IT資産管理

紙媒体・スキャンデータ管理システム「QuickスキャンV4」「Speedoc V3 for RICOH」と連携で紙媒体からの情報漏えいリスクを防止

Written by ねこずきのねこ。

広報・販売企画・販売パートナー様支援を経て、現在プロダクトPRに携わる。

エムオーテックスは2017年2月、サイオステクノロジー株式会社が提供する複合機向けアプリケーションソフトウェア「Quickスキャン V4」および「Speedoc V3 for RICOH」と連携を開始した。これにより、紙媒体から電子化されたデータの作成・持ち出しを記録し管理することで情報漏えいリスクを下げることが可能となった。今回は、この協業についてサイオステクノロジー社へインタビューを行った。

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情報基盤インフラを提供するサイオステクノロジー社
複合機をさらに便利にするソリューション

オフィスの課題を複合機の活用により解決するソリューションが、サイオステクノロジー社の「Quickスキャン V4」および「Speedoc V3 for RICOH」だ。サイオステクノロジー社は、JavaやLinux系の開発を軸に自社開発のソフトウェア製品販売・サービス提供を行っている。

最近ではAI(人工知能)、Fintech(金融技術)、クラウドコンピューティングの技術領域に注力しており、機械学習のスクールを開催するなど、IT業界のインフルエンサー的な役割をも果たす常に新しいことに取り組んでいる企業である。

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同社グループ企業は最新技術にも精通する様々なソリューションを手がける

 

紙文書管理の課題は保管!ペーパーレスでデータ活用を実現する

「「QuickスキャンV4」や「SpeedocV3 for RICOH」(以降、本製品)は、企業におけるコアビジネスの競争力強化を推進しています。企業にとって複合機はなくならない存在です。ですのでその使い勝手をより簡単にできないか。という視点でスタートしました。」
そう話すのは同社SIOS Apps事業企画部グループマネージャの工藤氏だ。多くの企業においてプリンターよりも多機能な複合機は、業務に欠かせない機器となっている。

「最近はkintoneやOffice365やGoogleDriveなどのクラウド利用が増えてきています。手軽にクラウド上にデータを保存するというモデルが定着しつつある中で、複合機からスキャンしてクラウドにデータ保存というケースも少なくない。そういった企業に向けてより効率的なソリューションを提供したいと思います。」と同社SIOS Apps事業企画部 部長の平塚氏は語る。スキャンデータやFAXをPDFする業務も多い今、そこで効率化を図れれば業務改善に繋がる。

実際、本製品への相談の多くも「紙文書の管理」だという。インフラはデジタル化されているにも拘らずペーパーレスが進まず、その管理に困っている企業は多いと平塚氏は語る。
「昨年領収書・請求書をスキャンしてkintone上に保存するというe-文書を促進するソリューションを提供した際、ある経理部では紙で提出された書類は社内の書庫だけでは収まらず、外部の倉庫を借りて保管していると聞きました。多くの企業がそうだということですが、今後e-文書法※1の浸透次第では将来的には紙は減少するでしょう。とは言えまだまだ紙の課題を抱えるユーザー様は多くいらっしゃる。その課題を解決する製品だと思います。」

本製品は『電子化して保管する』という目的に対して、電子化するだけでなくデータをどのように活用するのかを軸に開発されており、ファイルの仕分けや命名規則、内容検索、編集可能なOffice形式への変換まで行える。

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SIOS Apps事業企画部 部長 平塚氏

 

ポイントはとにかく「簡単」であること!
紙媒体のデータ管理を格段に効率UP

製造・建設業・士業に始まり、様々な企業で導入されている本製品は、複合機との導入が多い。プリンターは消耗品であり、買い替えやリースなどで定期的に買い換えが発生する。その際、業務効率の見直し・セキュリティ対策ソリューションとして検討されることが多い。本製品では、複合機でスキャンしたデータをどの場所に・どんなファイル名で保存するかを設定できるのだが、工藤氏によれば紙文書管理は、スキャンした後が重要だという。

「本製品の一番の訴求ポイントは『簡単』であることです。それは使えば良さが分かる製品だと自負していますし、それゆえ長く使い続けて頂けると思います。今や紙で探すよりもデータで探すほうが簡単な時代です。生産性や業務の効率化が追求できると思います。」実際に導入したユーザーからも電子化することで探す時間がかからなくなったと評判も上々だという。

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SIOS Apps事業企画部 グループマネージャ工藤氏

 

スキャンデータの管理の効率化とセキュリティ強化を協業で実現

業務改善・効率アップのために登場した本製品だが、セキュリティの観点でさらなる強化を行うためにLanScope Catとの連携をスタートしたと工藤氏は話す。
「情報漏えい原因で一番多いのが紙です。それを無くしていく事がセキュリティ的にも効果があります。スキャンすることで無くしていけるなら、さらにその先のセキュリティとして、データのログを取得する事が抑止の視点でも効果があると思っています。」

事実、2016年に日本ネットワークセキュリティ協会が発表したデータによると、2015年の情報漏えいインシデントのうち、411件(51.4%)※2が紙媒体によるものだ。ITが急速に進化する一方で、紙媒体による情報漏えいは未だ企業にとって大きなリスクとなっている。本製品でも誰がいつスキャンしたかログ取得が可能だが、より高いレベルでセキュリティ対策を行うためにLanScope Catとの連携を行った。具体的には

[1]スキャンデータ作成履歴の把握が可能
どの端末に誰がいつファイルをスキャンし、保存したのか把握。
社内ルールに反する保存場所にデータを保存した場合にはアラームとして把握できる。

[2]万が一の場合のファイル流出経路追跡が可能
万が一、情報の持ち出しがあった場合も、スキャンデータをいつ・誰が・どのように
取り扱っているのか、操作の履歴を遡り流出経路の特定が可能。

この連携により、これまでのペーパーレスによる業務の効率化と、保存データのセキュアな管理が実現する。

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紙文書の電子化から新たな価値を提供!
ユーザーの課題解決ソリューション強化

今後は様々な企業と連携し、新たな価値を提供していきたいと平塚氏は語る。

「クラウドサービス、基幹システムや業務アプリなどお客様は色々なアプリケーションを業務に使っていらっしゃいます。そのアプリケーションと連携することで、より相乗効果があることを訴求したい。2017年はそのための連携ソリューションを強化していきたいと思っています。複合機自体が入力デバイスです。そこを介してサーバーやPCに繋がる。それを一連の流れとして支援できればいいと思っています」

きっかけは紙の電子化だが、その先に今ある業務アプリとの連携が実現すれば相乗効果で多くのメリットが期待できるだろう。紙の管理に悩まれている方は是非活用することをおススメしたい。

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複合機市場について熱く語る傍ら笑顔も絶えない両氏

 

※1:2005年4月施行。これまで紙文書の保存を前提としていた要件を、電子的に作成した文書の電子データによる保存を許容するとしたもの。

※2:出典: 日本ネットワークセキュリティ協会「2015年情報セキュリティインシデントに関する調査報告」

サイオステクノロジー株式会社
サイオステクノロジーは、Linuxに代表されるオープンソースソフトウェアを軸に、ソフトウェア製品の開発・販売・サポート、情報システムの受託開発、システム基盤構築、運用サポート等のサービスを提供している。<お問い合わせ先>
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