Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
情報セキュリティポリシーとは、企業・組織が情報資産を適切に保護するために策定する、情報セキュリティ対策の方針や行動指針のことを指します。
情報セキュリティポリシーを策定することで、情報資産の保護体制を明確化できるだけでなく、インシデント発生時にも迅速かつ的確な対応が可能になります。
サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが高まっている昨今において、情報セキュリティポリシーの重要性はこれまで以上に増しています。
本記事では、情報セキュリティポリシーの概要や策定手順、策定時のポイントなどをわかりやすく解説します。
▼本記事でわかること
- 情報セキュリティポリシーの概要
- 情報セキュリティポリシーの内容
- 情報セキュリティポリシーの策定手順
- 情報セキュリティポリシー策定時のポイント
「情報セキュリティポリシーを新たに策定したい」「情報セキュリティポリシーを見直し・刷新したい」といった課題をお持ちの企業・組織の方は、ぜひご一読ください。
情報セキュリティポリシーとは?

情報セキュリティポリシーとは、企業・組織が情報資産を適切に保護するために定める、情報セキュリティ対策の基本方針および行動指針のことを指します。
具体的には、「どのようなセキュリティ対策を講じるのか」「どのような手順で対策を実施するのか」といった内容を明文化し、組織全体で共有します。
情報セキュリティポリシーは、情報漏洩や不正アクセスなど、さまざまな脅威から情報資産を守ることを目的として策定します。
有効な情報セキュリティポリシーを策定するためには、まず企業・組織が保有する情報資産を詳細に洗い出し、想定されるリスクを分析したうえで、適切な対策を決定することが重要です。
情報資産の洗い出しやリスク分析を丁寧に実施することで、リスクの影響度や重要度に応じた適切な対策を講じることができ、結果として情報資産をより効果的に保護することにつながります。
なお情報セキュリティポリシーの内容は、企業・組織の規模や業種、保有する情報資産の種類、運用体制などによって異なります。
そのため、他社事例を流用するのではなく、自社に即した内容を策定する必要があります。
情報セキュリティポリシーの必要性
情報漏洩や不正アクセスなどのサイバー脅威が年々巧妙化・深刻化する中で、情報セキュリティポリシーの重要性はますます高まっています。
企業・組織が、安定的かつ持続的な事業運営を目指すためには、明確な方針に基づいて、情報セキュリティ対策を実行することが重要です。
情報セキュリティポリシーを策定すべき主な理由として、以下の点が挙げられます。
- 情報資産を適切に保護できるため
- インシデント発生時に迅速な対応が可能になるため
- 従業員のセキュリティ意識向上につながるため
詳しく確認していきましょう。
情報資産を適切に保護できるため
前述の通り、有効な情報セキュリティポリシーを策定するためには、リスク分析が欠かせません。
具体的には、自社が保有する情報資産の内容や重要度を洗い出したうえで、それぞれに対してどのような脅威が想定されるのかを分析し、リスクの大きさに応じて優先順位をつけていきます。
こうしたリスク分析を行うことで、外部からの攻撃だけでなく、内部不正や人的ミスといったさまざまな脅威を想定したうえで、情報資産を守るための適切かつ実効性の高いセキュリティ対策を講じることが可能になります。
インシデント発生時に迅速な対応が可能になるため
情報セキュリティポリシーには、万が一セキュリティインシデントが発生した場合に、どのような手順で、どのような対応を行うのかといった対応フローを明確に記載しておくことが重要です。
あらかじめ明確な対応手順を定めておくことで、緊急時にも混乱を最小限に抑え、速やかかつ適切な対応を講じることができます。
例えば、以下の内容を情報セキュリティポリシーに記載しておくことが推奨されます。
- セキュリティインシデントが発生したり、その兆候が見られたりした場合は、速やかにセキュリティ担当者へ報告する
- セキュリティインシデントの兆候が見られた場合であっても、自己判断での対応は行わない
- 初動対応完了後は、被害範囲や感染源の調査・分析を行い、対応内容や結果を記録する
従業員のセキュリティ意識向上につながるため
情報セキュリティポリシーを策定した後は、社内へ周知・浸透を図ることで、従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上が期待できます。
情報セキュリティポリシーには、「どのような情報を」「どのように守る必要があるのか」を、理由とあわせて具体的に記載します。
その結果、従業員が日常業務において情報の扱い方に注意を払うようになり、情報漏洩につながる行為や不適切な対応を未然に防ぐことにつながります。
情報セキュリティポリシーの内容

情報セキュリティポリシーの内容は、企業・組織によって異なりますが、一般的に以下3つの要素で構成されます。
- 基本方針
- 対策基準
- 実施手順
ここでは、情報セキュリティポリシーに記載する3つの要素について解説します。
基本方針
基本方針には、主に以下のような内容を記載します。
- 情報セキュリティに対する企業・組織の考え方や姿勢
- 情報セキュリティポリシー策定の目的
- 情報セキュリティポリシーの適用範囲
- 情報セキュリティポリシーの対象者
この基本方針を企業のホームページやコーポレートサイトなどで公開することで、情報セキュリティに対する自社の取り組みや姿勢を、顧客や取引先に対して明確に示すことができます。
対策基準
対策基準とは、組織が保有する情報資産を保護するために、具体的にどのようなセキュリティ対策を実施するのかを定めたものです。
例えば、アンチウイルスソフトの導入基準や設定方針、バックアップの取得頻度や保管方法、アクセス制御のルールなどが挙げられます。
対策基準を明確にすることで、組織として統一されたセキュリティ対策を実施できるようになります。
実施手順
実施手順とは、対策基準で定めた内容を、どのような手順で実行するのかを具体的に示したものです。
目的に応じた機器やシステムの設定方法、アンチウイルスソフトやOSの更新・適用作業など、実際の作業担当者が、実施手順を参照しながら対応できることを想定して作成します。
実施手順を明確にしておくことで、担当者による対応のばらつきを防げ、安定したセキュリティ運用が可能になります。
情報セキュリティポリシー策定手順

情報セキュリティポリシーは、一般的に以下の手順で策定します。
- 手順(1):体制の構築
- 手順(2):策定スケジュールの決定
- 手順(3):基本方針の策定
- 手順(4):情報資産の洗い出し・リスクの分析
- 手順(5):対策基準と実施内容の策定
詳しく確認していきましょう。
手順(1):体制の構築
まずは、セキュリティ対策の責任者や運用担当者を明確に定め、情報セキュリティポリシー策定するための体制を構築することからはじめます。
情報セキュリティポリシーの策定は、担当部門だけで完結させるのではなく、全社的な取り組みとして進めることが重要です。経営層が関与することで、方針の統一や社内への浸透を図りやすくなります。
また、社内だけで十分な人材を確保することが難しい場合は、外部の専門家やコンサルタントの協力を得ることも、有効な選択肢の一つです。
手順(2):策定スケジュールの決定
体制が整ったら、次に情報セキュリティポリシー策定に向けたスケジュールを調整します。
特に、情報資産の洗い出しとリスク分析には、多くの時間と工数を要することが想定されるため、全体の進行状況を考慮しながら、無理のないスケジュールを設定することが重要です。
手順(3):基本方針の策定
スケジュールが確定したら、いよいよ情報セキュリティポリシーの基本方針の策定をはじめます。
基本方針には、情報セキュリティに対する組織の考え方や姿勢を明確に示す内容を記載します。主な記載項目の例として、以下が挙げられます。
- 情報セキュリティポリシーの目的・必要性
- 情報セキュリティポリシーの対象者・適用範囲・適用期間
- 対応基準や実施手順に関する基本的な考え方
- 情報セキュリティポリシーに違反した場合の対応や罰則
基本方針は、社内向けの指針であると同時に、情報セキュリティに対する組織の姿勢を社外へ示す「意思表明」としての側面も持ちます。
そのため、不明確な表現や基本的な考え方の欠如は、誤解を招くだけでなく、組織としての信頼性低下につながる恐れがあります。
初めて情報セキュリティポリシーを策定する場合や、内容に不安がある場合は、IPAが公開している基本方針のサンプルを参考にするとよいでしょう。
手順(4):情報資産の洗い出し・リスクの分析
基本方針の策定が完了したら、次に組織が保有する情報資産を洗い出し、それを取り巻くリスクの調査・分析を行います。
各情報資産に対して、想定されるリスクの内容や発生した場合の影響度を把握することで、セキュリティ対策の優先順位を決めることができます。
その結果、限られた予算やリソースの中で、どのような対策を優先的に講じるべきかを明確にすることが可能になります。
手順(5):対策基準と実施内容の策定
最後に、想定されるリスクに対して、具体的にどのようなセキュリティ対策を行うのかを明確にし、内容を文書化します。
利用するセキュリティ製品やツール、運用方法や対応手順までを具体的に定めることで、情報セキュリティポリシーが机上の方針として形骸化することを防ぎ、実際の業務で活用できる実効性の高いものとなります。
情報セキュリティポリシー策定時のポイント

最後に、情報セキュリティポリシーを効果的に運用するためのポイントを3つ紹介します。
- 具体的な内容を記載する
- こまめに見直し、改善する
- 適用範囲を明確化する
これらのポイントを意識することで、情報セキュリティポリシーが形骸化することを防ぎ、従業員一人ひとりの遵守意識の向上につながります。
詳しく見ていきましょう。
具体的な内容を記載する
情報セキュリティポリシーの内容が抽象的な表現になっていると、担当者や従業員によって解釈にばらつきが生じ、意図した方針から逸脱してしまう恐れがあります。
そのため、「システムを利用するアカウントには堅牢なパスワードを設定する」といった抽象的な表現は避け、「パスワードは8文字以上とし、数字および記号を含める」など、具体的かつ客観的に判断できる表現で記載することが重要です。
具体的な基準を明記することで、誰が対応しても同じ水準のセキュリティ対策を実施できるようになります。
こまめに見直し、改善する
策定当初の情報セキュリティポリシーには、不備や改善点が発見されることも珍しくありません。
そのため、まずは実際に情報セキュリティポリシーに準拠した形で業務を行ってみて、不都合や問題が生じた場合には、その都度見直し・改善を行なっていく体制を整えることが重要です。
また、時間の経過とともに、新しいサービスの導入や新規ビジネスの開始など、組織を取り巻く環境は変化していきます。
情報セキュリティポリシーを組織の実情に即した内容にするためにも、定期的な見直しと継続的な改善を行うことが推奨されます。
適用範囲を明確化する
情報セキュリティポリシーを策定する際は、適用対象とする情報資産や対象者の範囲を明確に定めることも重要なポイントです。
情報資産については、組織が保有する個人情報や社内情報などの機密情報を対象とし、対象者については、原則として全従業員を適用範囲とします。
必要に応じて協力会社や業務委託先などの外部要員を含めることも検討するとよいでしょう。
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これにより、管理者の負担を軽減しつつ、ポリシー違反の見逃しを防ぎ、継続的かつ効率的なデバイス管理を実現します。
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まとめ
本記事では「情報セキュリティポリシー」をテーマに、必要性や策定手順、策定時のポイントなどを解説しました。
本記事のまとめ
- 情報セキュリティポリシーとは、企業・組織が情報資産を適切に保護するために定める、情報セキュリティ対策の基本方針および行動指針のこと
- 情報セキュリティポリシーを策定することで、情報資産の適切な保護や、インシデント発生時の迅速な対応が可能になる
- 策定した内容を社内に周知・浸透させることで、従業員のセキュリティ意識の向上も期待できる
- 情報セキュリティポリシーの内容は企業・組織によって異なるが、一般的には「基本方針」「対策基準」「実施手順」の3つで構成される
- 情報セキュリティポリシーを策定・運用する際のポイントとして「具体的な内容を記載する」「こまめに見直し、改善する」「適用範囲を明確化する」ことが挙げられる
情報セキュリティポリシーは、企業・組織のセキュリティの土台として大きな役割を担います。
本記事でも解説した通り、策定は担当部門だけで完結させるのではなく、経営層や従業員も含めた全社的な取り組みとして進めることが重要です。
組織全体で情報資産を守る意識を共有し、実効性のあるセキュリティ対策を実現していきましょう。
また本記事では、担当者の負担を軽減しつつ、効率的なデバイス管理を可能にする方法として、「LANSCOPEエンドポイントマネージャークラウド版」の導入についても紹介しました。
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企業・組織は一丸となって策定および運用を行い、保有する情報資産を守っていきましょう。
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