Written by 武藤 諒
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版プロダクトマネージャーとして、製品ロードマップの策定や販売計画の立案、マーケティング活動に従事。またMOTEX製品のプロダクトマーケティングにも従事。
目 次
・「働き方改革」の明暗
・モバイルデバイス管理のトレンドの変化
・活用事例① サテライトオフィスを試験導入!外勤営業の行動管理に位置情報を活用
・活用事例② 操作ログを勤怠管理システムに突合
・拡がるLanScope Anの活用
「働き方改革」の明暗
昨今「働き方改革」を推進・検討する企業様がますます増えているように感じます。その中で従来、従業員に貸与していたフィーチャーフォンを、機種変更のタイミングでスマートフォンにしたり、タブレットを新規に貸与して、客先訪問前のすき間時間や移動時間などコマ切れの時間を有効活用するなど、新たな取り組みをすでに開始している企業様も多いのではないでしょうか。またスマホやタブレットを導入したことで、場所を問わず仕事ができるため、突発的な帰宅が必要な場合でも業務を継続することが可能となり、客先への直行や客先からの直帰もこれまで以上にしやすくなるというメリットも生まれました。
一方で業務用デバイスの紛失をはじめとするセキュリティ対策における課題、社内に戻らず仕事をする機会が多くなることによって勤務状況が見えなくなるなど、これまで直面することの無かった課題も発生してきています。今回はデバイス管理のトレンドの変化と、LanScope Anをご利用いただいているお客様の事例をもとに「LanScope An ? 働き方改革」の活用事例をご紹介いたします。
モバイルデバイス管理のトレンドの変化
2020年1月にWindows7の延長サポートが終了します。Windows10への移行が迫られる中、持ち出すことを前提にした軽いノートPCや2in1のWindowsタブレットを検討するお客様も増えています。実際、LanScope Anの管理下にあるWindows OSの割合は一昨年と昨年を比較し、25%伸長しています[図1]。
[図1]LanScope An OS別シェア(2016年度・17年度)
これまではパソコンの管理=LanScope CatのようなIT資産管理ツールを導入することが市場の基本でした。しかしIT資産管理ツールには位置情報の自動取得やリモートロック・ワイプ機能など、紛失時に必要な機能が実装されていません。そのためMDM(Mobile Device Management)であるLanScope Anを管理ツールとして採用する、もしくはIT資産管理ツールと合わせてLanScope Anで管理することを検討するお客様が増えていることが昨今のモバイルデバイス管理のトレンドとなっています。
Windowsデバイスの管理に、LanScope Anを採用する代表的な理由としては、BitLockerを活用したデバイスの紛失対策です。今や5社に4社がドライブ暗号化にBitLockerを採用するという状況になりました[図2]。
[図2]BitLocker機能の利用方針
LanScope Anでは、BitLocker設定時に事前に払い出される48桁の回復用のキーを自動取得します[図3]。
[図3]デバイス詳細画面
従来はこのキーを印刷するか、ファイルとして外部ドライブに保存するなど、デバイス毎にキーを保存・管理する必要がありました。LanScope Anでは管理用エージェントをインストールするだけで、回復用のキーを自動取得するため、管理工数が大幅に削減できます。
また万が一の紛失時には、リモートワイプを実行することでデバイス内に保存されている BitLockerの回復キーを遠隔で消去し、ドライブにアクセスできない状態にします。紛失デバイスを発見した際には、48桁の回復キーをデバイス側で入力すれば、元通り利用が可能です。BitLockerとLanScope Anの活用で、デバイスをセキュアな環境に保ち、且つ効率的な管理を実現します。
活用事例① サテライトオフィスを試験導入!外勤営業の行動管理に位置情報を活用
ある製造業のお客様では、3年前にフィーチャーフォンから iPhone へ機種変更を行い、今年に入りiPad を貸与、自社製品説明用のカタログやチラシをデータ化し、iPad で確認できるよう整備しました。さらにこのお客様は“働き方改革”の施策の一つとして、外勤営業がオフィスに戻らなくても、効率的に仕事に取り組めるよう、サテライトオフィスを試験導入。直行直帰も推奨しており、これまで以上に外勤営業の行動管理が必要と感じた同社は、LanScope Anで業務時間中の位置情報を自動取得し、マネージャーが自部門のメンバーの位置情報のみ確認できるよう管理面も整備しました[図4]。
[図4]位置情報(移動履歴)画面
活用事例② 操作ログを勤怠管理システムに突合
勤怠管理システムの出退勤記録とパソコンのログオン・ログオフログと突き合わせて、実際の業務時間と齟齬が発生していないか、確認している企業様も多いのではないでしょうか。この取り組みの対象範囲をスマホまで拡げることを検討しているお客様も増えています。LanScope Anではデバイスの利用ログと電話の発着信ログを取得し、管理コンソール上で確認できるほか[図5]、取得したログを一括出力することも可能です。あるお客様では、取得したログから出退勤記録と突き合わせを行い、記録と齟齬が無いか確認を行う運用を開始されています。
[図5]操作ログ取得(Android)画面
拡がるLanScope Anの活用
働き方改革の推進やWindows10への移行など、私たちが日々利用するデバイスの多様化とともに、LanScope Anの活用事例はこれまで以上に多様になってきています。
例えば位置情報は紛失時の対策として、操作ログは導入したデバイスの適正利用(業務外操作を抑止する効果)や費用対効果把握のために利用することが一般的でした。しかし「働き方改革」という時代の流れから、これまで利用していた機能、取得していた情報の「使い方」を再検討し、新しい運用を実践しようとしているお客様が増えています。
LanScope Anは、目まぐるしく変化するモバイル管理のトレンドを捉え、今後もサービスを提供して参ります。
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