Written by 厚山 耕太
SYNCPITの立ち上げを行い、プロダクトマネージャーとして活動。
製品企画・設計からマーケティング、プロモーションなど全責任を担う。
また、プロダクトデザインチームを率い、製品横断でUI改善・UX向上を進める。
目 次
初めまして、「Syncpit(シンクピット)」です。
新製品「Syncpit」でLanScope Anとビジネスチャットを連携!
LanScope CatやActiveDirectoryとも連携し業務自動化の枠を広げる
Syncpit 開発の背景:「なるはや・緊急・よろしく」業務からの解放
Syncpitのコンセプト
Syncpit開発者の想い:「ワンクリック自動化(特許出願中)」全てお任せパッケージツアーをご提供
?Syncpit製品サイトOPEN!
初めまして、「Syncpit(シンクピット)」です。
今回の新商品は、人・デバイス・サービスの3つを「つなぐ」「核」となるサービスにしよう!という想いから、「つなぐ」をあらわす「Sync」、「核」となるという意味から「Pit」、この二つをあわせた「Syncpit」としました。
ロゴについては、企画開発メンバーの商品にかける熱い想いをぶつけ合いながら、UXデザイナーが丁寧にそれを汲み取って形にしていくことで完成しました。ここでは、「Syncpit」のロゴにどのような想いが込められているかをご紹介させていただきます。
バックオフィス業務をスムーズに流すためには、
この3つの価値がつながることは自然なことです。
水の流れが地形を生み出すかのごとく、Syncpitが業務をスムーズに流し、
取り組みたい業務に集中させてくれます。
バックオフィス業務において、
水のように必要不可欠な存在でありたくロゴに想いを込め、
水分子をモチーフに形づくりました。
1992年のネットワークアナライザ「LanScope NERI」から始まるネットワークの見える化をコンセプトとした「LanScopeシリーズ」は、多くのお客様、パートナー様に支えられて大きく成長していくことができました。本当にありがとうございます。
新商品「Syncpit」も開発当初の今の熱い想いを忘れずに、お客様、パートナー様、そしてMOTEXを含む様々なメーカー、この3つをつなぐ核となるような役割も担えるよう多くの叱咤激励を受けながら成長させていきたいと考えております。
これからは「LanScopeシリーズ」に加え「Syncpit」もご愛顧いただける様全力で取り組んで参りますので、是非、ご期待ください!
今回の特集記事では、12月20日リリース時点で何を実現するのか?
また、その開発の背景や経緯も含めてご紹介させて頂きますので、ご一読いただければうれしいです!
新製品「Syncpit」でLanScope Anとビジネスチャットを連携!
Syncpit Ver.1.0では、ビジネスチャットのChatWork、Microsoft Teams、LINE WORKS、とMOTEXのMDM LanScope Anと連携し、いつでも・どこでも・なくした本人(もしくは管理者)が、チャットからスマホ・PCの紛失対策ができるよう情シス業務を自動化しています。
言葉だけでは伝わりづらいと思いますので、ここでは、チャットを活用してどのようなことができるかを実際の画面に沿ってご紹介します。
下図のように、いままで情報システムの担当者の方が、スマホ紛失対応についての電話依頼を受けてから、パソコンでLanScope Anにログインした上で対応していた業務を自動化し、紛失した本人がいつでもどこでもチャットさえ使えればすぐに対応できるようにできます。そして、初期の機能連携設定さえ完了していれば、この業務自動化をプログラミングスキルはもちろん、ワークフローを組むことすら必要なく「ワンクリック自動化」できるのが、一番の特長になります。この点は、いかにその考えにいたったのかを後ほどご紹介します。
LanScope CatやActiveDirectoryとも連携し業務自動化の枠を広げる
12月20日のリリース時のSyncpitには、スマホ・PCの紛失対応業務を自動化するテンプレートに限定した形でサービス提供させて頂きますが、今後は、情シス業務を自動化する上で、ユーザー様の声を伺いながらさまざまな製品と連携し、提供できる「業務テンプレート」を拡充させていきます。
現在予定しているロードマップとしては、SlackやGoogleハングアウトに対応しビジネスチャット連携の強化、機能連携ではLanScopeシリーズの主力製品であるLanScope Catはもちろん、ActiveDirectoryやAzure ADなど、情シス業務と切り離すことができないシステムとの連携します。
例えば、デバイス禁止環境における「USBデバイスの一時許可」をチャットからの申請で実現したり、「入社手続き」におけるアカウント発行や認証設定などの業務自動化を実現するテンプレートを提供していく予定です。
Syncpitは、安全性と生産性の両立を掲げるMOTEXのビジョン「Secure Productivity」の実現に向けた新たな挑戦です。情シスのみなさんの声を伺いながらこれからのロードマップを一緒に作り上げていきたいと思いますので、是非、忌憚のないご意見をおねがいします。
Syncpit開発の背景:「なるはや・緊急・よろしく」業務からの解放
Syncpit開発の背景には、LanScope Anの存在があります。LanScope Anではスマホやタブレットなどモバイルデバイスの運用をいかに効率よくできるかを追求しています。
そんなLanScope Anでは「ユーザと共に創りあげる」をテーマの1つと掲げ、定期的にユーザ会を実施してきました。そのユーザ会において、改めて情報システム部門の業務がいかに多岐に渡っているか、日々様々な業務に追われていらっしゃるか、現場の生の声を教えていただきました。
情報システム部門では、「割り込み業務」といわれる「なるはや・緊急・よろしく」とさまざまな業務が社内から舞い込んでくる中、外部環境(OSやアプリケーションのアップデートなど)の変化にも対応していかなければならない。これら追われる系の業務をこなしがら、組織防御としてセキュリティ対策も行い、攻めの面で社内のIT戦略の立案を行っておられる。これら多岐に渡る業務を少人数、もしくは「1人情シス」や「総務と兼務」しながら、目まぐるしく業務をこなされていました。
こういった「超多忙な情シス業務」視点で社内外の情報システム部門の方々へのヒアリングを重ねると、皆さん決まって同じことをおっしゃられることに気づきました。それは、どれだけ忙しくても「計画的な忙しさ」は問題ではなく、突発的な「なるはやで!」「緊急、緊急!」「(断れない相手から、ただ)よろしく!」がとても困ると。
それに加えて、メーカーとしては耳の痛い現実も仰っていただけました。多忙な業務をこなしている中「新製品の新機能を追ってる時間はない」ということです。この問題をハッキリと認識した時、この状況を「なんとかしたい」と決心したのがSyncpit誕生のキッカケです。
Syncpitのコンセプト
Syncpit誕生時に掲げたコンセプトは次の3点です。
②その裏側の仕組みとしてSyncpitが存在し、各製品の機能を意識しなくとも、目の前の業務が効率化・自動化できる。
③手順が決まっている業務、誰がやっても結果が一緒の業務は自動化する。
この3点をキーコンセプトにモックアップを作り、LanScopeユーザ様を訪問し、多くの生の反応を聞かせていただきました。
「なぜうちの問題をそんなに知っているんですか?」「本当にそれができるのだったら、”属人化”業務がなくせるじゃないですか!」などのポジティブなご意見や「うちには要らないな」などネガティブなご意見と同時に「なぜ?不要か」も含め、忌憚のないご意見をいただけたことで、コンセプトやモックアップを磨いていけました。
コンセプト固めからモックアップまで、初めは順調に進んでいたプロジェクトですが、ユーザ様からのヒアリングを重ねるうちに、私たちは大きな大きな壁にぶつかることになりました。「構築・運用」の壁です。
「で、その仕組みって誰が作るんですか・・・?」考えてみたら当たり前のことですが、「いける、いける!」と視野が狭くなっていた私たちにはこの言葉は衝撃でした。その場では「はい、このように構築いただけます」といつも通りモックを動かし説明差し上げていたのですが、帰りの電車でその質問がジワジワ頭に浸透し、オフィスに戻る頃には呆然としてました。
「コレでは使い始めていただけないし、使い続けていただけない。マズイ・・・。」それまで作っていたモックアップが全て壊れてしまいそうなほど、大きな雷でした。「運用が自動化された未来は素晴らしい」ここの価値ばかりに注目し、導入や運用への配慮が少なかったのです。
なるべく簡単に扱えるように、とは心がけていたつもりだったのですが、それでもまだまだ開発者視点に立ちすぎていたようです。
いただいた質問には「コンセプトはいいが、使い始められないし、使い続けられるものでもない」という意味が込められていたのです。
壁にぶつかった私たちは、「業務の効率化・自動化」に加え「いかに使い初めやすいモノにするか」「いかに使い続けられるモノにするか」この2つを徹底的に磨くことにしました。
Syncpit開発者の想い「ワンクリック自動化(特許出願中)」全てお任せパッケージツアーをご提供
壁にぶつかって以降、「導入の壁」「運用の壁」をいかに突破するか?その戦いが始まりました。これらの壁がゼロにはなることはありませんが、徹底的にさげられるところまで下げ続ける。そこを追求し、いかに始めやすく、使い続けていただけるモノに仕上げるか。突き詰めて、突き詰めて、辿り着いたのが「ワンクリック自動化」です。
「ワンクリック自動化」とは、問題を解決したいテーマに対して、
②「自動化する」ボタンをワンクリックする
たった2つの作業で業務を自動化できる考え方です。
このワンクリックにより、テンプレートにある業務が自動化・効率化されます。突き詰める過程で「導入コスト」「運用コスト」を下げるため、残念ながら「アレもコレもできる製品です!」の路線は捨てました。
「アレもコレも」と「ワンクリック自動化」との違いを旅行に例えると、「フルカスタムの個人旅行」か「パッケージツアー」かの違いに似ています。フルカスタムの個人旅行では、何でも自由に決められる代わり、旅程を組んで、移動手段や宿、どこで何を食べるまで、全て自分で調べ、自分で決め、自分で予約しなければなりません。
一方、パッケージツアーにおいては、旅行代理店のパンフレットから「コレ行きたい!」を選ぶだけです。カニを食べたい時は「カニ食べ放題バスツアー!今なら温泉つき!」を選ぶだけです。これをパッケージツアーを使わずに、個人で全ての段取りをしようとすると、「行きたいけど、準備する時間なかったから行けなかった」になってしまうところです。
ここにヒントがあると思い、問題解決したい業務を「パッケージツアー」のごとく「業務テンプレート」として準備しておくことにしました。あとは、この「業務テンプレート」を選んで、ワンクリックしていただくだけで、自動化・効率化されます。
このようにコンセプトを磨き上げ、モックアップに反映し、幾度となくさまざまなお客様からご意見をいただき、形をなしてきたのがSyncpitです。
今後は、自動化できる「業務テンプレート」を増やしていくことで、導入・運用をできる限りカンタンにし、当初に感じた「超多忙な情シスの皆さんの現状をなんとかしたい」を真の意味で解決できると信じております。