LanScope Anの導入で、
一人情シスでも「攻めのIT」に取り組める時間を確保
大和財託株式会社
森本 優 氏
基本情報 |
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東京・大阪を拠点に、資産運用プラットフォーム事業を展開している大和財託株式会社(以下、大和財託)。同社で「一人情シス」としてさまざまなシステムの企画、構築、管理に携わっている森本優氏は、「一人情シスで時間がない? だったら自動化すれば良いじゃない」と題するセッションにおいて、モバイルデバイス管理ツール(MDM)「LanScope An」とオーケストレーションツール「Syncpit」の導入によって、「一人情シスをやっていて悩むこと、やることがたくさんある中で、どのように時間を作ったか」を紹介した。
資産運用の支援を行っている大和財託は、小規模ながらPC、タブレット端末、そしてスマートフォンを活用して業務効率の向上に努めてきた。ただ、デバイス管理とセキュリティ確保を目的に導入していた他の資産管理ツールとMDM製品は、「とにかく、非常に使いにくかった。高機能だが、セキュリティ先行でさまざまな機能をガチガチに縛った結果、スマートフォンなのにスマートフォンとして使えないほどだった」(森本氏)
当然、従業員からの不満は募る。もっと使いやすい代替策を求めてさまざまな展示会に足を運んでいた森本氏が見つけたのが、LanScope Anだった。セキュリティや管理面で必要十分な機能を備えていた上、「管理画面がシンプルでわかりやすかった。何より、現地のデモで、管理下のスマートフォンがスマートフォンとして使えることを見せてもらえたため、導入を即決した」と同氏は振り返った。
セキュリティを確保しながらスマホをスマホとして使えるようになり満足度も向上
LanScope Anの導入でもたらされたメリットは複数ある。中でも、一人情シスである森本氏にとって一番大きい効果は、以前は6時間かかっていたスマートフォン配布時のキッティング時間をわずか10分に短縮できたことだ。大和財託では入社時期によってデバイスの種類もOSも様々だったが、LanScope AnではQRコードを読み込むだけで、機種依存することなくさっとデバイスを管理下に入れられる。「これで非常に楽になった」(森本氏)ユーザー側も、「以前はスマートフォンでちょっと何かをしようとするたびに警告が出て、電話とメールくらいしかできない状態だったのが、LanScope An導入後は普通のスマートフォンとして使えるようになった。より活用できるようになり、満足度も向上した」と同氏は述べた。
さらに、LanScope Anの「レシピ機能」を活用し、新規アプリがインストールされた際のヒアリングを自動化したり、「レポート機能」を活用して各端末の利用状況を可視化し、使用頻度が少ない従業員は電話契約プランを見直してコストを削減したりと、思わぬ効果も得られたそうだ。
「今年の研修旅行で全社員で沖縄に行った際、ある社員が『スマートフォンが見当たらない』と騒ぎになった。早速LanScope Anで位置情報を確認したところ、西表島と石垣島の間の海を行ったり来たりしているので、船に忘れたのではないかと連絡したところ、早速見つかった」(森本氏)。その間に不正操作が行われていないこともログから確認できたため、深刻なインシデントではないただの紛失として処理できたという。
Syncpitも組み合わせ、さまざまなチャットボットの活用も視野に
大和財託では、さらなる業務の効率化を進めるためにSyncpitも導入した。「製品のコンセプトやスタイルに可能性を感じたから」というのがその理由だ。
「今、Microsoft Teamsを使っているが、その軸にSyncpitを活用することで、従業員がチャットしている相手が私なのか、ボットなのか、それともサービスなのかを意識しなくてもいい世界が作れるのではないか」と森本氏は述べる。まずは端末紛失時の位置情報確認や対処といった処理を自動化するところから始めているが、Webベースで使い勝手のいいSyncpitにLanScope Anを組み合わせ、自動化機能を拡充し、さまざまな業務を支援するチャットボット的に活用できるのではないかと期待しているそうだ。
これは、決して夢物語ではないと感じているという。「うちの場合は、皆、意外なほどすっとビジネスチャットに馴染んだ。これを見ていると、おそらく他の会社でもチャットボットを活用できると思うし、Syncpitならばそうしたときにそのまま拡張していける」と森本氏は述べる。MOTEXの対応にも満足しており、引き続き、複雑なことはバックエンドで済ませ、ユーザーがシステムを使っていることを意識させないような仕組み作りに期待しているとした。
しっかりセキュリティを担保しつつ、従業員からは使いやすくなったと感謝され、コスト削減まで実現し、さらにチャットボットを活用した新しい世界に取り組む大和財託。「一番大きいのは、キッティングなどの時間が浮いたことによって、これでようやく攻めのITに取り組めることだ。おもてなしができるようなRPAをはじめ、いろいろと新しいものを検討する自分の時間を持てた。これが一番大きく、助かっている」と、引き続き新たなチャレンジに取り組む姿勢を強調した。