Written by WizLANSCOPE編集部

目 次
パスワードポリシーとは、システムやサービス利用時に設定するパスワード(パスコード)に関して、組織が定めたルールや条件のことを指します。
顧客情報や機密情報などの数多くの情報資産を所持する企業・組織では、パスワードポリシーの適切な設定・管理は欠かさずに行うべき基本的かつ必須のセキュリティ対策です。
なお、パスワードポリシーを設定する際は、セキュリティと利便性のバランスを考慮することが重要です。
本記事では、パスワードポリシーを設定する重要性や設定時の注意点などを解説いたします。
▼本記事でわかること
- パスワードポリシーの概要
- パスワードポリシーの重要性
- パスワードポリシー設定時の注意点
- パスワードポリシーの設定とあわせて行いたい対策
パスワードポリシーに関する理解を深め、自社のセキュリティ強化に役立てたい方はぜひご一読ください。
パスワードポリシーとは

パスワードポリシーとは、システムやサービスを利用する際に設定するパスワード(パスコード)について、満たすべき基準や条件を組織が定めたものです。
適切なパスワードポリシーを定めることで、第三者による不正アクセスやアカウント乗っ取りのリスクを低減できます。
| パスワードの最小文字数 | 12文字以上など |
|---|---|
| 含めるべき文字種の要件 | 大文字、小文字、数字、記号を含めるなど |
| 連続文字や繰り返し文字の制限 | aaaや1234などの単純な文字列の禁止など |
| 推測されやすい文字列の禁止 | password、会社名+名前など |
| パスワードの有効期限 | 定期的な変更の要否 |
| 変更禁止期間 | 変更直後の再変更の禁止など |
| 過去に使用したパスワードの再利用禁止 | 直近利用したパスワードの再利用禁止など |
| アカウントロックアウトの条件 | ログイン失敗の上限設定など |
パスワードポリシーの設定は、情報セキュリティ対策の中でも、基本的かつ重要な取り組みです。
特に近年は、認証情報を狙ったサイバー攻撃が増加しているため企業・組織には、より強固な認証対策の実施が求められます。
パスワードポリシーを設定する重要性

パスワードポリシーの策定は、不正アクセスのリスクを低減させるうえで重要な役割を担います。
警察庁が令和7年に公開した資料によると、令和6年に検挙された不正アクセス行為の90%以上が「識別符号窃用型」によるものでした。
識別符号窃用型とは、他人の識別符号(IDやパスワードなど)を不正に入手し、それを利用してログインを試みする手口です。
さらに、同資料によれば、識別符号窃用型の不正アクセス行為における原因の内訳を見ると、「パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んで入手」が34.1%と、最も高い割合を占めています。

出典:警察庁|不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況(令和7年3月13日)
例えば、従業員が「123456」や「password」といった推測されやすいパスワードを設定している場合、悪意のある第三者に容易に突破される可能性があります。
その結果、社内システムへの不正ログインや重要情報の漏洩といった重大なセキュリティインシデントにつながる恐れがあります。
このようなリスクを防ぐためには、適切なパスワードポリシーを設定・管理し、組織全体でルールを徹底することが欠かせません。
パスワードポリシーは、単なる形式的なルールではなく、企業・組織の情報資産を守るための重要なセキュリティ対策の一つといえます。

パスワードポリシーを設定する際の注意点

パスワードポリシーの適切な設定には、以下の2点を考慮する必要があります。
- 複雑なポリシーを設定しない
- パスワードの定期変更を強制しない
パスワードポリシーの設定がかえって逆効果になることを防ぐためにも、確認していきましゅおう。
複雑なポリシーを設定しない
例えば、以下のようなパスワードポリシーを設定したとします。
- パスワードは15文字以上
- 英字(大文字・小文字)・数字・記号をすべて含む
- 数字を連続して使用してはならない
- 数字で終わってはならない
このような複雑なルールを設ければ、理論上は推測や総当たり攻撃への耐性が高い強固なパスワードを設定できます。
しかし、運用面に問題が生じる可能性が高いです。
複雑なパスワードを利用するサービスごとに個別に設定し、記憶・管理することの難易度は非常に高いです。
また、複雑すぎるポリシーを設定すると、「パスワードを付箋やメモに書いて、PCに貼り付ける」「企業・組織が許可していないパスワード管理ツールを使用する」といったセキュリティリスクが高い行為を助長する可能性もあります。
そのため、企業・組織でパスワードポリシーを設ける際は、「安全性」と「運用しやすさ」のバランスを考慮することが重要です。
パスワードの定期変更を強制しない
パスワードポリシーにおいて、パスワードの定期変更を強制してしまうと、「パスワードがパターン化する」「パスワードを使いまわす」といったリスクが高まります。
例えば、「password1」から「password2」のように末尾の数字だけを変更していくケースでは、推測されやすく、十分な対策とはいえません。
また、特に注意すべきなのは、パスワードの使い回しです。
いずれか一つのサービスから認証情報が漏洩した場合、攻撃者はそのIDとパスワードを他のサービスでも試します。
その結果、同一のパスワードを使用しているすべてのアカウントが不正アクセスされる可能性があります。
そのため、パスワードポリシーでは定期変更は強制せず、サービスや機器ごとに固有のパスワードを設定することが重要です。
形式的な変更ルールよりも、実効性のある運用を整えることが、結果的にセキュリティ強化につながります。
パスワードポリシーの設定とあわせて実施したい対策

前述の通り、近年の高度化・巧妙化するサイバー脅威に十分に対策するためには、パスワードポリシーの設定に加えて、認証そのものを強化できる仕組みをあわせて導入することが推奨されます。
本記事では、認証強化の代表的な方法として、「シングルサインオン(SSO)」と「多要素認証(MFA)」の2つを紹介します。
それぞれが具体的にどのような効果があるのかを確認していきましょう。
シングルサインオン(SSO)
シングルサインオン(SSO)とは、一度の認証で、連携している複数のアプリケーションややクラウドサービスにログインできる仕組みです。
▼シングルサインオンを導入している場合としていない場合の比較

シングルサインオンを導入すると、サービスごとに個別のID・パスワードを入力する必要がなくなります。
サービスごとに個別に複雑なパスワードを設定・記憶する必要がなくなると、ログイン時の手間が減るだけでなく、管理するパスワードの数を減らすことも可能です。
その結果、パスワードをメモに残したり、複数のサービスで使いまわしたりするリスクを抑える効果が期待できます。
多要素認証(MFA)
多要素認証(MFA)とは、システムやサービスにログインする際に、「知識情報」「所持情報」「生体情報」の3つの認証要素のうち、2つ以上を組み合わせて認証を行うセキュリティ手法です。
| 知識情報 | パスワードなど、利用者本人のみが知っている情報 |
|---|---|
| 所持情報 | スマートフォンやICカードなど利用者本人が所持している情報 |
| 生体情報 | 指紋や静脈、顔、虹彩など、本人固有の身体情報 |
多要素認証を導入することで、万が一パスワードを窃取された場合でも、追加の認証が必要になるため、不正アクセスされるリスクを大幅に低減できます。

パスワードポリシーの管理における課題

認証強化においては、適切なパスワードポリシーの設定するだけでなく、それが確実に遵守されているかどうかを継続的に管理することも重要です。
パスワードポリシーに準拠していないアカウントを放置すると、そこがセキュリティホールとなり、攻撃者に狙われる可能性があります。
しかしながら、複数のシステムやサービスに対して、「どのアカウントがパスワードポリシーに準拠しているか」「準拠していないのか」を、管理者が手動で把握・管理することは現実的とはいえません。
こうした課題の解消には、パスワード管理ツールやIT資産管理ツールといったツールを活用することが有効です。
ツールを活用することで、パスワードポリシーの一括適用や利用ルールの違反状況を確認することが可能になり、継続的な統制とセキュリティレベルの維持につながります。
パスワードポリシーの一括管理に「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」

本記事では、パスワードポリシーの一括管理が可能なIT資産管理・MDMツール「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」を紹介します。
本製品では、パスワードの桁数や英字、数字、複合文字使用など、パスワードの設定ルールを一括で配信することが可能です。(※WindowsOSは対象外)
| iOS・macOS の設定項目 | ・パスコードの最少文字数 ・単純値(aaaa、1234など)を禁止 ・英字と数字が必要 ・英数字以外の文字の最少文字数 ・パスコードの有効期間 ・以前使用したパスコードの再使用を禁止 ・パスコード入力連続失敗によるデバイス初期化*1 ・デバイスロック開始までの最大許容時間 ・画面ロック解除時のパスコード要求までの最大許容時間 ・ログイン失敗後の待ち時間*2 ・パスワードリセットの強制*2 *1 macOS はアカウントのロックが行われます。 *2 macOS のみ対応しています。 |
|---|---|
| Androidの設定項目 | ・パスワードの最少文字数 ・使用しなければならない文字の種類 ・パスワードの有効期間 ・パスワードの有効期限を事前の通知 ・以前使用したパスワードの再使用を禁止 ・パスワード入力連続失敗によるデバイス初期化 ・スリープ開始までの最大許容 ※Android Enterpriseを利用してデバイスを管理下に置く必要があります |
その他にも「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」では、IT資産の管理、セキュリティ強化に役立つさまざまな機能が搭載されています。
サービスに詳細についてより詳しく知りたい方は、以下のページからご確認ください。
また、製品に興味をお持ちいただいた方向けに、「LANSCOPE エンドポイントマネージャークラウド版」が3分でわかる資料もご用意しています。無料でダウンロードできるので、こちらもぜひご活用ください。

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LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
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まとめ
本記事では「パスワードポリシー」をテーマに、その重要性や設定時の注意点などついて解説しました。
▼本記事のまとめ
- パスワードポリシーとは、システムやサービスを利用する際に設定するパスワード(パスコード)について、満たすべき基準や条件を組織が定めたルールのこと
- 企業・組織において適切なパスワードポリシーを設定することで、セキュリティの強化を図ることができる
- パスワードポリシーを設定することで、「単純なパスワードを設定するリスク」や「パスワードの使いまわしリスク」を回避できる
- パスワードポリシーを設定する際は、「複雑なポリシーを設定しない」「パスワードの定期変更を強制しない」といった点を考慮し、「安全性」と「運用のしやすさ」のバランスをとることが重要
- 高度化するサイバー脅威へ対応するためには、適切なパスワードポリシーの設定に加えて、シングルサインオンや多要素認証など、認証そのものを強化する仕組みを導入することが推奨される
第三者による不正アクセスのリスクを低減するためには、適切なパスワードポリシーを設定し、従業員への周知・徹底を図ることが重要です。
ただし、近年の高度化が見られるサイバー脅威に対しては、長く複雑なパスワードを設定するだけでは、十分とはいえません。
万が一ID・パスワードが漏洩した場合でも、不正アクセスのリスクを低減するために、シングルサインオンや多要素認証などと組み合わせ、総合的なセキュリティ強化を進めましょう。
なお本記事で紹介した「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」は、パスワードポリシーの一括適用や遵守状況の把握が可能なIT資産管理・MDMツールです。
パスワードポリシー管理のほかにも、リモートロック・リモートワイプやアップデート管理、Webフィルタリングなど、企業のIT資産を保護するためのさまざまな機能が搭載されています。
セキュリティ強化を目指す企業・組織の方は、ぜひ導入をご検討ください。
また、まずは自社の情報セキュリティ対策状況や課題の把握から始めたいという方に向けて、セルフチェックが可能なチェックシートをご用意しました。
無料でダウンロードできるため、ぜひご活用ください。

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