IT資産管理

IT資産管理を行うメリットとは?知っておきたい魅力を解説

Written by MashiNari

ITベンダー、インフラ全般サービス企業で、プロジェクトマネージャー/リーダー等の経験を経て2016年にフリーランスへ転身。
インフラやクラウドシステムを中心に、要件定義、設計、構築、保守まで携わっています。
インフラの土台からweb周りの案件にも視野を広げ、近頃ではフロントエンド・バックエンドの開発にも従事し、日々奮闘中です。

IT資産管理を行うメリットとは?知っておきたい魅力を解説

テレワークに潜む落とし穴!IT資産管理ツールをクラウドシフトする効果とは

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ITの重要性が高まり続ける現代のビジネス環境では、業務に利用するデバイスやソフトウェアは増加の一途をたどっています。組織が保有するIT資産は抜け漏れなく適切に管理する必要がありますが、そのためには膨大な工数が必要です。
IT資産管理ツールを導入すると、大量のIT資産を効率的に管理することが可能となります。

この記事では、IT資産管理の基礎知識とそのメリットについて解説します。

組織の情報セキュリティに対する脅威は無数に存在しており、その対処法も様々です。
こちらの記事では、情報漏洩の原因となる複数の脅威について解説しています。
併せてご覧ください。
原因を見極めて適切な対策を!情報漏洩に繋がる脅威をご紹介

IT資産管理とは


IT資産管理とは、組織が保有するハードウェアやソフトウェア、複合機やUSBメモリなどのIT資産を管理することです。

導入や廃棄を繰り返していると、組織が現在保有しているIT資産はどれなのか、リースやライセンスの期限はいつまでなのかといった情報が散乱してしまうこともあるのではないでしょうか。
特にPCやスマホのようなデバイスは、OSのアップデート状況やウイルス対策ソフトの正常性など、外見からは判断できない情報管理も必要となるため、何らかの方法でそれらを管理する必要があります。
IT管理部門による人力でも管理自体はできますが、抜け漏れや担当者への過度な負担が起こりうる状況は望ましいとは言えません。

そのような課題を解決するためには、IT資産管理ツールの導入が有効です。
IT資産管理ツールは、ネットワーク上の危険を自動的に収集し一元管理を行い、必要なセキュリティパッチが適用されていないデバイスを抽出するなど、必要な機能が多く搭載されています。
これによりIT資産管理に費やされる多くのリソースを自動化することが可能です。

適切なIT資産管理を実施しないリスク


IT資産管理がおろそかになると、無駄なコストや脆弱性の放置、意図していないライセンス違反の発生に繋がります。

無駄なコスト

事業の拡大や従業員の増加につれて、組織が保有するIT資産の数は増えていく傾向にあります。
新規要員の配置やプロジェクトの拡大、新規事業の開始など、IT資産が追加で必要となるシーンはビジネスを行う上で多くあります。
その際、それをまかなえるIT資産を保有しているにもかかわらず新規購入してしまう、それとは逆に、新規で購入しなければならない要件が存在するのに機能が不足している既存デバイスを割り当てて手戻りが発生してしまうといった、余計なコストが発生する恐れがあります。

ライセンス違反

多くのソフトウェアやOSは、買い切り型だけではなくユーザー数やデバイス数に応じたライセンス販売の形態を取っています。
ユーザー数・デバイス数は、組織の状況によって流動的になりやすい要素と言えます。
リアルタイムに確実な管理をしていなければ意図せずにライセンス違反が発生してしまう可能性があり、場合によっては膨大な違約金を請求されることもあります。

内部不正

組織は従業員に対して業務に必要な権限を付与しますが、与えられた権限を悪用して不正行為を行う事件が後を絶ちません。
セキュリティ意識を高めるための教育を行い、従業員の意識向上を図ることも有効ですが、それでは最終的に各従業員のモラルに任せる状態となります。
内部不正は組織への不満や業務上の不都合など、通常は不正を行わない人物であっても魔が差してしまうケースもあります。

脆弱性の放置

PCやスマホが代表的ですが、ITデバイスはOSのアップデートやセキュリティパッチの適用を常に行うことでセキュリティ強度を保つことができます。
しかし、デバイスの管理を従業員に任せている状態では、ケアレスミスや繁忙のためにアップデートを失念してしまうなど、必要な管理を確実に行えるとは言い切れません。
また、誰にも咎められない状態で、たまたまセキュリティインシデントが起こっていない状態であれば、セキュリティ意識そのものが希薄になってしまう恐れもあります。

情報漏洩

前述した内部不正や脆弱性の放置は、情報漏洩に繋がる危険性が高いと言えます。
内部不正はセキュリティ環境が整っていても正規の権限で機密情報を奪取してしまい、脆弱性は悪意を持った外部攻撃の成功率を上げてしまうためです。
IT資産管理を適切に行うことが、そのようなリスクを未然に防ぎ、機密情報を安全に守ることに繋がります。

IT資産状況を管理しいつでも確認できるようにすることが、多くのリスクを削減し、なんらかの対処が必要な状況になってもいち早く気づくことに繋がります。

IT資産管理ツールを使用するメリット


IT資産管理ツールの導入は、デバイス情報を一覧化するだけではなく多くのメリットがあります。

管理者の工数削減

廃棄のタイミングはもちろん、定期的な棚卸しなどIT資産を管理している従業員には多くの作業が存在します。
表計算ソフトなどでも管理自体は可能ですが、ツールで確実に行える作業を人間が行うことで多くのリソースを消費してしまうことは避けたいのではないでしょうか。

IT資産管理ツールによりIT資産の情報を自動収集し一元管理することで、管理者の負担は大きく軽減されます。また、OSのアップデートやウイルス対策製品のバージョン管理など、管理担当者だけでは調査しきれない情報の収集を行うことで管理できる情報が広がります。

ミスの防止

人力による台帳への情報入力は、入力漏れや打ち間違え、誤削除など作業ミスの要素が多く存在しています。
管理台帳の内容に誤りがある状態では、IT資産管理本来の目的を達成することが困難です。また、過去の入力間違いに気づいたとしても、その時点では既に正確な情報を追うことができなくなってしまう恐れもあります。

無駄な支出の削減・IT資産の最適化

PCやUSBメモリなどのIT資産は、予備や突発的な利用に備えてある程度多めに保有していることが多くあります。
必要になったタイミングですぐに利用することを想定しているはずですが、適切な管理がされていない状態で購入から時間が経過してしまえば、新たに購入してしまう恐れもあるでしょう。紛失や盗難が起こっても気づくことができず、知らないうちに被害を受けていたといったケースも考えられます。

IT資産管理ツールにより常に最新の状態を可視化できていれば、IT資産の在庫管理や費やすコストを最適化することに繋がります。

セキュリティの向上

OSやウイルス対策製品は、発見された脆弱性や新たなサイバー攻撃に対応するためにアップデートパッチが配信されます。
最新バージョンのパッチを適用することで多くのセキュリティリスクを解消することが可能です。しかし、パッチ未適用のデバイスはそれ自体が大きなリスクになります。
リテラシーの低い従業員や業務多忙等でうっかり忘れてしまうなどがあり、従業員個人に任せるだけでは確実なパッチ適用は困難です。

IT資産管理ツールによりパッチ適用状況を把握し、従業員に適用作業を促す、IT資産管理サーバーからパッチを配布するなどの対応をとることができます。

内部不正の抑制

許可されていないUSBメモリの接続や情報の持出しを防ぐためには、従業員が自組織のセキュリティルールを遵守することが大切です。
しかし、それだけでは魔が差してしまった、違反だと認識せずに不正行為を行ってしまったなど、内部不正のリスクを常に抱える状態になります。

システム的にUSBメモリの利用を制限し、利用者に警告メッセージを表示することが可能なIT資産管理ツールも存在します。
システムによる制御と従業員のリテラシーを並立することで、内部不正を強力に抑制することに繋げられるのではないでしょうか。
また、ファイルの操作ログやアクセスログの取得を行うことも可能です。
操作を監視しているという事実が内部不正の抑制に繋がるほか、万が一セキュリティインシデントが発生した場合でも迅速に経緯の確認や事後対応を行うことに繋がります。

IT資産管理ツールはコスト削減やセキュリティ環境の強化にも大きな効果を発揮します。

IT資産を管理するための機能


IT資産管理ツールによる資産管理は、主に下記の機能により実現されます。

デバイス情報の編集/台帳化

デバイスのハードウェア情報/設定情報を自動的に抽出し、資産台帳を効率的に作成します。
IT資産管理ツールを活用し一元管理することで、各デバイスが適切な状態で使用されているのかを確認することが可能です。デバイス情報の取得はIT資産管理の基本であり、ほぼ全ての製品に搭載されている機能です。
収集できる情報やどのようなUIで操作できるのかを確認し、自組織にマッチした製品を選定します。

パッチの管理

管理端末でデバイスに必要なパッチがインストールされているのかを確認できます。
サイバー攻撃やマルウェアの被害から身を守るためには、最新のセキュリティパッチを適用することが極めて重要です。
従業員個人の管理に任せるだけではなく、IT管理者が全体を適切に管理することで適用漏れを防止します。

USBメモリなどの記録メディア制御

手軽に情報を持ち運べるUSBメモリなどの記録メディアは、便利な反面多くの内部不正で悪用され情報漏洩に繋がっているというリスクも抱えています。
組織のルールとしてUSBメモリの利用を禁止/制限するだけではなく、システムで制御することで情報の不正な持ち出しリスクを軽減することが可能となります。

ログ収集

アプリの利用、Webサイトの閲覧、Wi-Fi接続、ファイル操作など「どのPCで」「誰が」「いつ」「どんな操作をしたか」の操作ログなどを収集することで、万が一セキュリティインシデントが発生してしまった際の状況確認や事後対応をスムーズに行うことができます。 また、各種ログを収集している環境であること自体が内部不正の抑制に繋がります。

Webフィルタリング

フィッシングサイトやマルウェアが仕込まれているサイトなど、不正サイトへのアクセスを遮断する機能です。受信したメッセージに記載されたURLを安易にクリックしないなど従業員が注意する以外にも、システム的に不正サイトへのアクセスを禁じることでミスによるセキュリティインシデントを防ぐことになります。
また、業務上不要なサイトへアクセスするなど、業務効率の低下を招く行為の防止としても有効です。

これらIT資産管理ツールの機能を有効活用するための運用フローを構築することで、適切なIT資産管理の実現に近づきます。

IT資産管理ツールの選定方法


IT資産管理ツールは、様々な製品が発売されています。ここでは、製品を選定する視点の例を紹介します。

オンプレミス製品とクラウド製品

IT資産管理ツールの利用形態は、製品を動作させるために自組織のオフィスにサーバーを構築するオンプレミス型と、クラウド上のIT資産管理ツールをサービスとして利用するクラウド型の2つに大別できます。
オンプレミス型は、サーバー構築や管理の手間が掛かりますが製品のアップデートを任意のタイミングで行うことが可能です。
クラウド型は、サーバー管理の手間が掛からずサービスを契約すればすぐに利用開始できることがメリットです。

製品や求める機能にもよりますが、管理工数を重視する場合はクラウド版、自組織のポリシーに準拠したサーバー環境やきめ細かな設定が必要な場合はオンプレミス版のように考えることもできます。

PC・スマホをまとめて管理

ビジネスシーンにおいてスマホの活用が増加してます。スマホは携帯性や利便性が高く、いつでもどこでもメールやチャット、ビデオ会議などのコミュニケーションが可能になり、業務の効率化や生産性の向上につながります。さらに、クラウドサービスを利用することで、スマホからでもデータの共有や編集が可能になり、チームでの協業やプロジェクト管理にも役立っています。

このような背景からPCとスマホを同じツールで管理したいというニーズが高まっています。PCとスマホを一元管理できるため、管理者の負担が軽減されます。さらに、セキュリティ面でもメリットがあり、一つのツールで管理することで、セキュリティポリシーの統一やセキュリティ対策の効率化が図れます。このようなメリットがあるため、PCとスマホを一つのツールで管理することは、効率的かつ安全なIT資産管理につながります。

サポート体制

多機能な資産管理ツールは適切な設定と運用を行うことで初めて期待した効果を発揮します。
組織内にITの専門家が在籍していなければ、ツールの使い方に戸惑ってしまうことも珍しくありません。
製品提供元のサポートが充実していれば、利用方法やトラブルの解決方法を問い合わせることができます。
製品を購入してもそれを活かせなければ効果を発揮させることができないため、運用に不安がある場合はサポート体制を確認しましょう。

複数の視点がありますが、自組織が実現したい環境を構築できる製品はどれかといった観点が選定の基本です。
資料請求や問い合わせも視野に入れ、自組織にマッチした製品を選定しましょう。

セキュリティ向上と業務効率化を強力に支援するIT資産管理ツール

IT資産管理を行うことで、各種デバイスのパッチ適用やアップデート、不審な操作の検知など、強固なセキュリティの実現に繋がります。
外見からはわからないことを一元管理し、知識を持ったIT管理者が常に状況を把握することで、しっかりとした根拠のある社内セキュリティ環境を実現することができます。

また、IT資産管理は管理者への負担が大きく、手動ではミスを誘発します。
不備があった場合は直接的な金銭損失に繋がるケースも珍しくありません。
ツールに任せられる業務はツールに任せることで、管理者のリソースを価値の高いコア業務へ集中することはコスト的なメリットにも繋がるのではないでしょうか。

近年のIT資産管理ツールはテレワーク環境を意識した機能も充実しており、多様な働き方を実現する上で大きな効果を発揮します。
少ない工数で確実な資産管理を実現し、ビジネスを加速するために有効な選択肢と考えられるのではないでしょうか。

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