IT資産管理

企業が実施すべき情報漏洩対策14選!なぜ情報漏洩は減らないのか?

Written by WizLANSCOPE編集部

企業が実施すべき情報漏洩対策14選!なぜ情報漏洩は減らないのか?

近年、情報漏洩事故は依然として多く発生しており、企業・組織にとって深刻な経営リスクとなっています。

万が一、情報漏洩が発生した場合、社会的信用の低下に加え、損害賠償請求や取引停止など、企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に近年は、クラウドサービスや生成AIの普及により、情報漏洩のリスクや経路がこれまで以上に多様化しています。

情報漏洩を防ぐためには、まずは原因を正しく理解し、そのうえで適切な対策を講じることが重要です。

本記事では、情報漏洩が発生する主な原因や実際の事例、さらに企業が実施すべき情報漏洩対策についてわかりやすく解説します。

▼本記事でわかること

  • 情報漏洩の主な原因
  • 近年の情報漏洩事例
  • 企業が行うべき情報漏洩対策
  • 情報漏洩発生時の対処法

「具体的にどのような対策が有効なのか知りたい」「情報漏洩対策を強化したい」という企業・組織の方は、ぜひご一読ください。

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情報漏洩事故は高水準で推移


情報漏洩の主な原因について解説する前に、まずは近年の情報漏洩の状況を確認しておきましょう。

東京商工リサーチの調査によると、2025年に公表された上場企業の個人情報漏洩・紛失事故は180件となり、前年より減少したものの、依然として高い水準で推移しています。
上場企業の個人情報漏えい・紛失事故の年次推移

出典:東京商工リサーチ|2025年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2026年1月30日)

また、漏洩した個人情報の規模は拡大傾向にあり、2025年の漏洩人数は合計3,063万6,910人分にのぼりました。これは前年の約2倍にあたります。

さらに近年は、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の高度化に加え、内部不正やメールの誤送信、委託先管理の不備など、情報漏洩の要因も多様化しています。

こうした状況を受け、従来の「社内と社外を分ける」という境界型セキュリティでは十分とはいえなくなっています。

現在では、「すべてのアクセスを信用しない」というゼロトラストの考え方を取り入れながら、技術的対策だけでなく、アクセス制限の管理や従業員教育、運用ルールの整備など、多層的な対策を行うことが求められています。

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情報漏洩の原因


情報漏洩は、さまざまな要因によって発生します。主な原因としては、以下の3つが挙げられます。

  • 外部攻撃
  • 人的ミス
  • 内部不正

情報漏洩を防ぐためには、まず原因を正しく理解することが重要です。

それぞれの内容について確認していきましょう。

外部攻撃

情報漏洩の原因のなかでも、多くを占めるのが外部攻撃です。

攻撃者はさまざまな手法を用いて、企業・組織が保有する機密情報や個人情報を盗み出そうとします。

主な攻撃手法としては、以下のようなものがあります。

標的型攻撃 ・特定の企業・組織を狙い、悪意あるファイルやリンクを含むメールを送信してマルウェアに感染させ、機密情報を盗み出す
フィッシング攻撃 ・公的機関や大手企業を装ったメールやSMSなどを送り、偽サイトへ誘導してIDやパスワードなどの認証情報を盗み取る
ゼロデイ攻撃 ・修正プログラムが配布されていない脆弱性を悪用し、不正アクセスやマルウェア感染を引き起こす
サプライチェーン攻撃 ・取引先や子会社など、セキュリティ対策が比較的手薄な企業を経由して標的企業へ侵入し、情報を窃取する
ディープフェイクの悪用 ・生成AIで作成した音声や動画を使い、経営層や取引先になりすまして不正送金や機密情報の取得を狙う
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人的ミス

従業員の不注意や確認不足、ルール違反などの人的ミスをきっかけとして、情報漏洩が発生するケースも少なくありません。

人的ミスによる情報漏洩の例としては、以下が挙げられます。

メールの誤送信 ・宛先を間違えて送信する
・誤ったファイルを添付する
不適切な情報資産の廃棄 ・重要書類をシュレッダー処理せず廃棄する
・USBメモリやモバイルデバイス内のデータを削除せず処分する
クラウドサービスの設定ミス ・クラウド上の重要データが誰でも閲覧できる状態になっている
・アクセス権限の設定を誤る
置き忘れ・紛失 ・業務用PCやUSBメモリ、書類などを社外で紛失する
・スマートフォンなどのモバイルデバイスを置き忘れる
生成AIへの機密情報入力 ・生成AIに顧客情報や社外秘データを入力してしまう
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内部不正

外部からの攻撃だけでなく、従業員や元従業員、委託先担当者など、内部関係者による不正行為を起点として情報漏洩が発生するケースもあります。

例えば、退職者が顧客情報や営業資料を持ち出したり、機密情報を不正利用・売却したりするケースが挙げられます。近年では、転職先への情報持ち出しが問題となる事例も増えています。

内部不正は正規アカウントを利用して行われるケースが多いため、外部攻撃と比べて発見が遅れやすく、被害が長期化・深刻化しやすい点が特徴です。

そのため、アクセス権限の最小化やログ監視、データ持ち出し制御、退職時のアカウント管理など、内部不正を前提とした対策が重要となります。

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なぜ情報漏洩は減らないのか?


セキュリティ対策の重要性は年々高まっており、多くの企業・組織が積極的に対策強化へ取り組んでいます。

しかし、その一方で情報漏洩事故は依然として多く発生しています。この理由の一つとして、企業が管理すべき情報管理やシステムの範囲が拡大している点が挙げられます。

近年は、Webアプリケーションやクラウドサービスの普及により、複数のツール・システムを併用することが一般的になりました。さらに、生成AIの業務利用も拡大しており、情報の共有・入力経路はこれまで以上に多様化しています。

これに伴い、アクセス権限や設定管理は複雑化しており、わずかな設定ミスや管理不備が情報漏洩につながるリスクも高まっています。

また、業務委託や外部パートナーとの連携が増加したことで、自社だけでなく、取引先や委託先も含めた広範なセキュリティ管理も重要になっています。

しかし、すべての関係先で同等のセキュリティレベルを維持することは容易ではなく、管理上の「抜け穴」が発生しやすい状況になっています。

加えて、人的ミスや内部不正といった本質的なリスクも依然として存在しています。どれだけ高度なセキュリティ対策を講じても、ヒューマンエラーや内部関係者による不正行為を完全に防ぐことは困難です。

さらに、サイバー攻撃そのものも年々高度化・巧妙化しており、防御側には継続的な対策の見直しと更新が求められています。

このように、情報管理の複雑化とリスクの多様化、そして攻撃側手法の進化が重なり合うことで、情報漏洩は依然として発生しやすい状況にあります。

今後は単一の対策に依存するのではなく、技術・組織・人の観点を横断した包括的なセキュリティ対策が重要になります。

近年の情報漏洩事例


外部攻撃による情報漏洩事故は、現在も数多く発生しています。

特に近年は、ランサムウェアや標的型攻撃などのサイバー攻撃が高度化しており、業務停止や情報流出、信用低下など、企業活動へ深刻な影響を及ぼすケースも少なくありません。

ここでは、実際に発生した情報漏洩の事例を3件紹介します。

大手飲料メーカーにおけるランサムウェア被害の事例

2025年9月、大手飲料メーカーがランサムウェア攻撃を受け、大規模なシステム障害および情報漏洩が発生しました。

この事案では、グループ会社の拠点に設置されていたネットワーク機器を経由して攻撃者が侵入し、その後、主要データセンターにも不正アクセスが行われました。

データセンター侵入後、攻撃者は認証管理の脆弱性を悪用して管理者権限を奪取し、ランサムウェアを組織内に拡散しました。

これにより、データセンター内のサーバーや、データセンターとつながっていたPCなどが暗号化されたほか、一部PC内のデータやサーバー上に保管されていた情報の漏洩も確認されています。

漏洩した情報には、退職者を含む従業員の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報や、取引先の役員・従業員・個人事業主の情報など、約11万件が含まれていました。

また、システム停止の影響により受注・出荷業務にも支障が発生し、売上が大幅に減少するなど、情報漏洩にとどまらず事業全体へ深刻な影響を及ぼしました。

大手自動車メーカーにおける不正アクセスの事例

2026年3月、大手自動車メーカーが不正アクセス被害を受け、個人情報が漏洩する事件が発生しました。

情報漏洩の原因は、倉庫業務で利用していた管理システムに存在していた未修正の脆弱性を悪用されたことによるものでした。

これにより、当該企業だけでなく、グループ会社や取引先の従業員の氏名、メールアドレス、会社名など、約700件の個人情報が漏洩したことが確認されています。

当該企業は再発防止策として、接続元の制限や修正プログラムの迅速な適用、アクセス状況の監視強化などを実施すると発表しています。

電機メーカーにおけるランサムウェア被害の事例

2024年8月、電機メーカーがランサムウェア攻撃の被害を受け、複数のサーバー内のファイルが暗号化されるとともに、個人情報が漏洩する事件が発生しました。

この事案では、システム管理者アカウントのID・パスワードが不正に取得・利用され、業務システムへの不正アクセスが行われたことが原因とされています。

漏洩、または漏洩の可能性があるとされる情報には、取引先関係者や退職者を含む従業員、契約社員の個人情報など、約40万件が含まれています。

現時点で大規模な二次被害は確認されていないものの、漏洩データがリークサイトへ掲載されたことも報告されています。

当該企業は再発防止策として、VPN経由で社内ネットワークへ接続できるユーザーが限定するなど、不正アクセス対策の強化を進めています。

このように、情報漏洩は外部攻撃や認証情報の悪用、設定不備など、さまざまな要因によって発生します。

では、こうしたリスクを防ぐために、企業はどのような対策を講じるべきなのでしょうか。

詳しく確認していきましょう。

企業が実施すべき情報漏洩対策14選


情報漏洩を防ぐためには、単一の対策だけではなく、複数の施策を組み合わせた「多層防御」の考え方が重要です。

ここでは、企業が優先的に取り組むべき14の対策を解説します。

対策名 対策概要
1 >OS・ソフトウェアの最新化 ・セキュリティパッチを迅速に適用することで、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防止する
2 >多要素認証(MFA)による認証強化 ・ワンタイムパスワードや生体認証などを組み合わせた多要素認証を導入し、不正ログインリスクを低減する
3 >エンドポイントセキュリティの強化 ・アンチウイルスやEDRなどでPCやスマートフォンなどのデバイスを保護し、マルウェア感染や不正アクセスを防止する
4 >デバイス管理・持ち出し制御 ・MDMを活用し、紛失・盗難時のリスク低減やデバイス管理の効率化を図る
5 >外部記憶媒体の利用制限 ・USBメモリなどの利用を制限し、不正なデータ持ち出しを防止する
6 >情報セキュリティ教育の実施 ・セキュリティ教育やメール訓練を通じて、従業員のセキュリティ意識を向上させる
7 >ユーザー操作ログの取得・監視 ・操作ログを監視し、不審な挙動や内部不正を早期に検知する
8 >アクセス権限の最小化 ・業務上必要な範囲の権限のみを付与し、情報漏洩リスクを抑える
9 >情報資産の適切な廃棄 ・書類や記憶媒体を復元できない状態で廃棄し、情報流出を防止する
10 >データの分類・暗号化 ・機密性に応じてデータを分類し、重要情報を暗号化する
11 >データ持ち出し・外部送信の制御 ・誤送信対策やDLPを活用し、機密情報の外部流出を防止する
12 >クラウド・共有設定の管理 ・アクセス権限や共有範囲を定期的に見直し、設定不備による情報漏洩を防ぐ
13 >生成AI利用ルールの整備 ・生成AIへの機密情報入力を防ぐため、利用ルールを明確化する
14 >サプライチェーン全体の防御力向上 ・委託先や取引先を含めたセキュリティ対策を強化する

各項目について詳しく知りたい方は、テキストをクリックしてご確認ください。

対策(1):OS・ソフトウェアの最新化

OSやソフトウェアの脆弱性を放置すると、不正アクセスやマルウェア感染などのリスクが高まります。

あらゆるソフトウェアには、開発段階で見落とされた不具合や脆弱性が潜んでいる可能性があり、また、運用を続ける中で、新たな脆弱性が発見されることも珍しくありません。

こうした脆弱性へ対応するため、ベンダーからは「セキュリティパッチ」が配布されます。これを適用することで、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐことができます。

そのためセキュリティパッチは公開後できるだけ早く適用し、脆弱性を放置しないことが重要です。

また、管理対象となるデバイスやシステムが多い場合は、IT資産管理ツールなどを活用し、更新状況を一元管理できる体制を整えることが求められます。

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対策(2):多要素認証(MFA)による認証強化

ID・パスワードのみを利用した認証方式では、仮にパスワードが漏洩した場合に不正アクセスされるリスクが高まります。

近年はクラウドサービスの利用拡大に伴い、認証情報を狙ったフィッシング攻撃や不正ログイン被害も増加しています。そのため、パスワードだけに依存した認証では十分とはいえなくなっています。

こうしたリスクを低減するためには、ワンタイムパスワードや認証アプリ、生体認証などを組み合わせた「多要素認証(MFA)の導入」が強く推奨されます。

多要素認証を導入することで、仮にID・パスワードが漏洩した場合でも、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。

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対策(3):エンドポイントセキュリティの強化

PCやスマートフォン、サーバーといったエンドポイントは、不正アクセスやマルウェア感染の起点となりやすく、情報漏洩につながるリスクがあります。

例えば、業務用PCやスマートフォンがマルウェアに感染した場合、感染デバイスを経由して社内ネットワーク全体へ被害が拡大するケースもあります。

そのため、アンチウイルスソフトによる基本的な対策に加え、EDRを活用し、侵入後の不審な挙動を検知・対応できる体制を整えることが重要です。

近年は、攻撃を完全に防ぐことが難しくなっているため、「侵入される前提」で迅速に検知・対処する考え方が重視されています。

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対策(4):デバイス管理・持ち出し制御の実施

PCやスマートフォンなどの業務用デバイスを適切に管理することで、不正利用や紛失・盗難による情報漏洩リスクを低減できます。

近年は、テレワークやモバイルデバイスの活用拡大に伴い、社外で利用されるデバイス管理の重要性も高まっています。

こうしたデバイス管理を効率的に行う方法として、「MDM(モバイルデバイス管理)」の活用が挙げられます。

MDMを導入することで、デバイスの一元管理が可能となり、操作ログの取得や、カメラ機能・アプリインストールの制限などを実施できます。

さらに、リモートロックやリモートワイプ(遠隔データ消去)にも対応できるため、盗難・紛失時の情報漏洩リスク低減にもつながります。

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対策(5):外部記憶媒体の利用制限

USBメモリや外付けHDDなどの外部記憶媒体は、情報の持ち出しや紛失による情報漏洩リスクにつながる可能性があります。

特に、従業員の私物デバイスを無制限に利用できる状態では、管理が行き届かず、リスクが高まります。

そのため、外部記憶媒体の利用は原則禁止とすることが推奨されます。

ただし、業務上どうしても利用が必要な場合は、以下のような運用ルールを整備することが重要です。

  • 暗号化や操作ログ取得を必須とする
  • 利用申請制とし、許可された媒体のみ使用可能とする
  • 持ち出し・返却ルールを明確化する

対策(6):情報セキュリティ教育の実施

どれだけ高度なセキュリティツールを導入していても、従業員の情報セキュリティに対する理解や運用ルールの徹底が不十分な場合、情報漏洩が発生するリスクは高まります。

そのため、最新のサイバー攻撃手法や情報の取り扱いルール、生成AI利用時の注意点などについて、継続的に教育を実施し、従業員全体のセキュリティリテラシーを向上させることが重要です。

また、フィッシングメールや標的型攻撃メールへの対応力を高めるためには、座学だけでなく、実際の攻撃を想定したメール訓練を実施することも効果的です。

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対策(7):ユーザー操作のログ取得・監視

PCやスマートフォンなどの操作ログを取得・監視することで、セキュリティインシデントの早期発見や内部不正の抑止につながります。

操作ログには、「誰が・いつ・どの情報へアクセスしたか」といった情報が記録されます。

これらを継続的に監視することで、不審なアクセスや通常とは異なる挙動を早期に検知できるようになります。

また、操作ログを取得・監視していることを従業員へ周知することで、不正行為への心理的な抑止効果も期待できます。

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対策(8):アクセス権限の最小化・最適化

すべてのユーザーに広範なアクセス権限を付与すると、情報漏洩や内部不正のリスクが高まります。

そのため、「業務上必要な範囲の権限のみを付与する」という最小権限の原則を徹底することが重要です。

また、人事異動や退職、業務変更に応じて定期的に権限を棚卸しし、不要なアカウントや過剰な権限を見直すことも欠かさずに実施しましょう。

対策(9):情報資産の適切な廃棄

機密情報は、PCやスマートフォン内のデータだけでなく、紙の書類やUSBメモリ、外付けHDDなど、物理的な媒体にも保存されています。

こうした情報資産が適切に廃棄されていない場合、第三者による情報の持ち出しや不正取得につながるリスクがあります。

実際に、廃棄された書類や記憶媒体から情報が流出するケースも発生しています。

そのため、情報資産を廃棄する際は、書類のシュレッダー処理や、記憶媒体の物理破壊・専用ツールによるデータ消去などを行い、情報を復元できない状態にすることが重要です。

また、廃棄対象が大量にある場合や、より確実な処理が求められる場合は、専門の廃棄業者へ依頼し、データ消去証明書や廃棄証明書を取得することも有効です。

対策(10):データの分類・暗号化の実施

企業・組織が保有するデータは、すべてを同じセキュリティレベルで管理するのではなく、機密性や重要度に応じて分類し、それぞれに適した管理を行うことが重要です。

特に、顧客情報や機密文書など、漏洩時の影響が大きいデータについては、暗号化やアクセス制限を実施し、適切に保護する必要があります。

また、データ分類を行うことで、「誰が・どの情報へアクセスできるか」を明確化しやすくなり、過剰な権限付与や情報の不用意な共有を防ぐことにもつながります。

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対策(11):データの持ち出し・外部送信の制御

メールの誤送信やクラウドサービスへの誤ったアップロードは、情報漏洩につながる代表的な原因の一つです。

こうしたリスクを防ぐためには、送信前の確認プロセスを設けるほか、不審な送信や機密情報を含むファイルの外部共有を自動的に検知・制御できる仕組みを導入することが有効です。

また、重要データそのものを監視・保護する「DLP(Data Loss Prevention)」を活用することで、機密情報の持ち出しや外部送信を技術的に制御できます。

近年は、メールやクラウドストレージだけでなく、生成AIツールへの機密情報入力を制限・監視する用途でDLPを活用するケースも増えています。

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対策(12):クラウド・共有設定の管理

クラウドサービスは利便性が高い一方で、設定項目が多く、設定ミスによる情報漏洩事故が発生しやすいという側面があります。

特に、アクセス権限や共有設定の不備によって、本来は社内限定であるべきデータが「誰でも閲覧可能」な状態になってしまうケースも少なくありません。

そのため、アクセス権限や共有範囲を定期的に見直し、不要な公開設定や過剰な権限付与が行われていないかを継続的に確認することが重要です。

また、クラウドサービスの利用状況を可視化し、設定変更を監査できる体制を整えることも、情報漏洩リスクの低減につながります。

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対策(13):生成AI利用ルールの整備

ChatGPTやGemini、Copilotなどの生成AIは、業務効率化や生産性向上に役立つ一方で、利用方法を誤ると情報漏洩につながるリスクがあります。

特に、生成AIへ顧客情報や社外秘データを入力した場合、意図せずにその情報が外部サービス上へ送信・保存される可能性があるため注意が必要です。

企業・組織において生成AIを利用する場合は、入力してよい情報・禁止する情報を明確化し、利用ルールやガイドラインを整備することが求められます。

また、利用可能なAIツールを限定したり、DLPなどを活用して機密情報の入力を制御したりすることで、情報漏洩リスクの低減につながります。

生成AIの利用ルールを策定・整備する際に役立つサンプル付きの資料もご用意しています。ぜひご活用ください。

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MOTEXが社内向けに作成したAIサービス利用ガイドラインをダウンロードできます。ChatGPTをはじめとする各種AIサービスの業務利用ルール策定の参考にご活用ください。

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対策(14):サプライチェーン全体の防御力向上

自社で十分なセキュリティ対策を講じていても、委託先や取引先のセキュリティが脆弱な場合、そこを起点として情報漏洩が発生する可能性があります。

近年は、セキュリティ対策が比較的弱い関連企業を経由して侵入を試みる「サプライチェーン攻撃」も増加しており、自社単体ではなく、取引先を含めた対策が重要になっています。

そのため、契約時にセキュリティ要件を明確化するだけでなく、定期的な監査や評価を通じて、委託先・取引先を含めたサプライチェーン全体の防御力を高めることが求められます。

このように、技術的対策・運用ルール・従業員教育をバランスよく組み合わせ、継続的に見直していくことが、情報漏洩リスクを現実的にコントロールするうえで重要です。

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情報漏洩が発生した場合の対処法


万が一情報漏洩が発生した場合は、迅速かつ適切な初動対応が被害の拡大を防ぐ鍵となります。

ここでは、企業が取るべき基本的な対処フローを解説します。

  • 対処(1):封じ込め・拡大防止
  • 対処(2):漏洩した情報の内容・影響範囲の把握
  • 対処(3):原因の特定・調査
  • 対処(4):二次被害の防止
  • 対処(5):関係各所への報告・情報公開
  • 対処(6):復旧・再発防止策の実施

詳しく確認していきましょう。

対処(1):封じ込め・拡大防止

情報漏洩が発生した場合、まず最優先で行うべきなのは、被害の拡大を防ぐことです。

不正アクセスやマルウェア感染が疑われる場合は、該当システムの停止やネットワークの分離を行い、被害拡大につながる通信やアクセスを遮断します。

また、対象アカウントの利用停止やパスワード変更、アクセス権限の無効化なども迅速に実施し、さらなる情報流出や二次被害を防止することが重要です。

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対処(2):漏洩した情報の内容・影響範囲の把握

次に、どのような情報が、どの範囲まで漏洩したのかを正確に把握します。

漏洩した情報の種類や件数、対象となる顧客・取引先・従業員の範囲などを整理することで、被害規模や影響範囲を明確化できます。

また、影響の大きい情報や優先的に対応すべき対象を把握することで、その後の報告・公表や二次被害防止策を適切に進めやすくなります。

対処(3):原因の特定・調査

ログ分析や関係者へのヒアリングを通じて、情報漏洩の原因を特定します。

原因が外部攻撃によるものなのか、人的ミスなのか、あるいは内部不正なのかによって、その後の対応方針や再発防止策は大きく異なります。

そのため、アクセスログや操作履歴などをもとに事実関係を丁寧に整理し、原因や侵入経路を正確に把握することが重要です。

対処(4):二次被害の防止

次に、漏洩した情報の悪用や二次被害を防ぐため、迅速に対応を行う必要があります。

例えば、対象者への注意喚起や、不審なメール・電話への警戒案内、必要に応じたパスワード変更の依頼などが挙げられます。

また、クレジットカード情報や金融関連情報が含まれている場合は、クレジットカード会社や金融機関などの関係機関と連携し、不正利用防止に向けた対応を進めることも重要です。

対処(5):関係各所への報告・情報公開

被害内容に応じて、監督官庁や関係機関への報告を行うとともに、顧客や取引先へ適切な説明・公表を行う必要があります。

情報公開は、被害拡大の防止だけでなく、社会的信用の維持・回復という観点からも重要です。

そのため、事実関係や影響範囲、現在の対応状況について、正確かつ誠実に情報を伝えることが求められます。

対処(6):復旧・再発防止策の実施

最後に、停止したシステムや業務の復旧を行うとともに、同様の事故を防ぐための再発防止策を実施します。

事故の原因に応じて、システムの改修やセキュリティ設定の見直し、運用ルールの改善、従業員教育の強化などを行い、再発防止に向けた体制を整備することが重要です。

また、対応内容や課題を振り返り、インシデント対応フローそのものを見直すことも、今後の被害防止につながります。

これらの対応を迅速かつ体系的に実施することで、被害の最小化と信頼回復につなげることが可能です。

情報漏洩対策の強化に「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」


情報漏洩対策では、セキュリティツールの導入だけでなく、「誰が・どのデバイスを・どのように利用しているのか」を継続的に把握し、適切に管理できる体制を整えることが重要です。

特に近年は、テレワークやクラウドサービスの普及により、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、管理すべきデバイスが増加しています。

そのため、デバイス管理・操作ログ管理・持ち出し制御などを一元的に実施できる仕組みが求められています。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」では、業務で使用するPCはもちろん、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスを一元管理することも可能です。

加えて、LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版には、情報漏洩対策に有効な以下の機能が備わっています。

▼情報漏洩対策に有効な機能の一例

  • ポリシーに基づく「利用制限」や「アラート通知」
  • 紛失時に役立つ「リモートロック」「リモートワイプ」や「位置情報」の取得
  • Windowsアップデートやパッチ適用の管理
  • PC 操作ログ、Microsoft 365 監査ログの自動取得
  • ログ取得による利用状況可視化

内部不正対策として重要なPCの操作ログは、最大5年分保存できます。

また、ログ画面からは、アプリ利用やWebサイト閲覧、ファイル操作、Wi-Fi接続などについて、「どのPCで」「誰が」「いつ」「どのような操作をしたか」を簡単に把握することが可能です。

これにより、情報漏洩につながる恐れのある不審な操作を早期に発見し、インシデント発生前の対策につなげることができます。

さらに、万が一デバイスを紛失した場合でも、遠隔で画面ロックやデータ消去を実施できるため、第三者による情報閲覧リスクの低減にも役立ちます。

「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」についてより詳しく知りたい方は、以下のページまたは資料をご確認ください。

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まとめ

本記事では、情報漏洩の原因や実際の被害事例、さらに企業が実施すべき情報漏洩対策について解説しました。

本記事のまとめ

  • 2025年に公表された上場企業の個人情報漏洩・紛失事故は、件数自体は前年より減少したものの、漏洩人数は3,063万6,910人分にのぼり、前年の約2倍に増加した
  • 情報漏洩の原因は、主に「外部攻撃」「人的ミス」「内部不正」の3つに分類される
  • 情報漏洩が依然として多く発生している背景には、「情報管理対象の拡大」「リスクの多様化」「攻撃手法の高度化」などがある
  • 情報漏洩対策では、単一の対策ではなく、複数の施策を組み合わせた「多層防御」の考え方が重要となる

情報漏洩の原因は、「外部攻撃」「人的ミス」「内部不正」など多岐にわたるため、アンチウイルスソフトの導入だけといった単一的な対策では十分とはいえません。

情報漏洩リスクを低減するためには、セキュリティツールの導入といった技術的対策に加え、アクセス権限管理や従業員教育、運用ルール整備など、組織全体で継続的に対策へ取り組むことが重要です。

また、近年はテレワークやクラウド利用の拡大により、PCやスマートフォンなどのエンドポイント管理の重要性も高まっています。

本記事で紹介した「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、PCやモバイルデバイスを一元管理できるだけでなく、操作ログの取得や利用制限、リモートワイプなど、情報漏洩対策に役立つ機能を活用できます。

情報漏洩対策をより強化したいとお考えの企業・組織の方は、ぜひ「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」の活用をご検討ください。

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