イベントレポート

DXを支えるIT基盤の重要性とその活用

Written by aki(あき)

ネットワークエンジニア
大手Nierでネットワークエンジニアとして最前線で戦う傍ら、個人運営のサイト「ネットワークエンジニアを目指して」を運営し、読者を「ネットワークトラブルに恐れることなく立ち向かえるネットワークエンジニア」へと導くことを信条に、ネットワーク技術の解説と自身のノウハウを広めている。著書に「見てわかるTCP/IP」など。Twitter:itbook

DXを支えるIT基盤の重要性とその活用

全5回で開催されたエムオーテックス主催のオンラインイベント「MOTEX Days. 2020」。

DXをテーマにしたDAY5の特別講演では「DXを支えるIT基盤の重要性とその活用」と題し、ゲストのServiceNow Japan合同会社 執行役員ソリューションセールス統括本部 統括本部長 高山 勇喜 氏、Splunk Services Japan 合同会社 セールスエンジニアリング本部シニアパートナー セールスエンジニア 小松原 貴司 氏に加え、エムオーテックス株式会社大嶋 茂雄の3名で、DXを支えるIT基盤を提供している業界の第一人者から、コロナ禍で導入した成功事例やサービスの特徴について講演が行われた。​

エムオーテックスが考える「社員が安心して働ける環境作り」とは

​エンドポイントを中心としたエムオーテックス製品​


はじめに、エムオーテックスの主な製品の特徴は上図の通りで、IT資産管理、操作ログ管理をコアの機能として、情報漏洩対策としてデバイスの制御やウェブのフィルタリング機能を実装している。
その他、ランサムウェアなどの外部脅威対策として、次世代型アンチウイルスソフトのCylancePROTECT(現BlackBerry Protect)、スマートフォンやタブレットの盗難、紛失管理ができるMDMツールを扱っている。

エンドポイントと呼んでいるが、パソコンや携帯端末の統合管理をするために必要な機能に特化した製品を提供している。

現在、サイバー攻撃に加えて昨年から拡大をしているコロナウィルスは従来当たり前だった生活と働き方に影響を及ぼしている。
あらためて社員が安心して働ける環境作りというのは重要なテーマだと捉えている。

このような中でテレワークが浸透しており、エムオーテックスが提案している新たな操作ログの活用は、業務効率化とマネジメントに活用いただくことだと大嶋は述べた。

従来の見える化は、管理者や経営者が社員の働き方を監視するというために利用していたが、エムオーテックスが提案するコンセプトは、部門のマネージャーとチームメンバーそれぞれが業務を可視化して見せ合いながらコミュニケーションツールとして使っていただくといった活用提案をしている。まさに共有と見せる化というコンセプトで開発を行っている。

決められた時間内に業務を行っているか、残業が多くなっていないか、業務負荷がかかっていないか。こういったものをダッシュボードで瞬時に把握することができる。
この情報を使って1on1ミーティングや、チーム内のコミュニケーションに活用してもらうための機能となっている。

我々の製品はあくまでエンドポイントに特化している。今回のタイトルにある、DXを支えるIT基盤のあくまで一部という認識であり、本講演で紹介するServieNow社、Splunk社をはじめとした国内外の製品サービスと連携することで、お客様のDX推進を下支えしている。

国内企業のDXへの取り組みについて


国内企業のDXへの取り組みについて触れていきたい。
上図は新型コロナを背景に、企業のDXの取り組みスピードをヒアリングしたアンケートになるが、およそ半数の企業がスピード感を上げてDXを推進している。


一方、推進する中でのIT部門の課題に関するアンケートでは、意思決定スピードやビジネス部門との連携が課題で、思い通りプロジェクトが進まないといった課題が上がっている。プロセス面での課題とともに既存システムの複雑さやレガシー化がIT部門にとっては重要な課題となっている。
「DXの推進において大事なことはIT化、デジタル化の推進ではなく、既存ビジネスの変革であるという点。デジタル化はあくまで手段であり、ITは下支えするための基盤という観点だと考えている」(大嶋)
一方で下支えするためのIT基盤の柔軟性や、各システム間のシームレスな連携は本来やりたいことに集中し、かつ効率化を図るためでも必要な要素だという。

最後に大嶋は、「本日講演していただくServiceNow社はIT基盤の再構築におけるレガシー資産の可視化と整理、Splunk社はセキュリティの強化においてとても重要なソリューションとなっており、グローバルで多くの実績を残している。各社より事例についても話していただけるので、皆様のヒントになるような情報が多いはずだ。」と結んだ。

エムオーテックス+ServiceNowがお届けする「インターナルDXの世界観」

​ここからは、ServiceNow Japan合同会社 執行役員ソリューションセールス統括本部 統括本部長 高山 勇喜 氏から、「エムオーテックス+ServiceNowがお届けするインターナルDXの世界観」と題し、ServiceNowの紹介とエムオーテックスとServiceNowの連携サービスの紹介があった。​

ServiceNowには全部で11個ソリューションがあるが、始めにこのソリューション開発の幹となっている哲学を紹介する。
「創造は人間にしかできないコトである。であるなら、創造以外のコトは全てを機械、つまりServiceNowにやらせるべきではないだろうか。」これがServiceNowの考え方だ。

この言葉だけでもなんとなく分かると思うが、実際どのようなものなのか?講演の中では2つのデモンストレーションで説明があった。

ServiceNowを活用したコロナ禍でのオフィス出勤フロー​

急遽オフィスに出社しないといけないという場合でも、ServiceNowのサービスはスマートフォンで完結できるようになっており、スマートフォンから従業員ポータルにログインし処理を行うことができる。

ServiceNowのポータルは、メニューが分からなくてもあいまい検索することでメニューに辿り着ける設計になっている。デモでは、「火曜日に出社したい」という検索を行うと、「火曜日に出社したい」といった人たちがよく見ているメニューを提案してくれるというデモを行った。

この結果から出社申請というページに飛ぶことができ、出社日時、ビル名、フロアを選択するとフロアマップが表示され、指定した出社日に空いている座席を表示してくれる。イメージとしては、新幹線や映画館の座席予約のような形で予約が可能とのこと。
もちろん承認者も同様にスマートフォンで承認を行うことが可能となっている。

ServiceNowを活用したバックオフィスの業務フロー

2つ目のデモンストレーションは、従業員がチケットを作成した場合、バックオフィス側の社員にはどのように表示されるのかというシナリオを紹介してくれた。

​上図の場合、3件のインシデントには担当が付いておらず、74件は既に対応中であり1件は解決済みであることが一目で確認が可能となっている。
さらに対応中の74件の解決期日を確認でき、対応者ごとに対応チケット数なども簡単に確認することができる。

​対応しているインシデント数に偏りがある場合、ドラック&ドロップで簡単に平準化することも可能。
このように、FAQやチケットを人が探すのではなく、ServiceNowが人をフォローしてあげる、これがServiceNowが考えるサービスである。

IT部門以外の方でも作れるNo Code型ワークフロー

ServiceNowはワークフローに強みのあるソリューションとなっている。他のワークフローツールとの大きな違いは、IT部門以外の方でもワークフローを作ったり変更したりすることができる点。​

​朝10時にスマートフォンに営業日報を音声入力するようなメッセージが届き、音声入力が終了すると、Slackに正常終了のメッセージが届くというワークフローの作成をブラウザ上で行うデモを実施した。

ServiceNowのサービスは、ワークフローの変更や追加が非常に簡単であり、グローバルや国内のソフトウェアのアダプターやAPIを標準で具備していることも大きな特徴。

ServiceNowが現時点で対応しているアダプターには次のようなものがある。SAPやOracle、SFDC、Ansibleなど多くのアダプターをServiceNowが用意してソフトウェア側の更新があれば、ServiceNowのアダプターも更新をする。これが他社製品との大きな違いとなっている。

企業への導入メリット​

一般的な企業では、1つのシステムだけを使うことはほとんどなく、複数のサービスを組み合わせて使っている。
​新入社員や中途入社者など、新しく入ってきた人だと、どのサービスを使って処理を行えば良いか分からないため、人事総務に確認することになる。その結果、人事側の対応が忙しくなってしまう。

ServiceNowを導入するとどうなるか?今使っているソフトウェアはリプレースすることなく、そのまま使うことが可能で、従業員と今あるソフトの間にServiceNowが入る。​

​従業員が分からなければ人事に聞くのではなく、ServiceNowに問い合わせる。
ServiceNowが最適なシステムを探して情報を用意し、必要に応じてServiceNowがシステムのデータを更新する。
従業員からすると複数システムを気にしなくて良くなり、非常に使いやすくなる。

1つの事例として、多くの市区町村で児童虐待の相談で、LINEとServiceNowの連携ソリューションがある。

​相談がLINEを通じて送られてくると、チケットが自動的にServiceNowに作成される。
チケットが作成されると職員の負荷やチケット内容のレベルに応じて担当者の自動アサインを行う。

その後の相談者と相談窓口とのやり取りは、ServiceNow上のチケットが自動更新されるため、監督者や弁護士、警察はこのチケットを見ることで把握できる。

エムオーテックス+ServiceNowによる資産管理の自動化

コロナ禍でZoomやTeamsなど、今まで使っていなかったソフトウェアを使うようになり、ライセンスの購入数や実際の利用数を把握してエクセルで管理することは限界に来ているのではないか。

ServiceNowはソフトウェア資産管理も自動化することが可能で、さらにエムオーテックスとServiceNowが連携したことで、以下の3つが実現可能となる。

1.サーバー資産とクライアント資産双方のデータをワンストップで管理することが可能
2.国産ソフトウェア製品用の辞書ライブラリも心配なし
3.エンドポイントの挙動から自動チケット起票やワークフロー起動が可能

サーバー資産とクライアント資産双方のデータをワンストップで管理することが可能

ServiceNowには、IT管理の構成管理DBを持っている。この構成管理DBを使うと、クラウド上のソフトウェアやオンプレミス上のソフトウェアを定期的に収集することができる。
クライアント上のソフトウェア情報も、エムオーテックスのLanScope Catを通じてServiceNowに取り込むことが可能で、サーバー資産とクライアント資産双方のデータを一元管理することができる。

​このように精微なソフトウェア資産管理を行うことで、以下のようなメリットが生まれる。

・突発的なライセンス超過請求リスクの回避
・無駄なライセンス費用支払いの削減
・ソフトウェア資産管理工数の削減
・適切なバージョンアップ計画の策定

ServiceNowはソフトウェア資産管理だけでなく、ハードウェア資産管理機能も持っている。社内ネットワークに繋がっている様々なハードウェア情報を自動で収集可能で、さらにクライアント端末の情報はエムオーテックスのLanScope Catを通じてServiceNowに取り込むことが可能となっている。

​国産ソフトウェア製品用の辞書ライブラリも心配なし

​ServiceNowは米国の会社のため、ソフトウェア情報はグローバルで使われているソフトウェアの辞書しか持っていない。

​しかし、エムオーテックスには日本にしかないソフトウェアの辞書も持っている。エムオーテックスとServiceNowが連携することで、この辞書をServiceNowに取り込むことが出来るし、新しいソフトウェアを認識すればエムオーテックスからServiceNowに連絡が行き、ServiceNowの辞書ライブラリに取り込まれるようになる。​

​エンドポイントの挙動から自動チケット起票やワークフロー起動が可能

3つ目のメリットとして、エンドポイントの挙動から自動チケットの起票や、承認ワークフローの起動まで自動化することが可能な点が挙げられる。

PCやスマートフォンなどのエンドポイントで怪しい挙動があった場合、エムオーテックスのプロテクトキャットが検知し、プロテクトキャットからSplunkに情報を投げる。その情報をSplunk上で相関分析を行い、インシデントだと判断された場合、SplunkからServiceNowにチケットを自動起票することが可能になる。
ServiceNow上で新しいインシデントチケットが出来ると、優先度を判断し社内のどの部門に通知をすべきかまで自動化することが可能になる。

最後に高山 氏は次のように語り講演を終えた。「ピンチはチャンスという言葉がある。このコロナ禍において、社内のシステム改変を検討していると思うが、この機会にエムオーテックス+ServiceNowという自動化されたIT資産管理を検討してみてはいかがだろうか。」

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セキュリティとIT基盤監視について

​続いて、Splunk Services Japan 合同会社 セールスエンジニアリング本部シニアパートナー セールスエンジニア 小松原 貴司氏が、セキュリティとIT基盤監視についてSplunk製品の紹介を行った。
本セッションでは、コロナ禍のこの時期どういうことが大切か?どう考えていくことがDXにつながっていくのか?を理解していただくために、実際の事例をまじえて説明していく。


​本セッションのサマリーは以下の4つになる。

・企業経営は生き物であり、支えるシステムも生き物である
・変えていくべきものは変える勇気をもって実行に移すべき
・アフターコロナは、元に戻すのではなく「DX」でアップデート
・変化に強いセキュリティ監視+IT監視基盤が必要

コロナによって企業の経営は、想像以上の変化を強いられた。そしてリモートワークの急な導入などによりシステムの使い方も大きく変わった。
急激な変化は皆様の周りでも起きたと思うが、やろうと思えば短期間でできたこともあったじゃないかと思うし、もしかしたら勇気のいるシステム切り替えもあったのではないだろうかと小松原 氏はいう。

アフターコロナは元に戻すのではなく、無駄な時間と距離を短縮するためにDXを加速させアップデートするべきだと考える。これは、次のマーケットを制する会社は常にDXを加速化させ、より効率的な経営にシフトしている為だ。
逆に乗り遅れた企業は、無駄なコスト構造により競争力を失うリスクがある。

コロナによって人々の働き方は大きく変化し、そこに付け込んだ新たなサイバー攻撃がすでに始まっている。セキュリティベンダーは新たなソリューションを開発したり、新たな機能を提供してきている。
企業はITシステムの統廃合を行い、新たなサービスの立ち上げが企業内でおきている。

では、それらを監視する基盤は充分な柔軟性を持っているのだろうか?

​顧客の導入事例​


コールセンター関連の顧客事例を紹介する。女性の従業員が多く、コロナ禍によってお子様の学校がオンラインになったため食事等の世話が必要になったという課題や、ヘルパーの人手不足等で親の世話が必要になったという課題があった。

​このような課題から、このお客様のDX対策の目的は働く場所を選べる自由を提供するということとし、そのためにリモートデスクトップを導入し作業はすべてそこで完結できるようにした。
また、ミーティングはZoomやMicrosoft Teamsを活用するとともに、資料はすべてクラウドストレージを使うという体勢に変更した。​

​このお客様はSplunkソリューションも導入している。上図はリモートワークインサイトというAppの画面になる。
このAppでは、VPNのセッション数やアクティブなZoomのミーティング数、普段使っているアプリケーションを確認することができる。

アプリの利用を時系列に確認することも可能で、VPNなら朝に繋ぎ始めて、ミーティングは日中帯に多いことも一目で分かる。
このようにデータを可視化することによって、社員がどのように業務をしているかを情報システム部門の方が把握することができる。

Splunkではアプリケーションのバージョンを収集することもできるので、例えば使っているZoomのバージョンが古い場合、情報システム部門からアップデートするといったセキュリティ対策にも利用できる。

ここまでは現場の利用状況の話だったが、マネージャーが部下を管理する面でもSplunkを活用することができる。
リモートワークの環境下で、ミーティングをマネージャーがしっかり実施しているかどうか、隙間時間を使ってマメなコミュニケーションを行い、早めにフォローを入れているかどうかなど、Splunkを使えば時間単位で把握することができる。

この画面を確認することで、例えば3日に一度5分間のZoomミーティングを実施していて、個人フォローをしっかりしているなどが確認出来るようになる。

また、大事なポイントとして、リモートワークが進む中で何を持って仕事をしたのかという点がある。
評価される側もする側も、何をもって仕事をしたのかという評価軸が必要になったというのが1つ大きなポイントになってきている。

この問題について、この会社が考えたのは、マネージャーが見ているポイントや数字を見えるようにした。例えばマネージャーと担当が見ている画面を同じにすることで、担当の不安を払拭するようにしている。

上図は私の管理画面となっており、やるべきことを取り組んでいるかどうかが一目で分かるようになっており、私のマネージャーも同じ画面を見ている。

LanScope Cat App for Splunk​


最後に小松原 氏からエムオーテックスのLanScope Catと連携可能なAppの紹介があった。

LanScope Cat App for Splunkは、LanScope CatからSplunkにデータを取り込んで、このAppを利用すると様々な可視化を行うことが可能となっている。

例えば、リモートワークにおいて自宅のパソコンで何時から何時まで、どのようなアプリを操作していたかといったことを可視化することができる。エムオーテックス大嶋氏も述べていたが、上司や部下が互いの状況を確認することができ、その上で生産性を高めていくためにも1on1などを通じてコミュニケーションを行うための材料にしてもらいたい。
逆にこういったものがあることで、安心して経営者もリモートワークにシフトできるのではないか。

大変評判が高いソリューションとなっており、導入も非常に簡単なため、このタイミングで導入を考えて見たいというお客様がいらっしゃったら是非試してほしい。

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