Written by Aimee
目 次
キッティングとは
キッティングの重要性
キッティングとセットアップの違い
キッティングの方法
自社でキッティングを行う際のポイント
キッティング作業を効率化するために
「LANSCOPE エンドポイントマネージャークラウド版」ならキッティング作業の負担を軽減
まとめ

MDMツールは機能差が出にくい?
「エンドポイントマネージャー クラウド版」が選ばれる理由
MDM選定のポイントや、 iOS・Android デバイス管理における他社ツールとの機能比較などをまとめました。
キッティングとは、企業が新しいPCやスマートフォンを導入する際に、これらの機器を使用可能な状態にするための準備作業を指します。
キッティングには、PCやスマートフォンの物理的な準備から、必要なソフトウェアのプリインストール、管理台帳への起票などまでが含まれます。
▼キッティングの主な作業内容
- 開梱・通電
- 周辺機器との接続
- OSのインストール・初期設定
- ネットワーク設定
- 必要なソフト・アプリのインストール
- セキュリティソフトのアップデート
- 管理台帳への記帳
またキッティングは、セットアップと混同されることが多いですが、両者は作業範囲に違いがあります。
先述の通り、キッティングは開梱から管理台帳への記帳など作業範囲は多岐にわたりますが、セットアップの作業範囲は、主にOSや必要なアプリのインストールと限定的です。
この記事では、キッティングの重要性、作業時のポイントや効率化する方法について詳しくご紹介します。
▼この記事でわかること
- キッティングとは、業務用のPCやスマートフォンを迅速に使用できる状態にするための一連の作業
- キッティングが重要な理由に「作業効率が上がる」「一貫性を確保できる」「情報資産管理が容易になる」「セキュリティリスクの低減」などがある
- キッティングは、開梱・通電から周辺機器との接続、ネットワーク設定、管理台帳への記帳など作業範囲が広いが、セットアップの作業範囲は主にOSや必要なアプリのインストールと狭い
- キッティングは、「手動」で行う方法と「クローニング」を用いる方法の2つがある
- 自社でキッティングを行う際は、「キッティングの作業内容をマニュアル化」「余裕を持ったスケジュールを作成」「セキュリティ対策の実施」などのポイントを押さえる
- MDM(モバイルデバイス管理)の活用やキッティングサービスを利用することで、キッティング作業を効率化できる
キッティングとは
キッティングとは、業務用のPCやスマートフォンを迅速に使用できる状態にするための一連の作業を指します。
この作業は、新しいデバイスを導入する際や、すでに利用しているデバイスを入れ替える場合、あるいはOSの移行時などに必要となります。
具体的なキッティングの流れは以下の通りです。
- 開梱・通電
- 周辺機器との接続
- OSのインストール・初期設定
- ネットワーク設定
- 必要なソフト・アプリのインストール
- セキュリティソフトのアップデート
- 管理台帳への記帳
特に社員が入社する時期には、数十台から数百台に及ぶデバイスに対してキッティングが必要となり、担当する部門の負担は非常に大きくなります。
そのため、多数のデバイスに対してキッティングを行う場合は、効率化のために後述する「キッティングサービス」や「モバイルデバイス管理(MDM)」を活用することが推奨されます。
これにより作業の手間を減らし、スムーズなデバイス導入を実現できます。
キッティングの重要性
キッティングが重要な理由としては、以下が挙げられます。
- 作業効率が大幅に上がる
- 一貫性を確保できる
- 情報資産管理が容易になる
- セキュリティリスクを低減できる
以下にて、キッティングの重要性についてご紹介します。
作業効率が大幅に上がる
キッティングが施されていないデバイスを使用する場合、従業員が業務に取り掛かるまでに多くの時間を費やすことになります。
というのも、OSのインストールやソフトウェアの設定、ネットワークの構成など、業務を開始するために必要な準備を従業員自身で行わなければならないためです。
一方、あらかじめキッティングされたデバイスであれば、従業員もすぐに業務に取り掛かることができます。
一貫性を確保できる
キッティングを通じて、すべてのデバイスに同一の設定・同一のソフトウェアをインストールすることで、ユーザー間での操作性に違いがなくなります。
サポート担当者が問題に対応する際、すべてのデバイスが同じ環境であるため、トラブルシューティングが容易になり、迅速に問題を解決することができます。
情報資産管理が容易になる
キッティングプロセスを通じて、各デバイスのソフトウェアやハードウェアの構成情報を一元管理することが可能です。
企業の情報資産を正確に把握し、どのデバイスにどのソフトウェアがインストールされているか、どのハードウェアが使用されているかを容易に確認できるようになります。
この一元管理は資産管理の効率化だけでなく、ソフトウェアのライセンス管理やハードウェアの寿命管理にも役立ちます。
セキュリティリスクを低減できる
キッティングによって、企業が定めるセキュリティ基準をすべてのデバイスに一律で適用できる点もメリットです。
従業員それぞれ裁量やリテラシーに依存しないため、企業が取り決めたセキュリティレベルを担保できます。
キッティングとセットアップの違い
キッティングとセットアップは、どちらも新しいデバイスを使用可能な状態にするためのプロセスですが、その作業範囲には明確な違いがあります。
キッティングとは通常、会社や企業向けに大量のデバイスを調達し、それを使いやすい状態にするための一連のプロセスを指します。
- 開梱
- OSや必要なソフトウェアのインストール
- ネットワーク設定
- IT資産管理台帳への記録
など、物理的な準備からアプリ・ソフトウェアのインストール、セキュリティポリシーの適用や周辺機器との接続確認など、デバイスが企業の基準に合致した状態になるまでの、すべての作業が対象となります。
一方セットアップは、主にOSのインストールと初期設定に焦点を当て、デバイスを利用可能な状態にすることを指し、「キッティング作業の中にセットアップが含まれる」とも表現できます。
キッティングの方法
キッティングの方法は、主に手動で行う方法と、クローニングを用いる方法の2つに分けられます。
「キッティングのクローニング」とは、IT機器の大量導入を効率化するため、1台のマスターPCを基に、他の複数のデバイスに同じ環境を複製する作業を指します。
「手動」と「クローニング」それぞれのメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
手動 | ・ユーザーごとのカスタマイズが可能 | ・時間と労力がかかる ・ヒューマンエラーのリスクがある |
クローニング | ・一度に大量のキッティングが可能 ・ハードウェアが故障した際、マスターイメージ(ひな形となるディスクイメージ)で代替機をすぐに準備可能 |
・マスターイメージの作成に時間がかかる(目安として数週間から1カ月ほど) ・柔軟性が低く、個別設定に手間がかかる |
対象デバイスが少ない場合は「手動」での対応も可能ですが、数10~数100台以上のデバイスにキッティングが必要となれば、一度に大量のキッティングが可能なクローニングを用いるべきでしょう。
クローニングによるキッティングは、すべてのデバイスに同一の設定が適用されるため、操作性の統一が図れる上、サポートやトラブルシューティングも容易となります。
クローニングの注意点としては、マスターデバイスを設定する際に詳細設定や確認作業が必要であり、事前準備に時間がかかることが挙げられます。
また、すべてのデバイスが同一設定になるため、個別のカスタマイズが必要な場合には手動でのキッティングが推奨されます。
自社でキッティングを行う際のポイント
自社でキッティングを行う際は、以下のポイントをおさえておくことが重要です。
- キッティングの作業内容をマニュアル化しておく
- 余裕を持ったスケジュールを作成する
- 研修を行う
- セキュリティ対策を徹底する
キッティングの作業内容をマニュアル化しておく
キッティングのステップごとの作業内容をマニュアル化することで、作業の標準化と効率化をはかれます。
マニュアルには、開梱からソフトウェアのインストール、ネットワーク設定、セキュリティ設定までのすべての手順を含めることが重要です。
これにより、新しいスタッフやチームメンバーがスムーズに作業を進められるようになり、作業の一貫性が保たれます。
余裕を持ったスケジュールを作成する
大量のデバイスを扱う場合や複雑な設定が必要な場合、予想よりもキッティング作業に時間がかかることがあります。
ステップごとに必要な時間を見積もり、少なくとも2~3日は余裕をもったスケジュールを作成しましょう。
研修を行う
キッティング作業には、セキュリティに関する専門的な知識が求められます。
設定ミスなどが生じないよう、キッティングを担当するスタッフには適切な研修を行い、作業の標準化と質の向上をはかることが必要です。
研修ではマニュアルの理解、実際の作業手順の確認、トラブルシューティングの方法などを網羅し、ミスやトラブルの減少につなげましょう。
セキュリティ対策を徹底する
マルウェア感染や情報漏洩といったインシデントの発生を防ぐためにも、キッティング作業時に必ずセキュリティ対策を行いましょう。
具体的には
- アンチウイルスソフトをインストールする
- OS・ソフトウェアのアップデートを行う
- Webフィルタリングを導入する
- デバイスの盗難や紛失時に備えてドライブの暗号化設定を行う
などがあります。
これらのセキュリティ対策を徹底し、外部からの攻撃や情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが重要です。
キッティング作業を効率化するために
キッティング作業を効率化するためには、MDM(モバイルデバイス管理)の活用やキッティングサービスの利用が非常に効果的です。
MDMを活用する
MDM(モバイルデバイス管理)とは、企業や組織が持つモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど)を一元的に管理・制御するためのソフトウェアおよび管理手法のことです。
MDMには、キッティング作業の効率化に役立つ、以下のような機能が備わっています。
- デバイスの一括管理
- アプリの一括管理
- デバイス機能の一元的な制御
デバイスの一括管理
MDMを活用すれば、複数のデバイスに対してネットワーク設定(VPN設定、クライアント証明等)や、OSアップデートの適用などを一括で行うことができます。
アプリの一括管理
MDMを活用すれば、利用者へ割り当てたいアプリケーションを、管理者側で一括配信やインストールすることが可能です。
特定のアプリの使用制限や、アプリごとの設定・ポリシー適用なども一括で行えます。
デバイス機能の一元的な制御
MDMでは、デバイスの機能(カメラ、Bluetooth、Wi-Fi、位置情報サービスなど)を、一元的に制御できる機能もあります。
特定の機能を無効化したり、制限をかけることで、デバイスの使用方法を統制しセキュリティを高めるたりすることが可能です。
キッティングサービスを利用する
外部のキッティングサービスを活用することも方法の1つです。自社で専門的な知識のある人員の確保、あるいはリソースが不要になり、本来の業務に専念できるようになります。
特に従業員の一斉入社や大規模なデバイスの入れ替え時においては、外部のキッティングサービスの利用を検討しても良いでしょう。
「LANSCOPE エンドポイントマネージャークラウド版」ならキッティング作業の負担を軽減
MOTEX(エムオーテックス)では、IT資産管理・MDMツール「LANSCOPEエンドポイントマネージャー クラウド版」を提供しております。企業のPC・スマートフォンをLANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版に登録することで、キッティング作業の効率化や情報漏洩対策の実現を支援します。
例えば、LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版に社内のPCを登録することで、キッティングに必要となる、以下の作業を一括で管理することが可能です。
- アプリ・ファイルの一括配信、アプリインストールの制御
- Windows アップデートの管理
- セキュリティ一括設定
(パスワードポリシー、Webフィルタリング、二要素認証の設定) - デバイスごとの位置情報取得
また、スマートフォンにおいては「Apple Business Manager」「Android Enterprise」をそれぞれ連携させることで、デバイスをMDMへ自動登録し、キッティングを効率化することが可能です。
例えば、「Apple Business Manager」をLANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版と連携すれば、iPhone・iPad の初期設定をスキップし、アプリの一括配信やデバイスの利用制御の適用など、スマホの利用開始までを効率的に実施できます。
さらに、LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版 の「操作ログの取得」機能では、管理画面から、PCにおけるアプリ利用、Webサイトの閲覧、ファイル操作、Wi-Fi接続といった従業員の操作について、「いつ」「誰が」「どのPCで」「なんの操作をしたか」などを一目で把握できます。
情報漏洩に繋がりそうな従業員の不正操作を早期に発見し、インシデントを防止することが可能です。
機能の詳細は、以下の製品ページからご覧ください。
まとめ
本記事では「キッティング」をテーマに、その概要や安全を考慮した対策などについて解説しました。
本記事のまとめ
- キッティングとは、業務用のPCやスマートフォンを迅速に使用できる状態にするための一連の作業
- キッティングが重要な理由に「作業効率が上がる」「一貫性を確保できる」「情報資産管理が容易になる」「セキュリティリスクの低減」などがある
- キッティングは、開梱・通電から周辺機器との接続、ネットワーク設定、管理台帳への記帳など作業範囲が広いが、セットアップの作業範囲は主にOSや必要なアプリのインストールと狭い
- キッティングは、「手動」で行う方法と「クローニング」を用いる方法の2つがある
- 自社でキッティングを行う際は、「キッティングの作業内容をマニュアル化」「余裕を持ったスケジュールを作成」「セキュリティ対策の実施」などのポイントを押さえる
- MDM(モバイルデバイス管理)の活用やキッティングサービスを利用することで、キッティング作業を効率化できる
キッティングは、企業のデバイス管理において不可欠なプロセスであり、作業効率の向上、一貫性の確保、情報資産管理の簡素化、セキュリティリスクの低減に大きく貢献します。
キッティングが必要なデバイスが多い場合、担当部門の負担が大きくなるため、MDMやキッティングサービスを上手に活用しましょう。

MDMツールは機能差が出にくい?
「エンドポイントマネージャー クラウド版」が選ばれる理由
MDM選定のポイントや、 iOS・Android デバイス管理における他社ツールとの機能比較などをまとめました。
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