Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
クラウド監視とは、クラウドサービス上のサーバーやアプリケーションなどの稼働状況を継続的に監視することです。
近年、多くの企業が業務効率化やコスト削減を目的として、業務システムのクラウド移行を進めています。しかし、安定したサービス提供を維持するためには、クラウド環境の状態を適切に把握する「クラウド監視」が不可欠です。
本記事では、クラウド監視の概要やオンプレミス監視との違い、監視項目などをわかりやすく解説します。
▼本記事でわかること
- クラウド監視の概要
- クラウド監視とオンプレミス監視の違い
- クラウド監視の監視項目
- クラウド監視を成功させるためのポイント
基本から成功のポイント、そして適切なツールの選び方などクラウド監視における網羅的な情報を求めている方はぜひご一読ください。
クラウド監視とは

クラウド監視とは、企業が利用するクラウドサービス上のサーバー、アプリケーション、ネットワークなどの稼働状況を継続的に監視し、システムの正常な状態を維持するための活動全般を指します。
監視対象となるクラウドサービスの例としては、以下が挙げられます。
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- GCP(Google Cloud Platform)
クラウド監視は、パフォーマンスの低下、リソースの枯渇、セキュリティ上の脅威といった問題を早期に検知し、迅速な対応につなげることを目的としています。
クラウド監視の必要性
近年、多くの企業が業務効率化やコスト削減を目的として、業務システムのクラウド移行を進めており、これに伴い監視の必要性も高まっています。
クラウド環境は、オンプレミス環境とは異なり、インフラの一部をクラウドベンダーに委ねる「責任共有モデル」に基づいて運用されています。
インフラの物理的なセキュリティや稼働についてはクラウドサービス提供者が責任を負う一方で、その上で動作するOS、ミドルウェア、アプリケーション、そしてデータなどの管理責任は利用者側にあります。
そのため利用者は、自らが管理する範囲において、障害の発生やパフォーマンスの低下といった問題を早期に検知し、ビジネスに影響を及ぼす前に対処する必要があります。
クラウド監視とオンプレミス監視の違い
クラウド監視とオンプレミス監視は、「責任範囲」「監視対象」「監視方法」の点で違いがあります。
オンプレミス環境とは、自社内にサーバーやネットワーク機器を設置し、自社で運用・管理を行う形態のことを指します。
ここでは、これら3つの観点から両者の違いについて解説します。
責任範囲の違い
オンプレミス監視では、サーバーやネットワーク機器といった物理的なハードウェアからOS、アプリケーションまで、すべてを自社で管理・監視する必要があります。
一方でクラウド監視では、物理的なインフラの管理はクラウドベンダーが担うため、利用者がハードウェアを直接監視する必要はありません。
そのため利用者は、IaaSであればOS以上の範囲、PaaSであればアプリケーション以上の範囲といったように、利用するサービスの形態に応じた範囲の監視に集中できます。
| 監視形態 | 利用者の責任範囲 | ベンダーの責任範囲 |
|---|---|---|
| オンプレミス | ・ハードウェア ・ネットワーク ・OS・ミドルウェア ・アプリケーション ・データ |
・なし |
| クラウド(IaaS) | ・OS ・ミドルウェア ・アプリケーション ・データ |
・物理インフラ(サーバー、ストレージ、ネットワーク) |
| クラウド(PaaS) | ・アプリケーション ・データ |
・物理インフラ ・OS ・ミドルウェア |
監視対象の違い
オンプレミス監視では、主に自社が保有する物理サーバーやネットワーク機器を中心に監視を行います。
一方でクラウド監視は、クラウドベンダーが提供する以下のようなさまざまなサービスが監視対象となります。
- 仮想サーバー(インスタンス)
- ストレージサービス
- データベースサービス
- コンテナ
- サーバーレス関数
これらのサービスは必要に応じて動的に増減するため、監視対象を柔軟に把握・追跡できる仕組みが求められます。
監視方法の違い
オンプレミス環境では、一般的に監視ツールをサーバーに自由にインストールし、監視項目を設定して運用します。
一方でクラウド環境、特にPaaSやSaaSでは、利用者が任意のプログラムをインストールできない場合があります。
そのため、AWSの「Amazon Cloud Watch」やMicrosoft Azureの「Azure Monitor」のように、クラウドベンダーが提供する専用の監視サービスやAPIを利用して情報を収集する方法が主流となっています。
| 観点 | クラウド監視 | オンプレミス監視 |
|---|---|---|
| 責任範囲 | ・物理的なインフラの管理はクラウドベンダーが担う ・利用するサービスの形態に応じた範囲を監視する |
・サーバーやネットワーク機器といった物理的なハードウェアからOS、アプリケーションまで、すべてを自社で管理・監視する |
| 監視対象 | ・クラウドベンダーが提供する仮想サーバーやストレージサービスなどの各種サービスを監視する | ・自社が保有する物理サーバーやネットワーク機器を中心に監視する |
| 監視方法 | クラウドベンダーが提供する専用のサービスやAPIを利用する | ・監視ツールをサーバーにインストールし、監視項目を設定する |
クラウド監視の目的
クラウド監視を行う目的は多岐にわたりますが、主に以下の3つに分けられます。
- システムの安定稼働と可用性の維持
- パフォーマンスの最大化とコスト最適化
- セキュリティリスクの低減
それぞれの目的を理解することで、より効果的な監視計画を立てることができます。
詳しく確認していきましょう。
システムの安定稼働と可用性の維持
クラウド監視の最も重要な目的は、システムやサービスを停止させることなく、安定した稼働を維持することにあります。
継続的に監視を行うことで、サーバーダウンやネットワークの切断といった障害をいち早く検知し、迅速に復旧対応が可能になります。
その結果、サービスのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
これにより、顧客満足度の低下やビジネス機会の損失を防ぎ、企業の信頼性の維持につながります。
パフォーマンスの最大化とコスト最適化
システムの応答速度の低下や処理の遅延は、ユーザー体験を損なう大きな要因となります。
そのためクラウド監視では、CPU使用率やメモリ使用量、ディスクI/Oなどの指標を継続的に監視し、パフォーマンスのボトルネックとなっている箇所を特定します。
また、リソースの使用状況を可視化することで、過剰なスペックの実態を適切なサイズに変更したり、不要なリソースを停止したりするなど、パフォーマンスを維持しながらコストの最適化を図ることができます。
セキュリティリスクの低減
クラウド環境は、不正アクセスやマルウェア感染といったセキュリティ上の脅威に常にさらされています。
このような環境下でクラウド監視を行うことで、異常なアクセスパターンや不審な挙動を検知し、セキュリティインシデントの早期発見につなげることができます。
また、アクセスログや操作ログを監視することで、サイバー脅威への対策だけでなく、内部不正の抑止やインシデント発生時の原因究明にも役立ちます。
クラウド監視の基本的な監視項目
クラウド監視では、システムの安定した稼働を維持するために、さまざまな観点から監視を行います。
その中でも、特に重要な監視項目として、次の3要素が挙げられます。
- 死活監視
- リソース監視
- サービス監視
それぞれの監視項目の具体的な内容について解説します。
死活監視
死活監視は、サーバーやネットワーク機器が正常に稼働しているかどうかを継続的に確認する最も基本的な監視です。
「死活」とは、「生きているか死んでいるか」という意味を持ち、ITにおいては「対象機器やサービスが稼働している状態(=生)」か「停止または障害が発生している状態(=死)」かを判断することを指します。
一般的には、Pingコマンドを使用して定期的にICMPパケットを送信し、応答があるかどうかによって稼働状態を判断します。
応答がない場合はシステムが停止している可能性があると判断し、管理者にアラートを通知します。
これにより、システムダウンを迅速に検知し、早期対応につなげることができます。
リソース監視
リソース監視とは、サーバーのCPU、メモリ、ディスク容量、ネットワークトラフィックなどの使用状況を監視することです。
これらのリソースが上限に近づくと、システムのパフォーマンスが低下したり、最悪の場合はサーバーが停止したりする可能性があります。
そのためリソース監視では、各リソースの使用率に閾値を設定し、それを超えた場合にアラートを通知することで、リソース枯渇による障害を未然に防ぎます。
サービス監視
サービス監視では、サーバーが稼働しているかだけでなく、Webサーバー(HTTP/HTTPS)やデータベースサーバー(MySQL、PostgreSQLなど)といった個別のサービスが正常に機能しているかどうかも監視します。
例えば、特定のポート番号に応答があるか、期待されるレスポンスが返ってくるかを確認します。
これにより、「サーバーは稼働しているのにWebサイトが表示されない」といった、より具体的な問題を検知することが可能になります。
このようにクラウド監視では、「死活監視」「リソース監視」「サービス監視」という3つの観点からシステムの状態を把握することが重要です。
これらの監視を継続的に実施することで、万が一障害が発生した場合でも、早期発見と迅速な対応が可能になります。
クラウド監視を成功させるためのポイント
クラウド監視の効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 監視範囲と目的を明確にする
- クラウドサービスの特性を理解する
- 複数のクラウドを一元管理する
- 通常時の状態を把握する
4つのポイントについて確認していきましょう。
監視範囲と目的を明確にする
まずは、自社のシステムにおいて何をどこまで監視するのか、その範囲を明確に定義することが重要です。
すべてのリソースを一律に詳細監視しようとすると、コストが増大するだけでなく、アラートが頻発する可能性があります。
このような状況になると、本当に重要な障害を見逃してしまうリスクが高まります。
そのため、ビジネスの重要度に応じて監視レベルに優先順位をつけ、「何を守るために監視するのか」という目的を常に意識することが、クラウド監視を成功させるための第一歩です。
クラウドサービスの特性を理解する
クラウド環境は、仮想サーバーが自動で増減するオートスケーリングや、コンテナ、サーバーレスといったオンプレミスにはない特性を持っています。
クラウド監視では、こうした動的な環境変化に対応できる監視の仕組みを構築することが欠かせません。
また、クラウドベンダーが提供する各種サービスの仕様や制約を正しく理解し、それに適した監視方法を選択することも重要です。
複数のクラウド環境を一元管理する
近年、特定のクラウドベンダーに依存しない「マルチクラウド」や、オンプレミスとクラウドを併用する「ハイブリッドクラウド」を採用する企業が増えています。
こうした環境下で、クラウドサービスごとに異なる監視ツールを使用してしまうと、運用が複雑化し、システム全体の状況を把握しにくくなる可能性があります。
そのため、クラウド監視を実施する際は、複数の環境を一つのダッシュボードで統合的に監視できるツールを選定することが重要です。
これにより、運用負荷を軽減し、より効率的な監視体制を構築できます。
通常時の状態を把握する
クラウド監視は、スポットで行うものではなく、継続的に実施することが重要です。
クラウド環境を継続的に監視し、基準となる通常時の状態を把握しておくことで、万が一障害が発生した際にも、異常の発生に迅速に気づくことができます。
例えば、通常であれば勤務時間中にしか行われないはずの機密データへのアクセスが、勤務時間外や休日などに発生していた場合、通常とは異なる挙動としてアラートを検知することが可能です。
このような異常な状態を正しく検知するためには、通常時の状態を把握しておくことが重要です。
クラウド監視ツールの種類と特徴
適切なクラウド監視を実施するためには、適切な監視ツールの選定が欠かせません。
ここでは、代表的なツールの種類と、それぞれの特徴について解説します。
クラウドベンダー提供のツール
AWSの「Amazon Cloud Watch」やMicrosoft Azureの「Azure Monitor」など、主要なクラウドベンダーは、自社サービス向けの監視ツールを提供しています。
これらのツールは、クラウドサービスとの親和性が非常に高く、導入が容易である点が大きなメリットです。
また、基本的な監視機能は無料で利用できる場合も多く、手軽にクラウド監視を始められます。
一方で、他のクラウド環境やオンプレミス環境の監視には対応が限定されるケースもあるため、事前に自社のシステム環境と適合するかを確認することが重要です。
SaaS型の監視ツール
監視ツールの中には、 SaaSとして提供されているものもあります。
SaaS型の監視ツールは、サーバーの構築やメンテナンスが不要で、契約後すぐに利用を開始できる点が大きなメリットです。
また、多くのSaaS型監視ツールは、マルチクラウドやハイブリッドクラウドに対応しており、さまざまな環境を一元的に監視できるダッシュボード機能が充実しています。
さらに、専門的な知識がなくても直感的に操作できるUIを備えている製品も多く、運用負荷を軽減しながら、複数のクラウドサービスを一元的に管理したい場合に適した監視形態といえます。
監視の専門業者へのアウトソース
社内にクラウド監視に割けるリソースやノウハウが不足している場合は、専門業者にアウトソース(外部委託)することも有効な選択肢です。
クラウド監視サービスの中には、24時間365日体制での監視や、障害発生時の一次対応まで対応してくれるサービスもあります。
アウトソースには、社内のIT担当者が本来のコア業務に集中できるというメリットがある一方で、他の選択肢と比較するとコストが高くなりやすいというデメリットもあります。
そのため、運用体制やその他の業務との優先度を踏まえ、どこまでアウトソースするか検討することが重要です。
クラウド監視に役立つ「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」

近年、多くの企業が業務効率化やコスト削減を目的として、業務システムのクラウド移行を進めています。
クラウドサービスの活用が進む一方で、万が一障害の発生やリソースの逼迫によってサービスが停止した場合、業務が停滞したり、顧客対応ができなくなったりなど、ビジネスに大きな影響が及ぶ可能性があります。
このようなリスクを防ぎ、クラウド環境を安定的に運用するためには、システムの稼働状況やリソースの状態を継続的に把握する「クラウド監視」が重要です。
さらに、クラウド環境を安全かつ適切に運用するには、インフラの状態だけでなく、従業員のクラウドサービスの利用状況を把握・管理することも欠かせません。
そこで本記事では、クラウドサービスの利用状況の可視化や適切な管理に役立つIT資産管理・MDMツール「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」について紹介します。
本サービスでは、従業員が利用するデバイスにおいて、Webサイトの閲覧やWebメールやクラウドストレージのアップロード・ダウンロードログを取得できる「Webアクセスログ」機能が搭載されています。※
これにより、クラウドサービスの利用状況を可視化し、不審なアクセスやセキュリティポリシーに反する操作の早期発見が可能になります。
また、「Webフィルタリング」機能を活用することで、業務に不要なサービスへのアクセスを制限することも可能です。
このように、クラウドサービスの利用状況の把握と利用制御を組み合わせることで、クラウド環境の安全な運用をサポートします。
「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」についてより詳しく知りたい方は、以下の資料またはページをご確認ください。

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※Webアクセスログ機能の対応ブラウザは、Chrome、Firefox、Microsoft Edge、Safari 。またmacOSはWebサイトの閲覧ログのみ取得可能。
まとめ
本記事では「クラウド監視」をテーマに、概要や具体的な監視項目、そして成功のポイントなどを解説しました。
本記事のまとめ
- クラウド監視とは、企業が利用するクラウドサービス上のサーバー、アプリケーション、ネットワークなどの稼働状況を継続的に監視し、システムを正常な状態に維持するための活動全般を指す
- クラウド監視の基本的な監視項目として、「死活監視」「リソース監視」「サービス監視」の3つが挙げられる
- クラウド監視を成功させるためには、「監視範囲と目的の明確化」「複数のクラウド環境の一元管理」「通常時の状態把握」などが重要
クラウドサービスのメリットを最大限に活かし、ビジネスを安定的に成長させるためには、自社の環境と目的に合ったクラウド監視体制を構築することが不可欠です。
本記事で紹介した「クラウド監視ツールの種類と特徴」を参考に、ぜひ最適な手法を検討してください。
「LANSCOPE エンドポイントマネージャークラウド版」は、Webアクセスログを自動で取得でき、万が一インシデントにつながりかねない危険な挙動が検知された場合には、管理者へアラートで通知することが可能です。
また、「どのPCで」「いつ」「どんな操作をしたのか」といったログを継続的に取得することで、万が一の際の証跡として活用でき、原因追跡にも役立ちます。
「LANSCOPE エンドポイントマネージャークラウド版」には、Webアクセスログ機能以外にも、PCやスマートフォンの管理に役立つさまざまな機能が搭載されています。
セキュリティ強化を目指す企業・組織の方は、ぜひ導入をご検討ください。

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