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スマートデバイス百物語 ~あの奇怪な現象への対策例~

Written by ヒダリ

多分ですけど、ドラマ版って青木麗さん出てこないですよね?

スマートデバイス百物語 ~あの奇怪な現象への対策例~

こんにちは。Anのサービス運用を担当しております、ヒダリと申します。タタリではありません。ヒダリです。
稀に「ヒダリさんは何だか(雰囲気が)怖い」と後輩から言われるのですが、タタリではないので全く怖くありません。むしろ私からすれば、このパターンの自己紹介のネタが尽きてきたことの方が恐ろしいです。故に恐れるな若人。そしてネタをくれ若人。

……。

さて、そろそろ晩夏に差し掛かろうという今日この頃ですが、『夏』ということで一つ、今日は怪談に足を突っ込んでみようと思います。ずばり、今日のテーマは『妖怪』です。

皆さまは「妖怪」と聞くと、何を思い浮かべられますでしょうか。

ゲゲゲの〇太郎? 妖怪〇ォッチ? 地獄先生〇ーべー? 江戸時代の画家・鳥山石燕?
色々ありますが、もし弊社の NO MORE 情報漏えい プロジェクトで掲げた『情報漏えい 百鬼夜行』を思い浮かべてくださった方がおられましたら、心の底から御礼申し上げます。

私はどうかと言いますと、上記百鬼夜行……ではなく(関連プロジェクトの方々ごめんなさい)、日本が誇るホラー小説家の大御所・京極夏彦先生の『巷説百物語』シリーズを思い浮かべます。
舞台は江戸時代。一癖も二癖もある一味が依頼を受けて悪を討つ、所謂『必殺仕事人』的な物語です。文庫本サイズでもパッと見かなり分厚いのですが、巧妙な語り口、魅力的な登場人物、そして困難な問題でも鮮やかに解決していく一味の物語は、まさしく極上のエンターテイメントであり、分厚さを感じさせない程に読者を夢中にさせてくれます。

この作品の大きな特徴として、主人公の関わる一味が、自分たちの所業を『妖怪の仕業』であるかのように見せかける、という点が挙げられます。『誰かが悪党を成敗した!』だと「じゃあ犯人は誰だ?」となりますが、『悪党が妖怪の餌食になった!』と思わせることで「妖怪の仕業なら仕方ないよね……」としてしまうわけです。江戸時代と言えば、多くの人々が、妖怪や幽霊を身近に感じていた時代。『妖怪の仕業』と言われても、多くの方が「ならしゃあないか」と呟いたことでしょう。

……。

現代に生きる妖怪

では、ここで一つ、考えてみましょう。
江戸時代と異なり、現代には妖怪や幽霊は身近に居ない…という風潮がありますよね。

・・・・・・本当にそうなのでしょうか?

個人的な解釈ですが、私はこれにNoと言いたいです。

例えば、現代に生きる有名な妖怪として、『妖怪リモコン隠し』が挙げられます。そうです。よく家で「リモコンがどこにあるのか分からん」という状態に我々を陥らせてくる、あいつです。きっとこれを読んで下さっている方の中にも、奴と遭遇した方は沢山居られることでしょう。IoTの発達により、「もうリモコンは使わないよ? スマホで全部事足りるよ?」と言う方も居られるかもしれませんが、きっとそれに応じて『妖怪スマホ隠し』も生まれ出ずるに違いありません。江戸時代だろうと現代だろうと、我々のすぐ傍に妖怪は居るのです。多分。

というわけで、今回はそんな『日常に潜む妖怪』の数々と、もしかしたら効果があるかも知れない退治策についてご紹介したいと思います。相変わらず前振りが長いですね。でもようやく本題です。では行ってみましょう!いざ怪奇と幻想の世界へ!!
※以降で紹介する手順は、機種やOSによって若干の差異が存在する場合がございます。ご注意ください。

エントリーNo1:妖怪『電池ゴリゴリ食うマン』

妖怪『電池ゴリゴリ食うマン』

まずこいつ。彼なのか彼女なのかは判然としませんが、度々現れる有名かつ厄介な妖怪です。
その名の通り、こいつが現れると、妙に電池の減りが早くなります。実に困った奴です。
どう退治するか。原因に応じて退治策は変わりますが、ざっと述べると……こんな感じでしょうか。
※ここでは例としてAndroidOSでの画面キャプチャを掲載しております。

[退治策A]アプリを整理整頓する

→妖怪の出現理由が『沢山アプリが動いている』であった場合に有効な策です。

具体的に言うと

・アプリを使った後はホーム画面に戻って終わり、ではなく、メニューボタンなどで起動しているアプリ一覧を表示させ、しっかりタスクキルする

アプリタスクキルの図

▲アプリタスクキル

・設定画面からアプリ個別の設定を見直し、バックグラウンドでの通信や通知などが不要なアプリがあれば、その設定を変更し、変に立ち上がり続けないように、或いは不要な通知が来ない様にする

アプリ設定確認1

▲アプリ設定確認1

▲アプリ設定確認2

などが挙げられます。
要は必要なものだけ動くようにしよう、ということですね。

※ちなみに「不要な通知が出ないようにする」ことで、別妖怪『通知ベラベラ出すマン』の退治も可能です。一石二鳥!

[退治策B]画面の明るさや、スクリーンOFFになるまでの時間などの設定を見直す

→妖怪の出現理由が『電力を消費しやすい画面設定だった』場合に有効な策です。

具体的に言うと

・設定画面から画面の明るさ設定を確認し、適切な明るさに設定変更する
・設定画面からスクリーンが自動でOFFになる時間を確認し、1分や3分などに変更する
あかるさ設定の図

▲あかるさ設定

などが挙げられます。

塵も積もれば何とやら。後述する「電池の劣化」が要因であった場合などにも、この方法は中々に有用です。
是非一度、適切な設定になっているか、確認してみては如何でしょうか。

[退治策C]電池の交換を検討する

→妖怪の出現理由が『電池自体がそもそも摩耗している』場合に有効な策です。

「そらそうだろ」って感じですね。
ただ、下記のような条件に当てはまる方は、交換をご検討いただいた方がいいかも知れません。

・デバイスを購入してから二年以上経過している
・日中温度が35℃を超える地域で暮らしている

電池は消耗品です。現代の科学では、残念ながら付喪神が付くほどの年月を共に過ごすことは難しいと言わざるを得ません。
なんだか凄く矛盾した発言が出た気もしますが、思い切って交換に踏み切るのも一つの手、とお考えいただければ。

上記の他にも「OSやファームウェアのアップデート、使っているアプリの不具合(!)で電力消費量が多くなった」というパターンも考えられますが、それらはデバイス利用者でどうこうできる話でもないので、今回は退治できる可能性があるものだけを列挙してみました。
上記にも書きましたが、電池は消耗品であり、かつ「ちりつも!」な点が多くあります。
この厄介な妖怪が出現した時でも、まずは一つ一つ退治策を試してみていただければ幸いです。

エントリーNo2:妖怪『マップ漂白さん』

マップ漂白さん

二匹目はこちら。彼なのか彼女なのかはやはり判然としませんが、この妖怪に出会ったことのある方も結構居られるのではないでしょうか。
こやつも中々厄介で、現れると「スマートデバイスの地図アプリを開いて現在地を確認しようとしても、地図上に現在地が表示されない」という現象が発生します。
見知らぬ地に出向いたときなどに出現されると・・・・・・迷子一直線ですね。
こやつの退治方法は割と単純です。こんな感じ。

[退治策A]設定を確認する

→基本的なお話ではありますが、まずは「そもそも現在地を把握できる設定になっているか」を確認してみましょう。

OSによって設定場所は変わりますが、以下の設定になっていれば、位置情報が取得できる状態になっているといえます。

AndroidOS [設定]-[位置情報]で[位置情報]が ON
iOS [設定]-[プライバシー]-[位置情報サービス]が ON
Windows10 [スタートボタン]-[設定]-[プライバシー]-[位置情報]-[変更]-[このデバイスの位置情報] が ON

色んなサイトで「電池消費を抑える方法」として「位置情報取得関連のサービスを止める」という手段が紹介されており、この設定をOFFにしたまま忘れてた、というパターンも多くあるようです。
この妖怪は、そんな心の隙間にコッソリと張り付いてきます。
面倒がらず、是非確認してみてください。

[退治策B]建物などの外に出て、待つ

→なんじゃそら、と思われるかもしれませんが、割とまともな退治方法だったりします。
妖怪の出現理由として『現在地の測定に時間が掛かっている』場合もあるからです。

現在地を測定するときに使われる手段としては

  • ・GPSによる位置情報測位
  • ・Wi-Fiアクセスポイントによる位置情報測位
  • ・携帯電話基地局やIPアドレスによる位置情報測位
  • などが挙げられますが、より精確に現在地を測定できるとされる「GPSによる位置情報測位」は、その性質上、測位に時間が掛かってしまったり、建物の中に居るとうまく測位できないことがあるのです。
    ※このあたりはバックボーンを語り始めるとコラム一つ分くらい使ってしまうので、また別の機会に・・・・・・。

    というわけで、「建物の外に出て、待つ」ことで妖怪退散が叶うかも。
    迷子になった場合などに試していただければ幸いです。

    エントリーNo3:妖怪『震えるぞハート!』

    震えるぞハート!

    三匹目。スマートデバイス・・・・・・というより、携帯電話をお持ちの方であれば、一度や二度は遭遇したことがあるかもしれない妖怪です。
    こやつの起こす現象は「バイブレーションを感じてデバイスを確認してみたら、特に着信も通知も無かった」というもの。
    さくっとネタばらしをしますと、実は彼(彼女?)、妖怪ではありません。

    『幻想振動症候群(ファントム・バイブレーション・シンドローム)』という一種の錯覚なのだそうです。

    詳細な調査内容は不明ですが、『調査対象とした大学生のうち、80%以上がこの錯覚に一度は経験している』とする研究結果もあるようで、実際、ヒダリの周囲の方にも「へぇ、アレってこんな名前だったんだ」という反応が殆どでした。

    ただこちら、素人ながら色々調べてみたところ、ストレスなども関連している可能性があるとのことです。
    もし頻繁に遭遇される方が居られましたら、無理をし過ぎず場合によっては心と体をゆっくりと休めていただければと思います。

    妖怪3種
    以上、今回はスマートデバイス利用時に遭遇する『妖怪』について紹介させていただきました。
    『妖怪』――すなわち『よくわからないもの』は、現代の我々にとっても身近なものである、ということを、何となく感じていただけたのではないでしょうか。

    ただ、残念ながら、この記事に記した幾つかの『退治策』は、あくまでも『退治できる可能性があるもの』であり、確実な解決策とはいえません。スマートデバイスは多くのソフトウェアとハードウェアが密接に関わりあって動く複雑精巧な機械ですので、たとえエントリーNo1:妖怪『電池ゴリゴリ食うマン』が現れたとしても、原因となりうる箇所は色んなところにあるのです。この記事でも複数の退治策を掲載しているように、なかなか「ここだ!」という場所をバシッと特定することは難しい・・・・・・というのが実情です。

    なかなか一筋縄ではいかない・・・・・・そんな相手を前に、我々が出来ることは何か。それはやはり、『想定される原因』を検討し、一つずつ対策を試してみて、問題箇所の切り分けを行ないながら、解決への道を探ること。地道ではありますが、それが最も重要なことなのだと、サービス運用をしてきたヒダリは感じる次第です。

    今回ご紹介したもの以外にも、スマートデバイスには色んな妖怪が存在しています。また機会があれば、そういった妖怪をご紹介し、想定できる退治策などお伝えできればな、と目論んでおりますので、宜しければ是非ご期待ください。
    ※但し妖怪の絵に関しては次回以降は無いかもしれません。自分で描いてて「これは流石に・・・・・・」と思ったので。

    以上ッ! この記事を読んでいただき、まことにありがとうございました!