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LanScope Cat導入事例インタビュー連載 第1回 ~DeNAを支える“攻める情シス”の取り組みに迫る!~

LanScope Cat導入事例インタビュー連載 第1回 ~DeNAを支える“攻める情シス”の取り組みに迫る!~

自分たちを「永久ベンチャー」と表現し、これまでにゲーム、Eコマース、エンターテインメント領域、そして最近ではインターネット上のサービスだけでなく、オートモーティブ、ヘルスケア、スポーツなど、幅広い領域に事業拡大している株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)。

そのDeNAがこの度MOTEXが提供する統合型エンドポイントマネジメント「LanScope Cat」の導入を決めた。本連載は、常に進化を続けるDeNAの中で、同じように常に新しい挑戦を続け、かつDeNAの盤石な基盤として会社を支えるIT戦略部の取り組みの「今」にフォーカスをするとともに、「LanScope Cat」の導入から運用までをレポートする。

第1回目は、IT戦略部の司令塔である成田氏とLanScope Cat導入を推進した名和氏にその取り組みを伺った。

目 次

・AI活用を進めるDeNAの情シス部門変革
・新たなビジネスモデルを立ち上げるドライバーにAIを位置づける
・AI活用の時代に求められる、情シス部門の役割を3つのポイントに定義
直近で進めている具体的な社内ITの改善例
・「わかりやすさ」「連携性」などLanScope Cat選定の決め手となった5つのポイント

AI活用を進めるDeNAの情シス部門変革

「ITで経営にデライトを届ける」情シス部門は、どんな観点でIT資産管理ツールを選定したか

1999年3月にインターネットオークションを手がける会社として創業したDeNA。
モバイルを中心としたインターネットサービスへと業容を変化させ、最近はスマホ向けのモバイルゲームを主軸に、多岐にわたってサービスを展開している。
長期経営指針にAI活用を掲げる同社では、社内ITを担う情シス部門の役割もシフトさせている。そんな同社はWindows OSの脆弱性管理の課題解決のため、IT資産管理ツール導⼊の検討を開始した。

新たなビジネスモデルを立ち上げるドライバーにAIを位置づける

DeNAは、主力のゲーム事業に加え、創業事業であるEC事業をはじめオートモーティブ、ヘルスケア、プロ野球の横浜DeNAベイスターズなどのスポーツ事業など、多岐にわたるビジネスを展開している。
最近では、データとAI活用を軸にした新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいる。

同社 経営企画本部 IT戦略部 部長の成田敏博氏は次のように語る。

経営企画本部 IT戦略部 部長 成田 敏博 氏

成田氏「たとえば、ヘルスケア事業では、遺伝子検査サービスや、健保組合などに向け健康増進を支援するサービス、あるいは、製薬会社などと協業し、AI技術を活用して創薬の開発プロセスの期間短縮やコストを圧縮する取り組みを行っています」

また、オートモーティブ事業では、自動車メーカーと協業し、無人運転を活用した新しい交通サービスのビジネスモデルを検証。またタクシー配車アプリ「タクベル」においてはAIを用いた需要予測システムの提供を予定している。

2016年に策定された同社の長期経営指針では「インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける」を掲げている。

この指針の背景について、成田氏は「1999年の創業以来、インターネットカンパニーであり続けたが、最近のAIをはじめとするテクノロジーの進化は非連続な成長を遂げており、世の中を大きく変えていくことに期待している」と述べた。

主力のゲーム事業は、収益の大黒柱ではあるものの安定性の乏しい事業でもある。そこで、AIをドライバーに新たな事業ドメインを模索していくのが狙いだ。

成田氏「2025年頃をメドに、2016年度の営業利益約200億円を、1000億円にまで高める目標を掲げています。その目標達成に向け、2020年には、複数事業がゲーム事業に匹敵する収益の柱に育っている状態をめざしています」

では、具体的に、各ビジネス領域にAIはどのように組み込まれていくのだろうか。現在、各事業部では各々のIT担当者がテクノロジーの推進役となっており、コーポレート領域は、IT戦略部が情シス部門としてコーポレート全体のテクノロジーの推進役を担う。

加えて、AIに特化した専門組織として、各事業部とコーポレート双方にAI施策を推進するのが「AIシステム部」と「AI戦略推進室」だ。成田氏は「AIシステム部にはエンジニアやデータサイエンティストが数多く所属し、AIに特化した新技術の研究開発を主に担う」と説明する。

これに対し、AI戦略推進室は、「外部のパートナーなどと連携、協業しながら、AIを活用した新たなビジネスの立ち上げを担当する」組織だという。

AI活用の時代に求められる、情シス部門の役割を3つのポイントに定義

では、コーポレートITを担うIT戦略部の役割、ミッションはどのようなものだろうか。成田氏は「IT戦略部のミッションは、ITをもって、事業と経営に対して、本質的な価値を届けることだ」と述べる。

長期経営指針で掲げる「デライト」とは、「本質的な価値を喜びや驚きを持って届けること」だと成田氏。そこで、IT戦略部は以下の3つの役割を部門の柱としている。

1つめは「安心できるIT環境の提供」だ。セキュリティの脅威などに対し、安心できる社内のIT環境を、安定的に整備することだ。

2つめは「効果的なユーザー支援」。これは、ビジネスニーズに柔軟、迅速に対応し、利便性の高いIT環境やツールをユーザーである社員にデリバリーしていく。「この柱は、いわばユーザー目線でのデライト。ユーザー支援はこれまでの情シス部門がそれほど重視してこなかった領域で、ユーザーとのつながりを我々の強みにしていきたいと考えている」と成田氏は説明する。

そして、3つめは「改善提案と変革」。いわば「会社に対するデライト」に位置づけられる。環境変化が激しいIT領域において「ITの専門家として技術評価を行い、ITを活用した変革をリードしていく」役割だ。

直近で進めている具体的な社内ITの改善例

直近で進めている具体的な社内ITの改善例としては、2つある。

1つめはRPA(Robotic Process Automation)の導入だ。ソフトウェアロボットを使った業務自動化の仕組みだが、「約1年前から、RPAソリューションを導入し、1カ月3.5時間かけて行うルーチン業務を対象に、2017年は10の業務を自動化した」と成田氏は説明する。
そして、RPA導入に際しても、通常は外部のパートナーにコンサルティングに参加してもらうケースが多いところ、「IT戦略部のリソースだけで推進した」点が特徴だ。

2つめは、ビジネスコミュニケーション、コラボレーションツールである「Slack」の全社展開だ。「3、4年前から個別の事業部単位で導入してきたものを、全社の公式ツール化した」と成田氏。これまでエンジニアが多い開発部門でSlack利用は進んでいたが、全社展開により、人事部や経理部、広報部や法務部など、これまでSlack利用が浸透していなかった部門でも利用が進んでいると成田氏は説明する。

また、特筆すべき取り組みとして挙げられるのは、2018年3月に開催された「10社 社内IT施策 共有会」だ。
これは、インターネット業界10社の情シス担当者が集まり、社内ITの取り組みを共有する会だ。当日は業界を問わず、約60社の情シス担当者が聴講に訪れた。

成田氏「これまで、他社のベンチマーク収集は、我々が個別に各社に連絡、訪問し、情報交換をお願いしていました。そうした取り組みの中で、もう少し広く情報共有を行う場を作ったら面白いのではと考えました」

共有会では、参加した各社がそれぞれの社内IT施策についてプレゼンを行い、その後、1時間ほど懇親会を行った。「他社のIT施策を知ることが発端で行った勉強会だが、担当者の交流によって刺激を受け、勉強になったとの声が聞けたのは大きい」と成田氏は述べる。

また、他社事例を共有した効果は、社内での検討が進みやすいという副次的効果も生んでいる。「改善提案などで、特に競合他社の取り組みは、社内の理解が得られやすく、検討が進みやすい面がある」と、意思決定のプロセスが効率化された効果を成田氏は挙げてくれた。

「わかりやすさ」「連携性」などLanScope Cat選定の決め手となった5つのポイント

同社は、ゲーム事業におけるアプリ開発など、ガラケー時代から業務にモバイルを活用してきた。モバイルの業務活用が増え、また、ネットワーク接続機能を備えた機器が増えていく中で、IT資産管理や内部不正対策、外部脅威対策などでどんな課題を認識していたのか。

同社 IT戦略部 技術推進グループ グループマネージャーの名和彩音氏は、「IT資産管理の面では、Windows OSの脆弱性管理に課題があった」と述べる。

DeNA 名和様
IT戦略部 技術推進グループ グループマネージャー 名和 彩音 氏

名和氏「たとえば、Windowsアプリケーションに脆弱性があって、早急に対応が必要なときに、これまではユーザーにアナウンスし、対象者にアップデートしてもらう流れでした。対応はユーザー任せで、その状況を管理者がリアルタイムに把握できていませんでした」

それまでのIT資産管理は、内製で開発した資産管理アプリを用い、社員と端末の紐づけを行っていた。

「データは手動で入力していたので、仮にOSがアップグレードされても、リアルタイムで情報が更新されているわけではなく、また、セキュリティパッチの対応状況も管理者から把握できなかったため、ユーザーにアップデートのお願いを延々とアナウンスする状況が続いていた」と名和氏。

そうした課題に対応するため、同社では2017年11月頃より、エンドポイントマネジメント製品の導入検討を開始した。

名和氏「候補となる製品は、LanScope Catをはじめ、ネットで情報収集したり、社内の人に評判を聞いたり、前述の『10社共有会』でどんな資産管理ツール使っているかをヒアリングしたりしました」

当初は5、6の製品候補をピックアップし、ツールの使い勝手などを検証しながら選定を進めていった。

具体的な選定のポイントは次の5点だ。

1つめは「直感的な管理ができるか(わかりやすさ)」だ。たとえば、設定がオンなのか、オフなのかというような直感的なUI、このグループに対して、この設定を適用したいというような設定の柔軟性などのポイントだ。「LanScope Catは専門的な知識が多少あれば、直感的に操作できる点がよいと思いました」と名和氏は述べる。

2つめは「内製の資産管理ツールとの連携性」だ。資産管理ツールとの連携はAPI経由で行うが「他のツールはDBを公開していなかったり、APIに対応していなかった。LanScope Catは、DBのテーブル情報が全て公開されており、API連携に問題がなかった点が決め手になった」と名和氏。

3つめは「セキュリティの課題」だ。セキュリティパッチの適用は、Windowsパッチを管理・配信するWSUS(Windows Server Update Services)から社員にアナウンスをし、アップデートは手動で行っていた。

名和氏「社員側でアップデートを行うだけでなく、LanScope Catには、管理者からプッシュ対応で(裏から自動的に)更新することができる機能があり、更新にかかる手間やコストを削減でき、かつ脆弱性が防げる効果が期待できます」

4つめは「海外対応」だ。現在、中国に数百台、韓国に数十台ほどのPCがあり、今後はこれらも日本から集中管理を行う予定としている。そのため、海外OSに対応しているかどうかが選定ポイントの1つとなった。

名和氏「他社ツールの中にはUnicode対応していないものもありましたが、一方LanScope Catは随分前に対応していること、すでに海外拠点を日本から管理してるという事例もあったので安心でした」

そして、5つめは「新たな要件への対応(将来性)」だ。LanScope Catは、カスタマーの声が製品開発にフィードバックされやすい印象を受けていると名和氏は述べる。

名和氏「新たな要望、要件が出てきたときに、ヒアリングを含めた対応やサポート体制が手厚いという点で信頼できると感じました」

こうしたポイントが決め手となり、2018年3月に、統合エンドポイントマネジメント製品としてLanScope Catの導入が正式に決定した。一部の部門からスモールスタートで導入を進め、現在は、7月中をめざし、全社展開を段階的に進めているところだ。