IT資産管理

業務可視化とは?メリットと具体的な進め方を3ステップで徹底解説

Written by WizLANSCOPE編集部

業務可視化とは?メリットと具体的な進め方を3ステップで徹底解説


「チームの生産性が上がらない」「業務の属人化が進んでいる」といった課題を抱える企業・組織は少なくありません。

こうした課題の多くは、業務プロセスがブラックボックス化していることに起因しています。その解消において重要となるのが、「業務の可視化」です。

業務内容を洗い出し、可視化することで、組織の現状を正確に把握することができるようになります。その結果、業務改善やDX推進に向けた課題が明らかになり、適切な対策の立案・実行を目指せるようになります。

本記事では、業務可視化の実践的な進め方や、導入によって得られるメリット、役立つツールなどをわかりやすく解説します。

▼本記事でわかること

  • 業務可視化によるメリット
  • 業務可視化の進め方
  • 業務可視化のポイント

「業務可視化を実施することでどのようなメリットがあるのか」「具体的に何から始めればいいのかなどを知りたい方はぜひご一読ください。

業務可視化とは


業務可視化とは、社内の業務について、「いつ」「誰が」「何を」「どのように」行っているのかを明確にし、関係者全員がその内容を客観的に把握できる状態にすることを指します。

関係者の誰が見ても、業務内容を正しく理解できる状態にするためには、業務の流れをはじめ、各工程にかかる時間、担当者、使用しているツールやシステムなど、業務に関するあらゆる情報を洗い出し、整理することが欠かせません。

これにより、これまで個々人の経験や感覚に依存していた業務プロセスが標準化され、組織全体の業務効率化や課題解決に向けた基盤を構築することができます。

業務の可視化が求められる背景

近年、「働き方改革の推進」や「DXの加速」などを背景として、業務可視化の重要性が高まっています。

長時間労働の是正や多様な働き方の実現には、業務の無駄をなくし、効率性を追求することが不可欠です。

また、業務を効率化を目指す上では、ツールやシステムなどのIT技術の活用も欠かせませんが、効果的に実行するためには、業務プロセスのどの部分をデジタル化すべきかを正確に把握する必要があります。

この判断の土台・根拠となるのが、業務の可視化です。

さらに、テレワークの普及により、従業員の業務状況を直接確認・管理する機会が減少傾向にあることも、業務可視化の必要性が高まっている要因の一つと言えるでしょう。

業務可視化の進め方

業務可視化を効果的に進めるためには、体系的なアプローチが重要です。

ここでは、3つのステップに分けて、業務可視化の進め方を解説します。

  • ステップ(1):業務の洗い出しと整理
  • ステップ(2):業務フローの作成
  • ステップ(3):課題分析と改善策の立案

詳しく見ていきましょう。

ステップ(1):業務の洗い出しと整理

まずは、業務可視化の対象となる部署やチームで行われている業務を、抜け漏れなくすべてリストアップしましょう。

日次・週次・月次・年次といった時間軸や、「顧客対応」「資料作成」「会議」などのカテゴリ別に業務を分類すると、抜け漏れを防ぎやすいです。

正確に洗い出すためには、特定の担当者が単独で進めるのではなく、各担当者へのヒアリングやアンケートを通じて実態を把握することが重要です。

本ステップで洗い出しておきたい項目例は、以下の通りです。

項目例 内容
業務名 ・具体的な作業内容がわかる名称(例:請求書作成業務)
担当部署・担当者 ・当該業務の主担当となる部署・担当者名
発生頻度 ・毎日・毎週・毎月など、業務が発生する頻度
作業時間 ・1回あたりの平均作業時間
関連部署 ・当該業務に関わる他部署

ステップ(2):業務フローの作成

次に、洗い出した業務のプロセス、つまり「業務の流れ」を可視化します。

業務の開始から終了までの一連の作業手順を、時系列に沿って整理し、図式化しましょう。

この図は、一般的に「業務フローチャート」や「プロセスマップ」と呼ばれます。

業務フローを作成することで、業務の全体の流れや各工程の関係性を直感的に把握できるようになり、ボトルネックや非効率な工程といった課題を発見しやすくなります。

ステップ(3):課題分析と改善策の立案

業務の洗い出しとフロー作成が完了したら、それをもとに現状の課題分析を行います。

具体的には、洗い出した一つひとつの作業工程に対して、「この作業は本当に必要か」「ツールやシステムによる自動化・効率化はできないか」といった視点で見直しを進めます。

特に、長年の慣習としてルーティン化しているものの、実際には不要となっている業務がないかは、改めて確認することが重要です。

見直しや改善が必要な工程が特定できたら、それに対して具体的な改善策を検討し、実行に向けた計画を策定していきましょう。

業務可視化で得られるメリット


業務可視化を実施することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 課題や改善点の明確化
  • 属人化の解消
  • 業務品質の向上と標準化
  • 内部統制とコンプライアンスの強化
  • 的確な人事評価と人材育成

実施を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

課題や改善点の明確化

業務の内容やフローを改めて詳細に洗い出すことで、これまで見過ごされていた無駄な工程やボトルネックを特定できる可能性があります。

課題や改善点が明確になることで、「なぜこの作業に時間がかかっているのか」「そもそも本当に必要な業務なのか」といった観点で業務を見直すことができ、具体的な改善策を検討するための重要な第一歩となるでしょう。

属人化の解消

業務内容を可視化し、手順をマニュアル化することで、関係者の誰でもが同じ品質で業務を遂行できるようになります。

業務の属人化が進むと、異動や退職などにより担当者が不在になった場合、業務の停滞や品質低下を招き、企業全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすリスクが高まります。

こうしたリスクに対し、業務可視化を通じて業務の標準化を進めることで、業務の継続性が確保され、組織として安定したパフォーマンスを維持できるようになるでしょう。

業務品質の向上と標準化

業務可視化の取り組みの一つである「業務フローの洗い出し」において、最適な手順を標準化することで、業務品質の向上を図ることができます。

その結果、顧客満足度向上に寄与するだけでなく、新入社員や異動者に対する教育・引き継ぎにかかるコスト削減にもつながるでしょう。

内部統制とコンプライアンス強化

業務プロセスが不明確な状態の組織は、不正行為や情報漏洩といったリスクが高まりやすい状態にあります。

こうしたリスクに対して、業務の担当者や承認ルート、具体的な作業内容を可視化することで、業務の透明性が向上し、不正行為に対する抑止効果が期待できます。

さらに、社内規程や法令遵守の観点から、業務プロセスが適切であるかを改めて確認することで、コンプライアンス体制の強化にもつながるでしょう。

的確な人事評価と人材育成

業務可視化の取り組みによって得られるデータは、従業員一人ひとりの業務負荷や貢献度を客観的に評価するための重要な材料にもなります。

例えば、具体的にどのような業務をどのような品質で遂行しているのかを明確に把握できるようになることで、公平性が高く、本人にとっても納得感のある人事評価につなげることが可能になります。

さらに、各従業員がどの業務にどれだけの時間を費やしているかを可視化できれば、スキルアップが求められる領域を特定しやすくなり、効果的な人材育成計画の策定にも役立つでしょう。

業務可視化を成功させるための3つのポイント


業務可視化は、目的や方針を明確にしないまま進めてしまうと、「業務を洗い出しただけ」の状態で終わり、形骸化してしまう恐れがあります。

業務効率化や属人化の解消、働き方改革の推進といった成果につなげるためには、あらかじめ押さえておくべき重要なポイントがあります。

ここからは、業務可視化を成功に導くための3つのポイントを解説します。

目的を明確にし、関係者と共有する

業務可視化を成果につなげるためには、まず、「生産性を10%向上させる」「残業時間を20%削減する」といった、具体的かつ測定可能な目的を設定することが重要です。

目的を設定した後は、目的に関わるすべてのメンバーに共有し、「なぜこの取り組みが必要なのか」という共通認識を形成しましょう。

前述の通り、業務可視化の取り組みは特定の担当者だけで進めても、抜け漏れが生じたり、実態とかけ離れた内容になったりする可能性があります。

目的を確実に達成し、実際の成果につなげるためにも、関係者全員が主体的に関わり、協力しながら進めることが重要です。

スモールスタートを選択する

チームやプロジェクで担っている業務をすべて洗い出そうとすると、膨大な時間と労力が必要となり、途中で求める精度を下げてしまったり、取り組み自体が中止してしまったりするケースも少なくありません。

開始時に設定した目的を達成するためには、可視化のレベルを安易に下げることなく、必要な業務について、課題や改善点を明確にすることが重要です。

そのため、まずは業務全体に一度に取り組むのではなく、特に影響度の高い主要業務に絞って着手する「スモールスタート」を選択することが推奨されます。

これにより、限られたリソースの中でも着実に成果につなげやすくなり、成功体験を積み重ねながら、段階的に可視化の対象を広げていくことが可能になります。

定期的かつ継続的に見直しを行う

業務可視化は、一度実施したら終わるものではありません。

一度改善した業務や工程であっても、市場環境や組織体制の変化により、改めて見直しが必要となる場合もあります。

そのため、定期的に振り返りを行い、PDCAサイクルを継続的に回していくことが欠かせません。

具体的には、四半期ごとや半期ごとなど、組織に変化が生じやすいタイミングで、業務を見直すことが推奨されます。

業務可視化に役立つツール

最後に、業務可視化を効率的に進めるためのツールを紹介します。

業務可視化は、手作業でも実施できますが、ツールを活用することでより効率的かつ正確に進めることが可能になります。

前述の通り、業務可視化は一度きりの取り組みではなく、継続的に見直し・改善を行うことが重要です。そのため、運用しやすく、長期的に活用できるツールを選ぶことが推奨されます。

プロセスマイニングツール

プロセスマイニングツールとは、PCの操作ログやシステムのイベントログといった客観的なデータをもとに、実際の業務プロセスを自動で可視化・分析するツールです。

操作ログやアクティビティログを解析することで、業務が実際にどのような流れで行われているかを把握することができます。

人間の主観や思い込みが入り込む余地が少なく、実態に即した業務フローを把握できるため、非効率な作業や標準プロセスからの逸脱を正確に発見できる特徴があります。

タスク管理・プロジェクト管理ツール

タスク管理・プロジェクト管理ツールとは、「誰が」「何を」「いつまでに行うか」といった情報をタスクベースで管理・共有し、関係者間で進捗状況を可視化できるツールです。

各メンバーの業務量や進捗状況を把握しやすくなるため、タスクの再配分やボトルネックの早期発見につながります。

一方で、情報登録は手動で行うケースが多いため、登録漏れや更新の遅れが発生すると、実態とかけ離れた情報となってしまう可能性があります。

そのため、運用ルールを明確に定め、確実に運用していくことが重要です。

ワークフローシステム

ワークフローシステムとは、稟議申請や経費精算など、社内における申請・承認業務を電子化するためのシステムです。

紙の書類で回覧する場合と異なり、申請が現在どの承認工程にあるのかを一目で把握できるため、業務の停滞を防ぎやすくなります。

また、業務プロセスの可視化に加えて、承認スピードの迅速化やペーパーレス化にも寄与することから、DX推進の第一歩として導入する企業も多く見られます。

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールとは、従業員が使用しているPCやソフトウェアなどのIT資産情報を一元的に管理・可視化するためのツールです。

IT資産の保有状況や利用状況を把握することで、どの部門でどのようなIT機器やシステムが使われているのかを明確にし、セキュリティ強化や資産の最適化、内部不正の抑制などを目的として活用されているケースが多く見られます。

こうした機能は、業務可視化の取り組みにおいても、有効に活用することが可能です。

例えば、従業員のPC使用状況や稼働状況のデータを活用することで、労働時間を客観的かつ正確に把握できるようになります。

さらに、取得した利用データを分析することで、業務の偏りや非効率な作業を可視化でき、業務効率の改善や働き方改革の推進にも活用できます。

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本記事では、業務可視化に役立つ機能の一つである「操作ログ」について詳しく紹介します。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」では、従業員が利用するWindows・macOSの操作ログを取得することができ、最大5年分のログ保存に対応しています

取得できるログの一例は、以下の通りです。

ログの種類 取得内容
ログオン・ログオフログ 電源 ON・OFF・ログオン・ログオフのログ
ウィンドウタイトルログ デバイス上での閲覧画面(ウィンドウタイトル・アプリ名)のログ
ファイル操作ログ デバイス上でのファイル操作(ファイル・フォルダのコピー/移動/作成/上書き/削除/名前の変更)のログ
Webアクセスログ※ Webサイトの閲覧、ダウンロード、アップロード、書き込みのログ
プリントログ 印刷状況を記録し、ドキュメントやプリンター、PCごとに印刷枚数を集計
周辺機器接続ログ USBメモリなど、周辺機器への接続・切断などのログ

※対応ブラウザは、Chrome、Firefox、Microsoft Edge、Safari です。また macOS は Webサイト閲覧ログのみ取得できます。

管理画面では、アプリの利用状況、Webサイトの閲覧、ファイル操作、Wi-Fi接続などについて、「どのPCで」「誰が」「いつ」「どんな操作を行なったか」といった従業員のPC利用状況を、簡単に把握することが可能です。

例えば、1日の最初と最後の操作ログの発生時刻と勤怠の打刻時間を突合することで、勤怠の実態をより正確に把握することが可能です。

さらに、取得したログを自動でレポーティングする機能も搭載されており、勤怠管理の補助やデバイス・可視化などにも活用できます。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」セキュリティ強化や資産の最適化、内部不正の抑制に加え、業務可視化を支援するツールとしても有効に活用できます。

製品の詳細については、以下の製品ページをご覧ください。

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まとめ

本記事では「業務可視化」をテーマに、具体的な進め方や得られるメリット、成功させるための3つのポイントなどを解説しました。

▼本記事のまとめ

  • 業務可視化とは、社内の業務について、「いつ」「誰が」「何を」「どのように」行っているのかを明確にし、関係者全員がその内容を客観的に把握できる状態にすること
  • 業務可視化を実施することで、属人化の解消や業務品質の向上、コンプライアンスが強化などのメリットが期待できる
  • 業務可視化を成果につなげるためには、明確な目的を設定して関係者間で共有・協力することや、スモールスタートで始めることなどが重要である
  • 業務可視化は、一度きりで終わるものではなく、継続的かつ定期的に行うことが推奨されるため、ツールを導入し、効率的に行うことが推奨される

業務可視化は、生産性の向上や柔軟な働き方の実現など、組織が抱えるさまざまな課題の解決に寄与し、企業が持続的な成長をしていくための重要な取り組みです。

例えば、業務プロセスを可視化し、客観的に確認することで、非効率な作業の排除や属人化の解消、業務品質の向上が期待できます。

本記事で紹介した進め方やポイントを参考に、まずは身近な業務から、業務可視化に取り組んでみてはいかがでしょうか。