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情シスTipsシリーズ① 情シスのための効率的会議術(前編)


組織に属しているとチーム内会議や他部門との会議、社外ベンダーとの会議など、多くの会議を当たり前のように行っていると思います。しかし会議の運営方法や効率良く会議を進める技術を知らない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は会議を主催するときに役立つ、基本的な会議の運営方法と効率よく会議を進めるためのノウハウをご紹介します。

会議が必要な理由

そもそもなぜ会議が必要なのでしょうか?

情シスはITを駆使した現場というイメージがあるため、あまり会議は行わずに、メールやチャットを活用して意思決定や情報共有を行っている印象を持っている方もいるかもしれません。

しかしそのような現場はごく稀で、基本的には他の職場と変らず、人とのコミュニケーションがメインの仕事です。情シスさんはシステムを介してユーザーやベンダーの人達とやりとりを行うので当然といえば当然です。

情シスの現場ではニーズを満たし、かつコストを抑えた製品を購入するために、複数のベンダーとのコミュニケーションが発生します。またユーザーから現場の課題を吸い上げるためにもコミュニケーションが発生します。

情シスではこのように情報を収集したり、決めごとをしたり、方向性をあわせたり、複数の人が集まって「何かをする」ために多くの会議が開催されます。当然会議では何かを決めることになるのですが、その何かを決める場面だからこそ時間がかかるし、コミュニケーションミスが生じやすくなります。

そのため、会議を効率良くハンドリングするスキルはとても重要なスキルですし、会社でも重宝されます。

会議の種類


情シスでも会議に限らず、会議そのものには種類があります。会議の種類によって進め方にも違いがありますので、ここで会議の種類について解説しておきます。

意思決定のための会議
何かを決めたり、方向性を打ち出したりするタイプの会議です。次期システムの導入を決めたり、5年後のシステム基盤の方向性を決めるなど、会議のゴールが意思決定をすることになる会議です。

問題解決のための会議
システム障害が発生した場合などに、その対策を行うタイプの会議です。会議のゴールは発生している問題の解決策や解決のための方向性を導くことがゴールとなります。参加者は発生している問題に精通した有識者となるため、形式張らないざっくばらんな意見交換が行われることが多くなります。

情報共有のための会議
情シス内の課題共有やシステム変更内容の共有など、特定メンバー内で情報の偏りをなくして、同じ情報を持ってもらうための会議です。週次の定例ミーティングなどが、このタイプの会議になります。

教育のための会議
勉強会や業務の引き継ぎなど、ナレッジの共有や啓蒙を目的とした会議です。情報共有のための会議と似てはいますが、この会議は情報の流れが、講師や引き継ぎ者から生徒や引き継ぎ先への一方向となる点が異なります。

会議の流れ

会議の流れは大きく分けると次の3つに分別できます。

①会議前の準備作業
会議の目的、参加者、開催時間、開催場所、アジェンダなどを決めたり、会議開催のアナウンスなどを行います。

②会議中のハンドリング
会議アジェンダの確認をしたり、議論のハンドリングを行ったり、決定事項をまとめたりします。

③会議後の作業
議事録の作成や配布を行います。

①会議前の準備作業


会議の成功は事前準備で決まるといっても過言ではありません。それぐらい会議前の準備は重要な作業です。会議前に必ずやっておかなければいけない作業には次のようなものがあります。

会議の目的を決める

会議の目的を決めずに、なんとなく会議を開催すると必ず実りのない会議になってしまいます。そこでまず「何のために会議を開催するのか」「本当にみんなで集まって議論しなければいけない内容なのか」を考える必要があります。もしかしたら単なる情報共有だけで済む内容で、メールで資料共有するだけで良いことかもしれません。

会議の目的を決めておくこと、そしてその目的は必ず事前に参加者に把握してもらうようにします。

参加者と日時を決める

会議の目的が決まれば、次に目的に沿った参加者を絞り込みます。よくあるのが、あまり関係のない参加者も、とりあえず会議に呼んでしまうこと。人数が多すぎると会話も発散してしまいますし、参加者の時間も無駄に拘束してしまいます。できればコアとなるメンバーに絞って開催するようにしましょう。

会議の種類によって参加してもらうメンバーとキーマンは異なります。

意思決定のための会議
ものごとを決める会議であれば、決定権のある上司や意思決定に影響力のあるメンバーを必ず参加させましょう。

問題解決のための会議
問題解決が目的であれば、その問題に精通したスペシャリストを参加させます。

情報共有のための会議
情報共有が目的であれば、情報を共有しなければいけない範囲のすべてのメンバーが対象になります。プロジェクトが進む中で「そんな話しは聞いていない」ということが無いように、関係するすべてのステークホルダーが参加者の対象となります。

教育のための会議
教育が目的であれば、まずは情報を伝達するためのインストラクターを誰にするのかを決めます。相手に理解して知識を習得してもらうことが目的ですので、説明力が高いメンバーを選出します。

会議のアジェンダを作成する

「アジェンダを作成せずに会議を進めて、当日決めたかったことが決められず次回に持ち越しになってしまった」なんて経験はないでしょうか。事前にアジェンダを作成していなかったため、課題が漏れてしまったり、課題の議論に時間をかけすぎてしまい時間内に終わらなかったなど・・理由はさまざまですが、これらは事前にアジェンダを作成していなかったことが原因の1つです。

このような事態を避けるため、会議開催前にアジェンダを検討し、参加者に共有するようにしましょう。

アジェンダには次のような内容を含めるようにします。

■ 会議の日時と場所
会議の日時(開始時間と終了時間も含める)と開催場所を参加者に伝えます。特に参加者はどれぐらいの時間拘束されるのかを気にしますので、開始時間と終了時間を記載するようにしましょう。

■ 各議題と検討時間
会議で議論する議題の一覧と、各議題にどれぐらいの議論の時間を設けるのかを記載しておきます。各課題の議論時間を事前に伝えることで、参加者が各議題の議論時間を意識しながら議論してくれるため、進行も楽になります。

また、各議論ごとに議論をリードするファシリテーターを設ける場合は、その人の名前も記載しておきましょう。

会議資料を作成する

会議の内容によっては、事前に会議用の資料を作成します。資料の中身は会議の種類や議題によって変わりますのでここでは言及しませんが、参加者が議論しやすい内容や共有しやすい内容など、相手の立場を考えて作成するようにしましょう。

最後に参加者宛に会議の趣旨やアジェンダ、開催日時と場所を知らせて、参加者にも会議に向けた準備をしてもらうようにします。

会議の目的を事前に把握してもらう

会議前の事前準備は開催者であるあなただけではなく、参加者にも会議の心構えを持ってもらう方が当日の会議がスムーズに進みます。参加者が準備なしに会議に参加しても、その場の考えだけで意見したり、深いディスカッションができません。特に次期システムに盛り込みたい技術や機能を決める会議であったり、システムのセキュリティ強化の検討をする会議などのように、深いディスカッションを行う場合、事前に検討してもらい情報を持ち寄って会議を行う方が圧倒的に濃い会議になります。

参加者には会議のゴールや目的を事前に共有することと、場合によっては意見を貰ってアジェンダを修正してから会議を開催するようにしましょう。

②会議中のハンドリング


事前準備をしっかり行っても、会議を円滑に進められなければ意味がありません。会議を円滑に進めるために、会議中にしなければいけない基本的なものには次のようなものがあります。

会議の目的や課題を確認する

会議ではいきなり本題に入るのではなく、会議の趣旨や決めることなど、会議の目的や議題の共有を行います。本来であれば事前に会議のゴールを伝えているので不要と言いたいところですが、参加者の中には配布したアジェンダに目を通さずに会議に臨んでいる方もいるかもしれません。そのため最初に会議の目的と流れを説明しておきます。

次に会議におけるルールを全員で共有します。よくあるのがブレインストーミング型の会議の場合「他人の意見には否定しないこと」というルールがあります。このように会議を円滑に運営するためのルールがある場合、最初に参加者に伝えておきます。

また会議が前回の続きの場合、これまでの検討内容と課題を共有する意味で、前回の議事録の確認を行う必要もあります。課題やアクションアイテムがあれば、その進捗の確認を行います。

決定事項と残課題の確認を行う

会議終了間際で、その会議で何が決まって何が課題として残ったのか、次回までにどのようなアクションを取るべきなのかを明らかにする必要があります。ファシリテーターは議論を整理して、会議で出てきたアウトプットの内容を参加者と確認することが重要です。

会議のゴールが「何かを決めること」である場合、できるだけ参加者全員が納得して決定事項を受け入れるように促すことも重要です。そのためには、誰が見ても納得できるプロセスで物事を決めるように会議を進行していかなければいけません。

会議のクロージング段階で、この会議で決まったことや次回に持ち越す課題や次回に向けたアクションなどを共有して、抜け漏れが無いかを確認します。

③会議後の作業


会議が終了したらそれで終わりというわけにはいきません。会議終了後には会議の成果を最大限に高めるために次の作業を行います。

議事録の作成

会議が終了したら、そこで話し合った内容を見える化するために議事録を作成し、課題やアクションアイテムを明らかにします。面倒がって議事録の作成をサボる人も多いようですが、後々言った言わないの議論にならないように、必ず作成するようにしましょう。

議事録には次のような項目を記載します。

□ 会議名称
□ 開催場所
□ 開催日時
□ 参加者
□ 議題
□ 配付資料
□ 決定事項
□ アクションアイテム
□ 次回予定

最後に作成した議事録を関係者に配布します。

まとめ


以上、基本的な会議の運営方法について書いてみました。ここで記載した内容はあくまで基本的な内容ですが、意外にできていない方が多いのも事実です。特に情シスの場合、システムの仕様に関する議論など細部まで詰めないといけない会議であったり、障害が発生して早急に解決策をださなければいけない会議など、多種多様な会議が開かれますので会議の基本をしっかりと理解しておく必要があります。

今回は会議の基本について書きましたが、この知識だけでは実際の現場ではうまく活用できない場合もでてくるはずです。
そこで次回は、より効率良く会議を運営するためのノウハウを紹介していきます。