Written by 阿部 欽一
目 次
Windows10のサポートは、2025年10月14日をもって終了することが発表されています。
そのため、Windows11へのアップグレードを検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Windows11にアップグレードすることで追加される機能やメリット、具体的なアップグレード方法などを解説します。
▼本記事でわかること
- Windows11の機能
- Windows11にアップグレードするメリット
- Windows11にアップグレードする際の注意点
- Windows11へのアップグレード方法
「Windows11で使える機能が知りたい」「そもそもアップデートしたほうがよいのか迷っている」という方はぜひご一読ください。
また、本記事では、業務で利用するWindows PCの効率的な管理に役立つIT資産管理・MDMツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」についてもご紹介します。
企業・組織のセキュリティ強化を目指す方は、ぜひご確認ください。

3分で分かる!
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
PC・スマホをクラウドで一元管理できる「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」とは?についてわかりやすく解説します。機能や特長、価格について知りたい方はぜひご活用ください。
Windows11の機能
Windows11から利用できるようになった、もしくはアップグレードされた主な機能は以下の通りです。
- スタートメニューのカスタマイズ機能
- マルチディスプレイ機能
- ウィジェット機能
- 仮想デスクトップ機能
- スナップ機能
- Androidアプリの実行
- Microsoft Teamsの標準搭載
- セキュリティ機能
ひとつずつ解説します。
スタートメニューのカスタマイズ機能
Windows11では、「スタートメニュー」が従来の左端から画面中央に移動しています。
さらに「スタートメニュー」をクリックすると、ピン留めされたアプリと「おすすめ」のみが表示されるようになったため、利用頻度の高いアプリを手早く起動することが可能になりました。
また「おすすめ」には、最近利用したファイルやアプリが自動的にリストアップされます。
なお、従来通り「スタートメニュー」を左下に配置したい場合は、設定から変更することも可能です。
出典:Microsoft|Windows 11 を発表(2021年6月25日)
マルチディスプレイ機能
Windows11では、マルチディスプレイの機能が強化されました。
ディスプレイの設定項目に「ディスプレイ間でカーソルを簡単に移動させる」という項目が追加され、これをオンにすることで、解像度が異なるモニター間のカーソル移動もスムーズにおこなえます。
さらに、「モニターの接続に基づいてウィンドウの位置を記憶する」をオンにすると、モニターの接続状況ごとにウィンドウの位置を記憶し、再接続時も自動で位置を復元することができます。
スリープ状態からの復帰もより安定したため、設定状態を維持したまま、スムーズに業務を再開することができます。
ウィジェット機能
Windows11には、カレンダーや天気、ニュースなど、ユーザーが必要とする情報を手軽に表示できる「ウィジット機能」が追加されました。
表示できる情報の例は、以下の通りです。
- カレンダー
- 天気
- 交通情報
- スポーツ
- 株価情報
出典:Microsoft|Windows 11 を発表(2021年6月25日)
さらに、「Microsoft To Do リスト」や「OneDriveの写真」なども設定で表示させることが可能です。
ウィジェット機能は、以下の3種類の方法で呼び出すことができます。
- タスクバー上の「ウィジェット アイコン」をクリックする
- タッチ操作で左から右へスワイプする
- [Windows]+[W]キーで呼び出す
ウィジェット機能が不要な場合は、設定から非表示にすることも可能です。
仮想デスクトップ機能
Windowsには、複数のデスクトップを切り替えて利用できる仮想デスクトップ機能が搭載されています。
この仮想デスクトップはWindows10でも使用できましたが、Windows11ではさらに、デスクトップごとに壁紙や名前を設定することが可能になり、利便性が向上しています。
仮想デスクトップは、タスクバーに表示されている「タスクビューボタン」をクリックすることで簡単に起動できます。
スナップ機能
Windows 11では、マルチタスクを支援する目的から、ウィンドウを整列させる「スナップレイアウト」の機能が新たに搭載されました。
複数のタスクを同時に遂行する際や、複数の画面を照らし合わせて確認したい際など、複数のウィンドウを同時に見やすい画面レイアウトに簡単に調整することが可能です。
出典:Microsoft|Windows 11 を発表(2021年6月25日)
Microsoft Teamsの標準搭載
Windows 11では、「 Microsoft Teams 」の機能が標準搭載されました。
タスクバーから直接起動できるようになったため、従来よりも簡単に手軽にコンタクトをとることが可能になるでしょう。
出典:Microsoft|Windows 11 を発表(2021年6月25日)
Androidアプリの実行
Windows 11では、新たに一部のAndroidアプリが利用できるようになりました。
Amazon提供の「Amazon Appstore」というWindows用アプリを「Microsoft Store」からダウンロードすることで、アプリストアから好みのAndroidアプリを自由にインストールできます。
出典:Microsoft|Windows 11 を発表(2021年6月25日)
Copilot in Windows 機能
Windows 11では、OpenAIの提供する大規模言語モデル「GPT-4」を活用した「Copilot in Windows」が標準搭載されています。
Copilot in Windows を活用することで、情報収集や文章の作成・要約、画像生成などを簡単におこなえるようになりました。
たとえば、ビジネスメールの作成や文章の要約、また、PCの設定変更などに加えて、検索エンジン「Microsoft Edge」で検索した英語の PDF に対して、「この記事から TOEIC 730 点レベルの単語だけを抽出して」などの指示を出すことも可能です。
Copilot in Windowsでは、この指示に対して、該当する単語を抽出し、かつ例文まで提示してくれます。
▼Copilot にて「TOEIC 730点」レベルの英単語抽出を依頼する事例
出典:Microsoft│Microsoft Copilot (現 Bing Chat、Copilot in Windows) を 12 月 1 日より正式提供開始。個人のお客様向け機能の紹介
そのほか、「PCの壁紙を変更したい」「集中できる音楽を流してほしい」「PCの不具合を突き止めてほしい」といった希望も、「Copilot in Windows」に投げかけるだけで、関連するアプリケーションをAIが提案してくれます。
セキュリティ機能
Windows 11では、Microsoftアカウントの初期設定時から、パスワード入力を用いず、顔認証や指紋認証などの生体認証を利用できるようになりました。
また、TPM(Trusted Platform Module)2.0 チップの搭載も必須化されました。
TPMは、PCのマザーボードやCPUに組み込まれることで、暗号化キーやユーザー資格情報、そのほかの機密データをハードウェア内で保護し、マルウェアや攻撃者がアクセスしたり改ざんしたりできないようにするハードウェアベースのセキュリティ機能です。
さらにTPM 2.0は、「Windows Hello」などの生体認証や、「BitLocker」などのドライブ暗号化のセキュリティ機能に重要な要素となり、デバイスやユーザーなどのID保護を強化します。
設定した整体情報はサーバーには保存されず、TPM2.0を利用してローカルに保存されるため、安全に管理することが可能です。
Windows11にアップグレードするメリット
Windows11にアップグレードすることで、以下のようなメリットが期待できます。
- セキュリティ機能が強化される
- 利便性が向上する
詳しく確認していきましょう。
セキュリティを強化できる
Windows10のサポートは、2025年10月14日をもって終了することが発表されています。
サポート期限を過ぎたOSは、アップデートによる脆弱性の修正がおこなわれなくなるため、セキュリティが脆弱になります。
セキュリティを強化し、より安全な状態での使用を希望する場合は、Windows11へのアップグレードを検討しましょう。
また、Windows11にアップグレードすることで、前述した通り、データの抜き取りに対抗できるTPMや起動途中の乗っ取りを防止するセキュアブートなど、新たなセキュリティ機能を追加することもできます。
利便性が向上する
Windows11では、「Copilot in Windows」や「Microsoft Teams」が標準搭載されたり、マルチタスクを支援するスナップ機能が追加されたりなど、業務の効率化をサポートする機能が追加されました。
また、仮想デスクトップやマルチディスプレイなど、Windows10にも搭載されていた機能がより便利にアップグレードされています。
新機能をうまく活用することで、業務効率化を図ることができるでしょう。
Windows11にアップグレードする際の注意点
「本当にWindows11へ移行して問題ないか」「そもそも11に変更できるのか」を判断するため、アップグレード時に気をつけるべき3つの注意点について解説します。
- Windows10と使用感が異なる
- 使えなくなる機能がある
- システム要件を満たす必要がある
詳しく確認していきましょう。
Windows10と使用感が異なる
Windows11へのアップグレードでは、便利な機能や操作性が追加される一方で、Windows10からの仕様変更が多くあるため、「使いづらい」「慣れない」といった印象を抱く恐れがあります。
Windows 10からWindows11への移行で違和感を抱く可能性のある変更点の例は以下の通りです。
- スタートメニューの移動(左下から中央へ)
- 右クリックで表示されるメニュー(コンテキストメニュー)の簡略化
- エクスプローラー上部のリボン(設定)の簡素化
- 「タスクマネージャー」がタスクバーから表示できない
出典:Microsoft|Windows でのエクスプローラー
ただし「スタートメニューの位置」や「右クリックメニュー(コンテキストメニュー)の内容」は、別途操作をおこなうことでWindows10と同じ仕様に変更することが可能です。
必要に応じて設定を変えることで、アップグレード後も違和感なく使うことができるでしょう。
使えなくなる機能がある
Windows11では、10以前に搭載されていた下記のような機能が使用できなくなります。
- 数式入力パネル(複雑な数式を簡単に入力できる)
- ロック画面の簡易ステータス(ロック画面に天気やメール数などを表示)
- マルチタスクキオスク(複数アプリを実行するキオスクを簡単に作成)
- Cortana(音声アシスト機能)
- タイムライン(過去の利用履歴を参照できる)
これらの機能を頻繁に利用している方は、アップグレードする前に代替案を考えておく必要があります。
アップグレードしたことで、業務効率が悪化するということがないように注意しましょう。
システム要件を満たす必要がある
ここまでWindows11のアップグレードに関して解説しましたが、そもそも現在のPCが必要なシステム要件を満たしていなければ、Windows11へアップグレードすることができません。
システム要件とは、PCの「プロセッサ」や「メモリ」「ストレージ容量」などを指します。
▼Windows11 アップグレートに必要な「最小のシステム要件」
プロセッサ | 1 GHz (ギガヘルツ) 以上かつ 2コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC) |
---|---|
メモリ | 4 ギガバイト (GB)以上 |
ストレージ | 64 GB 以上の記憶装置 |
システムファームウェア | UEFI必須かつセキュア ブート対応 | TPM | トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0必須 |
グラフィックカード | DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応 |
ディスプレイ | 対角サイズ 9 インチ以上で 8 ビット カラーの高解像度 (720p) ディスプレイ |
インターネット接続 | 個人向け Windows 11 Pro と Windows 11 Home は、初期設定時にインターネット接続と Microsoft アカウントが必要 |
出典:Microsoft|Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する
利用中のデバイスがアップグレードの対象となっているかどうかは、「Windows Update」の「更新プログラムのチェック」を押すと確認できます。
もしくは公式サイトの提供する「Windows PC 正常性チェック アプリ」を使用することで、ご利用中のPCが Windows11 にアップグレードできるかを確認することが可能です。
Windows11へのアップグレード方法
ここでは、「Windows Updateからアップグレードする方法」と「インストールアシスタントツールを使ってアップグレードする方法」の2つを紹介します。
Windows Updateからアップグレードする方法
Windows Updateからアップグレードする手順は以下の通りです。
- 「設定」から「Windows Update」を選択する
- 「更新プログラムの確認(チェック)」をクリックする
- Windows11をダウンロードしてインストールする
インストールアシスタントを使ってアップグレードする方法
Microsoftは、Windows11インストールアシスタントを提供しており、これを使ってアップグレードすることもできます。
手順は以下の通りです。
- Microsoft公式サイトの「Windows 11 のダウンロードページ」からインストールアシスタントをダウンロードする
- ダウンロードファイルを実行する
- ライセンス条項に同意してインストールする
- 再起動してアップグレードを完了させる
Windowsアップデートの効率的な管理が可能には「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」
MOTEX(エムオーテックス)が提供する「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、Windowsアップデートの効率的な管理の実現をサポートする、IT資産管理・MDMツールです。
Windowsアップデート管理に関して、以下のような機能を備えています。
- 最新のWindowsアップデート(機能更新プログラムや品質更新プログラムなど)が未適用のデバイスを、管理画面で一覧表示
- 配信日時や表示メッセージ等、細やかな設定に基づく、Windowアップデートの一括配信
- デバイスがインターネットに接続されていれば、社内ネットワークにアクセスしない社外利用のデバイスも管理が可能
- Windowsアップデートの配信後の成功・失敗の把握
アップデートの適用状況把握から配信までをワンストップで管理
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版 では、Microsoft社が提供する「機能更新プログラム」(Feature Update[FU])や「品質更新プログラム」(Quality Update[QU])の適用状況を管理画面より把握し、パッチ・更新プログラムを配信するまでを、ワンストップでおこなえます。
▼LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版で「未適用デバイス」を一括確認
▼更新プログラム・パッチの配信日時・メッセージを設定し、配布を実行
管理者側でアップデートの配信・適用まで一括で操作できるため、従業員のリテラシーに左右されないパッチ管理が可能です。
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版についてより詳しく知りたい方は、下記の製品ページまたは、資料をご確認ください。

3分で分かる!
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
PC・スマホをクラウドで一元管理できる「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」とは?についてわかりやすく解説します。機能や特長、価格について知りたい方はぜひご活用ください。
まとめ
本記事では、Windows 11の主な機能やアップグレードするメリット、アップグレード時の注意点などについて解説しました。
本記事のまとめ
- Windows11では「Copilot in Windows」や「Microsoft Teams」が標準搭載され、マルチタスクを支援するスナップ機能なども追加される
- Windows11にアップグレードすることで、「セキュリティの強化」「利便性の向上」が期待できる
- Windows11に移行することで、使えなくなる機能などもあるため、業務で頻繁に利用している機能が該当する場合は注意が必要
企業でアップグレートを検討している場合は、マイクロソフトが公開しているWindows 11 のをスムーズかつ計画的に導入するための「企業向けのベスト プラクティス」を参考にすると良いでしょう。
またIT資産管理・MDMツールである「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」を使用すれば、従業員が利用しているPCの「定期的なWindowsアップデート」を効率的に管理できるようになります。
「Windows PCの管理に課題がある」企業・組織の方は、ぜひ下記の資料もあわせてご確認ください。

3分で分かる!
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
PC・スマホをクラウドで一元管理できる「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」とは?についてわかりやすく解説します。機能や特長、価格について知りたい方はぜひご活用ください。
Windows11に関するよくある質問
Windows 11へ移行する際に確認しておきたいポイントを4つ紹介します。
Q1.Windows 11へのアップグレード所要時間は?
アップグレードにかかる時間は、ネットワークの通信速度やパソコン本体のスペックによって異なります。
目安としては「ダウンロードに1.5~2時間」「再起動に0.5~1時間」ほどを見ておくと良いでしょう。
また、ダウンロード中に PC を使うことも可能ですが、作業中のアップグレードを避けたい場合は、PCを使用しない時間を事前指定してアップグレードを進めることができます。
Q2.Windows10で保存した個人ファイルは、11にも移行できる?
基本的には、Windows11のインストールと共に個人のファイル・データも移行されます。
しかし、万が一のトラブルに備えて、アップグレード前には必ずバックアップをおこなうことが推奨されます。
ファイルを OneDrive に同期している場合は、アップグレードをおこなっても、アカウントへのサインインすることで、データを引き継げます。
Q3.アップグレード後にWindows10へ戻すことはできる?
Windows 11 にアップグレード後、10日以内であればデータとファイルを保持したままでWindows 10 に戻すことが可能です。
回復手順は以下のとおりです。
- [スタート] ボタンを選択する
- [設定] > [更新とセキュリティ] > [回復] の順に選択し、[前のバージョンの Windows 10 に戻す] の下の [開始する] を選択する
また、仮に10日以上経過してしまった場合でも、USBメモリなどにインストールメディアを作成してから「クリーンインストール」を実施することで、Windows 10へバージョンを下げることが可能です。
出典:Microsoft|以前のバージョンの Windows に戻る
Q4. Windows 8.1を使用している場合の対応方法は?
Windows8.1は、2023年1月10日にサポートが終了しているため、速やかにアップグレートをおこなうことが推奨されます。
デバイス本体がWindows11へのアップグレード要件を満たしていない場合は、利用環境に応じて以下の対応を実施しましょう。
- Windows11に対応するデバイスへPCを切り替える(推奨)
- 早急にWindows10へアップグレードをおこない、タイミングをみてWindows11の対応端末へ切り替える
また、 Windows 10 のサポートも、2025 年 10 月に終了することが発表されています。
そのため、2025 年10 月14 日以降は、Windows Update を介したWindows 10の無料ソフトウェア更新プログラム、テクニカルサポート、セキュリティ修正プログラムが、Microsoft から提供されなくなります。
安全にPCを利用するためにも、Windows 11 に移行することを検討しましょう。
おすすめ記事