IT資産管理

パッチ管理とは?適用方法や効率的な管理をわかりやすく解説!

Written by MashiNari

ITベンダー、インフラ全般サービス企業で、プロジェクトマネージャー/リーダー等の経験を経て2016年にフリーランスへ転身。
インフラやクラウドシステムを中心に、要件定義、設計、構築、保守まで携わっています。
インフラの土台からweb周りの案件にも視野を広げ、近頃ではフロントエンド・バックエンドの開発にも従事し、日々奮闘中です。

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IT製品は、リリースされた後に「脆弱性」と呼ばれるセキュリティ上の弱点やバグが発見されることがあり、そのまま利用すると様々なサイバー攻撃の被害を受けるリスクが生じます。

そのため、ITシステムやPC、スマホを長期的に利用する上で、ベンダーから提供されるパッチを適用する作業が必須となります。
しかし、多くの組織では複数のIT製品を活用しています。そのため複数のベンダーから公開されるパッチを常に正しく適用するには、そのための仕組み化が必要です。

この記事では、「パッチ管理」の基本的な知識や重要性、効率的な管理方法について解説します。適切なパッチ管理を行うことで、セキュリティリスクを最小限に抑え、ITシステムの安全性を確保することができます。

▼この記事でわかること

  • パッチ管理とはなにか?なぜパッチ管理が重要か
  • パッチ管理の流れ
  • パッチを適用する際の注意点
  • パッチ管理における課題と対策

パッチ管理の基礎知識

まずはパッチ管理を行なうための基礎知識となる「パッチ管理とは」を解説します。

パッチ管理とは

「パッチ管理」とは、オペレーティングシステム(OS)やソフトウェアに対して、セキュリティや機能の更新を行うための一連のプロセスを指します。パッチとは、システムやアプリケーションのコードに対する修正や改善を行うための小さなソフトウェアモジュールのことで、主にセキュリティの脆弱性やバグの修正、機能追加やパフォーマンス向上を目的として提供されます。

パッチ管理は、システムの安全性や信頼性を維持するためにとても重要なプロセスです。

パッチ管理の重要性

IT機器で動作しているソフトウェアには、脆弱性や不具合が発見されることがあります。
新たに発生した脅威に対応するために修正が必要になることもあるでしょう。
ベンダーは脆弱性や不具合に対応するためのパッチを配布し、利用者がパッチを適用することで、ソフトウェアが適切な状態に修正されます。
また、正常に動作している機能であっても、機能改善のためのパッチが提供されるケースもあり、業務の効率化やユーザビリティの向上を期待できます。

大きなシェアを誇るWindows OSも、定期的にセキュリティ強化や機能改善などのパッチを含むOSのアップデートがリリースされています。
特にセキュリティ関連のパッチは、適用していなければデバイスに脆弱性が残ってしまい、サイバー攻撃を防ぐことができず大規模な被害に発展してしまうリスクもあるでしょう。
適用できるパッチが存在する場合、ユーザーへ通知が行なわれますが、全従業員のデバイスを常に最新の状態に保つためには、適切なパッチ管理が重要と言えます。

パッチ管理を適切に行わなければ、必要なパッチ情報をキャッチアップできず、セキュリティリスクを抱えたまま運用してしまうことになるでしょう。

そのため管理者は、適切なパッチ管理を行い安全と生産性の両方を確保することが重要です。

パッチ管理の流れ


ここでは、一般的なパッチ管理の流れを紹介します。
※記載の内容は一例です

組織内の機器を管理・把握

製品やプログラム毎にパッチがリリースされるため、自社で利用しているPCやスマホなどのIT資産を正確に把握する必要があります。
管理台帳と実際のIT資産の差異をなくし、IT資産を購入や廃棄をした際は管理システムや台帳に漏れなく反映し、常に管理台帳を最新の状態を保つことがポイントです。
またそれぞれに適用されているパッチバージョンを併せて管理すると、パッチ適用の抜け漏れ防止や現状把握に役立ちます。

脆弱性やパッチ情報の収集

脆弱性やパッチの情報は、基本的にベンダーから通知または公開されます。
自社のIT資産に関わる情報を取り逃さないよう、適切な情報収集を行ないましょう。パッチにより修正される脆弱性の情報も併せて公開されるため、内容によって適用の要否を判断する必要があります。

パッチ適用

サーバーやネットワーク機器であれば、情シスなどのIT管理部門により作業を実施することが一般的です。
システムの停止や再起動を求められるケースが多いため、場当たり的な対応にならないようパッチ適用スケジュールを作成しましょう。

また、サーバーやネットワーク機器だけではなくPCやスマホなど、従業員が利用しているデバイスのパッチ適用も重要です。
対象となるデバイスを利用している従業員に管理や適用作業を任せる場合は、パッチが公開されたタイミングで適用を促す通知をするなど、パッチの更新漏れを防止することが大事です。

パッチ適用する際の注意点

パッチ適用をする際に、管理者が注意するべき点を4つご紹介します。

パッチ適用のリスクと対策

パッチ適用のリスクと対策について、新たな問題が発生する可能性が常に存在します。例として、システムが正常に動作しなくなることや、他のアプリケーションとの互換性が失われることが挙げられます。これらのリスクを最小限に抑えるためには、パッチ適用前に十分なテストを実施し、様々なシナリオに対応できるように準備を行うことが重要です。

また、問題が発生した場合の対処方法を事前に検討し、迅速かつ適切な対応ができる体制を整えることも不可欠です。さらに、パッチ適用後にも定期的な監視や検証を行い、問題が発見された際には速やかに対応することが求められます。これらの対策を講じることで、パッチ適用に伴うリスクを軽減し、システムの安定性やセキュリティを維持することができます。

パッチ適用の優先順位の決定

全てのパッチをすぐ適用することは現実的ではないため、パッチの重要度や緊急度に応じて優先順位を決定し、適切なタイミングで適用することが重要です。重要度や緊急度の判断には、脆弱性の深刻度、影響範囲、攻撃の可能性などを考慮する必要があります。

また、システムの稼働状況や運用上の制約も考慮し、効果的なパッチ適用計画を立てることが求められます。さらに、適用後の動作確認やトラブルシューティングも重要な要素であり、迅速かつ適切な対応が不可欠です。最後に、パッチ適用の状況や効果を定期的にモニタリングし、適切な改善策を講じることで、システムの安全性と信頼性を維持することができます。

パッチ適用のスケジューリング

パッチ適用はシステム停止や再起動が伴うことが多く、業務への影響を最小限に抑えるために適切なスケジューリングが必要です。例えば、業務時間外や休日にパッチ適用を行うことで、業務への影響を最小限に抑えることができます。

また、緊急性の高いパッチについては、速やかに適用することが重要ですが、その際も業務への影響を考慮したスケジューリングが求められます。さらに、定期的なパッチ適用のスケジュールを設定し、システムの安全性と業務の円滑な進行を両立させることが重要です。適切なスケジューリングにより、システムのセキュリティを向上させると同時に、業務の効率化にも寄与することができます。

パッチ適用の確認

パッチが漏れなく適用されて不具合などが発生していないかを確認します。
手作業でパッチ適用を行なっている場合は、チェックシートの活用やパッチ適用作業後の手動確認も実施するとよいでしょう。

管理ツールを導入していない場合、従業員が利用しているデバイスはある程度、従業員に任せることになります。従業員が適切なパッチ適用を実施できるよう、操作のマニュアル化や説明会を行なうことが効果的です。

またパッチの適用は1度きりではなく、必要が生じたらその都度実施します。そのため、パッチ管理全体の流れを継続的に実施することが一般的です。

パッチ管理の課題

パッチ適用を正しく実施することは極めて重要ですが、パッチ管理を行う中で課題も存在します。前述したパッチ管理の流れに沿って解説します。

正確なIT資産の管理・把握が必要

組織の規模や業務内容により、IT資産の数は膨大なものになります。
人間が管理している以上は、管理情報の更新漏れや入力間違いが発生するリスクと向き合わなければなりません。
IT資産を正確に管理できていなければ、パッチ適用が必要な対象を把握することも難しくなります

脆弱性やパッチ情報の収集に工数が掛かる

管理対象のIT資産が増えるにつれ、確認するべきパッチ情報も増加します。全てのパッチが同時期に公開されるわけではないため、管理者は常に情報収集する必要があるため工数が掛かってしまう可能性があります。

パッチの適用状況をすべて把握するのは困難

従業員が利用するデバイスにおいては、従業員自身に作業を促すだけでは適用が行なわれることが保証されません。古いOSやソフトウェアは脆弱性が残ってしまい、サイバー攻撃の被害を受けてしまうリスクが高くなります。

パッチ適用の確認が困難なケースへの対応

対象のデバイス全てに必要なパッチが適用されているかは、管理対象の数が多ければ多いほど手動で行うのは困難と言えるでしょう。
パッチ適用を正確に実施するには、対象となるIT資産情報を常に正しく把握しておく仕組みが必要ではないでしょうか。

IT資産管理ツールでパッチ管理を行なう効果

適切なパッチ管理を行なうためには、パッチ管理業務を支援する機能を備えたIT資産管理ツールを活用することが効果的です。
※製品により搭載されている機能が異なる場合があります。ここでは一例として紹介します。

必要なパッチ情報の自動収集

自社のITシステムが対象となっているパッチ情報を自動的に収集し、一覧表示することが可能です。
管理者が個別にパッチ情報を調査する工数が削減され、抜け漏れのないパッチ適用判断を行なうことに繋がります。

パッチ適用作業の自動化

従業員が使用するデバイスにOSアップデートやウイルス対策ソフトのパターンファイルなどのパッチファイルを配布することが可能です。
IT資産管理ツールの配布機能を活用することで、管理者がツールの管理画面から一括操作するだけで良いため、パッチの配布・適用作業などの管理工数削減や適用漏れを防ぐことに繋がります。

パッチ適用状況を自動収集し一覧表示

IT資産管理ツールの管理下にあるデバイスのパッチ適用状況を自動的に収集し、適用済みパッチの表示やパッチ未適用デバイスの抽出が可能です。
IT資産管理ツールを活用せずに管理者が手動で確認を行う場合、業務時間中は従業員がデバイスを使用していることから、管理者によるパッチ適用状況の確認を行ないにくい傾向にあります。
IT資産管理ツールを活用することで、パッチの適用状況を自動収集しデバイス毎に最新のパッチが適用されているか管理画面からいつでも確認することができます。

IT資産管理ツールを有効活用し、効率的なパッチ管理を行える環境を構築することが大切です。

パッチ情報を効率的に管理しよう

ITシステムを利用する上でパッチの適用は必須ですが、これまでに述べたように多くのパッチ情報を常に確認することは多くの工数が必要です。
少しでも効率的な管理を実現するためには、IT資産管理ツールにより管理の簡略化を目指すことが有効な手段と考えられます。

LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版では、古いバージョンのWindowsや、必要なパッチが未適用のデバイスを一元管理することが可能です。
また、セキュリティレベルの低いデバイスをレポート形式で出力することで、管理者の負担を軽減しながら、組織全体の正確な状況チェックを強力にサポートします。
また、現代ではスマホやタブレットをビジネス利用することも一般的です。LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版は、モバイル管理に欠かせないApple Business Manager・Android Enterpriseに対応した充実のモバイル管理機能で、PCだけでなくスマホ・タブレットも一元管理できます。
PC・スマホ・タブレットをクラウド上で一元管理することで、コストメリットや業務の効率化が期待できるのではないでしょうか。

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