
Written by 田村 彩乃
ITコンサルタントとして7年間システム提案に携わった後、フリーライターとして独立。IT、マーケティングに関するコラムを中心として、人材、ECなどにまつわる記事をWebをはじめとした多くのメディアで執筆。
目 次
Microsoft 365 ・ Office 365それぞれの概要について
Office 365 とは
Microsoft 365 とは
Microsoft 365 と Office 365 の違い
Office 365 から Microsoft 365 への名称変更
現在、旧 Office 365サービス を契約している場合はどうなる?
Office 365 と Microsoft 365 と比較したときのメリット
Microsoft 365 の「 Windows OS 」機能について
Microsoft 365 の「 Enterprise Mobility + Security (EMS) 」機能について
旧 office 製品と 365サービス の違いとは
Microsoft 365 と Office 365 E3プランで見る価格・機能の違い
Microsoft 365 の導入に伴うセキュリティリスクとは
Microsoft 365 セキュリティ対策の効率化なら、LANSCOPE セキュリティオーディター
まとめ
Microsoft 365 と Office 365 の違いとして、Microsoft 365 には Office 365 に比べ、よりセキュリティ強化に関する機能が搭載されていることが挙げられます。また ブランド統合に伴い、旧 Office 365 の多くのサービスは、内容をそのままに Microsoft 365 へサービス名を変えたという背景もあります。
マイクロソフト社の提供する「 Microsoft 365 」「 Office 365 」そして「従来 Office 製品」との主な違いは、以下の通りです。
Office 365 | 基本的な Officeアプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)に加え、Teams や Share Point といったグループウェアを、サブスクリプション形式で利用できるサービス |
---|---|
Microsoft 365 | 上記「 Office 365 」のサービスに加え、WindowsOSとセキュリティ機能を備えた、サブスクリプション形式のサービス。 |
従来 Office 製品 ( Office2021 など) |
買い切り型のサービス。一度購入すれば Officeアプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)が永続的に利用できる。 |
2020年4月22日のブランド統合によって、 Office 365 の一部プランが Microsoft 365 にまとまり、 Office 365 では大企業や教育機関向けの3プランのみ、現在でも申し込むことが可能です。
この記事では、Microsoft 365 と Office 365 製品の違いを知りたい方のために
- 「Microsoft 365」と「 Office 365 」の機能・プランの違い
- Microsoft 365 と Office 365 それぞれで「できること」
- Microsoft 365 と Office 365 どちらが自身に適しているか(製品の選び方)
について、わかりやすくご紹介します。
またエムオーテックスでは、Microsoft 365 に起因する情報漏洩・内部不正の防止を目的とする、企業・組織向けのセキュリティソリューション「LANSCOPE セキュリティオーディター」を提供しています。
管理画面より、従業員の不正なファイル共有や情報の持ち出しを、監査ログで可視化することが可能です。
Microsoft 365 を安全に管理「LANSCOPE セキュリティオーディター」の製品詳細はこちら
設定ミスによる情報漏洩を事前に察知
Microsoft 365のセキュリティ対策
クラウドサービスの設定ミスによる情報漏洩事故が増加しています。総務省のガイドラインでも推奨される適切な対策をご紹介します。
Microsoft 365 ・ Office 365
それぞれの概要について

両者の違いをより深く理解するため、まずは「 Office 365 」「 Microsoft 365 」それぞれの概要について解説します(両者の違いから把握したい方は、見出し「 Microsoft 365 と Office 365 の違い」からお読みください)。
Office 365 とは
Office 365 とは、Word、Excel、PowerPointをはじめとした Officeアプリケーションやグループウェアを、クラウド上で利用できるサービスです。
Office 365 には従来通り Word 、Excel といった生産性を向上するアプリをはじめ、Microsoft Teams や SharePoint Online、OneDrive for Business といった、チームのコミュニケーションを活性化させるためのツールが備わっています。
【 Office 365 で使える主な機能】
- Office( Word、Excel、PowerPoint をはじめとしたアプリケーション)
- OneDrive(クラウドストレージ)
- OneNote(デジタルノート)
- Outlook(電子メール)
- Teams(ビジネス用コミュニケーションツール)
- Exchange (メール・スケジュール管理)
- SharePoint (ファイル共有アプリケーション)
Microsoft 365 とは
Micorosoft365 とは
- 上記で述べた Office 365 のサービス内容
- 最新の Windows OS
- Enterprise Mobility + Security( EMS/デバイスやセキュリティ管理パッケージ )
の3機能が統合されたクラウドサービスです(Windows OS、Enterprise Mobility + Securityの説明については後述します)。 Office 365 すべての機能に加え、「端末管理」や「セキュリティ強化」に関する要素が備わっているのが特徴です。
環境や目的に応じて「家庭向け」「一般法人向け」「大企業向け」からプランを選択でき、現在では計10種のプランがMicrosoft 365 として提供されています。
また Office 365 と同様、クラウドを経由したサブスクリプションモデルのサービスのため、自社のサーバーを圧迫することなく、初期費用も月額料金のみで開始することが可能です。
Microsoft 365 と Office 365 の違い

従来のoffice製品がデスクトップ・アプリケーションであるのに対し、「 Microsoft 365 」と「 Office 365 」は、両者ともにクラウド上で使用するサービスです。
2023年1月時点、 Microsoft 365 ・ Office 365 サービスにおける「概要」「機能」「プラン」それぞれの違いは、下記の通りです。
Microsoft 365 | Office 365 | |
---|---|---|
概要 |
Office 365 のサービス内容に加えて
が統合されたクラウドサービス。 |
Word 、 Excel 、 PowerPoint をはじめとした Office アプリケーションに加え、グループウェアをクラウド経由で利用できるサービス。
|
主な機能 |
|
|
ビジネス向け プラン |
一般法人向け Microsoft 365 のプラン
大企業向け Microsoft 365 のプラン
|
※いずれも大企業・教育機関向け |
先述したとおりMicrosft365では Office 365 と比較し、データ暗号化や認証強化、シングルサインオン・多要素認証といった「セキュリティ機能」が強化されているのが特徴です。
また、モバイル端末やアプリケーションの管理を Microsft365 上で行えるようになるなど、リモート環境で業務を行うための仕組みが整っているのも Microsoft 365 ならではの強みです。
Office 365 から Microsoft 365 への名称変更
2020年4月のブランド統合に伴い、 Office 365 プランの多くが、以下のように「 Microsoft 365 」へ名称変更されています。
旧名称(Office 365) | 現在の名称(Microsoft 365 ) |
---|---|
Office 365 Personal | Microsoft 365 Personal |
Office 365 Business Essentials | Microsoft 365 Business Basic |
Office 365 Business Premium | Microsoft 365 Business Standard |
Office 365 Business | Microsoft 365 Apps for business |
Office 365 ProPlus | Microsoft 365 Apps for enterprise |
参考元:Microsoft 365 とは? Office 365 との違い
そのため現在 Office 365 で新たに申し込みできるのは、いずれも大企業・教育機関向けプランである
- Office 365 E1
- Office 365 E3
- Office 365 E5
の3種類のみとなります。
現在、旧 Office 365サービス を契約している場合はどうなる?
上記で紹介した「旧 Office 365 」のプランに加入し現状も継続されている場合、自動的に「 Microsoft 365 」のサブスクリプションサービスへ契約が変更されています。
実質「プラン名称のみ」の変更であるため、契約内容の見直しや再加入の必要は特にありません。
Office 365 と Microsoft 365 と比較したときのメリット

Office 365 と比較し、Microsoft 365 を利用する大きなメリットとして
- 最新の Windows10 OS が利用できること
- セキュリティ強化や端末管理ができる Enterprise Mobility + Security(EMS)が利用できること
の2点が挙げられます。
Microsoft 365 の「 Windows OS 」機能について
Microsoft 365 内の「 Windows OS 」機能を利用することで、 Windows 7/8.1 Pro から最新の Windows OS* ( Business / Enteprise E3 , E5 ) へアップグレードすることが可能です。
従来の Windows OS は購入したパソコンに付随、あるいは買い切りのライセンスで購入することが一般的でしたが、 Microsoft 365 であれば、 Windows OS を利用したい期間だけ月額料金で使用することができます。
Microsoft 365 の「 Enterprise Mobility + Security (EMS) 」機能について
Enterprise Mobility + Security (EMS)とは、Azure Active Directoryをベースに従業員の労働環境を問わないセキュリティ強化を図ることに特化した機能です。 Microsoft 365 の E3 / E5で提供される「Azure AD Premium」では、従業員の利用端末に対し、固定IPアドレスによる接続制限やセルフパスワードのリセット等を行えます。
また EMSに備わる Intune機能を活用することで
- 万一端末を紛失した際のデバイスの初期化・遠隔消去(リモートワイプ)
- セキュリティ審査基準を満たさない端末からの、 Office 365 へのアクセス制御
といったセキュリティ対策を図ることも可能です。
旧 office 製品と 365サービス の違いとは

従来、一般的だった「買い切り型(パッケージ版)」の旧 Office 製品と、 Microsoft 365 ・ Office 365 製品との主な違いは、下記のとおりです。
サービス | 買い切り型 (旧 Office 製品) |
SaaS型 (365 サービス) |
---|---|---|
場所 | パソコン上にインストールする | クラウド上で提供される |
アップグレード | 購入した時点のバージョンを利用し続けなければならない(アップグレード不可) | ネットワークを通じて常に最新のバージョンが提供される |
クラウドストレージ 有無 | なし | 1TB (最大2TBまで追加可能能) |
サポート期限 | あり | なし |
追加費用の有無 | なし | ライセンスやオプションの追加によって追加費用がかかる場合もある |
利用可能台数 | 2台まで | 5台まで |
大きな違いとして、買い切り型の Office製品 は利用者のパソコン上にインストールする一方、365 製品 はクラウド上で提供される点が挙げられます。買い切り型の場合、インストールしたパソコンがなければ利用できませんが、 Office 365 であればインターネットに接続できるどの環境からでも Office製品を利用することが可能です。
また買い切り型のOffice製品は買いなおさなければアップグレードができませんが、 Office 365 であれば自動的に最新のバージョンを利用することができます。365サービスには標準で1TBのクラウドストレージが付帯するため、大容量のファイルや写真・動画を自身のPCを圧迫することなく保存・共有できる点も大きな魅力です。
Microsoft 365 と Office 365 E3プランで見る価格・機能の違い

「 Microsoft 365 と Office 365 、どちらを導入すべきか」の検討材料として、価格帯とそれぞれの機能は重要な比較材料です。
今回は企業利用の代表的なプランである「 Office 365 E3 」と「 Microsoft 365 E3 」とで、それぞれの機能と価格を比較してみます。
サービス | Office 365 E3 | Microsoft 365 E3 |
---|---|---|
価格 | ユーザーあたり ¥2,500/月 |
ユーザーあたり ¥3,910/月 |
共通機能 |
|
|
Microsoft 365 のみ実装機能 | •デバイス・アプリ管理(Windows OS) •アクセス管理機能 •脅威対策 •セキュリティ管理 |
価格帯としては Microsoft 365 の方が高額であるものの、WindowsOS のデバイス管理に対応しているほか、脅威対策やセキュリティ管理機能を利用することが可能です。
「Office 365 E3」と「Microsoft 365 E3」 どちらを導入すべきか悩んだ際は
・組織でコスパ良く Office 365 製品やコミュニケーションツールを導入したい、社内ネットワークのみで端末を利用するケースであれば「 Office 365 E3 」
・最新のWindowsOSを買い切り型でなくSaaS型で利用したい、あるいは外出や在宅ワークといった社内ネットワーク以外での端末利用が多いケースであれば「 Microsoft 365 E3 」
といった風に検討すると良いでしょう。
Microsoft 365 の導入に伴うセキュリティリスクとは

ここまでお話ししたように、 Microsoft 365 のクラウドサービスを導入することは、業務の効率化やチームのコミュニケーション向上においてポジティブな効果をもたらします。
しかしその一方、十分なセキュリティ対策を行わずに運用すれば、下記のようなインシデントが発生するリスクも備えています。
- Microsoft365 のバージョンアップに伴う設定変更や導入時の設定漏れにより、誰でも・どこからでもファイルを閲覧できる状態に。機密データの漏洩等が発生する。
- 悪意のある社内従業員が Microsoft 365 内に保存されている機密情報を外部に持ち出し、不正に利用する
- ゲストとして招いた外部企業のメンバーが、自社の社外秘ファイルを無断で持ち出す
実際、過去には Microsoft 365 上に保存された 9,000件以上の口座情報が搾取され、グループ社員全員のアカウント情報が改廃された、といった被害も起きています。
このようなセキュリティリスクを回避するためにも Microsoft 365 の導入にあわせて、組織内外のユーザーによる不正 を見逃さないための管理体制強化や、社員のセキュリティ教育を行う必要があります。
Microsoft 365 のプランによっては、先述の通りセキュリティ強化機能が付属したものも存在する一方、実は管理操作が複雑で難しい・(従業員の不正行動を確認するための)監査ログの保存期間が短いといった懸念要素もあります。
こういったセキュリティリスクを踏まえ「より簡単な操作で効率的に Microsoft 365 のセキュリティ管理を行いたい」という方にオススメしたいのが、Microsoft 365 管理担当者の負担を大幅に軽減する「LANSCOPE セキュリティオーディター」です。
Microsoft 365 セキュリティ対策の効率化なら、LANSCOPE セキュリティオーディター

Microsoft 365 のセキュリティ対策を効率化するためには、LANSCOPE セキュリティオーディターの導入がおすすめです。
LANSCOPE セキュリティオーディターならわかりやすい監査ログによって、従業員の不正アクセスや不審なファイル共有を可視化することが可能。インシデントの種となるアクションを見逃さず、被害を未然に防止することができます。

加えて従業員の違反行動はアラートで管理者・本人の両方に通知できるため、セキュリティ管理者の負担を最小限に抑えつつ、効率的に従業員への注意喚起を促すことも可能です。
またわかりやすい管理コンソールで直感的な操作ができるので、セキュリティ知識のない担当者の方も、無理なく安心して Microsoft 365 のセキュリティ対策を行うことができます。
まとめ

今回はMicrosoft 365 と Office 365 製品、それぞれの機能やプランの違いについて確認しました。
【この記事のポイント】
- Microsoft 365 ・ Office 365 は、ともにクラウドで利用できる月額支払い型(SaaS型)のサービスである
- ブランド統合により、旧Office 365サービスの大半が Microsoft 365 に名称を変更(機能自体は変わっていない)
- 2023年2月現在、 Office 365 で新規契約できるサービスは、大手企業向けの「E1・E3・E5」のみ
- 両者の大きな違いとして、Microsoft 365 では Office 365 に搭載されていない「最新の Windows OS」「Enterprise Mobility + Security(セキュリティ機能)」が利用できる
Microsoft 365 と Office 365 のどちらを選ぶべきか迷ったときは、自社の労働環境やコミュニケーション方法・従業員数などを踏まえ最適なプランを契約することが大切です。ぜひ本記事を参考に、自社に適切な365プランを選定いただければ幸いです。
また Microsoft 365 の情報漏洩対策を効率的に行うなら、1台 300円 / 月 で利用できる「 LANSCOPE セキュリティオーディーター 」をご活用ください。
設定ミスによる情報漏洩を事前に察知
Microsoft 365のセキュリティ対策
クラウドサービスの設定ミスによる情報漏洩事故が増加しています。総務省のガイドラインでも推奨される適切な対策をご紹介します。
関連する記事