サイバー攻撃

ハードニングとは?セキュリティ手法やメリットを解説

Written by WizLANSCOPE編集部

ハードニングとは?セキュリティ手法やメリットを解説

ハードニングとは、OS、アプリケーション、ソフトウェアなどのセキュリティを強化するプロセスのことです。

セキュリティパッチの適用や初期設定の見直しなどが、ハードニングの代表的な手法です。

ハードニングを実施することで、セキュリティの強化が図れるだけでなく、システムダウンなどのリスク軽減やパフォーマンスの向上も期待できます。

本記事では、ハードニングの概要や実施するメリット、注意点などを解説します。

▼本記事でわかること

  • ハードニングの概要
  • ハードニングの手法
  • ハードニングのメリット
  • ハードニング実施時の注意

ハードニングの基礎知識を知りたい方はぜひご一読ください。

また、本記事では、ハードニングのサポートとして有効な「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」のセキュリティソリューションを紹介します。

セキュリティの強化を図りたい企業・組織の方は、ぜひご確認ください。

ハードニングとは​


ハードニング(Hardening)とは、OS、アプリケーション、ソフトウェアといった情報システムのセキュリティを強化するプロセスです。

ハードニングの具体的な方法としては、以下が挙げられます。

  • 使用していないサービスやソフトウェアの無効化
  • セキュリティパッチの適用
  • アクセス制御の強化
  • 初期設定の見直し

ハードニングを実施することで、セキュリティの強化につながるだけでなく、システムダウンなどのリスクが低減し、パフォーマンスの向上も期待できます。

ハードニングの目的

ハードニングは、システムに潜む脆弱性をできるかぎり排除し、セキュリティリスクを減らすことを目的に実施します。

サイバー攻撃を防ぐためには、高精度なセキュリティツールを導入するだけでは十分でなく、セキュリティパッチを迅速に適用したり、定期的な設定の見直しをしたりといった基本的な対策も欠かせません。

基本的な対策を徹底することで、攻撃者が悪用しそうな隙を減らすことができ、攻撃を受ける可能性を減らすことができるでしょう。

代表的なハードニング手法


ハードニングの代表的な手法を5つ紹介します。

  • セキュリティパッチの適用
  • アクセス制御
  • ログ監視
  • 不要なサービスやソフトウェアの無効化
  • 初期設定の変更

詳しく解説します。

セキュリティパッチの適用

ソフトウェアやOSには、日々さまざまな脆弱性が発見されています。

こうした脆弱性を修正せずに放置していると、不正アクセスやマルウェア感染といった深刻な被害につながる恐れがあります。

この脆弱性を解消するためにベンダーが配布するのが「セキュリティパッチ」と呼ばれる修正プログラムです。

セキュリティパッチを適用することで、脆弱性が含まれるプログラムや設定ファイルが書き換えられ、脆弱性が修正されます。

公開されたセキュリティパッチを迅速に適用することで、脆弱性を悪用されるリスクを低減できるでしょう。

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アクセス制御

不正アクセスを防ぐためには、業務に必要な権限のみを付与する「最小権限の原則」に基づく設計が効果的です。

権限を絞ることで、内部・外部からの不正な情報の閲覧や持ち出しなどを防ぐことができます。

また、一般的なパスワード入力した後にさらに認証コードも入力するなど、2つ以上の認証要素を組み合わせる「多要素認証」の導入も効果的です。

多要素認証を導入すれば、たとえパスワードが漏洩してしまったとしても、追加の認証要素を手に入れない限り正規のユーザー以外はログインできません。不正なアクセスの防止が期待できるでしょう。

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多要素認証(MFA)とは?具体例・種類・2段階認証との違い

ログ監視

システムやアプリケーションが出力する各種ログには、不正アクセスの兆候や異常動作の手がかりが記録されます。
そのため、これらのログを継続的に監視・分析することで、問題の早期発見・対応が可能になるでしょう。

たとえば、業務時間外の不審な通信や大量のログイン試行など、普段と異なる挙動を検知できるようになると、サイバー攻撃の被害最小化につながります。

また、万が一インシデントが発生した際の原因究明や再発防止策の検討にも欠かせない情報源となります。

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不要なサービスやソフトウェアの無効化

使用していないサービスやソフトウェアを無効化しないまま放置してしまうと、そこがサイバー攻撃の入り口になる恐れがあります。
たとえば、使用していないソフトウェアのサポートが終了したことに気が付かずに放置してしまうと、修正されていない脆弱性を突いて侵入されるかもしれません。

明確な利用目的がなく、放置されているサービスやソフトウェアがある場合は、無効化・削除することが推奨されます。

初期設定の変更

製品やサービスの「デフォルト設定(初期設定)」は、セキュリティレベルが低いケースが多いです。

また、場合によってはパスワードがネット上で公開されているケースもあるでしょう。

そのため、初期導入時には必ず設定を見直し、パスワードの変更や通信設定の最適化などを実施する必要があります。

初期設定のまま使い続けることは、システム全体のセキュリティを著しく低下させる要因となり得ます。

ハードニングのメリット


ハードニングを実施することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • システムのセキュリティ強化
  • パフォーマンスの向上
  • コンプライアンス対応

ハードニングを実施することで、システムへの不正アクセスやデータの改ざんといった攻撃に見舞われるリスクを低減することができます。

また、ログ監視の継続的な実施など、万が一不正な動きがあった際に、迅速に原因究明できる体制を整えておくことで、被害の最小化につながります。

さらに、不要なサービスやソフトウェアを無効化し、リソースの無駄遣いを削減することで、システムのパフォーマンス向上も期待できるでしょう。

ほかにも、定期的なシステム設定の見直しや記録の保持とあわせて運用することで、監査や外部評価の際にも高い信頼性を示せます。

ハードニングの実施は、社内のセキュリティ強化に効果を発揮するだけでなく、顧客や取引先に対する安心感の提供や企業としての信頼向上にもつながります。

ハードニングを実施する際の注意点


ハードニングは、システムのセキュリティレベルを高めるうえで有効な手段ですが、注意点も存在します。

本記事では、ハードニングを実施する際の注意点を3つ解説します。

  • 専門知識が必要になる
  • 継続的な管理が求められる
  • 業務の効率が下がる恐れがある

詳しく確認していきましょう。

専門知識が必要になる

効果的なハードニングを実施するためには、OSやネットワーク、アプリケーション、各種ソフトウェアの仕組みに関する高い専門知識が必要です。

十分な知識がない状態で、OSやネットワークなどに間違った設定変更を実施してしまうと、セキュリティ強化を図るはずが、逆に攻撃されるリスクが高まる可能性があります。

ほかにも、誤った設定が原因で業務が停止するリスクや、重要な機能が利用できなくなるリスクが発生する可能性があるでしょう。
そのため、ハードニングを実施する際は、セキュリティに関する基礎知識だけでなく、システム構成や依存関係を理解する能力、さらには設定変更後の影響を予測できる力も求められます。

可能であれば、専門のセキュリティエンジニアの協力を得ながら進めるのが理想的です。

継続的な管理が求められる

ハードニングは一度実施すれば終わりというものではありません。
たとえば、ソフトウェアのバージョンアップやシステム構成の変更、脆弱性情報の更新などに応じて、継続的な見直しと対応が必要です。

とくに、セキュリティパッチの適用やログ監視などは、日々の運用のなかで習慣として定着させる必要があります。

また、設定変更による影響範囲を定期的にレビューすることも大切です。
「ハードニングが原因で業務に支障が出ていた」という問題が長期間見過ごされることがないように、継続的に実施しましょう。

さらに、新たなセキュリティ脅威に対応するためには、知識や技術を常にアップデートし続ける必要もあります。

ハードニングは、「一過性の施策」ではなく、「継続的な運用プロセスの一部」として捉えることが重要です。

業務の効率が下がる恐れがある

ハードニングの実施はセキュリティが高まる一方で、業務の柔軟性や効率性が損なわれる恐れもあります。
たとえば、セキュリティを優先しすぎて業務効率が悪化するシステムを導入してしまったり、業務で利用しているサービスやソフトウェアを無効化してしまったりなど、無計画に進めると、混乱を招く恐れがあるでしょう。

そのため、ハードニングを進める際は、「業務に与える影響」を常に意識し、利便性とのバランスを考慮する必要があります。

設定変更の前後で十分なテストを実施する、関係部署と調整をおこなうなど、多方面への配慮が不可欠です。

ハードニングのサポートに「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」


「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」では、ハードニングをサポートするセキュリティソリューションを提供しています。

本記事では、ハードニングのサポートに有効なサービスを2つ紹介します。

  • 脆弱性診断・セキュリティ診断
  • ペネトレーションテスト

脆弱性診断・セキュリティ診断

「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」の「脆弱性診断・セキュリティ診断」は、企業のシステムやネットワークなどを調査し、システム上の脆弱性やハッキングを受ける可能性があるセキュリティホール、機密情報の持ち出しなどの内部不正といった、さまざまなセキュリティリスクを洗い出すサービスです。

診断後は、各脅威の種類やリスクレベルだけでなく、「適切な対策内容」もあわせて報告するため、着実な脆弱性の修正とセキュリティレベル向上を目指すことができます。

前述した通り、不正アクセスが可能な環境になっていると、企業の情報が漏洩するリスクだけでなく、情報を悪用され、サイバー攻撃の加害者になってしまうリスクも発生します。

「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」 では、Webアプリケーションやネットワーク、IoTなど、さまざまな種類の診断を提供しています。

どの診断が自社に必要なのか分からないという企業・組織の方に向けて、ぴったりの診断を選べるフローチャート付きの資料をご用意しています。

本記事とあわせてぜひご活用ください。

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また、「何からすべきかわからない」「はじめて診断を受ける」という企業・組織の方に向けて、「脆弱性診断パッケージ」や「セキュリティ健康診断パッケージ」もご用意しています。

「脆弱性診断パッケージ」や「セキュリティ健康診断パッケージ」についてより詳しく知りたい方は、下記のページをご参照ください。

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脆弱性診断パッケージとは|LANSCOPE プロフェッショナルサービス

ペネトレーションテスト


ペネトレーションテストとは、万が一不正アクセスを受けた際に「どの程度の被害が起きるか」「感染後、適切な対策が可能か」を明らかにできるテストです。

実際のサイバー攻撃を想定した疑似攻撃を仕掛けることで、現状のセキュリティレベルや課題を洗い出すことができます。

「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」 のペネトレーションテストは、高い専門性を持った経験豊富な技術者による高品質なテストに加え、丁寧なヒアリングやサポートが特徴のサービスです。

ペネトレーションテストについてより詳しく知りたい方は、下記のページをご参照ください。

関連ページ

ペネトレーションテストサービスの詳細│LANSCOPE プロフェッショナルサービス

まとめ

本記事では「ハードニング」をテーマに、手法やメリット、注意点などを解説しました。

▼本記事のまとめ

  • ハードニングとは、OS、アプリケーション、ソフトウェアといった情報システムのセキュリティを強化するプロセス
  • 代表的な手法としては「セキュリティパッチの適用」「アクセス制御」「ログ監視」「不要なサービスやソフトウェアの無効化」「初期設定の変更」などがある
  • ハードニングを実施することで、セキュリティ強化が図れるだけでなく、パフォーマンスの向上やコンプライアンス向上なども期待できる
  • ハードニングを効果的に実施するためには、ソフトウェアやネットワークに関する高い専門知識が必要になる

ハードニングは、一過性のセキュリティ施策ではなく、継続的に実施することで効果を発揮するものです。

サイバー攻撃の標的になるリスクを低減するためにも、平時から取り組み、セキュリティ強化を目指しましょう。

また、ハードニングのサポートには、「LANSCOPE プロフェッショナルサービス」のセキュリティソリューションが効果的です。

導入しているソフトウェアやアプリケーションに脆弱性はないか、また、自社のセキュリティレベルはどれくらいなのかを正しく把握し、適切な対策の実施を目指してください。

「何からすべきかわからない」「はじめて診断を受ける」などの課題をお持ちの企業・組織の方は、ぴったりの診断を選べるフローチャート付きの資料や「脆弱性診断パッケージ」や「セキュリティ健康診断パッケージ」をぜひご活用ください。

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