IT資産管理

「DX」と「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」は何が違う?デジタルトランスフォーメーションをわかりやすく解説

Written by Fumi

Webコンテンツディレクター

プロフィール:Webライター・編集者を経て現在はディレクターに携わる。扱っているコンテンツは主にSEO記事、ホワイトペーパー、自社メディア。マーケティング・DX系を中心に執筆中。

「DX」と「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」は何が違う?デジタルトランスフォーメーションをわかりやすく解説

《DX推進の第一歩》生産性と安全性を支援
「LANSCOPE」総合カタログダウンロード

資料をダウンロードする

昨今、当たり前のように使われている言葉「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ですが、「正直あまり詳しくはわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、これからますます広がっていくデジタル化・IT化の流れをキャッチアップするべく、DX=デジタルトランスフォーメーションの本来の定義と導入方法を解説します。
実際にDX化に成功した企業の導入事例も紹介しますので、自社ビジネスの発展はもちろん、デジタル社会の理解を深めるヒントにしてみてください。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは


そもそも、DX(デジタルトランスフォーメーション)とはどのような概念なのでしょうか。
まずはその定義と、似た言葉との違いについてご紹介します。

経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」

経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」によると、DXの定義は以下の通りです。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
参考:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0

この定義には大きく分けて2つの観点があり、以下をクリアすることにより企業のDXは成功するといえるのではないでしょうか。

1.デジタルや情報の力を上手く利活用してサービスやビジネスモデルをアップデートすることにより、同業種・業態に対する競争優位性を高める技術革新的なDX

2.時代に適応した商品開発や自社の企業文化の醸成によりステークホルダーや世の中のニーズを満たす社会貢献的・文化としてのDX

上記を見てわかるようにDXには明確な達成目標がないため、現状をより良くするためのプロセスそのものが重要です。
また、今後の課題として「2025年の崖」という概念があります。
近年ビジネスの場においてもデジタル活用が進んでいますが、既存システムの老朽化やブラックボックス化によって、システムのメンテナンスにコストがかかる場面も見られるようになってきました。

このような事態が増え続ける上、IT人材の人手不足が深刻化するなどの複合的な要因により、2025年から崖のごとく莫大な経済損失が危惧されています。
その額は最大で毎年12兆円に上ると言われており、この経済ダメージにより経営が破綻したり新しい技術の導入が鈍化したりすれば、本質的なDXはいつまでも叶いません。
そうならないためにも、ビジネスの根幹である経営戦略の段階から自社のDXについて検討する必要があるのです。

「DX」と「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」との違い

DXの話をすると「うちは電子化が進んでいるから大丈夫」という返答がくることも考えられるのですが、DX=デジタル化ということではありません。

もちろん署名をクラウド化したり営業活動をオンラインに切り替えたりすることはDXの一部にはなりますが、DXの本質的な意味は「データとデジタル技術を活用して競争上の優位性を確立すること」です。

DXはIT化・デジタイゼーションとは異なる

つまり「DX」は、「業務をデジタル化すること」ではなく「デジタル・ITといったテクノロジーを業務に取り入れることで、企業の提供価値を高め、社会をより豊かにすること」といえます。
上記の通り手段にとらわれるのではなく、その先にもたらされるベネフィットを表しています。
ただ、それを叶える手段の一つとしてFAXをPDFにするなどのデジタル化は多いに意味があることです。この、リアルをデジタルにすることを「デジタイゼーション」といいます。

DXはデジタライゼーションとは異なる

似た言葉に「デジタライゼーション」がありますが、これは微妙に意味が違います。デジタライゼーションは、何かをデジタル化することによって業務のやり方が変わり効率化ができる、デジタイゼーションよりも俯瞰的に見てメリットがあることを指します。IT化も、このデジタライゼーションと同じく効率化やコストの削減につなげることを指しています。

IT化・デジタイゼーション・デジタライゼーションの関係

時系列にすると以下のようになります。

デジタイゼーションをすることで、リアルでしか扱えなかったモノや業務が電子化がされる

これにより作業効率が上がり、デジタライゼーション/IT化につながる

デジタライゼーションしたおかげで、自社のDXが進歩する

デジタルと手段として捉えるデジタイゼーションを実行し、そのメリットを享受するデジタライゼーション/IT化が成功し、DXの概念に沿って進化していく…という流れになります。
デジタイゼーションデジタライゼーション・IT化< DX」という順番に上位化された考え方だということを覚えておきましょう。

企業におけるDXとは

ここまででお伝えした通り、DXは私たちの日々を革新的に変える概念であり、明確なゴールはなくブラッシュアップし続ける必要があります。
つまり「やって終わり」ではなく、「どうやって持続させるか、継続させるか」が重要です。
何を持って自社はDXに対応しているといえるのか、その基準は業種や組織体制により大幅に変わります。
自社の直面する課題をDXで解決できるのか、できる場合はどのような手段が適切なのかを考えた上で、各社で方針とシステム構築をしていく必要があります。

《DX推進の第一歩》生産性と安全性を支援
「LANSCOPE」総合カタログダウンロード

資料をダウンロードする

DXに取り組むべき理由


では、DXを推進するとどのようなメリットが得られるかを見ていきましょう。

業務の生産性向上

新型コロナウイルス対策をきっかけにWeb会議システムが世の中に浸透しましたが、移動時間や交通費をかけずに打ち合わせができて効率的だと実感した方も多いのではないでしょうか。
先ほどお話した「デジタライゼーション」の概念に近いですが、デジタルテクノロジーを活用することでこのように業務効率や生産性アップにつながります。

変化に対応できる

昨今のビジネスは日々変容を遂げています。消費者も以前より多くの情報に触れており、飽きてしまうまでのスピードも早くなりました。
毎日どこかで新しいサービスがローンチされ、最新技術がアップデートされるこの時代です。企業が生き抜くためには、変化に対応していけるかが鍵になります。

事業継続計画(BCP)の充実につながる

前項に近いものがありますが、例えば災害が起きたり感染症などでロックダウンされ社員が出社できなくなったり、犯罪に巻き込まれてしまったりなど、世の中は危険とリスクに溢れています。

効果的なデータ活用

ビッグデータとAIの発展により膨大なデータ量を瞬時に分析できるようになれば、これまで人の目では気づくことの出来なかった傾向に気づくことができます。
例えば、マーケティングや営業活動で活用されるSFA/CRMや、自社にとって価値の高い顧客を選別して、顧客に合わせた最適なアプローチを行う ABMでは、AIが顧客データを分析することで効果的かつ効率的な営業プロセスの体系化が可能です。
加えて映像・画像解析の技術により、カメラの映像からいち早く異変を察知し対処することも実現でき、無人店舗や工場などのリアルビジネスにも生かせるようになります。

重要な情報をクラウドや仮想のデータベースに格納したり、いつでもリモートにできるよう業務をオンライン化させたり、システム障害があったときのためのバックアップをとっておいたりなどの対策をとることで、いざ何かが起きたときの致命的なダメージを減らすことにつながります。
このように、DXを取り入れることで得られるメリットは企業存続の中枢部分に影響します。

《DX推進の第一歩》生産性と安全性を支援
「LANSCOPE」総合カタログダウンロード

資料をダウンロードする

DX導入の手順


それでは、自社にDXを導入するにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
以下の5段階のステップで進めていくことで、効果的に取り入れられます。

1.デジタル化

紙媒体を電子管理に変えるなど、業務で扱うものをデジタル化します。先述の「デジタイゼーション」がこれに当てはまります。

2.効率化

例えば、打ち合わせに使う資料をデジタル化することで遠隔地での共同作業ができ、顧客情報管理をオンラインにすることで別ロケにいてもリアルタイムな情報共有が可能になります。先述の「デジタライゼーション」が該当します。

3.共通化

他の部署でも共通してそのテクノロジーを導入できるようにシステム構築していきます。

4.組織化

ある程度ノウハウが蓄積されたら、DX推進の旗振り役となる組織を構成していきます。

5.最適化

今後自社の置かれる業界や国全体はどうなっていくのか、マクロ視点とミクロ視点双方で予測を立て、具体的にどのような事業に発展させるのか落とし込んでいきます。

DXを進める上で活用できるテクノロジー

上記の1~5を実現するためには、以下のテクノロジーが役立ちます。

・AI(人工知能)
・RPA
・5G
・IoT
・クラウド
・ビッグデータ
・ICT

少子高齢化が進む日本においては「AI」や「RPA」をはじめとした最先端のテクノロジーが業務効率化を促すことで、人手不足解消に役立ちます。
さらに「5G」などの情報通信技術が向上することにより、あらゆるものや情報がインターネット上でつながる「IoT」の活躍場所も増えるでしょう。

さらにビッグデータやクラウドといったICT利活用により、これまで人の手では扱いきれなかった膨大な情報量を管理/分析することも可能です。企業の開発や顧客管理にこのような技術が役立つでしょう。

デジタルトランスフォーメーションの成功事例


ここでは、実際にDXに成功した企業の事例を2つご紹介します。

■設計、発注から納品までの業務を効率化するプラットフォーム「meviy(メヴィー)」(株式会社ミスミ)

ものづくりの現場で必要な金型部品・FA用メカニカル部品から工具・消耗品までを確実短納期でお届けする 株式会社ミスミ(本社:東京都文京区、代表取締役社長:大野龍隆)は、製造業の革新を支える新しい次世代ものづくりプラットフォーム「meviy」の提供を開始します。「meviy」は、お客さまがアップロードする3D(3次元)CAD設計データを基に、3D形状を認識して見積もりや発注をすることが可能なオンラインサービスです(特許取得済)。これらの機能により、発注担当者・製造現場間の情報伝達・共有をスマートに支援し、効率的かつ正確な製造指示でミクロンレベルの精密加工品をお届けします。”

出典:設計、発注から納品までの業務を効率化する次世代ものづくりプラットフォーム「meviy(メヴィー)」始動 

■製造ラインの稼働状態を一括でかつリアルタイムに把握できる MCM System を開発
(日進工業株式会社)

“製造ラインの稼働状態を一括でかつリアルタイムに把握できる MCM System を開発し、各設備から稼働データを収集できるようにした。その結果、生産性が低いラインが洗い出され、原因を分析して対策することにより、稼働率を 50%から 90%まで引き上げた。
稼働状況の見える化は適正な受注判断にもつながり、2005 年から 2017 年の間で売上は 35 億円から 83 億円に増加(約 2.4 倍)した。”

出典:「中小規模製造業の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のための事例調査報告書」(PDF:1.89MB)

まとめ


DX(デジタルトランスフォーメーション)は、私たち一人ひとりの生活をデジタルテクノロジーの力でより豊かにし、企業ひいては社会全体にもプラスの影響をもたらします。
今後移り変わりが激化していく市場に適応するためにも、自社にはどのようなDXを推進するべきか、この機会に考えてみましょう。

MOTEXの提供する「 LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」であれば、PCをはじめスマートフォンやタブレットといった、企業のIT資産を一貫で管理することが可能です。
DX化による資産管理の効率化や、社員にとって快適な労働環境の実現を検討されるなら、テレワーク化の進む現代の働き方に最適なIT資産管理・MDMツール「 LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」の詳細もご覧ください。

関連ページ

IT資産管理・セキュリティ対策ツール「 LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」製品ページはこちら