
Written by Aimee
大手日系企業でのマーケティング職を経て、2022年にフリーランスに転身。
要件定義〜保守まで行うウェブデザイナー、ライターとして活動しています。タイ、チェンマイを拠点に旅暮らし中。
目 次
アドウェアとは
アドウェアの種類(無害・有害のものがある)
アドウェアの感染経路
アドウェアに感染するとどうなる?
アドウェアにどうやって気づく?感染時の兆候
アドウェアの削除方法
アドウェアに感染しないための対策
アドウェア対策ならLANSCOPEサイバープロテクションにお任せ
まとめ
アドウェア(Adware)とは、広告を表示させて収益を得ることを目的としたソフトウェアです。
アドウェアには無害なものと悪意のあるものが存在し、悪意のあるアドウェアに感染した場合は、「端末のシステムパフォーマンスの低下」「個人情報の漏洩および不正利用」などの危険性があります。
こうしたアドウェアに感染しないためには
- ●アンチウイルスソフトの導入
- ●ソフトウェアインストール時の規約・確認事項のチェック
- ●OS・ソフトウェアの定期的なアップデート
といった基本的な対策の徹底が求められます。
この記事では、アドウェアの概要や感染しないための対策に加え、削除方法についても解説します。
▼この記事を要約すると
- アドウェアとは、「広告(advertisement)」と「ソフトウェア(ware)」を組み合わせた言葉であり、広告を表示させて収益を得ることを目的としたソフトウェア
- アドウェアには、無害なアドウェア・悪意のあるアドウェア・PUP/PUAが存在する
- アドウェアの主な感染経路として「不正なWebサイトの閲覧」「フリーソフトのインストール」「ブラウザの拡張機能のインストール」「広告、ポップアップのクリック」などが挙げられる
- アドウェアに感染した場合、「ユーザー体験が低下する」「システムパフォーマンスが低下する」「プライバシー侵害のリスクがある」といった被害が想定される
- 「ポップアップの頻繁な表示」「勝手なブラウザの設定変更」「端末やネットワーク動作の鈍化」「見覚えのないツールバーや拡張機能」「不審なソフトウェアのインストール」といった兆候はアドウェアに感染している可能性が高い
- アドウェアの削除方法としては、「アドウェアをアンインストール」「削除ツールの活用」「端末の初期化」などがある
- アドウェアへの対策として、「アンチウイルスソフトの導入」「ソフトウェアインストール時の規約・確認事項のチェック」「ブラウザ設定を確認し、不要な広告表示を防ぐ」「OS・ソフトウェアの定期的なアップデート」などが有効

アドウェアとは
アドウェアとは、「広告(advertisement)」と「ソフトウェア(ware)」を組み合わせた言葉であり、広告を表示させて収益を得ることを目的としたソフトウェアです。
単純に宣伝や広告収入を目的としているものであれば問題ありませんが、アドウェアの中には
- ●個人情報を盗み取る
- ●偽のセキュリティ警告を表示して、不正なソフトウェアをインストールさせる
といった悪質なものも存在するので、注意が必要です。
アドウェアとマルウェアの違い
マルウェアは、悪意のあるソフトウェアやコードの総称であり、ウイルスやトロイの木馬、そしてアドウェアなどが含まれます。
先ほども少し説明しましたが、アドウェアは広告を表示させて収益を得ることを目的としたソフトウェアで、すべてがマルウェアに該当するわけではありません。
アドウェアの中でも、ユーザーに対して不正な操作を行うものにかんしては、マルウェアと見なされることがあります。
具体的なアドウェアとマルウェアの違いは、以下の通りです。
特徴項目 (Adware) | アドウェア (Adware) | マルウェア (Malware) |
---|---|---|
目的 | 広告を表示し、収益を得ることを主な目的とする | 悪意のある活動(データの盗難、システム破壊、スパイ活動など)を行うことを目的とする |
動作の主な内容 | ポップアップ広告やバナー広告を表示 | ウイルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェアなど、さまざまな悪意のある活動を行う |
ユーザーへの影響 | 広告の表示による煩わしさ、システムのパフォーマンス低下 | システムやデータへの深刻な被害、個人情報の漏洩、経済的損失など |
プライバシーリスク | ユーザーのブラウジング履歴やデータを収集し、広告ターゲティングに利用 | ユーザーの個人情報や機密データを盗むことがある |
削除方法 | アンチアドウェアツールやアンチウイルスソフトで削除可能 | アンチウイルスソフト等で対処するが、専門的なツールや知識が必要な場合が多く、完全な駆除が難しいこともある |
アドウェアの種類(無害・有害のものがある)
上述の通り、アドウェアには無害なものと有害なものが存在します。
以下にて、無害なアドウェア、有害なアドウェアの種類についてそれぞれ解説します。
無害なアドウェア
無害なアドウェアは、無料のソフトウェアに同梱されて提供されることが多く、ユーザーは広告を見る代わりにそのソフトウェアを無料で利用できます。
無害なアドウェアの場合、広告やプロモーションを表示してもよいか、あらかじめユーザーに同意を求めます。 同意を得られたユーザーに広告を表示し、収益を得ることでソフトウェアの開発や無料提供に役立てているのです。
悪意のあるアドウェア
悪意のあるアドウェアは、「ユーザーの個人情報を盗む」「システムの安全性を脅かす」など、セキュリティを脅かす性質を持ちます。
例えば、偽の警告メッセージを表示してユーザーを誘導し、有料のセキュリティソフトウェアを購入させようとするケースがあります。
有害なアドウェアは、インターネット利用者にとって潜在的な脅威となり得るため、信頼できるソフトウェアのみをダウンロードし、セキュリティソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要となります。
PUP/PUA
・PUP(Potentially Unwanted Program)…「潜在的に望ましくないプログラム」
・PUA(Potentially Unwanted Application)…「潜在的に迷惑なアプリケーション」
と呼ばれています。
これらはマルウェアのように有害ではないものの、ユーザーやシステムにとって望ましくない影響を与えるプログラム・アプリのことです。
例えば、絶えず広告を表示することで、収益を得るようなアドウェアをインストールしたとします。ユーザーは何かセキュリティ的な被害を受けるわけではありませんが、しつこく広告が表示されることで、強いストレスを感じるでしょう。
このように、ユーザーにとって迷惑な特性をもつプログラム、アプリが「PUP/PUA」に該当します。

アドウェアの感染経路
アドウェアの主な感染経路としては、以下が挙げられます。
- ●不正なWebサイトの閲覧
- ●フリーソフトのインストール
- ●ブラウザの拡張機能のインストール
- ●広告、ポップアップのクリック
不正なWebサイトの閲覧
悪意あるコードが埋め込まれたサイトの閲覧により、アドウェアに感染します。
具体的には、サイト内の特定のリンクをクリックしたり、アンケートに回答したりすることで、自動的にアドウェアがインストールされるケースが多いです。
フリーソフトのインストール
インターネットからインストールした無料のソフトウェアに、アドウェアが同梱されている場合があります。
内容をよく確認せず「次へ」ボタンを押し、インストールを進めることで、誤ってアドウェアをインストール・感染してしまう仕組みです。
ブラウザの拡張機能のインストール
ブラウザの拡張機能である「アドオン」をインストールする際、アドウェアも一緒にインストールされてしまう場合があります。
このときアドウェアは、バックグラウンドにて知らない間にインストールされている場合が多く、感染に気付くのが遅れてしまうという厄介な特徴があります。
広告、ポップアップのクリック
Webサイトやアプリにて表示される「広告」や「ポップアップ」をクリックすることで、アドウェアがインストールされることがあります。
具体的には、Webサイトを閲覧中に「お使いのPCはマルウェアに感染しています」というポップアップを表示させ、マルウェア駆除のためにソフトウェアのインストールを促します。
しかし実際、このときインストールを促したのは「ソフトウェアと偽ったアドウェア」で、インストールすることにより感染してしまいます。
アドウェアに感染するとどうなる?
アドウェアに感染した場合、以下のような被害が想定されます。
1.ユーザー体験が低下する
アドウェアに感染することで、Webサイトを閲覧している際に、広告やポップアップが頻繁に出現します。
作業やブラウジングが妨げられ、ユーザー体験の低下につながります。
2.システムパフォーマンスが低下する
アドウェアに感染すると、システムのリソース(CPUやメモリ)が消費され、システムの速度やパフォーマンスが低下することがあります。
あるいはツールやデバイス設定へのアクセスが妨げられたり、インターネット速度が遅くなったりする被害も考えられます。
3.プライバシー侵害のリスクがある
アドウェアの中には、ユーザーのブラウジング履歴や検索クエリ、オンラインでの行動に関する情報を収集し、それを広告主に提供するものも存在します。
収集されるデータにはユーザーの個人情報が含まれる場合があり、情報漏洩や不正利用といった被害リスクがあります。
アドウェアにどうやって気づく?感染時の兆候
万が一、以下のような「兆候」が見られたら、あなたのPCはアドウェアに感染している可能性があります。
- ●ポップアップが頻繁に表示される
- ●勝手なブラウザの設定変更
- ●端末やネットワークの動作が鈍くなる
- ●新しいツールバーや拡張機能
- ●不審なソフトウェアのインストール
前述したようにアドウェアに感染すると、ポップアップが頻繁に表示されたり、PCの動作が遅くなったりします。
他にも、検索エンジンや特定のWebサイトにアクセスした際、意図しない広告サイトや不審なサイトにリダイレクトされたら、アドウェアに感染している可能性があります。 「覚えのない拡張機能」や「ソフトウェア」がインストールされていた場合も、アドウェアの感染が疑われるので、以下で紹介する「感染しないための対策」に取り組みましょう。
アドウェアに感染しないための対策
アドウェアに感染しないための対策としては、以下の4つが挙げられます。
- 1.信頼できるアンチウイルスソフトを導入する
- 2.フリーソフトのインストールに注意する
- 3.ブラウザ設定を確認し、不要な広告表示を防ぐ
- 4.OS・ソフトウェアを最新にし、脆弱性を放置しない
1.信頼できるアンチウイルスソフトを導入する
信頼性の高いアンチウイルスソフトをインストールし、定期的にシステム全体をスキャンすることで、ウイルスやアドウェアを検出・削除できます。
2.フリーソフトのインストールに注意する
「アドウェアの感染経路」でも説明したように、フリーソフトのインストール時に確認事項をよく読まないことで、アドウェアに感染するリスクが高まります。
対策として
- ●ソフトウェアインストール時に表示される確認事項をしっかり読む
- ●不要なものはチェックボックスのチェックを外す
といったことを意識しましょう。
また、インストール時は「カスタムインストール」や「詳細インストール」を選択しておくと、誤ってアドウェアをインストールする危険性が低減できます。
3.ブラウザ設定を確認し、不要な広告表示を防ぐ
ブラウザの拡張機能を定期的に確認し、不要なものは削除しましょう。
ブラウザのポップアップブロッカーを有効にすることで、不要な広告・ポップアップウィンドウの表示を防ぐことが可能です。
4.OS・ソフトウェアを最新にし、脆弱性を放置しない
OSやソフトウェアに脆弱性(セキュリティ上の欠陥)があると、アドウェアがシステム内に侵入しやすくなるため、OS・ソフトウェアは常に最新の状態に保つことが重要です。
OS・ソフトウェアを最新版にアップデートすることで、セキュリティパッチを適用でき、脆弱性を解消できるためです。
※セキュリティパッチ…OS・アプリケーション・ソフトウェアなどの脆弱性を修正するために、ベンダーが利用者へ定期的に配布するプログラム
アドウェア対策ならLANSCOPEサイバープロテクションにお任せ
対策の部分でも説明したように、アドウェアに感染しないためには「アンチウイルス」の導入が欠かせません。
「LANSCOPE サイバープロテクション」では凶悪なマルウェアを速やかに検知・ブロックする、2種類のAIアンチウイルスを提供しています。
▼2種類のアンチウイルスソリューション
- ● アンチウイルス✕EDR✕監視サービス(MDR)をセットで利用できる「CylanceMDR」
- ●各種ファイル・端末に対策できる次世代型アンチウイルス「Deep Instinct」
1. アンチウイルス✕EDR✕監視サービス(MDR)をセットで利用可能な「CylanceMDR」
アンチウイルスは、EDRと掛け合わせることで、より強固なエンドポイントセキュリティ体制を確立できます。 しかし実際「EDRによるセキュリティ監視に手が回らない」という声も多く、アンチウイルスとEDRの併用が出来ていないケースも少なくありません。
- ● アンチウイルスとEDRを併用したい
- ●なるべく安価に両機能を導入したい
- ●しかし運用面に不安がある
そういった方におすすめしたいのが、アンチウイルスを中心に3つのサービスを提供する「Cylanceシリーズ」です。
- 1. 最新のアンチウイルス「CylancePROTECT」
- 2. EDR「CylanceOPTICS」
- 3. EDRを用いた運用監視サービス「CylanceMDR」
の3つをお客様の予算やご希望条件に応じて提供します。高精度なアンチウイルス・EDRを併用できる上、セキュリティのプロが24時間365日監視を行うため、より確実にマルウェアの侵入からお客様のエンドポイントを保護します。
またアンチウイルスのみ、アンチウイルス+EDRのみ導入するなど、柔軟なご対応も可能です。
2. 各種ファイル・端末に対策できるNGAV「Deep Instinct(ディープインスティンクト)」
- ●新種のランサムや未知のマルウェアも検知したい
- ●実行ファイル以外の様々なファイルにも、対応できる 製品が良い
- ●手頃な価格で「高性能なアンチウイルス」を導入したい
そういった方には、AIによるディープラーニング機能で、未知のマルウェアを高精度にブロックする、次世代型アンチウイルス「Deep Instinct(ディープインスティンクト)」がおすすめです。
近年の攻撃者は、セキュリティ製品の検知を逃れるため、実行ファイルだけでなくExcelやPDF・zipなど、多様な形式のマルウェアを生み出します。 しかしファイル形式を問わず対処する「Deep Instinct」であれば、これらのマルウェアも高い精度で検知・防御が可能です。
また1台あたり月額300円(税抜)から利用できる、手ごろな価格設定も魅力です、ぜひ以下の製品ページよりご覧ください。
アドウェアに感染したかも……事後対応なら「インシデント対応パッケージ」にお任せ
「PCがマルウェアに感染してしまったかも」
「システムへ不正アクセスされた痕跡がある」
このようにサイバー攻撃を受けた”事後”に、いち早く復旧するためのサポートを受けたい場合は、プロがお客様に代わって脅威に対処する「インシデント対応パッケージ」の利用がおすすめです。
フォレンジック調査のスペシャリストがお客様の環境を調査し、感染状況と影響範囲を特定。マルウェアの封じ込めをはじめとした復旧支援に加え、今後どのように対策すべきかのアドバイスまで支援いたします。
「自社で復旧作業を行うのが難しい」「マルウェアの感染経路や影響範囲の特定をプロに任せたい」というお客様は、是非ご検討ください。
まとめ
本記事では「アドウェア」をテーマに、その概要や対策について解説しました。
▼この記事を要約すると
- アドウェアとは、「広告(advertisement)」と「ソフトウェア(ware)」を組み合わせた言葉であり、広告を表示させて収益を得ることを目的としたソフトウェア
- アドウェアには、無害なアドウェア・悪意のあるアドウェア・PUP/PUAが存在する
- アドウェアの主な感染経路として「不正なWebサイトの閲覧」「フリーソフトのインストール」「ブラウザの拡張機能のインストール」「広告、ポップアップのクリック」などが挙げられる
- アドウェアに感染した場合、「ユーザー体験が低下する」「システムパフォーマンスが低下する」「プライバシー侵害のリスクがある」といった被害が想定される
- 「ポップアップの頻繁な表示」「勝手なブラウザの設定変更」「端末やネットワーク動作の鈍化」「見覚えのないツールバーや拡張機能」「不審なソフトウェアのインストール」といった兆候はアドウェアに感染している可能性が高い
- アドウェアの削除方法としては、「アドウェアをアンインストール」「削除ツールの活用」「端末の初期化」などがある
- アドウェアへの対策として、「アンチウイルスソフトの導入」「ソフトウェアインストール時の規約・確認事項のチェック」「ブラウザ設定を確認し、不要な広告表示を防ぐ」「OS・ソフトウェアの定期的なアップデート」などが有効
アドウェアに感染すると、ユーザーにとって迷惑な広告の表示やパフォーマンスの低下につながるだけでなく、プライバシーに関する重大なリスクをもたらすことがあります。
企業はこれらのリスクを避けるため、厳格なセキュリティ対策を日頃から徹底することで、アドウェアによる潜在的な脅威からデータを保護し、業務の安全性と効率性を確保しましょう。

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