Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
オフェンシブセキュリティとは、攻撃者の視点からセキュリティを評価し、脆弱性を見つけ出す手法や考え方です。
サイバー攻撃の手法に高度化・巧妙化が見られる昨今、従来の受動的な方法だけではセキュリティが不十分となっており、能動的な防御であるオフェンシブセキュリティに注目が集まっています。
本記事では、オフェンシブセキュリティの概要やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
▼本記事でわかること
- オフェンシブセキュリティの意味
- オフェンシブセキュリティの代表的な手法
- オフェンシブセキュリティのメリット・デメリット
また、オフェンシブセキュリティに有効な「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」のセキュリティソリューションについてもあわせて紹介しています。
セキュリティ強化のため、オフェンシブセキュリティの導入を検討している企業・組織の方は、ぜひご確認ください。

オフェンシブセキュリティとは
オフェンシブセキュリティとは、攻撃者の視点に立って、自社のシステムやネットワークの脆弱性を洗い出し、その脆弱性を修正することで、セキュリティ強化を図る手法です。
オフェンシブセキュリティの代表的な手法として、ペネトレーションテストが挙げられます。
ペネトレーションテストとは、システムやネットワーク、アプリケーションなどのITインフラに対し、攻撃者の視点でセキュリティ評価をおこなう手法です。
オフェンシブセキュリティを実施することで、組織は自社のセキュリティレベルを客観的に把握できるようになります。
机上の理論ではなく、実際の攻撃シナリオに基づいた検証を通じて、現実的なリスクを理解することで、効果的な対策を講じることが可能になるでしょう。
オフェンシブセキュリティの重要性
オフェンシブセキュリティが注目を集める理由として、下記の2点が挙げられます。
- 守りのセキュリティ対策だけでは、近年のサイバー攻撃に十分に対応できないため
- 従来のセキュリティ対策は、セキュリティ担当者への負荷が大きいため
サイバー攻撃の手法は、年々高度化・巧妙化しています。
攻撃者は未知のマルウェアを使用して従来のセキュリティ対策を回避するなど、目的を達成するために手を変え品を変え、攻撃を仕掛けてきます。
そのため、従来の防御に特化したセキュリティ対策(ディフェンシブセキュリティ)だけでは、十分な対策が図れなくなっています。
また、ディフェンシブセキュリティは、攻撃が発生してから対応をする「事後対応型」であることから、セキュリティ部門の負荷が大きくなる傾向があります。
常に攻撃の監視と対応に追われるため、根本的な改善に時間を割くことが難しくなります。
ディフェンシブセキュリティのみを導入している場合に発生する課題に対応するのが、「オフェンシブセキュリティ」です。
オフェンシブセキュリティでは、攻撃者に悪用される前に、狙われやすい脆弱性や深刻度の高い脆弱性を特定し、対策を講じることでセキュリティ体制の強化を図ります。
オフェンシブセキュリティを実施することで、攻撃の発生頻度自体を減らし、結果としてセキュリティ部門の負担軽減にもつながるでしょう。
オフェンシブセキュリティの代表的な手法
オフェンシブセキュリティの代表的な手法としては以下が挙げられます。
- ペネトレーションテスト
- レッドチーム演習
- 脆弱性診断
それぞれの手法について詳しく確認していきましょう。
ペネトレーションテスト
ペネトレーションテストとは、攻撃者の視点からシステムやネットワークに対して攻撃を仕掛け、現行のセキュリティ対策を評価する手法です。
セキュリティ技術者が攻撃者を模倣し、脆弱性などを利用して侵入を試みます。
ペネトレーションテストを実施することで、脆弱性の深刻度や攻撃が成功した場合に発生するリスクを特定することができ、対策の強化につながります。
「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」では、 実際に想定されるサイバー攻撃のシナリオを作成し、組織におけるシステムの弱点やリスクを洗い出す、高精度な「ペネトレーションテスト」を提供しています。
サービスの詳細は後述します。
レッドチーム演習
レッドチーム演習とは、攻撃者を想定してシステムに疑似攻撃を仕掛ける「レッドチーム」と、その攻撃を防御する「ブルーチーム」に分かれ、現行のセキュリティ対策・体制の有効性を検証するセキュリティ手法です。
前述したペネトレーションテストはあくまでシステム上の脆弱性が評価の対象なので、攻撃を仕掛けるのもシステム上に限定されています。
一方でレッドチーム演習は、システムだけでなく、組織全体のセキュリティ体制を評価の対象としているので、ネットワークはもちろん、オフィスや物理的な設備などにもアプローチが可能です。
また、金融機関などでは、高度なTLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)なども求められるようになっています。
脆弱性診断
脆弱性診断とは、ネットワークやWebアプリケーションに潜む既知の脆弱性の有無や種類、脅威度などを診断するプロセスです。
定期的に実施することで、攻撃者に悪用される前に脆弱性を特定し、修正することができるでしょう。
脆弱性診断には手動診断とツール診断の2種類があるため、目的や社内のリソースに応じてうまく使い分けることが重要です。
オフェンシブセキュリティのメリット
オフェンシブセキュリティを実施することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 脆弱性の早期発見
- セキュリティ体制の強化
オフェンシブセキュリティの最大の利点は、脆弱性を早期に発見できる点です。
攻撃者に悪用される前に脆弱性を特定し、対策を講じることで、攻撃の発生確率の低減や被害の最小化が期待できます。
さらに、ペネトレーションテストやレッドチーム演習など、実際の攻撃を想定したテスト・演習をおこなうことで、より効果的な防御策がわかるため、セキュリティ体制の強化が実現できます。
また、疑似攻撃の副次的な効果として、従業員のセキュリティ意識の向上も期待できるでしょう。
オフェンシブセキュリティのデメリット
オフェンシブセキュリティを実施する際は、以下のような課題も存在するため、注意する必要があります。
- 費用や人員の準備が必要
- システムトラブルが起きるおそれがある
オフェンシブセキュリティの導入・運用にかかるコストやリソースの確保は、多くの企業にとって大きな負担となり得ます。
たとえば、専門知識を持った技術者の確保や、外部ベンダーへの依頼、診断結果をもとにした改善作業など、継続的なリソース投入が求められます。
とくに中小企業は、費用対効果を見極めながら慎重に導入を進める必要があるでしょう。
また、疑似攻撃であるとはいえ、本番環境に近い条件でのテストをおこなうことから、想定外のシステム障害やサービスの停止が発生するリスクもあります。
万が一トラブルが生じた場合、業務への影響が避けられないため、事前の調整やバックアップ体制の整備が重要です。
オフェンシブセキュリティに有効な「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」
「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」では、リピート率90%を誇る高品質な脆弱性診断と、実戦レベルのペネトレーションテストを提供しています。
最新の脅威に対応する「脆弱性診断」
「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」の「脆弱性診断」は、定期的にインシデント情報や脆弱性情報などを収集・解析し、適宜診断ルールに反映することで、常に最新のセキュリティ基準によるサービスを提供しています。
事業会社・開発企業・官公庁などのお客様より、リピート率90%を誇る高品質な診断が特徴です。
また、国家資格をもつ経験豊富なスペシャリストが、お客様の利用環境に潜む脆弱性・セキュリティリスクを網羅的に洗い出し、効率的な脆弱性対策をサポートします。
診断後のレポートでは、各脅威の種類やリスクレベルだけでなく、適切な対策内容もあわせてお伝えするため、着実な脆弱性の修正とセキュリティレベル向上を目指していただけます。
▼脆弱性診断サービス 一覧
- Webアプリケーション診断
- ソースコード診断
- ネットワーク診断
- スマートフォンアプリケーション診断
- ゲームセキュリティ診断
- IoT 脆弱性診断
- ペネトレーションテスト
- サイバーリスク健康診断
「自社環境やサービスの脆弱性に懸念がある」「診断ツールではなく、プロの目による診断を受けたい」といった企業・組織の方は、ぜひ一度、「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」へお問い合わせください。
お客様のご都合・予算等に応じて、最適なプランをご紹介します。
また、「まずは簡易的に脆弱性診断をおこないたい」というお客様向けに、低コスト・短期で診断が実施できる「セキュリティ健康診断パッケージ」もご用意しています。
経験豊富な診断員による高精度なペネトレーションテスト
「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」では、実際に想定されるサイバー攻撃のシナリオを作成し、組織におけるシステムの弱点やリスクを洗い出す高精度な「ペネトレーションテスト」を提供しています。
▼ペネトレーションテスト報告書イメージ
「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」の「ペネトレーションテスト」は、近年話題に上がることが多い「ランサムウェア」や「APT攻撃」などの高度なサイバー攻撃をシミュレーションし、攻撃シナリオに基づいて「攻撃目的が達成可能か」をテストします。
また、実際にサイバー攻撃を受けたら「どの程度の被害が起きるか」「感染後、適切な対策が可能か」を明らかにできることに加え、結果に応じて最適なセキュリティ対策の提示も可能です。
自社の脆弱性について知りたい方や、未知の攻撃経路について知りたい方は、ぜひ「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」の「ペネトレーションテスト」実施をご検討ください。
経験豊富な診断員が、お客様の環境やご予算に合わせて、最適なテストシナリオ(攻撃の流れ)を作成します。
まとめ
本記事では「オフェンシブセキュリティ」をテーマに、その概要やメリット・デメリットなどを解説しました。
本記事のまとめ
- オフェンシブセキュリティとは、攻撃者の視点に立ってシステムやネットワークの脆弱性を洗い出すセキュリティ手法
- 代表的な手法としては「ペネトレーションテスト」「レッドチーム演習」「脆弱性診断」などが挙げられる
- 実施することで「脆弱性の早期発見」や「セキュリティ体制の強化」が期待できる一方、リソースの確保がネックになるという懸念点もある
高度化するサイバー攻撃に対抗するためには、ディフェンシブセキュリティとオフェンシブセキュリティのどちらか一方を採用するのではなく、併用することが重要です。
ぜひ本記事で紹介した「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」の脆弱性診断・ペネトレーションテストを活用して、強固なセキュリティ体制の整備を目指してください。
「まずは簡易的に脆弱性診断をおこないたい」「なにから取り組むべきかわからない」という方は、低コスト・短期で診断が実施できる「セキュリティ健康診断パッケージ」もご用意しています。
効果的なオフェンシブセキュリティの実施に、ぜひご活用ください。

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