Written by WizLANSCOPE編集部
目 次
SWG(Secure Web Gateway)とは、ユーザーとインターネットの間に介在し、通信内容を監視・制御することで、安全なインターネットアクセスを実現するセキュリティソリューションです。
近年、クラウドサービスの利用が拡大し、自宅やカフェなどの社外環境から業務を行う働き方が一般化しています。
その結果、社内と社外のネットワーク境界は曖昧になり、従来の「境界型防御」だけでは、巧妙化・高度化するサイバー攻撃から情報資産を十分に守ることが難しくなっています。
こうした背景から、新たなセキュリティ対策として「SWG」が注目を集めています。
この記事では、SWGの主な機能やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
▼本記事でわかること
- SWGの概要
- SWGの機能
- SWGのメリット・デメリット
- SWGの選定ポイント
「SWG製品の比較検討を行うための基礎知識を得たい」という方はぜひご一読ください。
SWGとは

SWG(Secure Web Gateway)とは、従業員が社内ネットワークや自宅など、さまざまな場所からインターネットへアクセスする際に経由する、セキュリティ機能を提供するプロキシ等の仕組みのことです。
プロキシとは、PCやスマートフォンなどのデバイスに代わってインターネットへ接続する仕組みのことを指します。
SWGは、ユーザーとインターネットの間に位置し、通信内容を監視・制御することで、マルウェア感染や不正サイトへのアクセスといった脅威からユーザーを保護するとともに、社内からの情報漏洩を防ぐ役割を担います。
SWGは、すべてのWebトラフィックを一度集約し、あらかじめ設定されたセキュリティポリシーに基づいて検査を行います。
例えば、危険性の高いWebサイトへのアクセスをブロックしたり、ダウンロードされるファイルにマルウェアが含まれていないかをチェックしたりすることが可能です。
この仕組みにより、ユーザーが社内外のどこからインターネットにアクセスしても、一貫したセキュリティの確保が可能になります。
SWGの必要性
SWGの必要性が急速に高まっている背景として、企業のIT環境や働き方の変化が挙げられます。
詳しく確認していきましょう。
テレワークの普及と働き方の多様化
テレワークの普及により、従業員が社内ネットワークを介さずに、自宅や外出先から直接インターネット上のクラウドサービスを利用する機会が増えました。
このような環境では、従来の境界型セキュリティでは従業員のデバイスをさまざまなサイバー脅威から保護することは困難です。
そのため、従業員がどこにいても安全なWebアクセスを実現できるSWGが求められるようになりました。
クラウドサービス利用
業務で利用するアプリケーションを、社内サーバーからSaaSをはじめとするクラウドサービスへ移行する企業が増加しています。
クラウドサービスはインターネット上で提供されるため、利用が拡大するほど、企業ネットワークに占めるインターネット通信の割合は高まります。
従来通り、すべての通信をデータセンター経由とした場合、通信遅延や帯域逼迫による品質低下が課題となりやすく、これを回避するために、特定のクラウドサービスの通信をデータセンター経由ではなく、直接外部インターネットへ接続する「ローカルブレイクアウト」を採用する企業が増えています。
しかし、ローカルブレイクアウトでは、ファイアウォールを経由しない通信が増えるため、外部ネットワークへの直接接続に伴うセキュリティリスクの増加が懸念されます。
そこで有効となるのがSWGです。
SWGは、外部ネットワークへのアクセスをすべて中継し、その通信内容を検査・制御できるため、マルウェア感染といったセキュリティリスクを低減することが可能です。
高度化・巧妙化するサイバー攻撃
フィッシング詐欺やマルウェア感染など、Webサイトを悪用したサイバー攻撃は、年々高度化・巧妙化しています。
攻撃者は、正規のWebサイトを改ざんしたり、本物そっくりの偽サイトを作成したりして、ユーザーを巧みに欺こうとします。
SWGは、最新の脅威情報をリアルタイムで反映し、危険性の高いWebサイトへのアクセスを未然に遮断することで、こうした脅威から企業を効果的に保護します。
SWGの主な機能

SWGには、主に以下の機能が搭載されています。
- URLフィルタリング機能
- アンチウイルス機能
- サンドボックス機能
- IPアドレスの匿名化機能
- アプリケーション制御機能
- データ漏洩防止(DLP)機能
製品によって機能は異なりますが、ここでは代表的なものを紹介します。
URLフィルタリング機能
URLフィルタリングは、SWGの最も基本的な機能の一つです。
業務に関係のないサイトや、フィッシングサイト、マルウェア配布サイトなど、危険性や不適切性が高いWebサイトへのアクセスをカテゴリ単位で制御・ブロックすることができます。
また、カテゴリによる一括制御だけでなく、特定のURLを個別に許可・拒否することも可能です。
アンチウイルス機能
SWGには、最新の脅威情報を基に、マルウェアなどの脅威をリアルタイムで検知・駆除する機能も搭載されています。
アンチウイルス機能では、シグネチャファイルを用いて既知のマルウェアを識別し、ダウンロードや実行を未然にブロックします。
サンドボックス機能
SWGには、サンドボックスの機能が搭載されているケースもあります。
サンドボックスとは、コンピューター内部に隔離して用意された仮想環境のことです。
通常の環境から隔離された環境でプログラムの実行・検証を行えるため、万が一悪意のあるプログラムであっても、ほかのシステムに影響を与えることなく、安全に挙動を確認することができます。
この仕組みにより、マルウェアなどの脅威をネットワークへ侵入する前に検知し、被害の拡大を未然に防ぐことが可能になります。
IPアドレスの匿名化機能
外部のWebサービスに対して、クライアントのIPアドレスを隠す機能が搭載されているSWGもあります。
SWGがクライアントに代わってWebサーバーにアクセスするため、外部からはSWGのIPアドレスのみが送信元として認識されます。
これにより、デバイスや社内ネットワークのIPアドレスが公開されることがなくなるため、サイバー攻撃者によって追跡されるリスクを低減できます。
アプリケーション制御機能
SWGの中には、どのようなクラウドサービスやアプリケーションが利用されているかを可視化し、あらかじめ定めたポリシーに基づいて利用を制御する機能が搭載されているケースもあります。
例えば、「ファイル共有サービスへの個人アカウントでのログインを禁止する」「特定の部門以外はSNSの書き込みを禁止する」といった、きめ細やかな制御が可能です。
また、近年問題視されることの多いシャドーITやシャドーAIなど、内部不正や情報漏洩につながりかねない行動の防止にも役立ちます。
データ漏洩防止(DLP)機能
DLP(Data Loss Prevention)とは、機密情報や個人情報などの重要なデータが、意図せずに外部に送信されることを防止するための機能です。
SWGには、あらかじめ設定したルールに合致するデータが通信内容に含まれている場合、その通信をブロックしたり、管理者にアラートを通知したりするDLP機能を搭載した製品もあります。
例えば、マイナンバー情報やクレジットカード番号といった特定のパターンを検知することで、メールの誤送信や意図しないWebサイトへのアップロードによる情報漏洩を未然に防ぐことが可能です。
SWGとCASBの違い
CASB(Cloud Access Security Broker)とは、2012年にガートナー社によって提唱されたクラウドサービス利用におけるセキュリティ概念、およびその概念に基づいたセキュリティソリューションのことです。
CASBは、企業とクラウドサービスプロバイダーの間に位置し、いわば「関所」のような役割を担います。
ユーザーがクラウドサービスを利用する際の通信や操作を可視化し、導入形態に応じて通信を経由またはAPI連携することで、セキュリティ制御を行います。
企業はCASBを通じてクラウドサービスの利用状況を監視し、あらかじめ設定したセキュリティポリシーに基づいてアクセス制御や通信制限を実施できます。
このように、CASBはクラウドサービスへのアクセス管理に特化しているのに対し、SWGは、Webサイトを含む外部ネットワーク全般へのアクセスを対象としている点で異なります。
SWGでもポリシーに基づいたクラウドサービスの利用制御は可能ですが、アプリケーション単位や操作レベル単位での制御といった点では、CASBの方がより細かな制御を行うことが可能です。
SWGを導入するメリット
SWGを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- セキュリティレベルの均一化
- 管理者の負担軽減
- 内部不正による情報漏洩リスクの低減
企業がSWGを導入することで、セキュリティレベルの向上が図れるだけでなく、運用面のコスト削減も図ることが可能です。
詳しく確認していきましょう。
セキュリティレベルの均一化
クラウド型のSWGを導入することで、オフィスや自宅、外出先など、どこからインターネットにアクセスしても、社内と同じレベルのセキュリティポリシーを適用することが可能になります。
これにより、テレワーク環境やモバイルワークにおけるセキュリティのばらつきをなくし、組織全体で一貫したセキュリティレベルを維持できます。
管理者の負担軽減
従来、プロキシサーバーやURLフィルターなどのセキュリティ機器は、拠点ごとに設置・管理する必要があり、管理負担が大きいという課題がありました。
しかし、クラウド型のSWGを導入することで、管理者は単一のコンソールから全社のWebアクセスポリシーを管理・運用できるようになります。
これにより、機器の保守やアップデート、ポリシー更新にかかる手間が大幅に削減され、管理者の業務負担軽減が期待できます。
内部不正による情報漏洩リスクの低減
SWGは、外部からのサイバー攻撃への対策だけでなく、内部からの情報漏洩防止にも有効に働きます。
例えば、アプリケーション制御機能を活用することで、許可されていないクラウドストレージへのファイルアップロードを制限したり、Webメールを通じた重要データの送信をブロックしたりすることが可能です。
また、ユーザーの操作ログを記録・可視化できるため、内部不正の抑止や事後の調査にも活用可能です。
SWG導入のデメリットと注意点
SWGの導入にあたっては、事前に認識しておくべき注意点も存在します。
通信速度に影響が出る可能性がある
SWGを活用すると、すべてのWebトラフィックがSWGを経由し、さらに詳細な検査を受けるため、通信の遅延が発生する可能性があります。
特に、SSL/TLS通信を復号して検査する場合や、サンドボックス機能を利用する場合は、パフォーマンスへの影響が大きくなる懸念があります。
快適な利用環境を維持するためには、十分な処理能力を持つ製品やサービスを選定する必要があります。
導入・運用コストが発生する
SWGの導入にあたっては、ライセンス費用や運用を委託する場合のサービス費用などのコストが発生します。
さらに、オンプレミス型の場合はハードウェアの購入費用も必要です。
自社のセキュリティ要件と予算のバランスを考慮し、必要な機能を備えた、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶ必要があります。
適切なポリシー設定をする必要がある
SWGは非常に多機能なセキュリティソリューションですが、その効果を最大限に発揮するためには、自社のセキュリティポリシーに即した適切な設定が欠かせません。
設定が厳しすぎる場合は業務効率の低下を招く恐れがあり、逆に緩すぎる設定ではセキュリティホールが生まれる恐れがあります。
そのため、導入時はもちろん、運用開始後も定期的にポリシーの見直しを行い、継続的に最適化していくことが重要です。
SWGの選び方と比較ポイント
最後に、自社に最適なSWGを選定するための比較ポイントを3つ紹介します。
- 提供形態
- セキュリティ機能
- サポート体制
導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
提供形態
SWGには、クラウドサービスとして提供される「クラウド型」と、自社内に物理的な機器を設置して利用する「オンプレミス型」があります。
テレワークを導入していたり拠点が複数あったりする場合は、導入が容易で、場所を問わずに同一のセキュリティポリシーを適用できるクラウド型が適しています。
一方で、既存のオンプレミスシステムとの連携が必要な場合や、通信経路やログ管理などにおいて厳密な制御が求められる場合は、オンプレミス型の導入が推奨されます。
セキュリティ機能
SWGと一口にいっても、製品ごとに搭載されている機能はさまざまです。
URLフィルタリングやマルウェア対策といった基本的な機能に加え、アプリケーション制御、サンドボックス、DLPなど、自社が必要とするセキュリティレベルに応じて、必要な機能が網羅されているかを確認することが重要です。
サポート体制
セキュリティ製品は、導入して終わりというものではありません。
新たな脅威への対応や、万が一インシデントが発生した際に、ベンダーから迅速かつ的確なサポートを受けられるかどうかは非常に重要な検討ポイントです。
SWGを安定的かつ継続的に運用するには、日本語でのサポート可否や対応時間、技術支援のレベルなどを事前に確認し、安心して運用を任せられるベンダーを選定することが求められます。
SWGと併用したい「Auroraシリーズ」

SWGは、インターネットを経由したマルウェアの侵入をブロックできる一方で、万が一侵入してしまったマルウェアには対応できないという課題があります。
そこで、侵入後のマルウェアの検知・対応を担うセキュリティソリューションである「EDR」と併用することが推奨されます。
本記事では、「EDR」を含めたエンドポイントセキュリティの強化に最適な「Auroraシリーズ」について紹介します。
▼「Auroraシリーズ」の製品・サービス
- アンチウイルス「Aurora Protect」
- EDR「Aurora Focus」
- EDRを用いた運用監視サービス「Aurora Managed Endpoint Defense」
「Aurora Protect」は、AI(人工知能)を使った、次世代型アンチウイルス製品(NGAV)です。
AIの機械学習によってマルウェアの特徴を自動で分析し、その結果をもとに、未知・亜種を問わず最新のマルウェアやランサムウェアを、実行前に検知・隔離することが可能です。
シグネチャの更新も不要なため、運用コストが軽減できることに加えて、CPU負荷も平均0.3%と低く、快適なパフォーマンスを維持できます。
AIアンチウイルス統合型EDR「Aurora Focus」

「Aurora Focus」は、AIアンチウイルス「Aurora Protect」とあわせて導入可能なEDRサービスです。
アンチウイルス「Aurora Protect」と、EDR「Aurora Focus」を併用することで、エンドポイントの「多層防御」を実現し、より強固なセキュリティ体制を構築できます。
さらに、アンチウイルスとEDR機能を同時に導入できるため、エンドポイントを侵入前後でより強固に対策することができます。
また、「Aurora Focus」は、前述の通り、SWGがカバーできない「マルウェア侵入後」の領域の防御が可能です。
例えば、ローカルUSBやメールを経由した脅威なども検知し、ブロックします。
「Aurora Focus」は、「Aurora Protect」のオプション機能として提供するため、リーズナブルで導入しやすい価格帯である点も魅力です。

「万が一に備えてEDRは導入したいけれど、管理工数を割きたくない」「なるべく低価格なEDRを導入したい」とお考えの方は、「Aurora Focus」をぜひご検討ください。
専門家が24時間365日監視するMDR「Aurora Managed Endpoint Defense」

EDRは堅牢なエンドポイントセキュリティを築く上で欠かせませんが、監視やアラート発生時の対応など、リソース面でも技術面でも「組織内での運用が難しい」という課題を抱える企業は少なくありません。
高度なエンドポイントセキュリティ製品を導入しても、適切に運用できなければ意味がありません。
そこで、「Auroraシリーズ」では、EDR運用に課題をお持ちの企業・組織の方に向けて、EDR製品をセキュリティのプロが代理で運用するMDRサービス「Aurora Managed Endpoint Defense」を提供しています。
専門家が、24時間365日代理監視を行うため、担当者のリソースを割くことなく、迅速に侵入したマルウェアを検知し、エンドポイントを保護することが可能です。
「Auroraシリーズ」は、3製品セットでの提供はもちろん、アンチウイルスのみ、アンチウイルス+EDRのみ提供するなど、柔軟な活用が可能です。
エンドポイントセキュリティを強化したい企業・組織の方は、ぜひ「Auroraシリーズ」の導入をご検討ください。

3分で分かる!
Aurora Managed Endpoint Defense
世界トップレベルの専門家が24時間365日監視するMDRサービスについて、製品概要や一般的な製品との比較などをわかりやすく解説します。
まとめ
本記事では「SWG」をテーマに、必要性や機能、選び方のポイントなどを解説しました。
▼本記事のまとめ
- SWGとは、社内ネットワークや自宅などからインターネットへアクセスする際に経由する、セキュリティ機能を提供するプロキシのこと
- SWGの主な機能としては、「URLフィルタリング」「アンチウイルス」「サンドボックス」「IPアドレスの匿名化」「アプリケーション制御」「データ漏洩防止(DLP)」などが挙げられる
- SWGを導入することで、「セキュリティレベルの均一化」「管理者の負担軽減」「内部不正による情報漏洩リスクの低減」といったメリットが期待できる
- 自社に最適なSWGを選ぶためには、「提供形態」「セキュリティ機能」「サポート体制」などを比較検討するとよい
SWGを導入することで、社内外を問わずにどこからインターネットにアクセスしても、一貫したセキュリティを確保することが可能になります。
一方で、近年の高度化するサイバー攻撃に対抗するためには、SWG単体に頼るだけでなく、複数のセキュリティソリューションを組み合わせた多層的な防御が欠かせません。
ぜひ本記事で紹介した「Auroraシリーズ」を併用し、マルウェア侵入の前後を含めたセキュリティ強化を図ってください。

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Aurora Managed Endpoint Defense
世界トップレベルの専門家が24時間365日監視するMDRサービスについて、製品概要や一般的な製品との比較などをわかりやすく解説します。
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