IT資産管理

ライセンス管理とは?必要性、効率化の方法を解説

Written by Aimee

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ライセンス管理とは、​企業が使用するソフトウェアやデジタルコンテンツのライセンス(使用権)を適切に管理し、法的遵守および最適な運用を実現するためのプロセスを指します。

適切なライセンス管理を怠ることで、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • ・ ​​ライセンス違反を犯し、罰則や訴訟の対象になる
  • ・ 実際には使用していないソフトウェアに、ライセンス料を支払ってしまう
  • ・ ​どのソフトウェアがアップデートされていないかを把握できず、脆弱性を放置してしまう

企業が利用するソフトウェアの種類や数が増加すると、手動での管理が困難になり、IT管理者の負担が増大します。IT資産管理ツールの導入により、ソフトウェアの情報を一元管理することが推奨されます。

この記事では、ライセンス管理の概要、その必要性や効率化する方法について詳しく解説いたします。

▼この記事を要約すると

  • ​​ライセンス管理とは、ソフトウェアやデジタルコンテンツの使用権を適切に管理するプロセス
  • ​​ライセンス管理が必要な理由として「ライセンス違反の防止」「コスト削減」「セキュリティ強化」などの観点が挙げられる
  • ​​ライセンス管理を行う際には、ソフトウェアの種類の多様化やライセンス形態の複雑化が管理上の大きな課題となる。対応するためには、専門ツールの導入や適切な管理プロセスの確立が必要​

​​ライセンス管理とは​


ライセンス管理とは、企業が使用するソフトウェアやデジタルコンテンツのライセンス(使用権)を適切に管理し、法的および契約上の義務を遵守するためのプロセスを指します。

具体的には、以下の業務が含まれます。

  • ・ ​​ライセンスの取得から使用状況の追跡
  • ・ ライセンスの更新管理(期限管理と更新手続きの実施)
  • ・ ​コンプライアンス確認(ライセンス契約条件が遵守されているかの監査および管理)

ライセンス管理の目的は、ソフトウェアやデジタルコンテンツの違法な使用やライセンス違反を防ぎ、企業が法的リスクを回避するとともに、コストの最適化を図ることにあります。

万が一ライセンス管理が不適切な場合、企業は法的リスクや経済的な損失を被る可能性が高くなります。

▼ライセンス管理を怠るリスク

  • ・ ​​法的リスク:ライセンス契約に違反した場合、罰則や訴訟の対象となる可能性がある
  • ・ ​​​経済的損失:未使用のライセンスに対して不要な費用を支払う、あるいは適切なライセンスを取得していなかったために罰金が発生することがある
  • ・ ​​​セキュリティリスク:ソフトウェアの更新が適切に管理されていない場合、脆弱性が放置され、サイバー攻撃のリスクが高まる

使用許諾契約書(EULA)について

使用許諾契約(End User License Agreement, EULA)は、ソフトウェアの提供者と利用者との間で交わされる法的契約であり、ソフトウェアの使用条件を規定するものです。

通常、使用許諾契約書には以下のような内容が含まれます。

  • ・ ​​ライセンスの範囲:ソフトウェアの使用許可の範囲(個人利用のみか、商業利用も可能か、インストール台数に制限があるかなど
  • ・ ​​​禁止事項:リバースエンジニアリング、無断複製、再配布の禁止など
  • ・ ​​​更新とサポート:ソフトウェアのアップデートやサポートが提供される条件や期間
  • ・ ​​​責任の制限:ソフトウェアに起因する損害に対する、提供者側の責任の免除または制限
  • ・ ​​​終了条件:契約が終了する条件や、利用者が契約違反をした場合のペナルティ(ライセンスの無効化、違約金の発生など)

使用許諾契約書は、ソフトウェアの不正利用や契約違反を防ぐとともに、提供者と利用者双方の権利と責任を明確にする重要な役割を果たします。

​​ライセンス管理の必要性​


ライセンス管理が必要な理由としては、以下の3つが挙げられます。

  • ・ ​​ライセンス違反の防止
  • ・ ​​​コストの削減
  • ・ ​​​セキュリティ強化

ライセンス違反の防止

ライセンス違反とは、ソフトウェア提供元が定めた使用条件を超えてソフトウェアを利用する行為を指します。

ライセンス契約では、以下のような条件が明確に定められています。

  • ・ ​​インストール可能な端末数
  • ・ ​​​使用可能な範囲(個人・法人・商用利用の可否など)
  • ・ ​​​使用期間(有期限ライセンスか、永久ライセンスか)

例えば、許可された台数を超えてインストールした場合、ライセンス違反となり、法的責任が発生します。

ライセンス違反は著作権法などの法律に抵触する行為であり、個人では10年以下の懲役刑または1,000万円以下の罰金刑(またはこれらの併科)、法人では3億円以下の罰金刑が科される可能性があります。

コストの削減

適切なライセンス管理が行われていない場合、企業は不要なソフトウェアを購入したり、未使用のライセンスに対して継続的にコストを支払ったりする可能性があります。

ライセンス管理を徹底することで、使用されていないソフトウェアを特定し、不要な支出を削減できます。さらに、余剰ライセンスを他の部門やユーザーへ適切に再割り当てすることで、新規ライセンスの追加購入を抑え、コストの最適化を図ることが可能です。

セキュリティ強化

ソフトウェアの利用状況を適切に把握できていない場合、古いバージョンのまま使用されているソフトウェアの存在に気付くことが遅れ、脆弱性が放置されるリスクが生じます。この脆弱性を悪用したサイバー攻撃を受ける可能性が高まるため、迅速な対応が求められます。

ライセンス管理を通じて、誰が、どのソフトウェアを、どのバージョンで使用しているかを可視化することで、セキュリティリスクの低減が可能です。また、使用状況を監視することで、企業・組織が許可していないフリーソフトウェアの利用を検出し、マルウェア感染や情報漏洩のリスクを未然に防ぐことにもつながります。

​​ライセンス管理を行う際の課題​


ライセンス管理は企業にとって極めて重要な業務ですが、実施に際していくつかの課題が存在します。特に「管理対象となるソフトウェアが膨大な数であること」と「ライセンス形態の複雑さ」は、企業におけるライセンス管理の大きな障壁となります。

ソフトウェアの数が膨大であること

企業が利用するソフトウェアは、従来の業務アプリケーションに加え、クラウドサービス、サブスクリプション型ソフトウェア、オープンソースツールなど多岐にわたります。その数は年々増加しており、すべてのソフトウェアのライセンス取得状況や使用状況を適切に管理することは極めて困難です。

特に、大規模企業やグループ企業では、管理対象となるソフトウェアが数千、数万に及ぶこともあり、人的リソースの不足や、ソフトウェアの管理ツールを使いこなすためのスキル不足などが課題となります。

ライセンス形態が複雑

ソフトウェアのライセンス形態は多様化しており、永続ライセンス(買い切り型)サブスクリプションライセンス(定期契約型)、あるいはユーザー単位のライセンス、デバイス単位のライセンス、クラウド環境向けライセンスなど、さまざまな種類が存在します。

また、同一ソフトウェアであっても、個人向けライセンスと法人向けのボリュームライセンス※ では、使用条件や権利が異なることが多く、企業は契約内容を正確に把握しておく必要があります。

※ボリュームライセンス…1つのソフトウェア製品に対し、多数のライセンス(使用許諾権)をまとめて提供する販売形態のこと

​​ライセンス管理時のポイント​


ライセンス管理を適切に実施するために、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • ・ ​​​管理対象および管理レベルを明確化する
  • ・ ​​​ライセンス管理台帳を作成する
  • ・ ​​​定期的にライセンスの契約状況を見直す
  • ・ ​​​ライセンス利用に関する知識を身につける

管理対象および管理レベルを明確化する

ライセンス管理を行う上で重要なのは、「何を管理するか」と「どのレベルで管理するか」を明確にすることです。

管理対象としては、以下の要素が挙げられます。

  • ・ ​​ソフトウェアの種類(業務用アプリケーション、開発ツール、オフィスソフトウェアなど)
  • ・ ​​​使用者や部門(特定の部署やチームごとに管理する)
  • ・ ​​​ライセンスの種類(個別ライセンス、ボリュームライセンス、サブスクリプション型など)

また、管理レベルの設定においては、企業の規模や業務内容に応じて以下のように方法を選択することが可能です。

  • ・ ​​全社的なライセンス管理(統一されたポリシーに基づく一元管理)
  • ・ ​​​部門ごとのライセンス管理(部署単位での独立した管理)
  • ・ ​​​ソフトウェアごとの詳細管理(特定のソフトウェアに特化した管理)

全てのライセンスを一度に管理しようとすると負担が大きくなるため、まずは監査対象となるソフトウェアや高額なライセンスを優先的に管理し、段階的に対象を広げるのが現実的でしょう。

ライセンス管理台帳・ライセンス関連部材台帳を作成する

ライセンス管理台帳は、ソフトウェアおよびデジタルコンテンツのライセンス情報を一元的に記録・管理するためのツールです。これを作成・運用することで、ライセンスの有効期限や利用状況を正確に把握し、適切な管理を行うことが可能になります。

▼ライセンス管理台帳に含める情報

  • ​ソフトウェア名
  • ​購入日
  • ​バージョン​
  • ​ライセンス形態
  • ​ライセンス種別
  • ​ライセンス証書番号​

▼ライセンス関連部材台帳に含める情報

  • ​プロダクトキー(CDキー)
  • ​インストール時に使用したCD・DVD
  • ​管理部門
  • ​保管場所

これらの情報を適切に管理することで、ライセンスの期限切れや過剰・不足ライセンスの発生を防ぎ、監査時の対応も円滑に進めることができます。

定期的にライセンスの契約状況を見直す

ライセンス管理は一度行ったら完了するものではなく、定期的に状況を見直すことが重要です。

企業では、従業員の退職や部署異動により、不要なライセンスが発生することがあります。
これらのライセンスを放置すると無駄なコストが発生するため、以下の対応を行うことが重要です。

  • ​・ ​​不要なライセンスの解約(コスト削減)
  • ・ ​​​未使用ライセンスの再割り当て(社内資源の最適活用)

ライセンス利用に関する知識を身につける

ライセンス管理を適切に行うためには、ライセンスの基本知識を持つことが不可欠です。ソフトウェアのライセンス形態や契約条件は非常に多岐にわたり、適切な管理を怠るとコンプライアンス違反につながる可能性があります。

​​代表的なライセンス形態の例

​​​​ライセンス種類 ​​​​説明​
​​セカンドライセンス​ ​​正規ライセンスの利用者が、特定のモバイル端末などに限り2台目のインストールを許可されるライセンス
​​ダウングレードライセンス 購入したソフトウェアのバージョンよりも古いバージョンを使用できるライセンス

このようなライセンスの違いを正しく理解することで、​​ライセンス違反のリスクを最小限に抑えることが可能です。さらに、ライセンス管理担当者向けの研修や教育プログラムを実施し、組織全体での理解を深めることも重要です。

​​ライセンス管理を効率化するには?​


ライセンス管理機能を備えた「IT資産管理ツール」を導入することで、手動で行うのが困難なソフトウェアライセンスの管理を、効率的に行うことが可能となります。

企業が保有しているソフトウェアライセンス情報の自動収集や、利用状況のリアルタイムな可視化などが可能です。

ただし、ツールが収集できる情報には限りがあるため、ダウングレード権の有無などツールが収集できない重要な情報については、手動で入力する必要があります。

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例えば、「​​LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」では、PCやスマホに業務に関係のないアプリや、脆弱性を含むアプリがインストールされていないかを、管理画面から一覧で確認できます。

▼クライアントごと/アプリごとでの確認が可能

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また、「LANSCOPE エンドポイントマネージャー オンプレミス版」であれば、より高度なソフトウェア資産管理(SAM)機能を活用し、ライセンス管理台帳の作成から更新までを行うことが可能です。

ライセンス契約情報とソフトウェアの利用実態の突合から相違点を把握し、ライセンス違反や過不足を効率的に確認できます。

▼「契約ごと」などの高度なライセンス管理も可能

関連ページ

LANSCOPE エンドポイントマネージャー オンプレミス版

​​まとめ​


本記事では「ライセンス管理」をテーマに、その概要や対策について解説しました。

本記事のまとめ

  • ライセンス管理とは、ソフトウェアやデジタルコンテンツの使用権を適切に管理するプロセスのこと​
  • ライセンス管理が必要な理由としては、「ライセンス違反の防止」「コストの削減」「セキュリティ強化」などが挙げられる
  • ライセンス管理を行う際には、ソフトウェアの種類の多様化やライセンス形態の複雑化が管理上の大きな課題となる。対応するためには、専門ツールの導入や適切な管理プロセスの確立が必要

ライセンス管理を適切に行うためには、管理対象の設定、ライセンス管理台帳の作成、定期的な見直し、そしてライセンスに関する知識の習得が不可欠です。企業はこれらのポイントをおさえ、計画的に実行することで、効果的なライセンス管理を実現しましょう。

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