得時に押さえておきたい2つのポイントを解説します。
取得・維持に費用や工数がかかる
Pマークの取得には、一定の費用が発生します。
また、取得時だけでなく更新時にも「申請料」「審査料」「付与登録料」が必要となるため、Pマークの取得・維持には継続的なコストがかかる点に注意が必要です。
さらに、Pマークを取得・運用においては、規定類の整備や文書作成、審査対応なども必要になるため、担当者の業務負担が大きくなりやすい傾向があります。
そのため、十分な人的リソースを確保できない場合は、コンサルティング会社への依頼を検討するのもひとつの方法です。
形骸化するリスクがある
Pマークは、「取得すること」自体が目的化してしまうと、ルールや運用が形骸化するリスクがあります。
また、審査通過のみを目的として厳しすぎるルールを策定すると、現場の業務効率が低下してしまう可能性もあります。
そのため、ルール策定時はセキュリティ面だけを重視するのではなく、実際の業務フローや運用実態を踏まえたうえで、実態にあった無理のないルールを整備することが重要です。
Pマーク(プライバシーマーク)取得までの流れ

ここでは、Pマーク取得までの流れを、6つのフェーズに分けて解説します。
- フェーズ(1):PMS構築(方針策定・規定作成)
- フェーズ(2):運用開始
- フェーズ(3):教育・内部監査の実施
- フェーズ(4):Pマークの申請
- フェーズ(5):審査(書類審査・現地審査)
- フェーズ(6):Pマーク取得・運用開始
各フェーズで実施する内容について、順番に見ていきましょう。
フェーズ(1):PMS構築(方針策定・規定作成)
まずは、Pマーク取得に向けて、担当者の選定や取得スケジュールの設定を行いましょう。
担当者は、審査時の対応を行う可能性もあるため、社内全体の業務内容を把握している人物や、情報システム部門の担当者が適任とされています。
また、PMSの構築からPマーク取得までは、一般的に6か月〜1年程度かかるといわれています。そのため、必要な準備期間を踏まえたうえで、無理のないスケジュールを設定することが重要です。
担当者や取得スケジュールが決まったら、次に社内で取り扱っている個人情報を洗い出し、リスク分析を実施します。
この分析結果を基に、個人情報保護方針や運用ルール、対応手順などを定めたPMS文書を作成します。
フェーズ(2):運用開始
PMS文書を作成した後は、その内容に基づいて組織内で運用を開始します。
Pマークを取得するためには、「JIS Q 15001」の要求事項に準拠したPMSを構築し、PDCAサイクルに沿った運用を実施する必要があります。
また、運用状況に関する記録や管理資料などを作成・保管し、審査時に提出できるよう準備を進めます。
フェーズ(3):教育・内部監査の実施
PMSの運用が規定通りに実施されているかを確認するために、内部監査を実施します。
内部監査では、個人情報保護に関するルールや運用状況に問題がないかを確認し、不備や改善点が見つかった場合は、必要な是正対応を行います。
監査結果は、原則として組織の代表者へ報告され、その内容をもとに改善指示や見直し対応が実施されます。
フェーズ(4):Pマークの申請
提出書類がすべて揃い、PMSの構築・運用が完了したら、Pマークの申請を行います。
提出書類には、「必須書類」と「任意提出書類」があり、任意提出書類もあわせて提出することで、審査期間が短縮される場合があります。
2026年5月時点における主な提出書類は、以下の通りです。(一部抜粋のため、詳細は公式サイトをご確認ください)
| No. | 分類 | 申請書類 |
|---|---|---|
| 1 | 必須書類 | 個人情報を取扱う業務の概要 |
| 2 | すべての事業所の所在地及び業務内容 | |
| 3 | 個人情報保護マネジメントシステム文書の一覧 | |
| 4 | 教育実施サマリー(全ての従業者に実施した教育実施状況) | |
| 5 | 内部監査・マネジメントレビュー実施サマリー | 6 | 登記事項証明書 |
| 7 | 定款 | |
| 8 | 最新の個人情報保護マネジメントシステム文書一式 | |
| 9 | 個人情報を特定した台帳、いわゆる「個人情報管理台帳」の運用記録 | |
| 10 | 上記9に対応する、いわゆる「リスク分析結果」 | |
| 11 | 任意提出書類 | 教育を実施したことが確認可能な記録一式 |
| 12 | 内部監査を実施したことが確認可能な記録一式 | |
| 13 | マネジメントレビュー(代表者による見直し)を実施したことが確認可能な記録一式 | |
| 14 | 会社パンフレット等 |
出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)「オンラインで申請する」
また、業種や登記している住所、登録している審査機関などによって申請先が異なるため、事前に確認しておきましょう。
フェーズ(5):審査(書類審査・現地審査)
申請後、「形式審査」「書類審査」「現地審査」の3つの審査が実施されます。
| 審査区分 | 内容 |
|---|---|
| 形式審査 | ・申請資格の有無や申請書類に不備がないか確認する |
| 書類審査 | ・PMS文書が審査基準に適合しているか、また内部規定を遵守するための運用手順などを確認する |
| 現地審査 | ・PMSに基づいた対策が適切に整備・運用されているかを、審査員が現地で確認する |
現地審査後に指摘事項があった場合は、PMSの見直しや改善対応を行い、改善報告書などの必要書類を提出する必要があります。
フェーズ(6):Pマーク取得・運用開始
すべての審査が完了すると、Pマーク付与機関と契約を締結し、付与登録料を支払うことで、Pマークを取得できます。
ただし、Pマークには有効期限があり、2年ごとに更新審査を受ける必要があります。
そのため、Pマーク取得後もPDCAサイクルを継続的に回し、個人情報保護レベルの維持・向上に取り組むことが重要です。
Pマーク(プライバシーマーク)取得にかかる期間と費用

Pマークの申請から取得までにかかる期間は、一般的に6か月から1年程度とされています。
なお、Pマーク取得では、PMSを構築するだけでなく、一定期間運用している実績も求められます。一般的には約3か月程度の運用実績が必要とされるため、その期間も考慮したうえでスケジュールを立てることが重要です。
また、Pマークの取得・更新には、「申請料」「審査料」「付与登録料」の3つの費用が発生します。
費用は事業者の規模によって異なり、例えば小規模事業者が新規でPマークを取得する場合、314,288円(税込)が必要です。
2026年5月時点における料金は、以下の通りです。(単位:円、消費税10%込み)
| 新規 | 更新 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業者規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
| 申請料 | 52,382 | 52,382 | 52,382 | 52,382 | 52,382 | 52,382 |
| 審査料 | 209,524 | 471,429 | 995,238 | 125,714 | 314,286 | 680,952 |
| 付与登録料 | 52,382 | 104,762 | 209,524 | 52,382 | 104,762 | 209,524 |
| 合計 | 314,288 | 628,573 | 1,257,144 | 230,478 | 471,430 | 942,858 |
出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)|費用
ただし、2026年10月1日からはプライバシーマークの付与に関わる料金が以下のように改定されます。
| 新規 | 更新 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業者規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
| 申請料 | 57,200 | 57,200 | 57,200 | 57,200 | 57,200 | 57,200 |
| 審査料 | 226,600 | 518,100 | 1094,500 | 134,200 | 345,400 | 749,100 |
| 付与登録料 | 52,800 | 104,762 | 231,000 | 52,800 | 104,762 | 231,000 |
| 合計 | 336,600 | 690,800 | 1,382,700 | 244,200 | 518,100 | 1,037,300 |
出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)|料金改定のお知らせ(2026年10月より
なお、事業者規模の区分については、以下の3項目を基準として一律に判定されます。
- 登記された資本金の額または出資の総額
- 従業者数
- 業種
詳細は公式サイトをご確認ください。
Pマーク(プライバシーマーク)の有効期間と更新

Pマークには有効期間が設けられており、2025年5月現在では2年間と定められています。
Pマークを取得した事業者は、有効期間中も個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を適切に運用し続けなければなりません。
また、有効期間満了後も継続してPマークを利用する場合は、2年ごとに更新審査および更新手続きを行う必要があります。
なお、更新申請は有効期間終了の4~8か月前までに行う必要があるため、余裕を持って準備を進めましょう。
Pマーク(プライバシーマーク)が取り消しになるケース

Pマークは、取得後に取り消されるケースもあります。
例えば、以下のような事態が発生した場合、付与機関から取り消し処分を受けることがあります。
- 個人情報の漏洩
- 個人情報の目的外利用
- 法令違反
意図的な違反行為だけでなく、誤って個人情報を流出させてしまった場合も対象となるため、注意が必要です。
また、一度Pマーク認証が取り消された場合、1年間は再取得申請を行うことができません。
さらに、取り消しの事実は、Pマーク付与機関のWebサイト上で2年間公表されます。
Pマークを取得することで、顧客や取引先からの信頼獲得につながる一方で、その信頼を維持するためには、継続的かつ適切な管理・運用を行うことが重要です。
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Pマークの取得・運用においては、情報セキュリティ体制の構築だけでなく、継続的な運用・改善のサイクルを回すことが求められます。
しかし、情報資産の把握やデバイス管理、インシデントの有無の確認などを手作業で行う場合、担当者の負担が大きくなりやすいという課題があります。
そこで活用したいのが、IT資産管理ツールです。
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- PC・スマホなどIT資産の一元管理
- USBメモリなど記録媒体の利用制限
- Windowsアップデート管理
- インシデント発生時の原因調査・追跡
Pマーク取得後も継続的な運用が求められるからこそ、管理負担を軽減できるツールを活用し、効率的な情報セキュリティ体制を構築することが重要です。
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まとめ
本記事では「Pマーク(プライバシーマーク)」をテーマに、取得のメリットや流れ、必要な期間・費用について解説しました。
本記事のまとめ
- Pマーク(プライバシーマーク)とは、「個人情報を適切に管理している」と認められた事業所が使用できるマーク
- Pマークを取得には、「JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項)」に準拠したPMSの構築・運用が必要
- Pマーク取得により、「顧客・取引先からの信頼獲得」「情報漏洩ス低減」「ビジネスチャンスの拡大」などの効果が期待できる
- Pマークの有効期間は2年間で、継続利用するためには更新審査・更新手続きが必要
- 個人情報漏洩や不適切な運用があった場合、Pマークが取り消されるケースもある
Pマークの取得は、情報漏洩リスク対策だけでなく、企業の信頼性向上や新規取引の拡大にもつながります。
一方で、取得・運用には継続的な管理体制や運用負担が求められるため、計画的に準備を進めることが重要です。
本記事で紹介した「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、Pマーク運用時の管理負担軽減に役立つIT資産管理・MDMツールです。
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