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必見!Microsoft 365 Copilotの機能や活用方法・リリース日は?最新情報を解説

Written by 田村 彩乃
ITコンサルタントとして7年間システム提案に携わった後、フリーライターとして独立。IT、マーケティングに関するコラムを中心として、人材、ECなどにまつわる記事をWebをはじめとした多くのメディアで執筆。
目 次
Microsoft 365 Copilotとは?
Microsoft 365 Copilot は2種類の方法で統合される
Microsoft 365 Copilotが実装されるアプリケーションと機能
Microsoft 365 Copilotはいつから使える?(国内リリースは未定)
Microsoft 365 Copilot 何のプランで利用できる?価格は?
Microsoft 365 Copilot のセキュリティ面は問題ないのか?
Microsoft 365 Copilotのセキュリティ対策なら「LANSCOPE セキュリティオーディター」
まとめ
AIツールに興味関心のある方であれば、国内での「Microsoft 365 Copilot」のリリースを心待ちにしている方も、多いのではないでしょうか。
Microsoft 365 Copilotとは、従来の「Microsoft 365ソフトウェア」に、 OpenAI が開発した自然言語処理モデル「GPT-4」が組み込まれた新時代のAIサービスです。Microsoft 365 Copilotを活用することで、WordやExcelなどのサービスと連携し、作業の効率化や生産性向上を実現できます。
Microsoft 365 Copilot は、Microsoft 365のサブスクリプションサービスを契約することで利用でき、価格帯としては、1 ユーザーあたり月額 30 ドル(現時点で4,000~4,500円程)で提供される想定です。
ただし、日本語版の正式なリリース日については、今のところ発表されていません(2023年8月時点)。
この記事では、Microsoft 365 Copilot に関する役立つ情報を、わかりやすく要約しました。
「1記事で Microsoft 365 Copilot の、最新情報を理解したい」という方は、ぜひご覧ください。
- Microsoft 365 Copilotの基礎知識
- Microsoft 365 Copilotの統合方法
- Microsoft 365 Copilotの具体的な機能
- Microsoft 365 Copilotのリリース日や料金プラン
- Microsoft 365 Copilotのセキュリティ
また「Microsoft 365 Copilot」の知っておきたいポイントが3分でわかる、ホワイトペーパーもご用意しました。ぜひ復習・社内共有用にご活用ください。
3分でわかる!Microsoft 365 Copilot まるわかりガイド
この1冊で「Microsoft 365 Copilot」の知っておきたい最新情報・要点を「簡単」にチェックできます。
Microsoft 365 Copilotとは?
Microsoft 365 Copilotとは、従来の Microsoft 365 ソフトに、アメリカのOpenAIが開発した自然言語処理モデル「GPT-4」が搭載された、新時代のAIサービスです。
Microsoft 365 Copilotは、主に下記3つの機能より構成されています。
1.ChatGPTにも搭載される、大規模言語モデル(LLM)
2.Microsoft graph(Micorosoftで利用中のデータへアクセスするプラットフォーム)
3.Microsoft 365のアプリケーション(Word、Excel、PowerPoint、Teamsなど)
ユーザーが Word や Excel といったアプリケーションにプロンプト(文章による指示)を与えることで、Microsoft 365 Copilot は大規模言語モデル・Microsoft graphのデータを組み合わせ、ユーザーの業務を迅速にサポートします。
少し詳しく“仕組み”を説明すると、Microsoft 365 Copilot上でユーザーがプロンプトを入力するとで、Microsoft Graphを通じて各アプリケーションへと入力データが連携され、大規模言語モデル(LLM)へと送信されます。その後、大規模言語モデルは与えられたプロンプトを処理し、Copliotへと結果を戻します。
▼Microsoft 365 Copilot が処理する流れ
1.ユーザーが各アプリでCopilotにプロンプト(命令)を与える
2.Copilotが、これらアプリのデータ(=Microsoft Graph 。ファイルやチャットなど)に、プロンプト(命令)を結びつけ、LLM(大規模言語モデル)に送る
3.LLMは与えられたデータを処理して、Copilotに戻す
4.Copilotが、ユーザーが依頼したデータやアプリのコマンドとして返す
5.ユーザーは自分の要求した情報を、効率的に取得できる
例えば「Copilot in Word」では、数行の指示を送るだけで、AIに文章の下書きや要約を自動で作成させたり、誤字脱字や文法を修正させたりすることが可能です。
Microsoft 365 Copilotを使いこなせば、圧倒的な業務効率化が可能に
Microsoft 365 Copiliotを使いこなすことができれば、圧倒的な業務効率化を実現できます。例えば、業務において次のような悩みを持つ方は、Microsoft 365 Copiliotを利用することで、大幅な業務工数の改善が図れるかもしれません。
- メールやチャット対応に時間が奪われている
- 資料が冗長になりがちな上、作成に時間がかかる
- 商談やミーティングの予定調整に時間がかかる
Microsoft 365 Copilotを使いこなせば、スライド作成やレポート要約など、コア業務以外の工数を短縮できるため、本来時間を割くべき重要なミッションへと時間が割けるようになります。
また、現在 Microsoft365 を使っている方の中でも「機能を十分に使いこなせている自信がない」「知らない機能が数多くある」という方も、Microsoft 365 Copilotを利用することで、これまで知らなかった Microsoft 365 アプリの機能を引き出し、より大きなパフォーマンスを発揮できるようになります。
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Microsoft 365 Copilot は2種類の方法で統合される
Microsoft 365 Copilotは、以下の2パターンの方法で提供されます。
1.現在使用している「Microsoft 365アプリ」に搭載される
2.新たに発表された「BusinessChat」を活用する
ここでは、Microsoft 365 Copilotが「どのアプリケーション」へ、「どういった型式で取り入れられるか」について詳しく解説します。
1.日常で使うMicrosoft 365 アプリに搭載
Microsoft 365 Copilotは私たちが現在使っている、WordやExcel・PowerPoint などの「Microsoft 365 アプリケーション」に、組み込まれる形で使用可能です。各アプリケーションのサイドバーより会話で指示を出したり、「より単純に」「わかりやすく」など追加で指示を行い、意図に沿った文章やグラフを簡単に生成することができます。
▼「Excel in Copilot」でプロンプトを提示する(例)
出典:Microsoft│Microsoft 365 Copilot をリリース ? 仕事の新たな形を創造(2023年3月28日)
現在、Microsoft 365 を利用している方であれば、いつものようにOfficeアプリケーションを起動することで、Microsoft 365 Copilotへアクセスすることが可能です。
出典:Windows Blog for Japan| Microsoft 365 Copilot をリリース ? 仕事の新たな形を創造
2.新たに発表された「BusinessChat」
もう1つ「Microsoft 365 Copilot」を活用する手段として、今回新たに発表された「Business Chat」を利用する方法があります。
「Business Chat」は、Microsoft365.com や検索エンジン「Bing」上で利用できる他、「Microsoft Teams」 のチャット画面より、 Copilot と1対1 のチャット型式で利用が可能です。
Business Chat は、Microsoft サービス内に蓄積されたあらゆるデータを横断し、ユーザーの要求に対する最適解を即座に提供します。
例えば、Microsoft Teams のチャット画面より「Business Chat」へ、『〇〇社とのやり取りに関連する、チャット・メール・ドキュメントをピックアップして』と指示すれば、Microsoft 内のすべてのデータから、関連するファイルや文章を抽出し、チャットで返答をもらうことが可能です。
あるいは「営業部の、最新のスケジュールを教えて」とBusiness Chatに指示することで、指定したチームのカレンダーやメール、ドキュメント、チャットの内容などを自動的に検索し、最新の予定をリストアップすることもできます。
▼Microsoft Teams より「Business Chat」を利用する画面
出典:Microsoft│Microsoft 365 Copilot をリリース ? 仕事の新たな形を創造(2023年3月28日)
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Microsoft 365 Copilotが実装されるアプリケーションと機能
Microsoft 365 Copilotが、既存のMicrosoft 365 アプリケーション内の機能として組み込まれることは、先述の通りです。
Copilotが実装されるアプリケーションの例としては、普段からよく使われている「Word」 「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「Microsoft Teams」などがあります。
以下では、Microsoft 365 Copilotが各アプリケーションに備わることで、どういった点が効率化されるか・どのような活かし方が可能かについて、公式サイトの情報をもとにまとめました。
「Word」 の Copilot機能
「Word」は、Microsoft 365 サービスで利用できる「文書作成のアプリケーション」です。
Word上でCopilot機能を利用することにより、より効率的に文章の作成・編集・要約・創作を行えるようになります。
例えば、プロンプト(指示)を与えることで、下書きの作成やドキュメントの追加・修正、さまざまな口調で文章を整えるなどの動作が簡単に行えます。過去のExcelやNoteファイルを指定すれば、その内容をもとに文書を自動で生成することも可能です。
- 指定したnoteの議事録とExcelの表計算データから、提案書のたたき台を3ページ分作成してください
- この原稿案を、提案書用により厳格な文章へと整えてください
- 以下のメモをもとに、1ページ分の原稿案を作成してください
出典:Microsoft│Microsoft 365 Copilot をリリース ? 仕事の新たな形を創造(2023年3月28日)
「Excel」の Copilot機能
Excelは、Microsoft 365 サービスで利用できる「表計算のアプリケーション」です。
Copilot in Excelを使うことで、「Excelの操作に慣れていない」「複雑な関数やマクロを使いたくない」という方でも、簡単に複雑な数式や表・グラフを作成したり、数字を分析したりすることが可能です。
- この表をもとに、販売チャネル別・商品のジャンル別に売上高の内訳を教えてください
- エクセルに入力した商品データから、最も売上が高かった商品を抽出して表示してください。また売上の推移データから、自動でグラフを作成してください
「PowerPoint」の Copilot機能
PowerPointは、Microsoft 365 サービスで利用できる「文書作成のアプリケーション」です。
Copilot in PowerPointを使えば、現在のプレゼンテーション作成を、より効率的に行えるようになります。例えば、既存の文章や議事録をもとにプレゼンテーションを作成したり、プロンプトの指示でよりよくスライドデザインを変更したりできます。
- 指定したWoreのテキストから、5枚のスライドを作成してください。関連画像も挿入してください。
- いま20枚のスライドを、簡易資料用に5枚にまとめ直してください。
▼Wordを基に、PowerPointでスライドを作成するイメージ
出典:Microsoft│Microsoft 365 Copilot をリリース ? 仕事の新たな形を創造(2023年3月28日)
「Outlook」の Copilot機能
Outlookは、Microsoft 365 サービスで利用できる「メールメッセージの送受信」を行うアプリケーションです。予定表の管理やタスクの追跡等も行えます。
Copilot in Outlookでは、メール確認や返信といった作業時間を短縮し、メール管理におけるあなたの負担を大きく軽減することができます。
- 先週分のうち未読のメールだけをピックアップしてください。また重要なものにはフラグを立ててください
- 取引先への返信メールの下書きを作成してください。文章にはお礼の言葉と、2 つ目・3 つ目の指摘について、詳細を尋ねる文言を入れてください
- 今月末にある、会社の懇親会にチームメンバーを招待してください。参加費が4,000円である旨も記載してください
「Microsoft Teams」の Copilot機能
Microsoft Teamsは、Microsoft 365 サービスで利用できる「チャットやビデオ通話を通じてコミュニケーションを行うアプリケーション」です。
Copilot in Teams を利用することにより、現在Teams で行っている会議の生産性をさらに向上させ、またその質を大きく高めることができます。
例えば、あなたが会議の前半に参加していなかった場合も、Copilot に尋ねることで、会議の要点や論点をピックアップして教えてくれます。また、チャットの履歴に基づいて会議のアジェンダを作成したり、次回の会議日時をスケジューリングしたりといった作業も、簡単に行えるようになります。
Copilot in Teamsへのプロンプト(指示)の例
- (会議への参加が遅れた場面で)この会議の中で、これまでの論点はなんですか?メンバーの意見が合わない部分はどこですか?
- 今回のミーティングの中で、決定した事項のメリットとデメリットを教えてください。また次に推奨されるアクションを教えてください。
「Power Platform」「Viva」にもCopilot機能が実装予定
「Microsoft Power Platform」と「Microsoft Viva」の2つのアプリケーションにも、Copilot機能が実装される予定です。この2つの機能については、まだ耳馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
IT初心者でもアプリ開発や数字分析を可能にする「Microsoft Power Platform」
出典:Microsoft|Business Application Platform – Microsoft Power Platform
Microsoft Power Platformとは、アプリ開発やデータの収集・解析を少ないコード量(ローコード)で実現できる、コスト削減と成果の最大化に効果的なアプリケーションです。プログラミング知識を持たない初心者でも、簡単にアプリ開発ができるだけでなく、自動でワークフローを作成したり、社内に蓄積されたビッグデータを効率的に解析したりできるようになります。
実際、Microsoftの公式サイトでは、経験値の少ないエンジニアが、「Power Platform」を活用し、約2年で160以上のアプリを構築した例が紹介されています。
このPower PlatformにCopilot機能が実装されると、作成したいアプリの概要をプロンプトで伝えるだけで、アプリのたたき台を簡単に作成し、botとの会話によって開発を進めていくことが可能に。
また完成したアプリケーションに対し、Copilotで問いかけることで、アプリ内のデータに関する洞察を簡単に得ることもできます。
チームのエンゲージメントを高める「Microsoft Viva」
「Microsoft Viva」は、Microsoft 365 と Microsoft Teams 内に構築される、従業員体験を向上させるためのプラットフォームです。Microsoft Vivaを活用することで、従業員同士のコミュニケーションを活性化し、エンゲージメントや帰属意識の創出・離職率の低減などを図ることができます。
テレワークが推進される昨今の働き方では、従業員同士のコミュニケーション不足が課題になりがちですが、Microsoft Vivaを使いこなすことで、所在地を問わず濃い繋がりを構築することができます。
出典:Microsoft|従業員エクスペリエンスとエンゲージメント Microsoft Viva
Microsoft Viva 単体でも十分便利ですが、Microsoft Viva Copilot in Vivaを活用することで、年次の事業計画書や製品戦略に関する Word 文書に基づき、Copilotが自動で OKR(成果指標) の推奨案を作成してくれます。
あるいは、リーダーが Copilot in Microsoft Viva Engage を利用することで、エンゲージメント指標の分析や従業員の感情を評価し、適切な対応を導き出すことも可能です。
Microsoft 365 Copilotはいつから使える?(国内リリースは未定)
Microsoft 365 Copilotの開発が発表されたのは、2023年3月16日のことです。
現時点で正式なリリース日は未定ですが、既に20の法人顧客にて限定テストを終え、2023年5月10日より「Microsoft 365 Copilot アーリーアクセス プログラム」として、「招待制の有償プレビュープログラム」が開始されました。
全世界の600の顧客に、プレビュー版のMicrosoft 365 Copilotが展開されており、数ヶ月以内に一般利用も可能となる予定です。
ただし「日本語版の提供日」については、2023年8月時点でまだ発表されておりません。日本語版のリリース日に備え、いつでも利用が開始できるよう、定期的に情報収集を行っておくと良いでしょう。
Microsoft 365 Copilot 何のプランで利用できる?価格は?
Microsoft 365 Copilot は、Microsoft 365 のサブスクリプションを契約することで使用できます。
現時点では、全てのプランで使用できるわけではなく、大企業向けプランの「Microsoft 365 E3」「Microsoft 365 E5」と、一般法人向けの「Business Standard」「Business Premium 」の4プランのうち、いずれかを導入している法人のユーザーが利用できる見込みです。
▼Microsoft 365 各プラン詳細
Microsoft 365 Business Standard | Microsoft 365 Business Premium | Microsoft 365 E3 | Microsoft 365 E5 |
---|---|---|---|
一般法人向け | 一般法人向け | 大企業向け | 大企業向け |
1,560 ユーザー/月 | 2,750 ユーザー/月 | 4,500 ユーザー/月 | 7,130 ユーザー/月 |
また、Microsoft 365 Copilotの価格は、1ユーザーあたり月額30ドル(2023年8月時点では4,300円程)で提供されることが発表されています(通常の Microsoft 365 サブスクリプションに追加で費用が発生)。
つまり、例えば 「Microsoft 365 Business Standard」プランに加入し、「Microsoft 365 Copilot」を利用する場合は、1か月あたり約5,860円(1,560円+約4,300円)が、発生する計算となります。
まだ不確定な要素も多いMicrosoft 365 Copilot なので、今後利用できるプランが拡大されたり、追加オプションが用意されたりする可能性も、十分に考えられます。
3分でわかる!Microsoft 365 Copilot まるわかりガイド
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Microsoft 365 Copilot のセキュリティ面は問題ないのか?
Microsoft 365 Copilotを活用するにあたり、セキュリティ面に問題がないかを不安に思う方も、一部いらっしゃるのではないでしょうか。結論から言うと、Microsoft 365 Copilotは従来の Microsoft 365 サービスと同等の品質で、強固なセキュリティ体制を構築することが可能です。
ただし、情報漏洩の観点から「ChatGPT」などAIツール全般の業務利用を禁止している組織も多いなど、 Microsoft 365 Copilot を導入するのであれば、セキュリティ課題への対策が欠かせないでしょう。
ここでは、Microsoft 365 Copilot が「セキュリティの強みと課題」について、詳しく解説します。
Microsoft 365 Copilot では、Microsoft 365 に準じたセキュリティが継承できる
Microsoft 365 Copilot では、現在組織が使用している Microsoft 365 サブスクリプションサービスで構築した、セキュリティ設定やコンプライアンス、プライバシーポリシーなどを自動的に継承できます。
そのため、すでに Microsoft 365 を導入している企業においては、Microsoft 365 Copilotのために特別なセキュリティルールを策定したり、多要素認証やプライバシー保護の設定を追加で行うことなく、安全にMicrosoft 365 Copilot の利用を開始することが可能です。
アカウント(テナント)情報も、AI学習に用いられないため安心
- 「自然言語処理モデル」を使うAIツールの中には、ユーザーが入力したプロンプトをもとに、AI学習を強化するサービスが存在します。
入力した情報がAIの学習に利用されると、入力した個人データが誤って他ユーザーへの回答に表示され、機密情報が漏洩するリスクに繋がりかねません。実際、OpenAIの提供する「ChatGPT」では、公式サイトにて「特定のプロンプト(GPTへの指示内容)の削除はできないため、chatGPTに機密情報の共有をしないように」という旨が記載されています。
その点、Microsoft 365 Copilotに搭載されている、自然言語処理モデルの「Copilot LLM」は、ユーザーが入力したプロンプトや収集したデータを、AI学習に利用することはありません。そのため、Copilot に入力した個人情報や機密情報が、AIを通じて漏洩したり、他のユーザーに表示されたりというリスクも防止することができます。
ただし「 Microsoft 365 サービス」のセキュリティ対策は、組織の重要課題
Microsoft 365 Copilot には、従来のMicrosoft 365 サービスと同等の “高度なセキュリティ機能” が搭載されていることは、先述の通りです。
しかし、Microsoft 365 をはじめとするクラウドサービスを狙ったサイバー攻撃は、昨今増加の一途を辿っています。テレワークの普及により「場所を問わず利用できるクラウドサービス」の需要が高まったことから、その脆弱性を利用した悪質な犯罪が増えているのです。
- 認証やログイン設定の見直し
- 定期的なログの取得・監視
- ファイルやデータの共有設定の見直し
- 発行済みのアカウント管理
- 社内のセキュリティルールの策定
などが考えられます。
Microsoft 365 Copilot を安全に運用するためには、まずその土台となる「Microsoft 365」のセキュリティ体制を、十分に整えることが大切です。 次章で、Microsoft 365 サービスに効果的な、セキュリティソリューションについてご紹介します。
Microsoft 365 Copilotのセキュリティ対策なら「LANSCOPE セキュリティオーディター」
Microsoft 365 Copilot 、および Microsoft 365 サービスをセキュアに利用するなら、ぜひ検討いただきたいのが「LANSCOPE セキュリティオーディター」です。
LANSCOPE セキュリティオーディターでは、 Microsoft 365 アプリケーション上で、従業員がどのような操作をしているかや、管理者の意図しない設定になっていないかを、監査ログとして取得することが可能。管理画面より監査ログを見ることで、Microsoft 365 アプリ上で「誰が」「いつ」「何をしたのか」を正確に把握することができます。
▼LANSCOPE セキュリティオーディターで見る、Microsoft 365 の監査ログ
また違反操作が行われると、組織が利用中のビジネスチャットと連携し、管理者と本人へアラートで通知。従業員への抑止力となるのに加え、管理者が早期に従業員の危険な行動に気づくことができます。
▼Microsoft 365 のNG行為を、チャットでアラート通知
Microsoft 365 サービスはもちろん、将来的に Microsoft 365 Copilot の導入を検討している組織・企業さまであれば、誰でも簡単に操作・セキュリティ対策が行える、LANSCOPE セキュリティオーディターを検討してみてください。
まとめ
今回は、Microsoft 365 Copilotについて解説してきました。
- Microsoft 365 Copilotは、従来の Microsoft 365 サービスに、OpenAIが開発した自然言語処理モデルの「GPT-4」が搭載されたサービス
- 大規模言語モデル(LLM)を活用し、Microsoft 365アプリケーションにプロンプトを与えることで、AIを通じた生産性の高い作業を実現できる
- Microsoft 365 Copilotは「Microsoft 365アプリケーション」への搭載と、新たに発表された「BusinessChat」2種類の方法で、Microsoft サービスに統合される
- Microsoft 365 Copilotの正式なリリース日は未定。価格帯は1アカウント30$で Microsoft 365 サブスクリプションの法人プランを利用することが条件
- Microsoft 365 Copilotは利用中の Microsoft 365 に準じたセキュリティが継承でき、入力したプロンプトが学習に使用されないため、セキュリティ面でも安全である(ただしMicrosoft 365本体へのセキュリティ対策は必要)
今後、Microsoft 365 ユーザーであれば、Microsoft 365 Copilot をいかに使いこなし、日常業務の生産性を高められるかが、会社での成果や実績に大きく影響することが予想されます。
ぜひMicrosoftの公式サイトを定期的にチェックする等しながら、いち早く情報をキャッチアップし、Microsoft 365 Copilot を使いこなしていただければと思います。
また「3分でわかる、Microsoft 365 Copilot まるわかりガイド」もご用意しました。ぜひ復習や社内共有にてご活用ください。
3分でわかる!Microsoft 365 Copilot まるわかりガイド
この1冊で「Microsoft 365 Copilot」の知っておきたい最新情報・要点を「簡単」にチェックできます。
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