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ECサイトに求められるセキュリティ対策とは?脆弱性診断の必要性を解説

Written by WizLANSCOPE編集部

ECサイトに求められるセキュリティ対策とは?脆弱性診断の必要性を解説


個人情報やクレジットカード情報など、攻撃者にとって価値の高い情報を多数取り扱うECサイト(Electronic Commerce)は、サイバー攻撃の標的となりやすい傾向にあります。

適切なセキュリティ対策を講じていなければ、顧客情報の漏洩やクレジットカード情報の窃取につながり、金銭的損害だけでなく企業の社会的信用を大きく損なうリスクがあります。

特に近年は、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の改訂をはじめ、EC事業者に対する脆弱性対策が強化されています。

そこで本記事では、ECサイトにセキュリティ対策・脆弱性診断が求められる背景やインシデント事例、安全にECサイトを運営するための具体的な対策を分かりやすく解説します。

▼本記事でわかること

  • ECサイトにおけるセキュリティ対策の必要性
  • ECサイトにおけるセキュリティインシデント事例
  • 安全にECサイトを運営するための対策

ECサイトのセキュリティ強化を目指したい企業・組織の方はぜひご一読ください。

なぜECサイトにセキュリティ対策が求められるのか

ECサイトにセキュリティ対策が求められる代表的な理由として、以下の4つが挙げられます。

  • 価値の高い情報が集約されているため
  • サービス停止による事業・売上への被害が大きいため
  • 巨額の金銭的被害や賠償リスクを防ぐため
  • セキュリティガイドラインに沿った対応が求められるため

詳しく確認していきましょう。

価値の高い情報が集約されているため

ECサイトには、顧客の氏名や住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報に加え、クレジットカード情報などの決済に関する機密情報が集約されています。

これらの情報がサイバー攻撃によって窃取されると、クレジットカードの不正利用やアカウントの乗っ取り、さらにはフィッシング詐欺への悪用など、顧客に直接的な被害が及びます。

近年では、大規模なECプラットフォームだけでなく、中小企業が運営する自社構築型ECサイトやオープンソースソフトウェア(OSS)を活用したWebサイトの脆弱性を狙った攻撃が増加しており、企業規模を問わず対策が欠かせなくなっています。

サービス停止による事業・売上への被害が大きいため

サイバー攻撃やシステム障害によってサイトが停止すると、商品の販売や注文受付が全面的にストップし、売上の減少に直結するリスクがあります。

また、復旧作業が長期化するほど、機会損失が膨らむだけでなく、顧客が競合サイトへ流出したり、企業やブランドに対する社会的信頼が失墜したりするリスクも高まります。

攻撃者から見ても、ECサイトは「停止させられた際の影響度が大きい」ため、格好の標的となりやすい傾向があります。

巨額の金銭的損害や賠償リスクを防ぐため

不正アクセスによる情報漏洩や改ざんが発生した場合、以下のような多額の事後対応費用が発生するリスクがあります。

  • 原因究明のためのフォレンジック調査費用
  • 影響を受けた顧客や取引先への補償・問い合わせ対応費用
  • システムの改修・復旧および再発防止策の実施費用

また、万が一、事業者側の脆弱性放置や安全管理体制の不備が認められた場合には、損害賠償請求に発展する可能性もあります。

こうした巨額の損失を回避するためにも、事前のセキュリティ対策・脆弱性対策の徹底が求められます。

セキュリティガイドラインに沿った対応が求められるため

ECサイトの構築・運用では、セキュリティに関するガイドラインを踏まえ、必要な対策を講じることが求められます。

代表的なものが、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開する「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」です。

同ガイドラインでは、ECサイトを安全に構築・運用するために必要な対策が、経営者向けと実務担当者向けに整理されています。

具体的には、脆弱性対策やアクセス制御、ログ・バックアップの保管、インシデント発生時の対応体制の整備など、ECサイトの構築から運用まで幅広い対策が示されています。

また、クレジットカード決済を取り扱うEC加盟店には、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」に基づく対策も求められます。

ECサイトの脆弱性対策や不正利用対策など、クレジットカード情報の漏洩や不正利用を防ぐための対策を適切に実施する必要があります。

このように、ECサイトには関連するガイドラインを踏まえたセキュリティ対策が求められています。

安全な取引環境を維持し、顧客が安心して利用できるECサイトを運営するためにも、ガイドラインに沿って必要な対策を継続的に実施することが大切です。

ECサイトを狙う主なサイバー攻撃


インターネット上で商品やサービスを販売するECサイトには、顧客の個人情報や注文情報など、さまざまなデータが集約されています。

前述の通り、こうしたデータにはサイバー攻撃者にとって価値の高いものも多く含まれるため、ECサイトはサイバー攻撃の標的となりやすい傾向があります。

ECサイトを狙う代表的なサイバー攻撃として、以下の5つが挙げられます。

  • SQLインジェクション
  • クロスサイトスクリプティング(XSS)
  • DDoS攻撃
  • クレデンシャルスタッフィング
  • マルウェア

ここからは、それぞれの攻撃の仕組みや目的、ECサイトに与える影響について詳しく見ていきましょう。

SQLインジェクション

SQLインジェクションとは、WebサイトやWebアプリケーションの脆弱性を悪用し、不正なSQL文を実行させることで、データベース内の情報を盗み見たり、改ざん・削除したりするサイバー攻撃です。

ECサイトがSQLインジェクションの被害を受けると、データベースに保存されている顧客の個人情報や注文情報などが漏洩する恐れがあります。

また、商品情報や注文情報などのデータを不正に書き換えられたり、削除されたりする可能性もあります。

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クロスサイトスクリプティング(XSS)

クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用し、Webページに悪意のあるスクリプトを埋め込み、そのページを閲覧した利用者のブラウザ上で実行させるサイバー攻撃です。

ECサイトがXSSの被害を受けると、利用者のセッション情報などが盗まれてアカウントを不正利用されたり、偽の入力画面を表示して個人情報を入力させたり、不正なWebサイトへ誘導されたりする恐れがあります。

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DDoS攻撃

DDoS攻撃とは、多数のデバイスからECサイトのサーバーへ大量の通信やリクエストを送り、サーバーの処理能力や通信回線を圧迫するサイバー攻撃です。

攻撃を受けると、サーバーが大量の通信を処理しきれず、ECサイトの表示が遅くなったり、サイト自体が利用できなくなったりする恐れがあります。

結果として、商品の閲覧や購入、決済などができなくなり、売上の減少や顧客離れにつながる可能性があります。

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クレデンシャルスタッフィング

クレデンシャルスタッフィングとは、ほかのWebサービスなどから漏洩したIDとパスワードの組み合わせを悪用し、ボットなどの自動化ツールを使ってECサイトへのログインを試みるサイバー攻撃です。

複数のサービスで同じIDとパスワードを使い回している場合、一つのサービスから認証情報が漏洩すると、同じ認証情報を使用しているほかのサービスでもアカウントを乗っ取られる恐れがあります。

また、アカウントが乗っ取られると、登録されている個人情報を閲覧・変更されたりする恐れや、保有するポイントや登録済みの決済手段を不正利用されたり、本人になりすまして商品を購入されたりする恐れもあります。

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マルウェア感染

マルウェアとは、情報の窃取やデータの改ざんなど、不正・有害な動作を目的として作られたソフトウェアやコードの総称です。

コンピューターウイルスやランサムウェアなどがマルウェアの例として挙げられます。

ECサイトのサーバーや管理者のデバイスがマルウェアに感染すると、顧客情報や管理者の認証情報が漏洩したり、サイト内のファイルを改ざんされたり、重要なデータを暗号化されたりする恐れがあります。

さらに、感染したサーバーやデバイスが、ほかのシステムへの攻撃の足掛かりとして悪用されることもあります。

このように、ECサイトを狙うサイバー攻撃は、不正アクセスやアカウントの乗っ取り、サイト改ざん、情報漏洩、データの消失、サービス停止など、さまざまな被害につながる可能性があります。

ECサイトを安全に運用するためには、システムの導入時に対策して終わりではなく、ソフトウェアやプラグインの更新、脆弱性への対応、アクセスログの監視、認証の強化など、継続的にセキュリティ対策を実施することが重要です。

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ECサイトにおけるセキュリティインシデント事例


ECサイトへのサイバー攻撃は、個人情報やクレジットカード情報の漏洩、決済システムの改ざんなど、深刻な被害につながる恐れがあります。

実際に国内でも、ECサイトへの不正アクセスによって大量の個人情報が漏洩したり、決済ページが改ざんされたりするセキュリティインシデントが発生しています。

ここでは、国内で発生した3つの事例をもとに、被害の内容や原因、企業が講じた再発防止策について紹介します。

約310万件の個人情報が漏洩した事例

2026年5月、国内の大手レコード会社が、運営するECサイトへの不正アクセスにより、顧客情報310万5,585件が漏洩したことを発表しました。

本事案が発覚するきっかけとなったのは、SNS上で同社の顧客情報の流出を示唆する投稿が確認されたことです。

これを受けて同社は2025年10月に社内調査を開始し、ECサイトのシステムに不正アクセスの可能性を示す痕跡を確認しました。

そのため、一部サービスを停止してシステムメンテナンスを実施するとともに、不正アクセスの原因調査やセキュリティ強化などの対応を進めました。

外部専門機関による調査の結果、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、購入履歴などを含む、合計310万5,585件の顧客情報が外部に流出していたことが確認されました。

なお、ログイン用パスワードやクレジットカード情報などの決済情報については、同社のシステムで保持しておらず、流出は確認されていません。

同社は個人情報保護委員会へ報告するとともに、外部専門機関の協力のもと、セキュリティ対策や監視体制の強化を含む再発防止策を講じるとしています。

なお、公表された調査結果では、不正アクセスの具体的な原因は明らかにされていません。

決済システムが改ざんされた事例

2026年1月、オーダーカーテンの製造・販売業者が、運営するECサイトへの不正アクセスにより、顧客の個人情報やクレジットカード情報が漏洩した可能性があることを発表しました。

本事案が判明するきっかけとなったのは、2025年5月に一部のクレジットカード会社から、当該ECサイトを利用した顧客のカード情報について漏洩の懸念があるとの連絡を受けたことです。

これを受けて同社は、ECサイトでのクレジットカード決済を停止するとともに、第三者調査機関による調査を開始しました。

調査の結果、氏名や住所、電話番号、メールアドレス、登録パスワードなどを含む個人情報6万663人分と、クレジットカード番号や有効期限、セキュリティコードなどのカード情報1万423人分が漏洩した可能性があることが判明しました。

また、一部のクレジットカード情報が不正利用された可能性も確認されています。

原因は、ECサイトのシステムの一部に存在した脆弱性を突いた不正アクセスにより、ペイメントアプリケーションが改ざんされたことでした。

同社は再発防止に向けて、システムのセキュリティ対策や監視体制を強化するとしています。

決済ページのJavaScriptが改ざんされた事例

2025年12月、リサイクルサービス企業が、運営するECサイトへの不正アクセスについて調査結果を公表し、顧客の個人情報やクレジットカード情報が漏洩した可能性があることを明らかにしました。

漏洩した可能性があるのは、クレジットカード情報3万431件と、それに付随する顧客情報2万9,932名分です。クレジットカード情報には、カード名義人名やカード番号、有効期限、セキュリティコードなどが含まれていました。

原因は、監視ツールの脆弱性を突いた不正アクセスにより、決済ページ用のJavaScriptが改ざんされたことでした。

同社は再発防止策として、カード会社・決済代行会社と連携した不正利用の監視に加え、改ざん検知やアクセス制御、多層防御の強化、定期的な第三者診断などを進めています。

ECサイト運営で参考にしたいセキュリティガイドライン


ECサイトのセキュリティ対策を検討する際は、公的機関や業界団体が公開しているガイドラインを参考にし、自社のECサイトに必要な対策を確認することが重要です。

なかでも参考にしたいのが、「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」と「クレジットカード・セキュリティガイドライン」です。

ここでは、それぞれのガイドラインの概要と、ECサイト運営者が確認しておきたいポイントを紹介します。

ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン

「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」は、IPAが経済産業省と連携し、中小企業によるECサイトの安全な構築・運用を支援するために策定・公開したガイドラインです。

ECサイトのセキュリティを確保するために、経営者が取り組むべき事項と、実務担当者が実践すべき具体的なセキュリティ対策がまとめられています。特に、パッケージやスクラッチ開発による自社構築型のECサイトを中心に解説されています。

ガイドラインで紹介されている調査では、不正アクセスによる被害を受けたECサイトのうち、約97%が自社構築型のサイトでした。

また、被害を受けたサイトでは、ECパッケージやCMSなどの脆弱性を悪用されたケースが多く確認されています。

こうした実態を踏まえ、ガイドラインでは、ソフトウェアの更新やアクセス制御、脆弱性への対策、ログ・バックアップの保管など、ECサイトの構築時と運用時に実施すべきセキュリティ対策が示されています。

出典:ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン

クレジットカード・セキュリティガイドライン

「クレジットカード・セキュリティガイドライン」は、クレジットカード会社や加盟店、決済代行事業者(PSP)など、カード決済に関係する事業者が取り組むべきセキュリティ対策をまとめたガイドラインです。

カード情報の漏洩防止をはじめ、偽造カードによる不正利用への対策や、ECサイトなどの非対面取引における不正利用対策などが示されています。

EC加盟店には、システムやWebサイトの脆弱性対策、不正ログイン対策、本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア」の導入などが求められています。

脆弱性対策の具体例としては、Webアプリケーションの脆弱性診断またはペネトレーションテストを定期的に実施し、必要に応じて修正することなどが示されています。

こうした対策が求められる背景には、クレジットカードの不正利用被害が高い水準で続いていることがあります。

国内のクレジットカード不正利用被害額は、2023年が約541億円、2024年が555億円、2025年が510.5億円と、3年連続で500億円を超えています。

ガイドラインは、このような被害状況や不正利用の手口の変化などを踏まえて継続的に見直されているため、EC加盟店は最新版の内容を確認し、必要な対策を講じることが重要です。

出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジット関連統計 クレジットカード不正利用被害額の発生状況」

ECサイトにおける基本のセキュリティ対策


ECサイトを安全に運営するためには、セキュリティツールの導入などの技術的な対策だけでなく、ルールの整備や従業員教育といった組織的な対策も組み合わせることが重要です。

ここでは、技術面と組織面の両方から、ECサイトにおける基本的なセキュリティ対策を7つ紹介します。

  • WAFの導入
  • SSL/TLSによる通信の暗号化
  • セキュリティパッチの迅速な適用
  • アクセス権限の適切な管理
  • 強固なパスワードポリシーの策定・多要素認証の導入
  • 情報セキュリティ教育の実施
  • バックアップの実施・BCPの策定

これらはECサイトだけでなく、WebサイトやWebサービスのセキュリティを強化するうえでも基本となる対策です。

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

WAFの導入

WAF(ワフ)とは、「Web Application Firewall」の略称で、Webアプリケーションへの攻撃を検知・遮断するためのセキュリティ対策です。

Webサイトと利用者の間でやり取りされるHTTP/HTTPS通信を監視し、Webアプリケーションへの不正な通信を検知・遮断します。

WAFを導入することで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃によるリスクを低減できます。

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SSL/TLSによる通信の暗号化

SSL/TLSとは、インターネット上でやり取りするデータを暗号化し、安全な通信を実現するための仕組み(通信プロトコル)です。

現在は、SSLの後継にあたるTLSが主に利用されています。

ECサイトと利用者の間の通信をSSL/TLSによって暗号化することで、ログイン情報や個人情報、注文情報など、通信中のデータを第三者に盗み見られるリスクを低減できます。

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セキュリティパッチの迅速な適用

ECパッケージやCMS、プラグイン、Webサーバー、OSなどに脆弱性が見つかった場合は、速やかに対処することが重要です。

脆弱性を放置すると、攻撃者に悪用され、不正アクセスやマルウェア感染などにつながる危険性があります。

提供元からセキュリティパッチや修正版が公開された場合は、影響を確認したうえで速やかに適用し、脆弱性を解消しましょう。

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アクセス権限の適切な管理

管理画面や顧客データベースにアクセスできるアカウントが多ければ多いほど、アカウントの不正利用や乗っ取りによる情報漏洩などのリスクも高まります。

そのため、管理画面や顧客情報へのアクセス権限は、業務上必要な担当者だけに限定して付与することが重要です。

また、退職や異動によって不要になったアカウントやアクセス権限を放置すると、不正アクセスにつながる恐れがあります。

意図していないところからの情報漏洩を防ぐためには、アカウントや権限を定期的に確認し、不要になったものは速やかに削除・変更することが重要です。

強固なパスワードポリシーの策定・多要素認証の導入

ECサイトの管理画面やバックオフィスシステムで、「1234」や「admin」などの単純で推測されやすいパスワードを使用していると、不正ログインのリスクが高まります。

そのため、パスワードの長さや使用できない文字列などについてルールを定め、適切なパスワードポリシーを運用することが重要です。

例えば、以下のような対策が挙げられます。

  • 十分な文字数を設定する
  • 「1234」「password」など、推測されやすい文字列を禁止する
  • 過去に漏洩したことが確認されているパスワードの使用を禁止する
  • 複数のサービスで同じパスワードを使い回さない

さらに、ECサイトの管理画面など重要なシステムへのログインには、多要素認証を導入することも重要です。

多要素認証では、パスワードに加えて、認証アプリによる確認や生体認証など、異なる要素を組み合わせて本人確認を行います。

そのため、パスワードが漏洩した場合でも、第三者による不正ログインのリスクを低減できます。

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情報セキュリティ教育の実施

ECサイトのセキュリティを強化するためには、システム面の対策だけでなく、運営に関わる従業員のセキュリティ意識を高めることも重要です。

例えば、不審なメールの添付ファイルやURLを不用意に開くことで、マルウェアに感染したり、認証情報を盗まれたりする恐れがあります。

こうした人的要因によるセキュリティインシデントを防ぐためには、従業員への情報セキュリティ教育を定期的に実施し、適切な知識や対応方法を身につけてもらうことが重要です。

具体的には、以下のような内容を共有し、組織全体でセキュリティに関する知識や対応力を高めましょう。

  • フィッシングへの対処方法
  • パスワードの適切な管理方法
  • 個人情報の取り扱い方法
  • 実際のインシデント事例
  • インシデント発生時の報告手順
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バックアップの実施・BCPの策定

サイバー攻撃やシステム障害、自然災害などに備えて、商品情報や注文情報、顧客情報、設定ファイルなど、ECサイトの運営に必要なデータのバックアップを定期的に取得することも重要です。

特に近年のランサムウェア攻撃では、バックアップデータまで暗号化・削除され、復旧を妨げられるケースがあります。

バックアップが利用できなくなると、データやシステムの復旧が困難になり、ECサイトを長期間停止せざるを得ない恐れがあります。

こうしたリスクに備えるには、バックアップの一部をネットワークから切り離して保管する「オフラインバックアップ」など、攻撃の影響を受けにくい方法でバックアップを確保しておくことが有効です。

また、バックアップを取得するだけでなく、実際にデータを復元できるか定期的に確認することも重要です。

あわせて、ECサイトが停止した場合でも事業への影響を最小限に抑え、早期に復旧できるよう、BCP(事業継続計画)を策定しておきましょう。

インシデント発生時の対応体制や連絡手順、復旧の優先順位などをあらかじめ定めておくことで、緊急時の対応を円滑にし、事業の継続や早期復旧につなげられます。

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ECサイトにおける脆弱性診断・ペネトレーションテストの重要性


WAFの導入や通信の暗号化、多要素認証の導入といった基本的なセキュリティ対策を実施していても、すべてのリスクを排除することは困難です。

例えば、管理画面の公開範囲やアクセス権限の設定に不備があれば、セキュリティ製品を導入していても不正アクセスを許してしまう恐れがあります。

また、ECサイトの機能追加やシステム改修、プラグインの導入などに伴い、新たな脆弱性が生じることもあります。

こうした設定上の不備や脆弱性を発見するために重要なのが、脆弱性診断です。ECサイトのシステムやWebアプリケーションなどを調査し、攻撃に悪用される可能性のある脆弱性を洗い出すことで、問題の早期発見・改善につなげられます。

前述したセキュリティガイドラインでも、脆弱性への対策が重要な項目として示されています。

特に「クレジットカード・セキュリティガイドライン」では、EC加盟店における脆弱性対策のひとつとして、Webアプリケーションの脆弱性診断またはペネトレーションテストを定期的に実施し、必要な修正対応を行うことが示されています。

また、ペネトレーションテストでは、実際の攻撃を想定してシステムへの侵入を試みることで、個別の脆弱性だけでなく、複数の問題を組み合わせた場合の影響や、攻撃者にどこまで侵入される可能性があるかを検証できます。

ECサイトのセキュリティを維持するためには、基本的な対策を講じるだけでなく、脆弱性診断やペネトレーションテストを適切に活用し、発見された問題を継続的に改善していくことが重要です。

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ECサイトの脆弱性対策として有効な「脆弱性診断パッケージ」


ここまで紹介してきたように、ECサイトを安全に運営するためには、WAFや多要素認証などの基本的なセキュリティ対策に加え、ECサイトに潜む脆弱性を把握し、適切に対処していくことが重要です。

特に、ECサイトの機能追加やシステム改修などによって新たな脆弱性が生じる可能性もあるため、脆弱性診断を活用して定期的にセキュリティ上の問題がないか確認することが求められます。

LANSCOPE プロフェッショナルサービスでは、ECサイトにおける脆弱性対策に有効な「Webアプリケーション健康診断パッケージ」と「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」を提供しています。

それぞれの特徴について紹介します。

まずは診断したい方向け!「Webアプリケーション健康診断パッケージ」

「Webアプリケーション健康診断パッケージ」は、弊社の診断員がお客様の1サイトから優先度の高い5画面を選定し、診断を実施するサービスです。

ECサイトや会員サイト、お問い合わせフォームなどのWebアプリケーションを対象に、セキュリティ上のリスクを洗い出し、診断結果をレポートします。

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価格 300,000円(税抜)
おすすめの方 一度も診断を実施したことがない方

もっと詳しく診断したい方向け!「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」

「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」は、10画面から全画面まで対応でき、Webアプリケーションをより網羅的かつ詳細に診断したい方におすすめのサービスです。

ECサイトや会員サイト、お問い合わせフォームなどのWebアプリケーションを対象に、セキュリティ上のリスクを洗い出し、診断結果をレポートします。

調査対象 10画面〜(全画面まで対応可)
価格 650,000円(税抜)から
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まずは重要な画面に絞って脆弱性を確認したい場合は「Webアプリケーション健康診断パッケージ」、より広い範囲を網羅的に診断したい場合は「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」が適しています。

「Webアプリケーション健康診断パッケージ」および「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」の詳細は、以下のページからご覧ください。

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脆弱性診断パッケージ|LANSCOPE プロフェッショナルサービス

まとめ

本記事では、「ECサイトのセキュリティ対策」をテーマに、セキュリティ対策が求められる理由や具体的なセキュリティ対策などについて解説しました。

本記事のまとめ

  • ECサイトには顧客の個人情報や注文情報など、攻撃者にとって価値のある情報が集約されており、サイバー攻撃による情報漏洩やサイト改ざん、サービス停止などに備える必要がある
  • ECサイトのセキュリティ対策を検討する際は、「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」や「クレジットカード・セキュリティガイドライン」を参考に、自社に必要な対策を確認することが重要
  • ECサイトを安全に運用するためには、WAFや通信の暗号化、多要素認証などの技術的な対策に加え、アクセス権限の管理や従業員教育、バックアップ・BCPなどの組織的な対策も重要
  • 基本的なセキュリティ対策を講じていても、設定の不備やシステム改修などに伴って脆弱性が生じる可能性があるため、脆弱性診断やペネトレーションテストを適切に活用し、発見した問題を継続的に改善していくことが重要

ECサイトのセキュリティを維持するためには、一度対策を実施して終わりではなく、新たな脆弱性やサイバー攻撃の手口の変化などにあわせて、継続的に対策を見直していくことが大切です。

また、自社だけでは発見が難しい脆弱性を把握し、適切な対策につなげるためには、専門家による脆弱性診断を活用する方法もあります。

本記事で紹介した LANSCOPE プロフェッショナルサービスでは、ECサイトの脆弱性対策として活用できる「Webアプリケーション健康診断パッケージ」と「Webアプリケーション脆弱性診断パッケージ」を提供しています。

ECサイトのリリース前にセキュリティ上の問題がないか確認したい場合や、運用中のECサイトのセキュリティを強化したい場合は、ぜひ実施をご検討ください。