サイバー攻撃

APIセキュリティとは?連携時のリスクや対策を解説

Written by WizLANSCOPE編集部

APIセキュリティとは?連携時のリスクや対策を解説


近年、Webサービスやアプリケーションは、ビジネスやプライベートを問わずに欠かせない存在となっていますが、その利便性をより高めている技術の一つが「API」です。

APIはさまざまなシーンで活用されていますが、その一方で、APIを狙ったサイバー攻撃も増加しており、セキュリティ対策は企業にとって重要な課題となっています。

本記事では、API連携におけるセキュリティの重要性や具体的なリスク、有効な対策などをわかりやすく解説します。

▼本記事でわかること

  • APIセキュリティの重要性
  • API連携のセキュリティリスク
  • APIセキュリティを強化するための対策

API連携によって想定される具体的なリスクや対策を知りたい方はぜひご一読ください。

APIとは

APIとは、Application Programming Interfaceの略称で、ソフトウェアやプログラム、Webサービス同士をつなぐ窓口(インターフェース)のことです。

APIを利用することで、特定のサービスが持つ機能やデータを、別のサービスから呼び出して利用することができます。

APIを活用した身近なサービスの例として、次のようなものが挙げられます。

  • 新規サイトに登録する際に、LINEやFacebookなど他サービスに登録している情報を利用してログインする
  • 飲食店の検索サイト上で、Googleマップの地図を確認する
  • ECサイトで、クレジットカード決済やPayPayなどのキャッシュレス決済を利用する
  • 勤怠システムに登録した打刻データを、給与計算システムに自動連携する

このように、APIを活用することで、Webサービスやソフトウェアの利便性や拡張性を高めることができます。

APIセキュリティとは

APIセキュリティとは、不正アクセスや情報漏洩などの脅威からAPIを保護するための対策を指します。

APIの利用が拡大するにつれて、それを標的としたサイバー攻撃も増加しています。

実際に、APIの設定不備が原因で、大規模な情報漏洩事件が発生したケースも報告されています。

業務システムでAPIを利用している場合、設定が不十分だと攻撃者に悪用されるリスクが高まります。

多くのサービスがAPIを介して連携している現代において、APIのセキュリティを確保することは、自社だけでなく、連携先のサービスやそのユーザーを守るためにも極めて重要です。

APIセキュリティの重要性

APIセキュリティの重要性について改めて整理します。

APIセキュリティが重要視される主な理由として、以下の3点が挙げられます。

  • 影響範囲の広さ
  • 扱う情報の重要性
  • 攻撃の容易さ

例えば、APIの脆弱性を悪用した攻撃が自社に仕掛けられた場合、被害は自社だけでなく、APIで連携している他社サービスにまで及ぶ可能性があります。

また、個人情報や決済情報、企業の機密情報など、重要度の高いデータがAPI経由で扱われているケースも多く、これらの情報が漏洩した場合、被害規模は非常に大きなものとなりかねません。

さらに、APIの仕様は公開されていることが多く、攻撃者にとって攻撃の糸口を見つけやすいという側面があります。

APIは外部から直接データや機能にアクセスできる仕組みであるため、設定や認証に不備があると、サーバーへの侵入口として悪用される可能性もあります。

このようにAPIは、その特性から攻撃者に狙われやすく、さらに攻撃を受けた場合の影響も大きいため、強固なセキュリティ対策が求められています。

API連携に潜むセキュリティリスク


APIセキュリティを十分に確保していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 情報漏洩
  • 不正アクセス
  • DDoS攻撃
  • シャドーAPI

想定される具体的なリスクを理解し、適切な対策の強化に役立てましょう。

情報漏洩

APIに適切なセキュリティ対策を実施していない場合、脆弱性を悪用され、機密情報が漏洩してしまう危険性があります。

その攻撃手法の一例として挙げられるのが「SQLインジェクション」です。

これは、APIへのリクエストに不正なSQL文を埋め込むことで、データベースを不正に操作する攻撃手法です。

このような攻撃を受けると、顧客の個人情報やサービスの機密情報などが大量に漏洩する可能性があります。

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不正アクセス

APIセキュリティにおいて、「認証」と「認可」は非常に重要な役割を持ちます。

認証 利用者が正当な本人であることを確認するプロセス
認可 利用者に許可するアクセス範囲や操作内容を決定するプロセス

これらの設定に不備があると、攻撃者が他人になりすましてシステムに侵入したり、本来許可されていないデータへアクセスしたりする可能性があります。

特に、ユーザーIDやアクセス権限の管理が不十分な場合、不正アクセスが発生しやすくなります。

またAPIでは、認可の設定不備によって、本来アクセスできないデータにアクセスされてしまうケースもあります。

このような脆弱性は、「オブジェクトレベル認可の不備(BOLA)」と呼ばれ、OWASPが公開している「OWASP API Security Top 10」でも主要なリスクとして挙げられています。

OWASP (Open Web Application Security Project)とは、Webアプリケーションを中心としたソフトウェアの安全性を向上させることを目的とした国際的な非営利団体です。

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DDoS攻撃

DDoS攻撃とは、複数の端末から攻撃対象のサーバーやWebサイトに対して意図的に大量のパケットを送信し、膨大な負荷をかけることで、アクセス障害やサービス停止を引き起こすサイバー攻撃です。

この攻撃は、APIサーバーを標的として実行されるケースもあります。

APIはプログラムから大量のリクエストを自動的に送信できる仕組みであるため、DDoS攻撃の標的となりやすい傾向にあります。

仮にサービスが停止してしまうと、ビジネス機会の損失だけでなく、サービス停止などによる顧客満足度の低下につながり、結果としてユーザーからの信頼も損なう可能性もあります。

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シャドーAPI

シャドーAPIとは、企業内で存在が認識されておらず、適切に管理・保護されていないAPIのことです。

例えば、開発の過程でテスト用に作成されたAPIや、古くなって使われなくなったAPIが、誰にも管理されないまま放置されてしまうケースがあります。

このようなAPIは、セキュリティパッチが適用されていなかったり、脆弱性が放置されたままになっていたりすることが多く、攻撃に悪用される可能性があります。

また、シャドーAPIは企業側がその存在を把握できていないため、攻撃を受けても気付きにくく、被害が拡大しやすいというリスクがあります。

APIを安全に利用するためのセキュリティ対策

APIセキュリティを強化するためには、複数の対策を組み合わせて実施することが重要です。

ここでは、代表的なセキュリティ対策を7つ紹介します。

通信経路の暗号化(TLS) ・通信経路を暗号化することで、データの盗聴や改ざんを防ぐ
API認証の適切な実装 ・適切な認証の仕組みを構築し、許可されていないユーザーやアプリケーションからのアクセスを防ぐ
OAuthを活用した認可プロセスの導入 ・OAuthを活用して限定的なアクセス権のみを付与し、不正アクセスのリスクを低減する
過剰なリクエストの防止 ・特定のユーザーやIPアドレスからのリクエスト数に上限を設け、DDoS攻撃やサービス停止を防ぐ
APIゲートウェイによる管理の一元化 ・複数のAPIへのアクセスを共通の窓口で管理し、セキュリティ設定のばらつきを防ぐ
WAAPによる包括的な保護の検討 ・WAAPを導入し、APIだけでなくWebアプリケーション全体をさまざまな攻撃から保護する
定期的な脆弱性診断の実施 ・定期的に脆弱性診断を実施し、新たなリスクを早期に発見・修正できる体制を整える

詳しく確認していきましょう。

通信経路の暗号化(TLS)

TLS(Transport Layer Security)を用いて、API通信の経路を暗号化することで、データの盗聴や改ざんを防ぐことができます。

通信の暗号化は、APIの提供者と利用者の双方が必ず実施すべき基本的なセキュリティ対策です。

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API認証の適切な実装

API連携を行う際は、許可されたユーザーやアプリケーションのみがAPIにアクセスできるよう、適切な認証の仕組みを構築することが非常に重要です。

例えば、APIキーや一時的に発行されるAPIトークンを利用してアクセス元を識別することで、不正なアクセスをブロックし、許可されていない第三者によるAPIの不正利用を防ぐことができます。

OAuthを活用した認可プロセスの導入

APIの認証・認可の設定に不備があると、不正アクセスを受けるリスクが高まります。

その中でも、「認可」のプロセスにおけるセキュリティを強化する方法として、OAuthの活用が挙げられます。

OAuthとは、ユーザーがIDやパスワードといった認証情報を外部のサービスに直接渡すことなく、第三者のアプリケーションに対して特定の機能や情報へのアクセス権限を安全に委譲するための認可の仕組みです。

この仕組みをAPI連携に活用することで、必要な範囲に限定したアクセス権のみを付与できるため、情報漏洩のリスクを大幅に軽減することが可能になります。

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過剰なリクエストの制限

特定のユーザーやIPアドレスから、一定時間内に送信できるリクエスト数に上限を設けることで、DDoS攻撃のような大量アクセスによる攻撃を防ぐことができます。

これにより、サーバーへの負荷を軽減し、サービスの安定稼働を維持するとともに、悪意のある大量アクセスによる不正利用を防ぐことができます。

APIゲートウェイによる管理の一元化

APIゲートウェイとは、複数のAPIへのリクエストを一つの共通窓口で受け付け、認証や認可などのセキュリティ処理をまとめて管理する仕組みです。

具体的には、次のような機能を一元的に管理することができます。

  • 認証
  • 認可
  • レート制限
  • ロギング

APIゲートウェイを導入することで、APIごとにセキュリティ設定が異なる状態になることを防げ、管理の効率化とセキュリティ強化の両立を図れます。

WAAPによる包括的な保護の検討

WAAPとは、従来のWAFの機能に加えて、APIセキュリティやDDoS対策、ボット対策などをまとめて提供する包括的なセキュリティソリューションです。

WAF
(Web Application Firewall)
・WebサーバーとWebアプリケーションの間に配置することで、HTTP通信を監視し、Webアプリケーションに対する悪意ある通信を検知・ブロックするセキュリティソリューション
WAAP
(Web Application and API Protection)
・WebアプリケーションやAPIへのアクセスの入り口で通信を監視し、Web攻撃・API攻撃・DDoS攻撃・ボット攻撃などから、Webサービス全体を保護するセキュリティソリューション

WAAPは導入することで、API特有の脅威だけでなく、Webアプリケーション全体をさまざまな攻撃から保護することが可能になります。

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定期的な脆弱性診断の実施

サイバー攻撃の手法は日々進化しており、開発時には想定されていなかった攻撃手口や経路によって、後からAPIシステムの脆弱性が判明することもあります。

そのため、一度脆弱性を解消したからといって、その後ずっと安全性が確保されるわけではありません。

脆弱性の悪用を防ぐためには、脆弱性を継続的に検知し、改善できる体制を整えることが重要です。

その対策の一つとして、定期的かつ継続的な脆弱性診断の実施が有効です。

脆弱性診断ツールや専門家によるサービスを活用してAPIのセキュリティ状態を定期的にチェックすることで、新たなリスクを早期に発見・修正できる体制を整えることが重要です。

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APIセキュリティの強化にLANSCOPE プロフェッショナルサービスの「Webアプリケーション診断」


前述の通り、APIセキュリティを継続的に強化するためには、脆弱性を早期に検知し、修正できる体制を整えることが重要です。

そこで本記事では、「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」が提供する「Webアプリケーション脆弱性診断」を紹介します。

本サービスは、セキュリティの専門家がWebサイトやWebアプリケーションを診断し、有効な対策を提案するサービスです。

診断結果は、Webサイトが抱える脆弱性リスクを「点数」で可視化し、発見された脆弱性については、有効なセキュリティ対策や具体的な修正内容をわかりやすく提示します。

Webアプリケーション脆弱性診断は、以下の流れで実施します。

事前ヒアリングから、診断中に危険度の高い脆弱性が発見された場合の緊急連絡、また、診断終了後の詳細な報告書をもとにした結果のご報告までを提供します。※

本診断では、診断精度や期間、価格帯の異なる5種類のWebアプリケーション診断のメニューを用意しており、お客様の環境や予算、納期を踏まえて最適なメニューの提案が可能です。

API連携を含むWebアプリケーションの安全な利用を目指す企業・組織の方は、ぜひ「Webアプリケーション脆弱性診断」の活用をご検討ください。

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※スケジュールは一例です。選択するプランや規模や内容によって工程や診断に要する時間が変わる場合があります。
※診断はお客様の状況に合わせて「リモート」「オンサイト(現地)」からお選びいただけます。

まとめ

本記事では「APIのセキュリティ」をテーマに重要性や具体的なリスク、有効な対策などを解説しました。

本記事のまとめ

  • APIセキュリティとは、不正アクセスや情報漏洩などの脅威からAPIを保護するための対策
  • APIセキュリティの重要性が高い理由として、攻撃を受けた際の影響範囲が広いことや、APIが攻撃者に狙われやすい仕組みであることが挙げられる
  • API連携に潜むセキュリティリスクとして、「情報漏洩」「不正アクセス」「DDoS攻撃」「シャドーAPI」などがある
  • APIを安全に利用するためには、「通信経路の暗号化」や「認証・認可プロセスの強化」といった基本的な対策の徹底に加え、「APIゲートウェイ」や「WAAP」などの導入も有効

API連携は、Webサービスやアプリケーションの利便性を高めるために欠かせない技術の一つです。

その一方で、利便性と引き換えにさまざまなセキュリティリスクを内包しています。

本記事で紹介したようなセキュリティ対策を継続的に実施し、安全なAPI利用に努めましょう。

なお「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」では、セキュリティの専門家がきめ細かい診断・分析を行い、有効な対策を提案する「Webアプリケーション脆弱性診断」を提供しています。

API連携をはじめ、通信処理や認証、セッション管理など、Webアプリケーション全体の脆弱性を診断することが可能です。

「Webアプリケーションのセキュリティを強化したい」「見落としている脆弱性がないか確認したい」という企業・組織の方は、ぜひ実施をご検討ください。

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